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「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性RoonyFriendsさん

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きつねが可愛かった。世界は満たされた。

表題作は一本気なきつね×優しい大学生、同時収録作は表題作にも出てくるカフェの店長×表題作のきつねの弟子のきつねです。

いや〜〜きつねかわいい。表題作のきつね、同時収録作のきつねのほかに、あと2匹弟子のきつねが出てくるので、コマにきつねが映り込んでる率が本当に高くて、しかも中身も素直で可愛い子ばかり。もはやきつねたちの会話だけでまるまる一話描いてほしかったぐらい癒されました。あまりの可愛さに本物のきつねの画像を検索したり、きつねと安全に触れ合う方法を調べたりしてしまいましたよ。
作者の小山先生はほしの動物園シリーズも描かれていて、本当に動物がお好きなんだな〜と思いました。

表題作は、命の恩人である人間・仙田に恩返しするため、くそ真面目に11年間修行を積んできたきつね・大和が、真っ直ぐすぎるが故に空回りしつつも、仙田と距離を縮めていくストーリーです。
とにかく大和の真摯な態度が伝わってくるので、仙田がまんざらでもなくなってくるのも、無理ないかも。とはいえ大和の変化(へんげ)がうまくいかず人間の子供姿のときが多いので、色っぽい展開はありませんが。
本作のタイトル通り、大和は基本的に前向きだし、勉強熱心なので、良い教材さえあれば最強のスパダリになれそうです。

同時収録作では、仙田のバイト先できつねたちも頻繁に押しかけているカフェの店長が、年下の男の子好きのゲイだとわかります。そんな店長の前に現れたどストライクなかわいこちゃん…それこそが大和の弟子・麦藁が人間に化けた姿でした。
麦藁は、大和やほかのきつねたちには内緒で変化の術の練習をしていたのですが、そのきっかけが、大和が命の恩人である人間のために修行に励んでいることを知って人間に興味を持ったから、というのが、とても自然で良かったです。
もう最初から店長は麦藁にめろめろなので、あとは麦藁次第な恋でした。店長、貢ぎ癖がすごいみたいなので、たぶんきつねたちの中で圧倒的に麦藁の所持品が多くなると思います(笑)。
最後の、店長からのプレゼントである腕時計をしてるきつね姿の麦藁、めちゃくちゃ可愛かったー!!でもきつねの腕(前脚)にはめられる腕時計って、めちゃくちゃ細い造りの腕時計なんじゃないかと冷静な自分が気付いてしまいました。めちゃくちゃ細い造りの腕時計職人のみなさん、おかげさまできつねが腕時計をはめられました。ありがとうございました。

残りの弟子たち、花葉と蜜柑も、大和と麦藁の影響でこれから人間に興味を持って、またまた恋に落ちたりしちゃうのかな〜と、期待しております。

ラブ的には甘酸っぱい感じで終わるので若干物足りなさもありますが、とにかく最初から最後まできつねが可愛くて最高なので、BLときつねを同時に補給したい、そんな忙しない現代を生きる貴方にオススメの一作です。

虫歯先生の意外な一面が見られる

虫歯先生の作品は本作以外はすべて読んでいて、良い人ばっかり出てきて先生の作品超ハッピー!って思ってたのですが、こんな引き出しもあったのかと舌を巻く作品です。もともと本作について、攻受を選べるという驚きの試みをしている作品だという知識はあったのですが、ちるちるさんの以下の記事で紹介されており、面白そうだなと思い、読むことにした次第です。

【エッッ同じ先生が描いてたの!?】同作家のギャグ作品とシリアス作品比べてみた

https://blnews.chil-chil.net/newsDetail/27812/

なので良い人ばっかり出してくれる通常運転の虫歯先生を期待すると痛い目を見ますが、本作を読むことでますます虫歯先生の他の作品にも愛着が湧きますね。いろんな選択肢がある中で、普段はハッピーな作品を自らの意志で選んで描いていらっしゃるのだなと。
なお、攻受を選べる≠同軸リバなので、同軸リバが苦手な方でも大丈夫です。

