ふばばさんのマイページ

萌×2作品

エキスパートレビューアー2020

女性ふばばさん

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I'm in Love コミック

阿部あかね 

ストーリー運びも巧みな甘エロ作品

連載時からまとまるの待ってました!
可愛くって、甘くて、エロくて。
さすが阿部あかね!と言いたくなる。

主人公は少女漫画家のメイ。
メイはAV男優のおかざき尊(たける)の大ファン。通り越して恋しちゃってる。
そんな尊に近所のスーパーで遭遇しちゃうんです。
もう日常がひっくり返るメイちゃん。
一方尊の方は仕事の転機が来ている。まだ人気はあるけれど、翳りの気配。
落ち目を自虐する尊も、身も心もハートだらけで接してくるメイは可愛くて、はじめはからかい気味に。
そう。はじめ尊はちょい軽風に描かれてます。
完全にお戯れのキスで気絶したメイに、ゲイビ出演のオファーが来ていた尊はメイならなくはない、メイで試そうと…
この2人の初Hシーンはもうすごくエロい。
メイは童貞処女のまっさら。そんなメイのおののきや恥ずかしさやある意味恐怖、期待、そんなものが全部丸ごと伝わってくる…!
そんなメイを抱いて尊も煽られ素になっていく感じが絵を見るだけでしっかり伝わってくる。ここが阿部あかね先生の凄いところです。画力。
そしてやってくる起承転結!
尊の元カノとの破局話を聞いて自分の立ち位置を今一度考えてしまうメイ…
こういうストーリー運びも非常に上手いですよね。
その後もすれ違いとアクシデントがキッチリ入って、お互いの本心が見えてくる。

「おかざき尊」の造形、イイ!
心がちょっと擦り切れてる中年のちょい手前。カラダは脂が乗ってる。
一方メイちゃんはちょっと男度が低かったかな?
一途でえっちで、とても真剣なところがメイちゃんのいいところです。
甘可愛エロの良作。「萌x2」で。

「異能者と変人」扱いされてる2人

下巻。

真理さん殺人事件が動きます。
出てきたのは、写真。
そこから真理さんの同僚の弁護士・西に疑惑が浮上する。
朝子の受けた思念からも西の関与は明白なれど、朝子の証言は証拠能力がないわけで。
黒岩警視の見立ては冴え渡り、西「も」被害者かも、という視点が。
同居中の黒岩と朝子の関係性の揺らぎと同時に、殺人捜査の進展が描かれます。
ここはミステリ好きの私も納得の展開!
特殊能力を使って真相を追い詰めていく朝子。
なぜ真理さんは殺されたのか。誰が殺したのか。

さて、BLとしては。
朝子が黒岩に、というのは大いに納得なんだけど、黒岩が朝子に恋愛的な感情まで抱くのは…正直BLありきだったのかなぁと感じる。
一点言うとすれば上巻の終盤で、遅くに帰宅した黒岩がこれから夕食を作る、と言ったシーン。
ここで朝子が真理さんと全く同じく『黒岩さんのお荷物みたいです』とつぶやく。
ここが分岐点のような気がします。
とはいえ、2人はしっかりセックスもしますし、その描写は朝子の夢が叶う幻想的な描写と共に、現実の重みや体温も伝えて非常に印象的。

刑事/ミステリものはすごく好きなので、続編あれば嬉しいな。濡れ場少なくてもいいや。人間の業や哀しみゴリゴリな事件ものが読みたい。

オカルト刑事、BLに降臨

刑事ものもオカルトチックなのも好みなので、この作品の世界観はドンピシャ。
本作の前身である「スティグマター聖痕捜査ー」(2015)はいわゆる「匂い系」でしたが、続編はBLになると聞いて待ちに待っていました!

これね、ホントに設定がうまいなと思うんだけど。
本作の事件というのが黒岩警視の元妻が被害者なんです。
やはり黒岩は元妻が殺されたという事に衝撃を受ける。だから真相が分かるなら、と思ってしまって朝子を犯行現場に臨場させちゃうんですよね。当然朝子は思念を取り込み、彼女の最期の時を追体験する。
しかし黒岩は途中で止めさせてしまう。だからなのか、元妻・真理さんの思念/心が朝子の心と混じり合うんですよね…
朝子が特殊能力を生かせる今の状況、そこへの大きな感謝、また理解者である上司の黒岩への思慕のようなものが元々あって、そこに死者が死ぬ間際に思い出していた黒岩との行為、そして愛の気持ち…そんなものたちがぐるぐると絡み合う。
朝子が黒岩に恋をするのはある意味必然でしょうか。

