ふばばさんのマイページ

神作品

PREMIUM レビューアー

女性ふばばさん

レビュー数638

ポイント数3390

今年度10位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

もののふっ again‼︎

あの!「もののふっ!」がかえってきた‼︎
びっくりマーク2つになって‼︎
いや〜…びっくりした…
私、雑誌とか追ってないので全然知りませんでした。ビッグサプライズ!でした。

さて、この新・深「もののふっ‼︎」、前作「もののふっ!」全3巻の続きです。
だからやはり「!」から読んでいただきたいと思う。「‼︎」から読んだとしてもぜひ遡ってほしいと思う。
とにかく猫好きの姐さんには絶対おすすめ。菊三の可愛らしさに悶絶間違いなし!
時代物好きの方にもおすすめ。

さて、内容。
「!」の3巻からの続きなので、もはや物語世界/背景は平和そのもの。ほのぼのワールド。
しかも甘いシーン増し増し!
この「もののふっ」の中では3組のカップルが成立しています。それぞれの甘イチャシーンがきっちり入っていて嬉しい。
そして終盤、次なる展開に向けての流れが出てきた!
狐面の忍び親子がいるのですが、その息子の方がついに顔出し!
そして、これから彼のストーリーがはじまる⁉︎
イヤ、これも楽しみでたまりません!
「!」も3巻全部神評価ですが、本作も「神」です。
先生、描いてくれてありがとう!もののふっのみんなが大好きです!

8人の戦士 2 コミック

池玲文 

美しい男たちの、熱く優しい愛

イヤもう…「神」ですよね…
とにかく「絵」が素晴らしくて。
その上内容も圧倒的。
ギャグが苦手な私でも、クスッと笑ってしまう嫌味のないコミカルさ。
それより何より。
描かれている各CPに流れるおもてうらの無い好意・恋愛感情・尊敬などなど…
それらは正に私好みのストロングスタイル。
まず恋/好意がある。
その好意は即セックスではない。そこが私には素晴らしい。
結果描かれるのがエロであっても、私に響いてくるのはエロや肉の快楽というよりも、もっと心で求める恋の気持ち。

フツーの学生としてのマシューとハート。
島でのユダxピサウとサイコルナガxヴァンピア。
年長組のロロxブラン。
どの組も、確かにエロいといえばエロい。
みんなスゴイHしてるもんね。
しかし、私の受ける印象はエロじゃない。もっと心、もっと想い、もっとときめき。
それが池先生の素晴らしい画力で繰り広げられる。
だってみんなの目の中!
相手への想いがキラキラしてるじゃない?そういうところがスゴイんだよ池先生は。
Hどうこう、tnkどうこう、そういうことよりどのCPもお互いがお互いの事しか見てない、相手の事で心が一杯。そこが素晴らしいんだ。


「8人の戦士」つまり戦い、それは確かに射精合戦。勝ち負けを決めるもの。帯でも『主導権争いが勃発』とあるけれど。
BLでよくある攻め攻め的な、優劣的な空気をなぜか感じない。感じるのはひたすら両方向への熱。
そこも私にとって読み心地の良い部分になっています。

ここまで描いてくれるとは!

「きのう何食べた?」の同人誌第4弾!
内容は③の続編、つまりは本編11巻の♯87話の後の後、のオハナシ…

シロさんの性的ファンタジーを満たす「アウトレイジ」な夜。
しかし、翌日ケンジが目覚めるとすでにシロさんの姿は隣に無く。
その後、今日の帰りは深夜になるとメールがきたのだけれど、なんと翌朝もシロさんには会えず。
しかもその後金曜まで大阪に出張するというメールが。
ケンジは、もしかして今までのセックスが物足りなかったのか、もう自分が嫌になっちゃったのか、とモンモン。
すると、なんでもないようにシロさんが帰ってきた……

話がある、と切り出すケンジ。
するとシロさんも…!