偽札づくりに本気で取り組む夜野と、人間コピー機・真倉は、狭い世界の中で強固な絆を結んでいきます。2人の間の熱は、偽札をつくっているという社会への後ろ暗さ故に、ますます「この愛だけは本物である」という物悲しさを生んでいます。

2人の印刷工場の仲間や社長である夜野のおじいちゃん、他の印刷工場の樹さんなど、出てくる人たちそれぞれに味があって、人間ドラマとしても優れた作品です。真倉の元先生の絶妙なクズ具合とか、ものすごくリアルです。

読んでいくと、攻受をどうしても決められなかったという虫歯先生のお気持ちがわかります。夜野みたいなキャンキャンしてる子は受かな〜と思っちゃうのですが、夜野の方が包容力って言葉は合うし、真倉の朴訥とした感じも可愛くて受に回したくなる(笑)。読んで絶対に左右はこれ!っていう確信がない方なら、両方載ってても気にならないんじゃないかと思いました。

物語の最後、あれは刑務所の中ということでしょうか。出所したら、今度こそは堂々と世に出せるものを印刷する人生を歩んでほしいです。

作中に出てくるお札の絵って、まさか地道に描くしかないのでしょうか。もしそうであれば、よく偽札なんか題材にしようと思ったなーと最早引くレベルの描き込みです(笑)。あとがきによるとアシスタントさんがいらっしゃったみたいなので、アシさんが描いたんでしょうか。そしてそこにあの村上キャンプ先生のお名前も載っております。
あとシンプルな絵柄ですが人物の描き分けがしっかりしているところも良いですね。組長がイケおじです。
表紙の黒子は「あれ?」とは思っていましたが、あとがきで真相が明かされ、すっきりしました。

同時収録の「君は総天然色」は、4ページだけのお話でしたが、いつもの虫歯先生の作風でした。

全体的に甘さは控えめですが、とても読み応えのある作品だと思います!

ぶっきらぼうイケメンの初恋が可愛い

コミュ力が終わってるイケメン×人情味あふれる上司(といっても直属ではありませんが)です。
表紙の通り、受はがっつり髭面のアラフォーなので、一部の層にはどん刺さりすると思います。(どん刺さりって言葉は存在するのだろうか…)

受の名護課長が、女のフリして出会い系サイトに登録していたことがすべての始まりなのですが、これが男漁りのためではなく、なんとお友達募集サイトと勘違いして、女性は無料だから女性として登録したという、めちゃくちゃな設定です(笑)。実際にそんなことありえるかなぁと疑問ですが、それ以上に攻の八重樫が、名護課長とサイトを通じてやりとりしていく中で人間的に成長していく様に感動できるので、もう多少の都合の良さは飲み込もうと思えました。
その一方、序盤の、八重樫のもとに届いたクレームやその対応がまずかったことによるトラブル発生の一連の流れは、ものすごくリアルで良かったです。

八重樫はコミュ力が死んでるにもかかわらず、イケメンなおかげで恋人はできてしまう男。ですが自分からちゃんと人を好きになったことは一度もなく、そんなときに同僚に無理やり登録させられた出会い系サイトで、年上の「ハナさん」と知り合います。
ハナさんは愚痴ばかりの八重樫の話にもいつも親身になってくれる優しい人。気付けばハナさんに惹かれていましたが、直接会いたいと言うと断られ、挙げ句の果てに実は結婚していると言われ、人生初の失恋を経験することになります。
当たり前のことではあるのですが、既婚者と知ってしっかり失恋する倫理観が素晴らしいです。

もちろん、ハナさん=名護課長なので、断るしかないのは読者はわかるのですが、初めて本気で好きになった人のことをいろいろ想像してみたり、嫌われたくなくて慎重になったりして、恋心に振り回される八重樫が、可愛くて仕方ないんです。この作中で彼は本当に人として成長するなぁと思います。別に会社の飲み会に参加しなくてもいいけど、職場ではある程度まともに会話できた方が、みんなの仕事がスムーズになりますからね。