朝子は今まで女性を好きになった事がないと言う。彼は潜在的にゲイだったのかも。
ヘテロなら同僚の岡本さんに恋してもいいもんね。
少しフェミニンな感じだし。
絵柄的には輪郭が太くて少しカクっとした絵に感じる。そして顔がなんとも言えず…味?とでもいうのでしょうか。特に大門の顔は昭和の刑事ドラマそのものですね。
下巻に続く。

情けは人の為ならず

イヤ、良かった。ホロっときちゃった。
正直、表紙はえ〜…?って。読み始めてもメロンはそばかすっ子で「美」は無いし、カラダもガリガリしてるし。
ピアスだからセックスシーンは思ったよりあるけど、官能とはちょっと違う…
だけどね?
これが「いい話」なんですよ。しみじみキますよ。

生馬の目を抜く広告業界で殺伐としていたモンティ(河合主水)が、迷い猫みたいなメロン(安田愛論)を拾う。
メロンはアホだけど、心の波長が読める子だったんですかね?モンティの心の砂漠を感じ取るわけ。
で、モンティのヒモっ子になるんだけど、ある日モンティに大借金が降りかかる。
モンティはメロンを手放そうとするんだけど…と展開していく。
メロンはアホだから、いきなりタコ焼き屋やる!って言い出して、実際友達も巻き込んでタコ焼きを習いに行くんですけどね。
そのために50万貸して、100万貸して、っていう所、わーメロンそれダメなやつ‼︎って思ったけど。
メロンはモンティのために一生懸命。
そんなメロンを助ける友達4名。プラス知り合ったインフルエンサー。
何も期待せず当てにせず、好きにやらせるモンティ。
お金はね?モンティの足しにはなりゃしないんですよ?だけどさ。
メロンはちゃんと奇跡を起こしてんのよ。
借金の重さに焦り、仕事にキレがなくなりそう、どうしよう。そんな真っ暗な気持ちを「おかえり」を言うメロンが変えた…
そこをモンティはハッキリわかってる。

『俺は広告屋だから知ってる 人の気持ちを変えるのは一番難しいんだ …ありがとな メロン』

モンティかっこええ!メロンえらい!
借金状況は何も変わりはしないんです。
でもモンティにキレが戻り、メロンはヒモから「彼ピ」になり。
月並みだけど、モンティの孤独を変えたのがメロンだったんだね…

いつも思うんだけど…
「人に迷惑かけない」ってヤツ。コレ諸刃の剣だよね…
迷惑かける人はいちゃいけない、っていう価値観だもんね。でもさ…そこは突き詰めるべきじゃない。何が何でも、になると誰も生きていけなくなる。
モンティもメロンも、友達4名も。何ならインフルエンサーだって。
みんなちょっと寄りかかったり、手助けしたり。そうやって進んでる。
そこがすごく良かった。ホロリだったよ。

GRRRLs エンパワーBL

はいらなくても、いいじゃないか
イヤ、その通り。
いれなくても、いいじゃないか、ムリなら。

…というのは女性側の意見、なのかも。
話題作になった「夫のちんぽが入らない」や朝◯新聞の夕刊で不定期連載の「オトナの保健室」を思い出しました。

本作は、巨根すぎて「マトモ」なHができなかったトーマ。「マトモ」「普通」にこだわって縮んでいた心が、柔軟な考えを持つヒロと出会って…というお話です。
ヒロを「柔軟な」、と表現しましたが、柔軟かどうかはともかく、攻め(男)イコール勃起・挿入・射精ワンセット、という固定観念は無い、というところから始まって、イマの女性たちが声をあげ始めている性の場面での問題点が散りばめられているように感じられました。
例えば「性的同意」。
例えば「感染症検査」。
例えば「フィンドーム」。フ◯ラでもコンドームをする事、などなど。
ヒロがKuTooTシャツ着てたり。
なんというか…緩やかなフェミニズムの文法で描かれているのかな?
読者の私はヒロにシスターフッド感じたりして。というか感じるように描かれているような空気感。
トーマも優しい性格でヒロの意見を受け入れるので、物語としてはセックスは2人でするもの、という正に「理想」を擦り合わせていく展開ではあるんだけど…
結局ヒロがトーマの巨根を受け入れるのを「頑張」ちゃうんですよね。それでちょっと心が磨り減ったりして。
ここから先輩やら店主さんやらが絡んできて、正直安易な筋立てになってしまったのがちょっと残念でした。
この作品の流れなら、一貫してトーマとヒロで言葉を尽くして試行錯誤して欲しかった。そして、挿入ではないセックス・バリエーションを「2人で」編み出して欲しかった。

最近私はア◯ルセックスって必須じゃないなぁと感じているので、この作品は私にとってとてもタイムリーでした。面白かった!

