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女性渋茶さん

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あらやだオフィスラブじゃないの!?

2016年、電子専用レーベルで発売された小説(中編位の長さ)で挿絵なしのオフィスラブもの。

大手流通総合商社・次期社長予定の専務・鷹城と、入社二年目の秘書・玲一の関係は本来甘々な部類にも入りそうな感じなのだが、話としてはエロ推しで見せているっぽい。
タイトルからして相当に盛り過ぎ。
その為、鷹城の完璧なルックスに人格者で周囲の信頼も厚いキャラ像と、玲一の健気な頑張り屋な一面が霞んでしまった点が惜しい。
冒頭からして玲一がハードに責め立てられていて大いに煽られるシーンなのだが、実は職場内でエロい目に遭っているわけじゃないと知ると妙に安心…(いや、落ち着いてどーする)

読者には玲一が溺愛する同棲相手ってのがすぐにピンとくるというのに、結局話のオチは『鷹城の壮大な勘違い』となる辺りに憎めない緩さがある。
エロエロどころか、一歩間違えばコントに転びかねないぞ。

でもまぁ鷹城ってば相当玲一に惚れているのねってのは丸分かりだ。
玲一のほうも、だけどね。
入れ込み過ぎも程々に。

謎の多いワル二人

2008年刊。
電子書籍で一応挿絵付きとはなっていたけれど、旧式?XMDFの形式で起こされていてサムネイル並みに小さく、引き伸ばせずに挿絵が楽しめなかった。

さて、水原さんの初期作品にはもれなく攻めDVってのにぶち当たる訳だが、今回は初っぱなからブッチ切りの痛さだ。
ヤバイ現場を目撃してしまった千紘をさらって丸裸+首輪+両乳首ピアスでペット扱いする非道さに、どこから愛が芽生えるんだ!?となったが心配無用だった。

美形だが極悪人で凶暴な三橋と対等に渡り合えて動じない、傭兵あがりで腕の立つ鷹村。
彼が千紘に声を掛けた「諦めるな」の一言は、精神的に参っていた千紘に変化を及ぼしたばかりでなく、読む側も引っ張られていったのだった。
鷹村が三橋と手を組んだ真の目的があるとなると、何故だか彼の計画の成就を応援したくなってくる。

肝心の千紘が快感に溺れるどころではないので3Pシーンは萌えようがなかったが、謎の多いワル二人ではある。
二人の生い立ちを読んで三橋と鷹村どちらに惹かれるかは人それぞれかな。
水原さんの話は、誰だって過去はある、攻め受けがそういう性格になったという背景がきちんと書かれているのがいい。

クライマックス、千紘にとってのXデーには最後までどうなるかという緊迫感があった。
拉致監禁ものに有りがちな、マインドコントロールが抜けないとか共存症の末って展開も想像していたが、そうならずに一応救いのある終わり方だと思う。

ライト感覚な除霊もの

2016年刊。
ライト感覚で読める除霊もので怖くない。
鎮清者(しずめもの)なる、悪霊を浄化できる能力を持っているが、本業は和カフェ+パワーストーンアクセ販売の店を経営している店長・壮輔。
バキューム級に雑霊を引き寄せまくる真秀(まほろ)に引き合わされて除霊したついでに、和カフェのバイトに雇う事になる。

といった展開で話が進んでいく訳だが…
壮輔のほうは人気の出るスイーツやアクセを作れて器用だなとは思ったが、真秀のほうに大いに引っ掛かりを感じた。

普段から雑霊を引き寄せている影響を知らず、日頃ツイてないのを気にしないならともかく、中級以上の厄介なクラスを除霊するには壮輔に身体を繋いでもらうしかないって言われてもあっさり了解するって…
アンタそこは多少なりとも動揺する場面だってば!!
展開上、奇しくも『身体から入る恋愛関係』になってしまったにしては壮輔も感情を抑えて事務的にやってるし、真秀は天然ってよりもかなりの鈍チンだし、モヤっとしてしまった。

そのわりに話のほうはそこそこ楽しめたのは、そんな二人をけしかける和カフェの看板犬・ミコトのおかげだ。
実は壮輔の家系に係わる霊妙なる存在…説明面倒くさいから一応"妖精"で通っているが(笑)

見かけは可愛い豆柴なのに、時代がかった口調で態度がデカいといったギャップがいい味出している。
ちなみに人の姿だと超美形というオプションも付いているが、お願い、ミコトさまはずっとわんこのままでいて(笑)

そこはちゃんと怒らないと!!