なんやかんやでハナさんと名護課長が知り合いだと思い込んだ八重樫は、ハナさんにどうしても会いたいと名護課長に訴えます。どうするのかと思ったら、実は「ハナさん」にはモデルが実在し、その「本物のハナさん」に来てもらうことに。これは予想外でとても良かったです。本物のハナさんも素敵な女性でした。
ここですっぱりハナさんのことは吹っ切れた八重樫ですが、ハナさんに名護課長のことをよろしくと言われ、さらに当の名護課長がちょこちょこ様子がおかしいので妙に気になってしまい…。
名護課長はハナさんの正体に気付かれないよう挙動不審になっていたのですが、ある日ついにバレてしまいます。遊ばれたと思った八重樫がキレて、2人は疎遠に。

その後、すべてを明かした名護課長と八重樫は無事に仲直り。正直、名護課長がどうして八重樫を好きになったのかの説明が弱いなと感じましたし、そこから初Hまであっという間なのですが、純粋に幸せになってほしいと思える2人なので、もう、細かいことはいいです(笑)。
良い式を挙げてください!

これはただのラブコメじゃない!名作です!!

売れっ子お笑い芸人×8年前に死んだけどクローンとして生き返った相方です。
精神的には同級生ですが、クローンとして生き返った人は、死んだときの年齢のまま復活するようなので、肉体だけなら年の差カップルとも言えます。なんかエロいな…(?)

衝撃的な設定を活かしながらも、全体的にとても良くまとまっていると思いました。終始ラブコメの雰囲気は保ちつつ、クローンという存在を世の中が受け入れられるのかという問題に対するある程度の言及はしてくれています。また率直に漫画として非常に読みやすく、面白いものを描こうという心意気も伝わってくるし、主要人物の描き分けもしっかりしていて、これがデビュー作ってまじか、と舌を巻いております。

時代は2030年、たった9年後ではありますが、莫大なお金さえあればクローンはつくれる(ただし、倫理的な議論はまだ途中)という世の中が舞台です。クローンには生前の記憶を転送することができ、肉体も完全再現、もはや本人と呼んでも差し支えないレベルのものです。

人気コンビ・イースターの片割れである攻のソーマは、受のミツヤを失ってから、ミツヤを生き返らせるために8年間仕事しまくって、貯めたお金でクローンをつくった…と思われます。「と思われる」というのが本作のミソである「行間」で、この辺りのことは詳細に説明されている訳ではありません。でも8年かかったというのが、それだけお金がかかったということを証明してくれています。
費用はどれくらいなんだろう、売れっ子芸人さんでそれなりの生活費除いた8年分って、5億くらいでしょうか?
もうこの時点で攻の愛が重すぎる。でも普通だったら人が死んでもクローンをつくろうとは思わないだろうけど、ミツヤの生前に布石になるような出来事が描かれているし、なまじ売れっ子なのでお金は工面できると思ったんだろうから、最愛の人のクローンをつくるために人生の全てを賭けようという気持ちもわかります。

そしてその8年間のソーマの生き方に思いを馳せちゃうんですよね。大好きな人を失ってつらくて寂しくて、でも目標ははっきりしてるからある意味イキイキしていたかもしれない。一方でその目標がまだ倫理的に受け入れられるかわからないものだから、不安もあったでしょう。それでも8年も耐えてミツヤを復活させたんだなー…。
物語全体が明るい雰囲気なので見逃しがちなのですが、こういうところに目を向けると、泣きそうになりますね。いくらでも感動的に描けるテーマなのに、あくまでハッピーラブコメを貫いているのがすごいと思います。そしてそれ故にみんながなかなかこの作品の良さに気付いてないんじゃないか!?って過度な心配をしてしまっています。すみません。その心配から既にレビューが1000字を超えてしまいました。でもまだ続きます。すみません。

ミツヤをクローンとして復活させておきながら、コンビ活動の再開には慎重だったソーマ。それは外聞を気にしてではなく、一緒に過ごしてミツヤを好きな気持ちがバレないようにするため。
いや、でも、とんでもない大金叩いて復活させてくれたんだから、ただのコンビ愛や友情を超えたものがあるのはバレちゃうんじゃ、と思っちゃいますけど(笑)。でもミツヤちゃんは超鈍感野郎なんですよ〜。だから胡麻崎にいさん(元先輩芸人)にけしかけられるまでソーマの思いに気付かないんですよね。関係ないけど胡麻崎にいさんのお店のラーメン食べたい。胡麻の効いた担々麺と見た。