…という出だしなんだけど。も〜うその後は怒涛の…仲直りH?的な。
「ケンジとシロさん」の①で、知人のHを盗み見てしまったような…という気分になりましたが、もう④ともなると「キタ〜〜っ‼︎」になっちゃう自分が恥ずかしい。
今回のHはシロさん好みの激しく責められる系ではなくて、ケンジの焦らし系的な。
ケンジの方もいつものフェミニンなオネエではなく、なかなかな攻めとなっております。
シロさんも素直な感じで、可愛い部分が出ていますね〜。
お互いしっかり愛情と想いとでつながっている伴侶、という感じ。でもやっぱりケンジの愛の方が恋愛的には濃いのかなぁ〜?
ただし、シロさんは絶〜〜っ対にケンジを手離してはいけないという自覚はガッチリとありそうです。

私にとっては超掘り出し物。

「制服x筋肉BL」アンソロジーで初読みした明美先生。
他のも読んでみたいな〜と購入したこの作品。イヤ、思った以上でした。
…と言っても誰にでもおすすめという訳にはいかない。
顔はBLだけど肉体表現/性交表現はゴリゴリ、ゲイテイストに近い。アヘ顔もある。
内容は、大きく3つの作品が収録されていて、その内1点は好みじゃないんだけどあとの2作品が最高でしたので「神」にします。

「ノンケ童貞の俺がビッチ上司に食われた話」
「気まぐれで食った童貞が勘違いしてた話」
「元童貞にビッチ上司が完全敗北する話」
ゴムアレルギーでコンドームができない、ナマでヤるのは女に悪い、という硬派な25才童貞・松崎。
バイト先飲食店でコワモテのオーナーに呼び出され行ってみると…
オーナーの永井は男喰いのビッチ。まんまと食われるが初Hの気持ち良さに衝撃を受け…
一方、永井は松崎の長さと太さが気に入りその後も気軽に呼び出し。だが初めての松崎は永井と付き合ってるつもりになってHも気持ちを込めて一生懸命。好き好き言いながら…
そんな相手は初めての永井の方も憎からず…イヤ、次第に松崎の良い所が見えてきて…
…という感じで、私の大好きなストロングスタイルのラブなんですよ。
絵柄も2人ともガタイが良くて、特に受けの永井がイケオジ!地位もあって何もかも松崎より上で、甘くもなく余裕。でも結局松崎の本気を受け入れて本命カレシにするんですよね。
松崎の一途の勝利!

「ドスケベ催眠ハメスクワット」
これは………嫌いな話でした。この作品は「萌」。
「ノンケ童貞〜」のスピンオフ作で、永井の会社の社員同士の話です。
永井と松崎が本社内でもサカっていて、隠れゲイの鷹取はモヤモヤ。
それを部下の沢村に愚痴るのだが、沢村が適当にかけた暗示にかかり催眠状態でドエロになってしまい、欲情した沢村にいいようにヤられてしまう…
そのあとも何度もクズい沢村にアレコレされて、だが何も覚えてない鷹取。

「スパダリが抱く愛の檻」
いにしえのBLの設定のパロディ短編。面白すぎる!
スーパー攻め様がオークションで落札したのは可憐な妖精受けのはずだったのに…
あとは読んで笑って。

「ゴムを使えなかった俺が初体験した話」
初めてアレルギー用ゴムを使ってHしてみた松崎x永井だが、やっぱりナマだな、という話。


とにかく松崎の一途さがいいし、永井が松崎にほだされて彼の愛情を受け入れる所がいい。この話好きです。

発熱バスルーム コミック

ARUKU  

贖罪と復讐。その恩讐の彼方に

私にとっての神作家・ARUKU先生の新作「発熱バスルーム」。
表紙一枚めくっての肌色に驚いた…
そして読んでみると、近年にないセックスシーンの多さ。それも無理やり系な。
この主人公・見晴は不幸不幸不幸、不幸の只中に暮らし働き、ある日目覚めると見知らぬ男に監禁され、そしてレイプされた…
怖すぎる。
読んでるこちら側も、この犯人が誰なのか、なぜ見晴なのかが全くわからない状態で、ただ見晴がいじられたり裸にされたり犯されたりを読む事になる。
ARUKU先生の描くセックスシーンはどこかカクカクとして、エロチックさや滑らかさや官能性というものはなく、まるで操り人形が無理やりな方向に手足を動かされているよう。
見晴は自殺未遂をしたり、なんとか一度は逃亡もするけれどその先でも不幸。7ヶ月後見つかってまた監禁…
そして読者はようやく犯人・マナト側の事情を知る事となる。
そこには不条理はなく、マナト側にも非常に現実的な不幸があった事がわかる。
わかったところでマナトの極端な行為が腑に落ちるわけでもなく。
マナトの愛、それはマナトの母から受け継いだ贖罪。
そしてその全身全霊の贖罪を受け取ってくれなかった見晴への復讐でもあったのかも。
許してくれ。
愛してくれ。