2011年刊、『お嫁さん~』シリーズ4冊目。
この巻は前作の登場キャラとの繋がりが薄いので、シリー全部読むのはちょっとしんどい、でもどれか一冊試しに読んでみたいって場合に勧められるかな。
ちなみに受けキャラが30歳近いせいか、6作中で一番ベッドシーンが多かったかも。
無理矢理抱くに至る攻めキャラの動機が何かヘンなものだったが。

幸哉側に事情があったとはいえ、弟のように可愛がっていた秀人に黙って姿を消した9年後。
気まずい再会に表面上はふてぶてしい二人だが、お互いが相手を意識し出した頃の思い出で止まっているせいか根本は甘々だ。
すれ違っているのに唐突に別れる前の10代の頃に戻る瞬間が出てくるところに甘酸っぱさを感じる。

この話でもシリーズお馴染みの『ヤバいうえに鬱陶しく絡んでくる親戚』ってのが登場する訳だが、幸哉の叔父が突き抜けて銭に汚く、悪びれないツラの皮の厚さにはむかつくばかりの強欲者だった。
更に歯痒かったのは、そんな叔父に甚大な被害を被っているはずだというのに、正当な怒りをぶつけずに過ごせている幸哉の思考だ。
自身がおおらかに努めて負の感情を持たない性格にしても、限度があるだろ!!って点におかしさを感じた。

秀人もなぁ、幸哉の事をずっと好きで諦めきれなかったはずなのに、何で叔父の策略に乗せられてしまうんだ?
この二人、親から引き離されて育ったという不遇な生い立ちがあるにしても、根本的な部分がずれていてヘンだった。
怒るべきところはちゃんと怒らないと駄目だと思うがね。

シリーズ6作中、『花嫁いりませんか』とこの話は結構好きなんだけどね。
特に今回はどこか憎めないカップルなのに、話全体の詰めの甘さが気になる。

『花婿要りませんか?』のほうがしっくりくる

2010年刊、『お嫁さん~』シリーズ3冊目。
前巻『旦那さまなんていらない』に登場した鷹取家の最年少の使用人・高橋くんが攻めに昇格するよー。
ちなみに彼は年下攻め。
聡一も脇役に回って話に絡んでくるので、そちらも読んでおいたほうがいいと思う。
聡一って随分とクセ者だったのね。
印象が変わってどう理解していいのやら。

大学生時代に流生(るい)は、恩人にあたる聡一に指示されるがまま若き起業家というポジションについた、という変わった経緯がある。
だがそこで自身が欲していた充実感を得た経験から、当時の聡一に若干振り回されつつも現在の自由な社風のイベント企画会社を立ち上げた、に至る。
聡一と繋がりがあり、流生のお目付け役とも言える"三賢者"なる会社の三人の古参社員もなかなか有能だが、彼らも多分くせ者だろうね。

この巻は何かと脇役達のくせ者度が高いのが目立つが、シリーズ全体に共通するアットホームな雰囲気は健在だ。
但し流生の実家?・天野家の一族は壊れているって言ってもいいレベルの病み様でヤバい。
既に流生が縁を切っていてもしつこく接触してくる強欲な叔父に、平気で周囲を自滅に巻き込む腑抜けた父親と、ろくなもんじゃない。

作中で唯一素直な好青年が高橋ってのも不思議なものだが、案外とポイントを押さえて動いていて流生のピンチを察する事ができるので頼もしい。
流生自身も、てんで女性を見る目がないし聡一には頭が上がらず仕舞いだし、パッとしないなぁと思ったが、『自分が可哀想って浸っている場合じゃないだろ!!』って気概には感心した。

それにしても流生ってば、幼少期から天野家や学校内で大概苦労してきたわりには、どこかしら坊ちゃん気質が抜けていなくて手がかかる男だ。
何かと流生の世話を焼くのが上手い高橋との相性が抜群ねのは大いに結構なのだが、彼はむしろ"お婿さん"のほうがしっくりくるんだけどね。
今時なら『家事全般に万能な主夫×仕事好きが高じて家事はからっきしなパートナー』ってのも大有りよ。