中盤でついにソーマがミツヤへの長年の思いを打ち明けることになる(と同時にミツヤはソーマに抜かれる)のですが、ミツヤはあれ、全然嫌じゃない…むしろ自分のことずっと好きだったなんて…ドキドキ…ってな感じで両思いに。
コンビ活動の再開に向けて動き出します。
まずはミツヤのお母さんへの報告でしたが、確かに子どものクローンつくったことが広く世間に知られたら、ソーマ以上にお母さんが何言われるかわかったもんじゃないですね。でも気にしないと言ってくれたのは、きっとソーマがミツヤを復活させると決めたときに、お母さんも腹を括ったんじゃないかな〜と思いました。

ここから、せっかくお付き合い開始したのに、ソーマが忙しくてなかなかいちゃいちゃできず、時が過ぎていきます。悶々とするミツヤ。と我々読者。
ミツヤの復活記念日に、ようやく時間が取れて、念願の初Hです!ゴムの袋を破る攻の視点という構図に工夫を感じてとても良かったです。ソーマの最後のセリフには泣きそうになりました。

そしてコンビ活動再開前にミツヤの存在が世間にバレてしまい、いろいろな反響がある中、決意の生配信です。ここのオチのつけ方もとても上手かったです。見事に作品全体のハッピーオーラを崩さずにまとめられたなと。
ミツヤは鈍感ちゃんだから気付かなかったけど、多くの視聴者は気付いたんじゃないかな、ソーマの思いに。クローンとして復活させるなんて、絶対に特別な感情があるってこと、みんなもわかったから、「思ったより批判が少ない」状況になったんじゃないかな〜って思いました。
もしかするとミツヤの登場によって、本当に復活届っていうものができるかもしれませんね。

後日談は単体でも忙しくなったミツヤと、ソーマの休日が奇跡的に被った1日の悶々→ラブラブな様子が見れました。

2人のコンビ名のイースターって、復活祭のことなんですよね。日本ではイースターって卵に絵描く祭りみたいになっちゃってるから、あとちょっとでスルーするところでした。ニクいな〜。

兼業作家さんのようですが、どうか無理のない範囲でこれからもBLを描き続けていただきたいですね。きっと作家買いします。なんなら胡麻崎にいさんのスピンオフとかも良いですね。芸人辞めた詳しい経緯も気になるし。先生、胡麻崎にいさんに筋肉質のSっぽいソーマ以外の男を用意してあげてください!

ガテン系エロ天使

クール美形な医者×Hなこと大好きマッチョです。

やることやりまくってるのに心がピュア!!受の佐伯はものすごく無邪気で素直なワンコ系。仕事柄見事なガチムチボディを誇る一方、初恋に悶える心はさながら女子中学生(いや、小学生か?)で、ギャップが可愛いキャラクターでした。
電子で試し読みしたときの、「か、可能ならなんですけど…ちんこ挿れてくれませんか…?」というセリフの時点でもう大好きでした。表紙の印象だとオラオラしてそうだなと思ったんですが、実際には全くそんなことはなく、むしろ無茶なお願いの前にちゃんとお伺いを立ててるところが、まともな社会人って感じで、良い意味で裏切られました。いや、頼んでることはめちゃくちゃなんですけど(笑)。

対する攻の桐嶋はモテるが故の面倒を避けるため、恋愛はしないと言っている男。クールなんですけどなんだかんだ優しいというか、前立腺の場所を教えてくれって言われて、自分の休憩時間潰して受のちんこ扱いてまで教えてあげる医者っているんでしょうか?(笑)
淡々とした口調でありながら返しも気が利いてるしイケメンだし金持ちだし、超超超優良物件!だと思います。よくぞ独身でいてくれた。
そしてややSっ気があり、敬語攻め。なんでしょう、私あんまり敬語攻めってピンと来ないことが多いんですが、桐嶋先生のは好きなんですよね。子どもを甘やかすみたいな敬語だからかもしれません。あと単純に見た目が好み…。