見晴がかつて旅岡母子に手紙を書いたのは、拒絶ではなく家族は恨んでないお金なんて送らなくていい、という気持ちだったのかもしれない。事故を忘れたかったのかも。
だけど、その事で旅岡母子は逆に何も終わらせられなくなってしまったのだと思う。
これが悲惨な事故の悲惨な側面なのだろう…
マナトの真実を知って、見晴は彼の言動のわけを知ったのでしょうね…
加害者への同情、または愛?やっぱりストックホルム症候群?でももうどっちでもいい。
片や贖罪と、復讐にも似た愛。
片や恐怖や憎しみと、それを超えた後に出てくる何か。
恩讐の彼方。その言葉がしっくりくる。

生きて味わう辛苦と、生きて得る安寧。生きてこその人生

良くも悪くも強烈に心に響く作品。故に「神」をつける。

天涯孤独の少年・朱理の生涯。
侍の家に生れながら今は天涯孤独となり追い剝ぎに身を落とす少年・朱理(しゅり)。
旗本・本田宗則と出会い足軽として取り立てられる事になるが、道場で妬みを買い旗本の子弟達8人から輪姦陵辱され…
冒頭のこのシーンの苦しさ。
一度は死のうとする朱里だけど、ここでまた救いの手を差し伸べるのが宗則。
ただならぬ様子の朱里に、自分の小姓になれと。
ところが、小姓はただの愛玩童ではないのですね。朱里を鍛える先輩小姓・晴秋の美しさ強さ凛々しさったら!
こうして交差を始めた宗則と朱里の激しい人生が一冊を通じて描かれます。
幕末の時代のうねりと同調して、彰義隊として侍の道を極めようとする宗則と、絶対に宗則に死んでほしくない朱里。
だから朱里は宗則を騙して自分が出立する…この生と死の矛盾!
そして朱里が宗則の代わりに飲み込まれる戦闘の激しさ、悲惨さ…

世は明治に変わり、子供に学問を教えている宗則が神社で出会った青年は…
想いというものは時間も空間も超えてお互いを呼び合うのでしょうか?
冒頭の輪姦シーンは読んでいて苦しく、後半侍としての思想を闘わせるシーンは緊迫を感じた。
2人は生と死に引き裂かれ、まさかこのまま⁉︎とも思ったけど…
また新しい時代で新しい人生が始まる、その描ききられた人生の濃さ深さ。
絵柄も濃く美しく迫力も満点。朱里の人生に引き込まれて、浮上できないくらい物語世界に没頭してしまう、そんな力を持った作品です。

どこまで凄いんだ、ARUKUワールド

またしても想像と期待を上回るARUKU作品…
凄い凄いと息もつけない…なのにARUKU様はまだ先をゆく、まだ上をゆく。

本作はファンタジック、しかしながら死が常に隣にいるような薄闇も感じさせる。
そして、「キラキラセブン」「スクールナイト」「ビターxスイート」「cleaning」「シュミジエ」などの過去作の断片も見て取れるような気がする。つまりはARUKU様を構成する世界の様々なカケラが散りばめられているような。
憧れの王子のような友人に、
虐げられて踏みつけられるちっぽけな自分に、
悪が溢れ出て滅亡を止められない世界に、
簡単に砕け散り、干からび、死んでゆくカラダに、
バラバラのピースをつなぎ合わせてつくるいのちに、
ちいさきものに教えてもらう大切なものに…

