父親を亡くし、高校を卒業するまで受の家で暮らすことになった、父親と瓜二つな攻・秋治。
学生時代の親友にずっと片想いをしていて、さの忘れ形見の息子へ面影を重ねてみている受・春影。
穏やかにすぎていくストーリーで、のんびりと読めました。
春影が、ことあるごとに親友のことを思い出して、息子の秋治に面影を重ねるのが、いじらしいというか、未練たらたらな印象でした。
春影自身も言っていますが、親友を失った傷を秋治で埋めようとしているのが、自己中心的というか、自分のことしか考えていないなぁという印象でした。
そんな優しいような、結局はずるい大人な春影ですが、秋治はそんな春影が好きになってしまったんですよね。
お互いが好きになったエピソードがいまいち分からず、きっかけが謎のままな読了感ですが、今後も穏やかな時間が続いていきそうな、そんなカップルでした。
冒頭でちらっと触れられていた、前作の魔王カップルのラスト後の展開にまずびっくりしました。
こんな赤ちゃん置いて、ふたりで人間界いっちまったんかーい!!!!!
同族思いだと思っていた魔王様が、あまりにも椿中心になってしまったのかと感じ、地味にショックでした。
魔族たちのためにも、早く帰ってきてあげて欲しいです。
さて、今作の主人公は、前作では脇役だった勇者と、新しく生贄として召喚されたトウマです。
前作で、どことなく精神ぶっ壊れてそうだなーと思った勇者でしたが、やっぱり人間やめさせられて(寿命とか、生死感とか)心の方が壊れてしまってましたね。
そんなところに、めちゃくちゃ人のいいトウマくんがやってきて、いい感じの化学反応が起きたっていう印象でした。
命を救ってもらった側でもあるトウマくんは、勇者に強くでれないので、尚更でした。
描写は、キスと押し倒すところまでです。
あとがきにもありましたが、今後この異世界で、長い時間を過ごしていく二人っていうのが闇が深くいいなぁ〜と思いましたし、幸せでいて欲しいなぁと感じました。
全体を通して、読者側な想像に委ねる展開というか、雰囲気が多い印象でした。
特に、ラストにかけての駆け足の展開は、未だによくわかってないです。
おそらく、こうかも?とは思うものの、いまいちわかりません。
魔王のキャラデザがとても美しいので、そこは是非見ていただきたいです。
とても耽美!!!!
受・椿が、現実世界で何も目標ももてない程だったのに、どうして現実世界に帰りたくなったのか、いまいちわかりませんでした。
そしてそれを追いかけてきたであろう、ラストの魔王様も。
そこまで、二人が思いを交わすような決定的なシーンは、残念なことに私は探せませんでした。
一応、言葉で椿が表現しているシーンはありましたが、いまいちピンときていません。
とても素敵な雰囲気の絵柄なので、ファンタジーの雰囲気、美しい長髪の魔王様を堪能したい方にはおすすめです。
購入の動機は、商業にしては珍しく(個人の感想)人外×人外のシーンが描かれているから、というものでした。
作中では、ほぼほぼラストの方まで、受の竜が本来の姿に戻ることがないです。冒頭で拘束された後、ほぼずっと仮の姿です。
龍と竜の姿を期待してしまったため、そこのあたりは少し物足りなく感じてしまいました。
攻の龍は、ひたすらにスパダリです。すごい、竜に一途。本当に愛されてます。
というのも、理由がよくある「受だけが自分に自然に接してくれた」というあるある設定なんですが、龍にとっては世界が変わるくらい衝撃的なことだったんでしょうね。
個人的に、このあるある設定が苦手なので少しうーんとなってしまいましたが、全力で竜を愛する龍は、とても可愛かったです。
この先、まだまだ一悶着ありそうですね。
竜が綺麗事ばかり言っているような気がする一方、龍の方は竜が全ての中心になっているとわかりやすいので、竜が生きている限り、なんとかなってしまいそうな気もしますが。
龍の新しく開いた目のような、新しい力が竜にもあったりしないのか?なんて、ファンタジーとしても、まだまだ続きが気になる作品でした。
獣人が好きな人には、それぞれの許容ラインがあると思うんですが、私の場合、耳が4つあるタイプは、非常に残念なことに守備範囲外なんですね。
なので、同じ許容ラインの方にお知らせしておきますと、獣の耳と人の耳で耳が4つあるタイプです。
子役の頃からのマネージャーである受・レオが肉食獣の筈なんですが、いまいちその設定は活かされてないなぁという印象でした。
タレントである攻・ラビが大好きすぎるせいか、終始甘々で、最早ラビくんの方が肉食なのでは…???レベルで、でれでれなレオさんです。
しっぽがもふもふなのは、可愛いですね〜。
食えない雰囲気の狐社長、気になります。
絶対、何か色々美味しい設定がありそうだなぁ、と思ってました。
えっちシーンは、終始幸せそうでほっこりします。
ただ、やっぱりレオが肉食獣っぽいところがさっぱり感じられず、もっとそこの一面も見たいなぁと思いました。