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女性渋茶さん

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友達ごっこの手痛い応酬

2006年刊。
ガッシュ文庫の電子書籍版は基本挿絵付きだが、古い刊行年のものは作者あとがきとレーターさんの巻末イラストは省略されているようだ。

今回の受けはヤクザの世界に否応なしに巻き込まれるのではなく、心配だからと言って勝手に足を突っ込むようなタイプだった。
う~ん、確かに読みようによっては純愛とも辛抱強さの勝利!!とも言えるのかも知れないが駄目だった。
どうも自分は、受けを陵辱するヤクザでもいざとなれば命賭けて守るぜ!!ってところに攻めの包容力を推し計る節があるようだ。
あと、お節介を押し付けて良かれと暴走するタイプが苦手で、今回の受け・和彦がまさにそんなキャラだった。

和彦が偶然再会した赤澤に対して、ヤクザ者だと分かっているうえで声をかけるとは強心臓もいいところだ。
高校時代の赤澤の敢えて周りに壁を作っているような雰囲気を久々に思い出す初恋の疼きとか、他の物語だったら萌え要素だったのだけどな。

和彦の粘りもあってか、友達から始まった赤澤との付き合いだが、個人的にはどうもこの『友達としての付き合い』ってのに引っ掛かった。
和彦にはエッチしたい下心もあって過去にあっさりフラれたのに、再会後も好きだと意識している。
それなのに都合が悪くなると、『友達だから』という言い訳を出すのに釈然としないものを感じた。

和彦のでしゃばりは結果として赤澤の為になったのだろう。
その結果、相当手痛い応酬に遭ってしまう訳だが…
まぁこのシーンは毎度の攻めDV・読むのに要覚悟!!なのだが、赤澤がヤクザ界で非情な後始末をしてきた割りには、和彦への報復に関してはすんでのところで焼きが回ったものだな…なんて感じてしまった。
この時点の赤澤の"気持ちのブレ"で、何となく二人の行き着く末ってのもうっすらと見当がついたかな。

個人的には今回は、ヘビーなはずなのに何だか生ぬるいものを感じてしまった。
赤澤と同じような終盤の身の振り方のヤクザ攻めだったら、水原さん作品の後の刊行作でも何冊かあるし、そちらのほうが穏やかに読めると思う。

由哉は役者には向いていない気がする

2010年刊、『壁際のキス』のスピンオフとなる。
登場人物は複数被るもののカップル誕生の経緯が違っているので、この一冊だけでも読むのは可能だ。
前作と同じく勢いのある劇団『早月』や芸能界を舞台にした役者ものを書きたかったのだろうが、こちらは設定に無理があったのではないだろうか。

役者としての佑哉(=由哉、この話の主人公)は年齢不詳でどこか浮世離れした雰囲気を売りとしているらしいが、前作の登場人物で劇団の看板俳優・羽島と同い年の21歳というのも信じられない程幼くて儚そうだ。
不可抗力で風邪をひいて寝込んだり、対人関係のストレスでたちまち食欲を失くすって、そもそも自身で体調管理出来ないのに役者は務まらないのではないだろうか。

由哉が役者になった経緯も、幼い頃から既に『早月』に所属していて活躍していた弟・佑哉が交通事故で亡くなり、その事実を受け止めきれなかった母親が精神的ショックで佑哉しか認識できなくなった末に由哉の存在を拒絶するようになった、というから痛ましい限りだ。
また由哉自身はどうも角が立つのを恐れて全部一人で抱え込む性格なのだが、そこを付き人・里村につけ込まれていく様子にはどうなる事かと思ってしまった。
里村の行動の酷さは、警察に突き出すか名誉棄損で訴えてもいいレベルだ。

そんな中でも、劇団仲間の羽島や市原の面倒見の良さには救われた。
特に羽島は由哉に今後どうするんだ?と肝心な事を切り込んでいってくれてスッキリした。
攻めとして影の薄い柘植を含め、何人か由哉の理解者は居るのだが…

始終由哉にモヤッとした為に、肝心の柘植との進展に関心が向かなかったというのも痛い。

ニッチさに乗り切れず

2009年刊。
神香さんの過去作から掘り出しものを探してみようと試みたものの、この話は趣味に合わなかった。
この手のトンデモエロって自分にとっては好みの予感♡って期待したのだけどね。

子供の頃に隣国の王子・カイザーから告白されたのを大人になって真に受ける訳にはいかない、しかも男同志だぞ、って再求婚を断った当のルカ王子に"おぼこい"って印象を越えるものがなかった。
その後カイザーに夜這いを仕掛けられたおかげで、未遂ながらも初めてのエッチの記憶に悶々とするにしても、王子さま受けなら"一見ツンとした気品があるのにエッチに弱い"というギャップが欲しかった。

で、その後はカイザーが突然原因不明の病で倒れたと隣国から助けを求められ、『最愛の人からの乳』を飲ませるしか治癒する術がない!!と言われて、おっぱいだの乳だのとタイトル通りの流れになっていく訳なのだけど…

乳首を存分に弄るに留まらず、乳を出すこだわりに乳腺マッサージ(*と称してホントは前〇腺マッサージだったが)まで出てくるとなると笑えない。
いくら男にも乳腺があるからといっても、乳を噴き出すってのは未だにニッチの域だと思う。