本作のテーマは「たましいを求めて」。
大好きな人が目の前で死に、悪魔にもらった魔法のミシンで布人形を縫うはづ。
布人形には命が宿る。でもたましいは?
そしてはづとゴドーがたましいを探す旅に出る…
その旅の途中で出会う小さな小さなお願いを、はづは絶対に取りこぼさない。耳を傾けて、手を動かし、小さな奇跡を起こし続ける。

春の王と虫、月に行きたいなまず、血の色の糸人間、ばらとなめくじ、蜘蛛の王とカエル…
可愛らしさと毒気、生気と死臭、無邪気さと悲哀…これがARUKU節だ!
完全「神」。神しかない。

美しさ、全方位。そして比類なきセンス

読む前から雷に打たれたような。
それはまずタイトルの素晴らしさ。「No.99:人間玩具」…
「ひんやり廊下、万華鏡」といい「媚の凶刃」といい、よくこんな雰囲気のあるタイトルを思いつくなぁぁぁ…とため息。
もちろん内容も。
BLの可能性を網羅しているかのような多様な設定と、美麗すぎる絵柄。
これもうパーフェクトじゃないですか?
初めて本作を読んだのが2014年頃、今久々に再読してまた素晴らしさにひれ伏してる。

「No.99:人間玩具」
本当にはじめはおもちゃだった「ナイン」と肉体的に繋がった後で、今度は逆に人間扱いして孤独を分かち合う…という過程が斬新に思えた。

「黄金島」
好きな子をいじめてしまう…という平凡な話を、片翼の黒鷲の神話的な世界の中で永遠に閉じ込めたような…

「王と魔神と魔法使い」
褐色の美王がステキ!そんな美王はちんちくりんで可愛らしい魔法使いさんが愛しくてたまらないのだけれど…
鏡の魔神のイメージも素敵です。

「花降る地下街」
近未来?ジオフロントで生きる姉弟と、地上から落ちてきた男のお話。
落ちてきたイケメンがぶちゃいくでぽっちゃりのペトに恋してる話で、ペトは幸せになってほしい!
姉・テミスンの鉄火肌がカッコイイです。

「肉は思考品」
グロっぽい設定ながら哲学的問題を論じているような。肉を軽んじてはいけません。

「幻想黒子」
おまじないの付けボクロ…好きな常森くんには効いてないみたい?
でもいざ常森くんから迫られて、そんなモノに頼った自分が惨めになった…
これ、タイトルからのイメージより可愛い話だなぁと思ったんです。高校生の両思いのお話。

「雪ぐサディズム」
緊縛、尿道責め、放尿、首締め
…とSMの王道を見せつけてくれますが、攻め男性の苦悩が迫ってくるような、受けの子の慈愛が匂うような…そんな美しさのある作品。

「No.99:人間玩具 オマケ」
グレアムはヒゲを剃ると意外と若い超イケオジ。

「花降る地下街 オマケ」
自分に自信がないペト。オッパイ苦手!と宣言する黒野だけど、ペトはぽっちゃりだからオッパイがあるのだ…泣いちゃうペトが可哀想で可愛くて。

ラスト、イラストで17才のリッセン&アララギ(「黄金島」)。
な・ん・と!アララギが攻めっぽいの!うひゃー!

兄弟BLベストワン

傑作「最後のドアを閉めろ!」のスピンオフ的作品。
「最後〜」の攻め・本田のお兄さんたちの物語です。
本田は下のお名前が「賢三」。三男末っ子です。上にお兄さんが2人、正一さんと俊二さんがいるのですが、この2人が……なのです。

ところで、2人はガチ兄弟ではありません。兄弟の中で、正一だけが母親の兄の子供。だから正一は実際には俊二と賢三のいとこ。
だけど正一は禁忌感が強くて、俊二を遠ざける。俊二も正一の気持ちを汲んで自ら離れるわけですが。
しかし、10年経って偶然会ってしまうんですね〜。でも全然ご都合展開じゃなくて切ないのなんのって。
何事もなかったかのような俊二。
あの日の事を昨日のように思い出して震える正一。
でももう俊二は覚悟を決めているのです。
結局は正一の方も。
ただ、正一はどうしても罪悪感を拭えない。だから俊二は絶対に両親には言わない、墓まで持っていく、周りには兄弟だからと言ってずっと一緒にいる、と。
これが実にサラリと語られて、逆に俊二の意志の固さを伝えてくる。
でもね〜…正一の気持ちもわかるの。だから2人の恋が実ってよかったね、とばかりは言えなくて、やはり2人は十字架を背負ったんだなぁと思う。
それでも、それでも。
その深い恋情が沁みて沁みてしょうがない。
間違いなく私の中では「兄弟BL」のベストワン。間違いない。