きっと早婚の巡り逢わせ

2008年刊、『お嫁さん~』シリーズ1冊目。
自分は高星さんの挿絵が好きで買い集めたけれど、確かに表紙を見る限り髪の長い美少女=TLと勘違いしそうなのも無理はない。
内容は、意地悪な身内の差し金で強引にお嫁さんとして押し付けられたのを承知のうえでありながら、初恋の人に見守られながら男の娘から男の子へ戻っていく…といった話なのだ。
そんな未希が初恋の人でもある秀冶の懐へ飛び込む経緯が相当トンデモだった。

親の借金のカタとして無理矢理愛人にさせられた若き母親が亡くなり、未希を引き取った正妻からは女の子でいるように強要され、不動産事業の利益目的で狙っている土地の持ち主(秀冶)の元へ送り込む…
コレって今昔変わらず、逮捕案件なんですが…
しかし、押し付けられた側の秀冶は至って真っ当な性格で、手厚く保護された未希は無事男の子に戻って一安心。

秀冶自身、父親が生前金融業を営んでいたという嫌な思い出から、お金絡みで困っている人を見捨てられないといった一面があり、親切で理知的な性格だ。
秀冶の元で働く通いのお手伝いさん夫婦も面倒見が良く優しい。

また、未希を女の子扱いして利用するのを押し通したシンデレラの継母のような多恵子だが、実は直接登場して話に絡んでこない。
彼女の悪どい女性像は全て未希の話を通してフィルターが掛かっているおかげで、ぎょっとする掴みの割りにはさらりと読めた。

ただ、BLだから仕方ないとはいえ、最後の一線は秀冶が未希に押し切られてしまったのが最大に惜しかった。
未希ってば外見が女の子/男の子に関わらず、いざとなると押しの強さを発揮したなと感心するばかりだ。
秀冶には頑張って未希が18歳になるまで我慢してもらいたかったところだが。

まぁ彼らの母親達も経緯は置いといて早婚だったから、未希も同じ巡り合わせだったのかもね。
…という落とし処で二人を温かく見守りますかね。

昭和ドラマ風のベタなまったり感

…とレビュータイトルに付けたものの、実は2008年刊。
一応パティスリー・パティシエ呼びで、男性も甘いものが好きって主張も大アリながっつり現代ものなのに、何だか昭和ドラマ風のベタなまったり感だった。
片やケーキを敬愛するヤクザ、もう片方は共同経営していた男に体よく店を追い出された元パティシエ。
そんな二人の状況から、周囲から厄介事が舞い込んでくる割りには話の展開に波風が立ったようには感じなかった。
くっつくのが既に規定路線で決まっているとはいえ、もう少し曽我部と有道のキャラを掘り下げてもらいたかったな。

特に曽我部は何でヤクザになったんだ!?と疑問が湧いてくる位真面目な男だった。
あれだけケーキに対して熱意と探究心を持っていて苦労を厭わないならば、ヤクザにならずとも専門学校とかに通える手だてとかなかったのかな…なんて思ったけれどね。

ちなみにこの話を読んでいてふと気が付いた事。
今回の曽我部はパティシエになったけれど、"やたら料理が上手いヤクザ攻め"に時々お目にかかるのは気のせいだろうか?
確か自分が読んだ他作品を思い出してみて、プロ並みの腕前を持つってヤクザ攻めが2人は居たぞ。
ちょっとしたBLあるあるを発見した気分だけど、果たしてどーなんでしょーかね?

満身創痍の狗神さま

2012年刊。
攻めが狗神だというのにモフモフを愛でるには程遠い一冊。
何せ、おばあちゃんが急に具合が悪くなったのに、20歳になったからといきなり異世界に連れ去られ、意志疎通もないうちに狗神に襲われる状態では比呂に心を開く余裕はない。
乱入してくる八咫鴉の神と連れ合いの鈴弥も比呂を利用できるズルさがあって、ほっこりを味わうどころではない。
前半は結構ヘビーかも、な展開だった。

狗神は既に満身創痍で人の姿を保つのも一苦労な状態だ。
真名を失くしたせいで力を出せずにいるのも気の毒だが、そんな事情も知らずに怒りをぶつける比呂も容赦ない。
お互い頑固な性格が災いしてしょっちゅう喧嘩するのだけど、どうやらこの二人、がっつりと喧嘩して感情を吐き出す事で親睦を深められるようになったのかも知れない。

確かに真っ直ぐなのは悪くないのだけどね、比呂の正論を通したがる主張って何故だか反発したくなるのは何となく察する。
相手に歩み寄る姿勢って本当に大事…
これは狗神の御付きの藤の諭す通りだったね。

全体的には甘々よりも切なさが勝っている。
一見キラキラしているようでいて、辛さを共有する感覚とか、狗神が遠い昔の里人からの慈しみを失って嘆き悲しむ様とか、”痛み”を訴える表現が目立った。

恐らく狗神って相当な寂しがり屋で愛情に飢えていたんだね。
でも比呂が狗神の伴侶になると決意した事で、これからの生涯は藤と茜と一緒に家族愛で満たされる事だろう。

一目惚れ、ちょっと待ったっっ!?