それにしても、ルカ王子って素直で可愛いってよりもおバカなんじゃないかい?
何だかんだとそんなルカを周りも丸め込んじゃっているよね。
いやー、自分はおバカな受けが周りに丸め込まれて騙されるって展開が駄目なのよ。
これからも乳が出るように頑張っていそうでちょっと嫌だな、もーいいよ…

みんな有り得ないユルさ

自分が購入したのは2020年のR18・電子版のもの。(そっちにレビューを書こうとしたらこちらのほうに誘導された)
元の紙コミックは2015年刊、更に雑誌掲載時期は2013年~2014年となっているが、それ以前の昔の漫画だと言われても信じてしまえるほど今時にそぐわない。
取り立て屋のお兄さんが夜遅く未成年を追いかけてくる、管理人がネコアレルギーなのになし崩しに野良猫を飼う許可を得た、制服を着たままホストクラブに入れた、剥き出しの札束が無造作に新聞紙にくるまれて玄関に放置されていた…と有り得ない点が幾つも目に付く。

主人公の夏目も初体験が複数とはヘビーなんだか元から好きモノなのか…
ビッチ受けはまぁまぁ好きで時々読みたくなってくるが、この子がもうちょっと賢ければなぁ…
…って嘆くポイントそこじゃないのだが。
シェアハウスの住人達との身体の関係で家賃をカバーしているつもりだけど、そもそもの管理人は恩田なのだけどね。
高校生らしく掃除や食事の準備できちんと手伝えばいいのに、な~んて思ってしまった。

しかし良かった点もあって、攻めキャラ三人は手は早いが根は悪い奴らじゃない。
いきなり転がり込んできた夏目の世話をこまめに焼いているし、夏目とエッチする際に個々の個性が垣間見える気がする。
『お前が望むなら何でも買ってやるし借金も肩代わりしてもいい』と言うジウ。
『自分の為に誰にでも足開くようなユルい子大好き』と言い切る如月。
住人全員を見たうえで身体の関係も割り切っているものの、深入りしていない奥寺。
でも夏目にとっての本命・恩田だが、実は過去に夏芽父とも付き合っていたという過去は残念だったね。
恩田は夏目の手前もあって彼の父親の事を『お人好しな人だった』と評しているが、あの回想では無神経なロクデナシにしか読めなかったぞ。

結局、恩田こそが一番のお人好しだった訳で、メインの二人はなし崩し的にまとまった感は否めない。
全体的に憎めない雰囲気はあるのだが、見事にみんな有り得ないユルさだったな。

血の繋がらない叔父と甥ってくっつくのにうってつけの定番だというのに…

2016年刊。

(-_-)…
ここまで話にもキャラにも喰いつく事ができなかった、集中して読めなかったのは久々だった。
ほとんどがお隣さん姉弟との近所付き合いの延長の中で、朔海への過保護ぶりを見せつけられるだらだらした展開に苛ついてしまった。

大学生になった朔海に絡んでくるチャラ男くんも当て馬として中途半端どころか、何の為に登場したのか意味不明で滑っているし、幼なじみの正晴も朔海の番犬役としか役割を与えられていない様子には不憫でならない。

そもそも血の繋がらない叔父と甥って、くっつくのにうってつけの定番だというのにね。
家族から恋愛対象として意識を変えるなら性的な面も避けて通れないところをどう見せてくれるかってのが肝なのに、具体的なすれ違いも山場となる出来事もないってのは退屈でならなかった。
それどころか、和隆が書いているエッチ系小説のヒロインは実は朔海をモデルにしているんだよねって顛末にはドン引きしてしまった。

相当沸点が低い恋心のままでくっついたのが不思議な位だ。
何よりも、和隆と朔海のお互いの魅力を認識できず読み終わってしまって不本意な気持ちが燻ったままだ。

自身をガニュメデスに例えるのはいかがなものかと…

2011年刊。
大体好みの3Pカップルってのは自分なりに見当が付いていて趣味に合わない予感はあったのだが、水原さんの小説はなるべく読破しようと決めたので。

大企業の跡取りとして仕事を任されている克彦と、大学院内で助教授候補として頭角を現してきている英章に対して、明らかに釣り合わない事でおどおどした印象の一実。
どうやら一実は"庇護欲を掻き立てる受け"らしいのだが、グズグズと痛々しい姿が悪目立ちして、読んでいて気が滅入ってしまった。
十年以上も二人に抱かれている位だから一実自身も淫らな身体だと自覚しているらしいのだが、ベッドシーンでは常に罪悪感を感じる様子で気持ち良さそうじゃないし。

一実は自身の事を天界に連れ去られ、従順にしか生きていけなかったガニュメデスに例えているが、そういった方向に考えているって悲劇のヒロインみたいで嫌だ。
本音は二人に縛られて檻の中に留まっていたいんだろう?、ってままなら単にずるい男止まりだが、彼なりに身を引く覚悟があった心境は肯定したかったよ。
こいつら、もういっその事くっつかんでもええわ…って感じた位なのに、三つ巴カップル誕生すか…

「どちらか選べないなら両方を選べよ」って決め文句は、話によっては恰好良く決まる時と逆に萎えてしまう時と分かれるが、残念ながら今回は後者だな。
一旦関係を解消して、一実がガニュメデスの心境から脱して(成長して)からの再構築って手もあっただろうに、どーしてこーなるのさ!?