パブロフのわんこ攻め

気になる作家、つし子先生。
今回も非常〜〜に!興味深いテーマでした!

噛まれたい…
食べられたい…

…とくれば何とも淫靡、どこか退廃、異常なフェティッシュ…
のはずだけど、本作は違います。
もっと甘酸っぱくて、
もっとくすぐったくて、
もっとあったかくて。

誰かが美味しく食べている姿が好き。幸せそうに食べている所を見ていると、自分が食べられたい欲望が湧いてくる。
そんな心の延長線で料理人になった晶。
自分の焼く肉に豪快にかぶりつく高校生・瑛士を見て嬉しくて、つい自分の願望を打ち明けるのだが…

なんと、瑛士が呆気なく受け入れるんですよね。
このあっけらかんさは晶にも作品そのものにとっても救い、というか。
瑛士が余りにも自然なんで、下手したらカニバリズムに滑り落ちるような性癖も2人の楽しいプレイのようになる。
何も恥じることも隠すこともない愛の行為に。
一度は戸惑う晶も、瑛士の若さや単純さに救われましたね。
正直ここまで単純だと、瑛士くん大丈夫かぁ?という気分にもなりますが。

晶のカラダの線は滑らかで綺麗。
身体中を噛まれて悶える晶の姿は程よく官能的。
瑛士は若くてまっすぐで気持ちのいい子。
読後感も良く、これからの作品も期待大ですね!

受けお兄さんが艶っぽい「ROUGE」

タイトル通り、「危ないお兄さん」をテーマに色々な個性の作者様がそれぞれのイマジネーションで描いた作品で編まれたアンソロジーです。
「NOIR」「ROUGE」2冊同時発売です。

こちらは「ROUGE」。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)

「先輩、俺にもシてください」風呂前有
「人助け」のテイで彼氏とのHに悩む女子に気持ちいいHを教えるという事をしている篤臣(高校3年)。
ある日、学内でオドオド眼鏡君が僕もお願いしたい、とやってきて…!
篤臣は放っておけずに…と展開しますが。
これ面白い!斜め上でした。

「となりの!」さり
田舎コンプレックスの子が大学進学で上京し、いざ大学デビュー!と勇んだが…
憧れのカフェのお兄さんに実像を知られ。
やっぱり背伸びより等身大が大事ですよね。

「きっと大丈夫」鮎川ハル
学校で有名な「不幸先輩」と知り合って、なんかほっとけないミヤ。でも友達にからかわれて…
ミヤのいいところは、その気持ちが同情じゃない所かな?

「MY hero」三星たま
明るいクラスの人気者・大葉と、陰キャの村田の隠された秘密…!
これは「危ないお兄さん」のテーマに合ってますね〜。絵柄はちょっと可愛らしすぎるかも?

「ハッピー・ニューエイジ」吉池マスコ
マスコ先生のプロレスもの。
大筋は父と子の確執。父親の恋人も若手レスラーで…このコがイイ!こういう子のプロレス見た〜い!

「悪縁」阿部あかね
堂々トリはさすがの貫禄作。
一度は離れた危ない悪友との縁。今度は離れがたくなりそう…!



「NOIR」同様、「危ない」度は薄いような。
一つ一つの作品は面白い。私は特にマスコ先生、あかね先生がやっぱり好き。

カッコいいオメガバース・バディもの

とても面白かったです!
爺太先生初読みでしたが、ちょっと注目してみようと思いました。
まず絵柄が好みめ。
ストーリー展開は、オメガバースと刑事ものを絡めたもの。
そしてそれは成功していると思います。