なまじセフレになってしまったために、本気になったと知られたら捨てられると悩む、というのはBLでは珍しくないと思いますが、佐伯のさっぱりとした人柄のおかげでそこまでうじうじせず、明るく楽しく読めます。後輩くんと普通に仲良いのもわかる。

佐伯の告白に桐嶋がとっさには反応できなかったのもわかるし、そのあと挽回するために自ら行動を起こしたところも良かったです。桐嶋に気持ちを返されてパニックになる佐伯が可愛かった。

全編通してセックスのシーンが多いですが、ストーリーがちゃんとあるしメイン2人のキャラも立っていて、エロだけではないと断言できる作品です。

2人の幸せな姿に涙

最終巻です。
4話目の誠治の誕生日からの5話目のクリスマスで、もう泣いてしまいました。イルミネーションに浮かぶ大好きな人の笑顔、そして駆け抜けた街…うう〜あまりにも幸せすぎて、このレビューを書くために読み返しているとまた涙が(笑)。
2人の幸せは永遠に続くんだなぁと、心に沁み入りました。

相変わらず誠治一筋の晋と、すぐおちゃらけるけど可愛い誠治の日常です。
猫ちゃんの飼い主を探したり柔道の大会で優勝したりしますが、やっぱりクリスマスの話が…最高です。
ヒゲを剃って若見えしてる誠治は可愛かったし、晋が苦戦しながら計った誠治の指の太さの情報が無駄にならなくて良かった(笑)。

まだまだ2人のネタはあるようですが、ひとまず最終巻として素晴らしい終わり方だったと思います。

無表情イケメン攻がものすごく可愛い件

同じ会社の無表情な後輩×人当たりの良い先輩です。

攻の滝藤にとっては、受の志島が初恋の相手。ということでいろいろとウブで不器用!無表情の裏で初恋に翻弄されまくり、頑張りまくりなのが伝わってきて、めちゃくちゃキュンとします。
特に、初デートにおすすめの場所を周囲の人に聞きまくって情報収集していたのが、すごく可愛かったですね〜。人の教えを乞う素直な人柄もうかがえて、とても良かったです。
寝てる志島に「髪おろしてるのも好きです」ってつぶやくのも、うおお〜〜!!!!とめちゃくちゃときめきました。
中途半端なことはしない男なので、駆け引きはなしで真正面から、相手が少しでもためらったら引く。という感じで、前後にしか動かないスライド式の機械みたいな人です(笑)。

対する受の志島は、誰とでも適度に仲良く、来るもの拒まず去るもの追わずで恋愛してきた人。それは苦しい恋愛から逃げてきたということでもあり、心の奥底では本気で好きになった相手と結ばれることへの憧れを持っています。
志島も良いやつで、重大なミスをした営業の広瀬ちゃんへの言葉とか、優しすぎました。BLと少し離れてしまいますが、この広瀬ちゃんは最初、明るくて冗談を言うような子として登場していて、後で自分のミスを言い訳せず謝る落ち込んだ姿が描かれており、人間的な描写もドラマがありました。

滝藤からの突然の告白以来、ずっと滝藤のことを考え続けてきた志島。滝藤が自分を避け始め、引き留めるために思わず出た真冬の「アイス食いたい…」にも悶絶!なんでこの人たち、こんなに可愛いんでしょうか。

Hはあっさりめですが、そこまでの流れがこれまた良かった。2人のお互いに対する愛が伝わってきました。

『メルトアットナイト』の可愛いトモさんも見られてうれしかったです。ハルくんとは相変わらずラブラブそうで何より。

めちゃくちゃ俗っぽいうさぎのぬいぐるみ

ハーフの御曹司イケメン副社長×お人好しの貧乏大学生です。

このうさぎのぬいぐるみ、ま〜喋りまくり!!
コテコテの下世話な関西人のおじちゃんって感じのうさぎです(笑)。でも小椋ムク先生の挿絵の効果もあってか、なんだかんだ可愛いんですよね。
ぬいぐるみが動いたり喋ったりしてくれたらな〜と思ったことのある方には、ぜひ読んでいただきたいですね。こんな喋り方を夢見た人は少ないと思うけど(笑)。