2021年刊、高月さん流オメガバース。
和の国風の国名に漢方薬の原料っぽい領地名、男性キャラも居るから遊女ならぬ遊君という呼び名なのはご愛嬌。
遊郭ものでもあるけれど、始終アットホームな雰囲気だった。

どうしても周囲を惹き付ける満月(アルファ)の翠嵐(すいらん)と、育ててもらった桝元屋の為にと下働きで頑張る新月(オメガ)の春雛。
ところが、出逢って直感した『永遠の蜜月(運命の番)』に感動したのは翠嵐ばかりで、春雛のほうは一目惚れ?ナニソレ?ちょっと待った!?と戸惑うばかりなのだ。
春雛を熱心に口説く為に店に足しげく通う翠嵐だが、そんな熱意に絆される雰囲気も程遠い。
春雛も求愛を頑なに拒むねぇ、なんで下働きは世間一般の恋を求めちゃいかんのだ!?って位に意固地になっているのだ。

そのわりには翠嵐からの口説きには塩対応でも、客としてはたとえ下働きでも懸命にもてなしているちょっと変わった子だったりする。
翠嵐のほうもそんなつれない春雛の態度を受け流せる余裕があるから良かったけれどさ…

春雛のもだもだ具合に話の割合を割かれていて、どうもメリハリに欠けていた気がした。
春雛が意地を張る中にも、翠嵐に惹かれていく気持ちの変化の部分がいま一つだった。
話の展開の中には、ちょくちょく春雛をやっかむ遊君達が絡んでくるのだが、そんな彼女達にも名前があったほうが良かったのでは?と思う。
意地悪キャラの存在が曖昧になっていたのもメリハリが足りない要因の一つかも知れない。

あと、話のベースはオメガバースだけど、初雛が遊君じゃないせいか自身のオメガ性におぼこいのが引っ掛かった。
本人が気にしているのもの根底が"領主の跡継ぎと遊郭の下働き"といった立場の違いのようで、それならばフツーに身分差、玉の輿ものでも良かった気がした。

他に惜しい点はと言うと…
陵さ~ん、雪里姐さんと眞夕兄さんの挿絵も見たかったよぉぉ。

要らぬ焼きもち無用な心配

2022年刊。
毎年1月恒例となったアメとムチのワンコ刑事×捜査一課班長の三つ巴ラブ、4冊目。
元はリロードシリーズのスピンオフだが、こちらだけも難なく読める。
敢えて脇キャラも把握したいならば、同シリーズより別のスピンオフとして派生した堤×藤村コンビの『弾丸キス』『スクランブル』をお薦めしたい。
捜査一課の顔ぶれが揃っているのはスピンオフのほうだ。

三人の関係は相変わらずで、秘密にしているはずなのにいちゃいちゃしているのを誰かしらに目撃される詰めの甘さが出るのも毎度の事だったりする。
今回は佐久良の身内バレのトラブルもあったが、若宮と望月が捜査熱心で誠意を見せた事でどうにか黙認してもらって良かったじゃないの。

プライベートでは佐久良がますます部下の二人に開発されまくってトロトロにされている。
思いっきりどエロが勝ってしまうのはレーベル故の特性で仕方がないか…

でもこのシリーズでは年下攻め二人にエロで主導権を取られているものの、捜査では連携が取れていて佐久良も班長らしいリーダーシップが取れている。
日々濃厚なセックスが気持ちいいから丸め込まれているって訳ではなく、佐久良も二人との関係を大切にしているうえでそんな状況を受け入れているって潔さを示しているのには感心した。

それにしても、若宮と望月が同じ捜査一課の本条や藤村に対する嫉妬が"出来る男だから"という理由が何とも微笑ましい。
佐久良に対してその気が全く無いのは一目瞭然なのに(笑)
要らぬ焼きもち無用な心配、だね。
むしろ隠し通せていない三人の関係を咎める事なく黙認してくれて口も堅い、いいセンパイだぞ。