警察の手が回らない事案を手伝って欲しい、とΩの探偵に持ちかけるαの刑事。
探偵の伊堂は、引き受ける条件として煩わしいヒートを無くす目的でα刑事の北小路に「番」になる事を要求する。
完全な割り切り、契約の関係性だが、次第に伊堂に定期的な体調不良が現れ始め、解消のためにセックスが必要となっていた…
…という設定からの。
Ωへの違法薬物販売や、αの性犯罪が頻発し始め、北小路と伊堂が捜査/調査をしていくが…
…と展開していきます。
事件そのものもバース性に絡む哀しい背景から引き起こされた犯罪。
また、北小路と伊堂の関係性のこじれ、変化、それらも正にバース性ゆえ。
だからこの作品が「オメガバース」である意味がしっかりある、と感じました。
また私は「不憫すぎるΩ」が苦手。だからこの伊堂の持つ強さも良かった。
そんな伊堂も北小路の事を考える時はどことなく弱さが出るような…そんな所もいい。
αで、名門で、キャリアで、そんな北小路がいつまでも現場で刑事をやっているのは、自分なんかと番になっているから?番解消もせずに気を遣っているから?
そんな風に心を痛めているのです。
言葉では言わずとも両片想い的な空気ありありの中で…
事件の犯人から薬物を注射されてヒートを起こしてしまう伊堂。
初めて本物のヒートに当てられてタガを外す北小路。
ヒート中の2人のセックスシーンは中々良かった!
その後、これまでのクールな表情から一転、甘々のスパダリ感を出してくる北小路に萌えてしまった…!
尽くすαにちょっとガサツなΩ。こういうのもい〜い〜ねぇ〜!

攻め喘ぎ vs 奥ゆか可愛い、のゴング

攻め視点小説。

こちら、受けが「変な人」なんですよ…
他人とのコミュニケーションがうまくいかない。
いわゆる「他人は関係ない」というコミュ障とは違うんです。
人の考えていることはわかる。相手から距離を置かれていることもわかる。でも自分では行動も言葉も正せない。
それが相手によっては開き直りのようにも、見下した態度のようにも取られてしまう。

ある日、入院している上司を見舞うために病院にいた英介(25才)は、大学で同じサークルだった羽鳥と久々に再会する…
…という冒頭。
何気ない社交辞令だったのに案件を紹介してくる羽鳥を訝しむが、それ以上に驚くのが、2か月でいいので俺と付き合ってくれ、と頼まれた事。
当然英介は戸惑う。
が、英介はバイで、羽鳥はキレイな顔をしているからまあいいか、と軽く請け負います。
英介は羽鳥と反対に人当たりも良く気安い。反対に羽鳥はことごとくズレてて…
この辺は読者としても「この人は難しい…」と感じますが、結局英介は比較的はじめから羽鳥の心の内というか、すぐには見えてこない素直さとかを可愛いと思っているんです。
だからかなり根気良くというか、羽鳥のペースに合わせよう、羽鳥の思考回路に合わせよう、とはするんだけど。
つい先を急いでしまい手酷く羽鳥から拒絶され…という場面があり、その後ある事柄が起こり一気に2人の距離が縮まる。
この展開はまあドラマチック過剰気味ではあるけど、読んでる分にはかなり流れがうまく、ぐっと引き込まれます。
そして、羽鳥が自分の心のうちを語る事で、今までの羽鳥の行動、英介への好意などが明らかになっていきますが、羽鳥が子供の時に学校の先生から嫌われていたエピソードとか可哀想で…
また、父親のエピソードも。自分が父親に似ている、と考えている部分もなんだか身につまされる。
そんな羽鳥の傷ついていた心も受け入れる英介。
ここからの2人のラブシーンが。
いいんですよ〜…
正直、このラブシーンで「萌x2」を決めました。
何がいいって…「攻め喘ぎ」。描写はちょっと足りないんですが、羽鳥を優しく愛撫しながら興奮してきて自分も声が出る、というのが何ともいい。
挿絵はみずかねりょう先生。非常に美しいです。

男が命を賭けるとき


2011年作品。
舞台は、終戦後の九州??
俠客と、流れ者。の物語のように読める。
主人公は、流れ者の根津。
根津は、ヤクザの次男だがヤクザとは距離を置く実業家の城戸に拾われて、城戸の運転手兼用心棒になる。
城戸には囲っている大切な人間がいる…
それが足の悪い、大人しくて優しい男性の譲。
城戸は自分の意志とは関わらず組の後継争いに巻き込まれていて、譲に累が及ばないように逃がそうとする…

この作品はBLというよりももっと「情」を描いているような。
カップルという意味で言えば、城戸x譲です。
だけど、根津は譲を「城戸の大切な人」として敬意とある意味愛情をもって接するし、それは結局城戸に対しての恩義。
譲は根津に好意を?と思わせるような空気感もありつつ、根津は城戸その人に命も、つまりは心も預け捧げたのではないのでしょうか。
ラスト、弱そうに見えていた譲は地に足をつけて生きている。
そこに葉書が届く…
誰からかも、どんな内容かも、読者に託されています。
「この世界でたった二人」というタイトル、作者様の意図する所ははっきりとはわからないけど、私は、この城戸・根津・譲の3人が、それぞれ他の2人だけが信頼できる、全て理解してくれる相手…そんな意味なのかな…と感じました。
まるで映画のような読み心地です。