「おまけ」
賢三は「彼氏」がいる事をサラッと正一&俊二に言いました。ここで永井は本田兄弟の共通認識になっていますが、「最後のドアを閉めろ!2」でも永井は誰にも知られていないと思っているので本田家での発言がギクシャクしています。


「小間使いの日記」
時代はいつなのか、大正?
男に文を言付ける優しい旦那様。
だけど相手の男は粗暴で、野卑で、旦那様の文を読みもせず破り捨てるばかり。
さて、結婚の決まった旦那様の最後の文を届ける小間使い。
男はどうするか。
何もかもを捨てる恋の目撃者となった少年は、その後どう生きたのかな…
そんな事を思った。


御伽 コミック

琥狗ハヤテ 

おとぎばなしとは人の心をうつすもの

琥狗ハヤテ先生の素敵な部分がたくさん詰まった最高傑作。
全て人外の5作品と、ちみ絵でのそれぞれの後日譚という構成。
人外/神という存在と人間との交歓を「お伽話」的な体裁で描きます。

「碧き風の詩」
山に住み、陶芸をする伊吹を好ましく想う山の守り神・天狗のしらかぜ。
ある日、青磁の色が出る土を求めて山の奥に分け入る伊吹の頭上に落石が!
思わず風をおこすしらかぜだが、伊吹は大切な腕に大怪我を負う…
人との時間に気を取られていた事を戒めと受け取ったしらかぜのとる行動は?
2人の「恋」的な何かは終わってしまったけれど、想い合う心はいつまでも…

「海底まで」(みなぞこまで)
遠洋まで魚を獲りにくる人間に怒り、漁人を海に引きずり込む大いなる海の番人「不知火」。
1人の海人が漁の間だけ不知火の気をそらせ、と懇願され…
自分は贄なのか、この神々しい海神に海の底まで連れて行って欲しい…そう思うようになるナギだったが…
漁民たちが海を荒らしすぎず、不知火とナギの戯れが穏やかに続きますように。

「きつねのうどん」
山道で狐のうどん屋さんに遭遇してしまった豆腐屋さん。
狐のおうどんに自分のお揚げを乗せたら、それはもう美味しくて。
みんなに愛されるおうどんが夢だった狐は、勇気を出して豆腐屋さんと連れ立って里に下ります…
めちゃくちゃ可愛らしいお話です!

「燕丸」
若き小野田家の殿と家宝である妖刀・燕丸の恋。
燕丸欲しさに戦を挑まれ、今山中を追われる宗行。今や魂が宿る刀である燕丸は何をする事もできない…
これは悲恋でしょうか。2人は誇りに生き、今誰の邪魔もない静かな世界にいるのでしょう。

「龍の秘薬」
ドラマチックなお伽話の後はちょっとコミカルなテイストで。
帝が死の床にあり、兵士たちが雲の上の龍神の住まいまで「龍の血」を頂きにやってくる。だが到着したのは平凡な士ひとり。
龍神は強欲な人間にがっかりしたが…
無欲で淡々としたこの士だけが龍神のお眼鏡に適ったのですね。ところで不死の薬は龍の血ではなくて実は…?

「おとぎ」ちみっこおまけまんが
ちみ絵による4コマでのそれぞれのその後。
本編では悲しい結末のお話でも、ふんわりほのぼのなその後が描かれて、ホッとします。

琥狗ハヤテ先生一流の、人外・時代もの。絵柄も構想もその展開も何もかも素晴らしく面白い。笑ったり、寂しかったり、悲しかったり、安堵したり…人外を絡めて結局は人間の想いが十分に描かれた作品です。