10冊以上発行されており完結されてないシリーズなので手を出してなかったのですが、早く読めばよかった!私同様、気になってる方は、1冊で完結してるのでまず手に取ってみるのはいかがでしょうか。
34歳と17歳と年の差はあれど、ピュアで真面目な二人の初恋模様です。ハラハラドキドキというより、お互いの「愛しい」が穏やかに積み重なって「愛する」になっていくのが素敵でした。傷つけたり誤解が無いような言葉選びをされた文章が丁寧で良いなとも思いました。
イラストも可愛らしかったです。主役二人だけがアップのイラストより、他の登場人物や風景が描かれているのが好みな自分にはドンピシャでした。
オメガバースを読み慣れると疑問に思う事。
主人公達が「運命の番」なら問題なしですが、そうでない場合、もし運命の番に出会ってしまったらこのカっプルはどうなるんだろうか?という疑問の答えのような作品です。
恋人を運命の番である幼なじみのΩに奪われてしまった主人公。
その傷を癒してくれた恋人の弟に惹かれるものの、一卵性双生児の兄弟は運命の番も同じで…という切ない展開で、雑誌掲載時は続きが気になってたまりませんでした。
オメガバースは基本設定は同じでも、作品によって違いがあるのですが、この世界では「相性が非常に良い」というもので、抗難いパワーはあるものの100%ではないというのが救いでした。
それにしても、弟は主人公の兄との話を聞きながら、「俺だったらそんな思いさせないのに」と考えていたのかと考えると身悶えしてしまうくらい萌えが止まりません!
主人公も運命を恨んだけれど、運命の番(幼なじみ)を恨んだことはないという良い気質で、好感が持てる大好きなカップルです!
兄と幼なじみのカップルも、運命の番だと分かった後でも色々あったんだろうな…という描写が後半あって、いつもなら私はメインカップルよりスピンオフカップルの方を好むんですが、この作品は兄達の方はどうでもよいわぁと思ってしまうくらい二人が好きすぎてます。
初読みの作家さんです。タイトルやあらすじに引っかかりがあったわけでもなく、表紙にピンと来たわけでもなく、作家さんの名前で購入したわけでもないという、自分にとっては珍しい購入の仕方だったのですが…大当たりでした!
家出少年の真(表紙の茶髪)が、ちょっとガラの悪い三十路の葉月(右の黒髪)に拾われて同居するという話です。
この葉月がなかなかダメ男で、なにかというと酒を飲んで夕方まで寝こけています。深酒して二日酔いになる度に「二度と酒は飲まない」と誓うがすぐ前言撤回して呑む、というダメ男なんだけど、憎めない可愛らしさがあります。
優しいイケメンでもなく、酷いDV男だけど惹かれてしまうという悪の魅力があるわけでないですが、女性にモテるのも真が好きになってしまうのが分かる格好良さがあります。そういう等身大の攻めの魅力を感じたい方にお勧めです。
矢代(受)は山道で轢いてしまった不老不死の男・司波(攻)から、「死ぬ方法を探してくれ」と頼まれます。それを承諾した矢代は司波と共に過ごすうちに不思議な夢を見るようになっていくのですが…というストーリーです。
司波と矢代がそれぞれ語るので、二人の関係がすぐに分かります。必然的に惹かれていく二人ですが、なにせ司波は不老不死。どうなるのかどうするのかというのが気になってあっという間に読んでしまいました。
そしてラスト。
映画のようなラストシーンだと思いました。これは映像になるぞと。私は基本的に小説を読んでいても映像が浮かばないタイプなのですが、一瞬ぶわーっと脳内に溢れました。すごい。王道だけどありきたりでもある、でも安心感があって大好きな、一般的なハッピーエンドかと予想していたんですが…持ってかれました。しばらく反芻して過ごしそうです。
会社の資金繰りのためにゲイAVに出演する羽目になった二人の話ですが、「この会社は人権ないのか!」というツッコミが入るような、悲壮感が無くコミカルで楽しく読めます。
AV企画ではイケメン×ブサメンというコンセプトですが、自己紹介も陽キャイケメン×陰キャオタクになっていたように受けはブサメンというより地味フツメン(素質アリであえぐ姿が可愛い)で結果的に1本目からノリノリ!
攻めはオラオラ系かと思っていて実際そういう場面もあるんですが、「続き、してい?」とおねだりする照れ顔が可愛いです。
ただ時々、線が細すぎるのか印刷の具合か、ちょっと文字や顔が読みづらい箇所があるように感じました。でも細かく丁寧に描いてくれてます。
AV撮りの2本目と3本目の間で両想いになった二人なので、初エッチは3本目の前にしてるのかちょっと気になりました。
あとがきに続編が決まってるとあって、今から楽しみにしています。
本は寝る前に読むことが多いのですが、吉井ハルアキ先生の作品はどれも読後に幸せな気持ちになるので良い心地で眠りにつけます。こちらの作品もその例にもれず。
1話の扉絵から年齢が表示されてるので、年の差が重要なんだろうなと思っていたのですが、ゲイであることから辛い経験をした奥村(部下・28歳)と、ちょっと無神経ながら包容力のある元川(上司・40歳)のひと回り年の差カップルのお話でした。元川の年を経てからか元からの性格か、まぁいいんじゃないのという緩さが、尖った奥村の心を包み込む感じに安堵しました。
40歳のオヤジだけど実は腹筋われてますというような直接良い肉体の絵はないのですが、腹の肉は脂肪でなく筋肉だ!という感じのセリフや奥村を簡単に抱えてしまうことで表しているのが良いなと思いました。セリフや二人の表情がなんとも魅力的でついついリピートしてしまう作品です。