うさぎのぬいぐるみに話しかけられて、かつてのお屋敷に戻れるようにしてくれ〜なんて、無理難題なのですが、受の希翔が本当にお人好しで、文句を言いつつもウサ吉(ぬいぐるみ)の願いを叶えてあげるため奔走します。奇跡的に募集のかかっていた攻・理章の会社のクリーンスタッフに採用され、理章とまずは仲良くなろうとするのですが…。「どうなっちゃうの!?」とわくわくしながら読めました。

ウサ吉の声はごく一部の人間にしか聞こえないのですが、その人間と身体的な接触をすると、一時的に声が聞こえるようになるのです。理章の屋敷に住み込みで働くことになった希翔は、理章にウサ吉の声が聞こえるようにするため、理章とキスすることが習慣に…という美味しい展開。
でもすれ違ってしまいキスがなくなった時期も、理章がウサ吉の言いたいことを全部わかっていたのが面白かったです。

恋愛偏差値がゼロに近い2人。理章が希翔に喜んでもらうために、貰い物を装って高級フルーツを買って渡していたのが可愛かったですね。

物語の山場、強盗に刺されそうになった理章をかばってウサ吉が刺されたときは、ぬいぐるみだとわかっているのに思わず涙が出てきました(笑)。
ウサ吉は腕の良いぬいぐるみ修理士(当て馬)の手で無事に現世に舞い戻ってきますので、ご安心を。

欲を言えばHシーンがものすごく短かったので、あともうちょっと詳細に描いていただけていたら…とは思いますが、とても楽しい作品でした。
希翔と理章が死んじゃったら、ウサ吉どうするんだろう…と心配ですが、そうなる前にエミリー方面のツテで渡英できるように取り計らうか、もしくは大阪の菜那に今度こそ引き取ってもらうかもしれませんね。ウサ吉に寿命あるのかな?(笑)

受の純粋さに心を打たれる

大学の同級生で、モデルばりの容姿のモテ男×コミュ障の天才です。

短編ですがストーリーの山場があり、キャラクターにも好感が持てる作品でした。
受の理人を、ここまで浮世離れした人物として描き切ったことがすごいと思います。口調とか考え方とか、常人とは一線を画していますね。でも実は面食いだったり、イケメンの攻・真崎が話しかけてきて内心めちゃくちゃ動揺していたり、人間らしいところもあるし、何より可愛いと思ったのが、真崎に「ツッコミ入れろよ〜」的なことを言われてから、テレビでツッコミを勉強して実践していたこと。ま〜いじらしい!!キュンとしました。

対する攻の真崎は、キラキラしてるけど実際は無理して上辺だけ良く見せているイケメン。まあそのおかげで面食いの理人にも好意を持たれたわけですが(笑)。
理人が電話をかけてきたときの、真崎の「好きだぜ」にはキュンとしましたね〜。ちなみに理人は携帯電話を持っていないので、固定電話からかけています。理人が真崎の電話番号をすっかり暗記していたエピソード、理人らしくて良かったです。

理人は、真崎みたいなイケメンは自分にはもったいないと思っているのですが、真崎も理人があまりにも純粋できれいすぎて、自分なんかには釣り合わないと悩みます。確かに理人は、もしかすると真崎は目的があって自分に近づいてきただけで、本当は自分のことが好きではないのではないか?と思った時ですら、恋愛感情を教えてくれた真崎に感謝していると伝えています。嫌味でも何でもなく、本心からそう思っているのがわかるんですよね。
こんなに混じり気のない人を前にしたら、私も「私なんかと会話させちゃだめだ」と思ってしまいそうです。
それでもそんな理人を離さないと決意した真崎もかっこよかったです。
アパレルブランドを持つ夢は…、結構大変だと思いますが、このご時世ならSNSで人気が出れば一般人でも一躍有名人になり得ますもんね。がんばれ真崎。

今野先生の面倒見の良さにはびっくりですが(笑)、あんな天然記念物の理人をほっとけないという気持ちもわかります。

至高の"雄"受けを見たくないか?

寮で同室の高校生同士、寡黙で無表情な眞司×暴れ馬のような男・豪です。

電子限定、前後編合わせてたったの220円というのが信じ難いほどのクオリティの作品だと思います。
まず、副題を見てください。「俺と彼奴のシークレットロマンス」って。「彼奴」って!!!!「彼奴」は読み方がたくさんあるようですが、私は「きゃつ」だと思って読みました。もう副題の時点で、男同士感に溢れていませんか!?女性に対して「彼奴」とは言わないと思うのです。このワードセンスで既に虜でした。
そして言わずもがな、表紙から気合い5000000%の筋肉の描写。素晴らしすぎますね。めっちゃ体重そう。海に入ったら間違いなく沈む。そして表紙だけでなく中身の作画もとても綺麗でした。
ストーリーもとても良かったと思います。眞司の想いの強さが伝わってきましたし、豪の怖いもの知らずなところがBL的にも活かされていて、受だろうが何だろうが雄臭い人はどこまでもそうなんだなと改めて思わせてもらいました。また会話のテンポや小ネタ(変なTシャツなど)も面白かったです。

1ページ目からオイオイ、服にかけちゃったら証拠の隠滅が大変だぞ!?と心配になるところから始まりますが、それについては後編で回収されますのでお楽しみに。

まずは眞司と豪の日常パートから。最早1ページ目がなければ「あれ?ヤンキー漫画だっけ?」と勘違いしそうなヤンキーぶりです。
何にも熱くならない男・眞司が唯一執心しているのが豪でした。そんな相手と親友のような間柄で寮でも同室…思いを隠し続けるのは辛いこともあったでしょう。そんなことはおくびにも出さない眞司ですが、豪のお兄さんには気持ちがバレており、進展はないのかと聞かれます。このお兄さんがとにかく明るくてお茶目で楽しい人です。

お兄さんにけしかけられ、豪と四六時中一緒にいる今のような関係がずっと続く訳ではないことを再認識する眞司。お兄さんからもらったお酒入りのチョコレート(豪の好物)を豪に渡し、アルコールに弱い豪が熟睡した姿を見て、思わず唇を重ねてしまいます。そしてそのまま止められなくなってしまい…。
ここまでが前編です。

後編は中1のときのボクシングジムでの2人の出会いと、眞司が豪に惹かれた経緯の描写から始まります。
そして現在に戻って、眞司は自分のしてしまったことに取り乱し、後悔するばかり。犯しておいて落ち込むって身勝手なのですが、眞司の気持ちも理解できてしまいます。

ここでまさかの前編で出てきた2人の友人・佐竹くんが再登場。他校のヤンキーに取られた財布を自ら取り返すことに成功したのです。佐竹の見せた根性に応えるべく、豪は佐竹にやり返しにきたヤンキーたちを返り討ちにするのですが、ここのケンカの描写はBLの枠を超えた仕上がりではないでしょうか。ケンカといっても豪が強すぎて一方的な展開なのですが、ボクシング上がりの豪の激重パンチの表現が素晴らしくて、このままスポーツ系の部活ものの少年漫画も描けそうだなと思いました。

一日中暗い表情ばかりすることを豪に指摘され、眞司が顔を洗いに行ったまま気付くとかなりの時間が経過しており、部屋に戻るとまたも豪が例のチョコレートを食べて熟睡中。指先で唇に触れそうになりますが思い留まり、布団をかけて立ち去ろうとしますが…。

いや〜ここからの豪、本ッッ当〜に最高の"雄"受けです。どうやらこの日はチョコレートは食べたフリだったようですね。
女王様受けというのとも違う、「俺がお前に奉仕させてるんだよ」と言わんばかりのオラオラした受けっぷりです。このくっっそ重そうな体で騎乗位とは!!眞司の腰骨、丈夫すぎ!!(笑)
そして後ろだけでイケたときの「もっとやろうぜ…」という煽り!!!!ああ〜〜豪最高。獣です。
事後のゴミ箱がとんでもないことになっていたので、一体彼らは何ラウンドしたんでしょうかね…。

最後には眞司の知らなかった2人の出会いの秘話も明かされ、ハッピーエンド。眞司の鉄仮面はどこへやら、幸せそうに豪と一緒に笑うのでした。

前後編で非常に良くまとまっていましたが、一度長編も読んでみたいものですね。