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女性みざきさん

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BARBARITIES III コミック

鈴木ツタ 

ちょっと難しかった

続きはいつ出るのだろう?と非常に楽しみにしていた1冊です。
これまでの1,2巻と比べると分厚い…!と、紙本の厚みにワクワクとしながら読みました。

アダムとジョエルのひたすらにもどかしい恋の行方がどうなっていくのか?ジルとルイスは?など、大人組のあれこれが気になっていたはずなのですが…
3巻でBL的に萌えたか?というと、うーん?と首を傾げてしまったのが正直なところです。
というのも、作品全体に舞台となる架空の国の政治や、それぞれの陰謀・宗教・その他もろもろがぐるぐると渦巻いているので、恋愛的な要素よりもそちらの描写の方が印象に残るのですよね。もちろんこちらも面白いです。
合間に挟まれるコミカルなエピソードにクスりと笑いつつ、ちょっと私にはお話の内容が少々難しくなってきてしまいました。

展開は面白いと思うのです。
でも、もうちょっと萌えもほしかったななんて。
なので、今作では幼いクリスとルカのやりとりに終始心奪われるばかりでした。
なんだかもう、この2人のピュアすぎる姿が可愛くて仕方がなくて、22話で完全に心身ともに浄化されるかのようでした…可愛すぎる…
クリスがジョエルからの言葉をふと思い返すシーン。モノクロなのにページがキラキラとしていてすごく好きです。

そして、物語はこれまた気になるところで次巻へと。
途中途中で躓きそうになりながらも、中盤からの流れがグッと惹き込まれる面白さでした。
次こそ結びの部分が読めることを期待して、今回はこちらの評価で。

構図のセンスの良さ

まず、各話の扉絵が美しい。特に3話の扉絵が好きです。
どうしたらこんなに印象的でセンスの良い構図が思い付くのでしょう。

両視点で綴られる、同じ"絵"という夢を持ち、一緒に歩んでいた2人の拗らせに拗らせた再会もの。
こちらの作品、途中で描かれている題材もあって、きっと評価が分かれるのではないかな?と思います。
ただのあっさりとくっつく再会ものではなく、視点違いだからこそ分かる過去のエピソードだったり、お互いに拗らせまくった感情は良かったのです。
お話の構成も緩急がありますし、目を飽きさせないコマ割りも読んでいて気持ちが良い。

でも、うーん…読んでいてちょっとキツいなと思ってしまう描写があって、それを上回る萌えが得られなかったというのが正直なところです。
導入部分の長内の驚いて照れた笑顔がすごく可愛らしくて、どんなお話になるのかとワクワクしていただけになおさらキツいなと思ったのかも。
これは読み手の受け取り方によるかと思います。
その後のエピソードでキャラクターに対する好感度がなかなか上がらなかったからなのかもしれませんし、武田はよく許せるなと思ってしまったからなのかもしれない。
ただ、夢を叶えた者と叶えられなかった者の対比と、思春期から抜け出せずにいるような2人の周りに、常に絵がついてまわるのは印象的でしたし、上手いなあと。
評価に悩みますが、今回はこちらの評価で。
本編終了後の2人の雰囲気が好きです。
その後をもうちょっと読みたかったな。

一国の王子たちのガチ兄弟もの

初読み作家さまでした。
兄弟の愛憎劇という、ドロドロとしていそうなワードに惹かれて購入。
長さは短編〜中編ほどでしょうか。

兄弟ものでも、こちらの作品は義兄弟ではなく、血を分けた兄弟による兄×弟の近親相姦ものでした。
なので、義兄弟ではない兄弟ものをお求めの方にはピッタリの設定だと思います。
しかしながら、ごめんなさい。設定は良かったのですが。
以下、内容に触れる少々辛口めのレビューとなります。


どこかの国のどこかの宮殿で暮らす王子たちの物語。
煌びやかで美しく人望も厚い第一王子。
そんな、自身が欲していたものを全て手にしている、どこから見ても完璧な実兄・エドガーを羨み恨む実弟・オズワルド。
兄を殺して、自身が次期国王になろうと、兄の生誕を祝うその日に暗殺の計画を企てて…と続きます。

たしかに、開始数ページから愛憎劇の香りが漂います。
こういう雰囲気は好みですし、殺してやる!なんて勢いのオズワルドにワクワクしてしまうのです。
ただですね、オズワルドがなぜそれほどまでに兄を恨んでいるのかが強くは読み取れず、兄であるエドガーもなぜオズワルドに執着をするのかが分からなかった。
反抗しながら兄に抱かれる弟も、弟に対して歪みに歪んだ愛情を持ち、ぶつけるエドガーも良かったのですけれどね。

終盤になれば判明するのかなと期待しながら読み進めたものの、よほどの理由があったのかと思いきや、そこまで強いものがなく終わってしまったのが残念。
埋もれるのには勿体ない設定も多々ありましたし、兄王のねっとりとした執着とドロドロとした雰囲気は良かっただけにこれは少々惜しい。
うーん…全体的に、印象に残るような強いエピソードが不足していたのかも。
なんというか、これだと2人揃って拗らせた情緒不安定な人物にしか見えなくて昼ドラ的。

題材は面白いですし、着地点もやや駆け足ながら後味は良かったように思います。
きっと、もっとページ数があれば更に魅力的なお話になったのではないかなと。
作家さまの今後の作品に期待を込めて、今回はこちらの評価で。

オメガバースじゃなくても良かったかも

「Mr.α」というシンプルなタイトルが好き。
オメガバース作品ではありますが、痛々しさだったり、悲壮感が強く出ている作品ではありません。
攻めの清住の溺愛っぷりが読んでいて気持ち良い。

今作の受けであり、ベータの日和視点で進む物語。
日和の職業が生花店の店長なのですが、ネイティブフラワーと呼ばれる種類の生花を取り扱っていたり、エアープランツなど、日常的に触れる機会が多くはない植物が登場して興味深かったです。
思わず後から検索して調べちゃいました。
キングプロテア。エキゾチックで豪華な素敵な花ですね。

中高の元先輩であり、すれ違いから10年前に別れてしまった元恋人であり、現在は人気俳優である清住。
そんな彼とひょんなことから再会することになり…と、再会ものとしては珍しくはないもの。
そこに植物を交えての交流が描かれていて、これは生花店を営む日和だからこそ出来た描写かなと思いました。
専門用語や耳慣れない植物の名前が多く、やや頭の中でイメージがしづらい部分もありましたが、あまり見かけない設定で面白かったです。
なんだか2人の学生時代のやり取りが妙に心地良くて、現代よりも過去の2人をもっと読みたかったなーなんてちょっと思ってしまったりもしつつ…

アルファである清住から溺愛され、猛アプローチされるベータの日和。
うーん、その後の展開があっさりと読めてしまうんです。
序盤から匂いすぎるほど香るので、大変失礼ながら、展開に驚きは何もなかったというのが正直なところ。
受けの日和が、頑なだったり柔軟だったりと安定しないキャラクターだったので、いまいち入り込めませんでした。
私はかろやかなキャラクターには思えなかったかな。
その一方で、良かったのは清住の真っ直ぐな日和への愛情。
周囲の人々の前では完璧だけれど、日和の前でだけ素でいられるのです。
学生時代の描写も含めて、今回は攻めの清住がとても好みでした。ちょっと可愛らしい部分もある攻めですね。

人気俳優と花屋の再会愛。
「君じゃなきゃだめ」を強調するには、オメガバースという設定は相性が良いと思うのです。
しかしながら、この展開になってしまうとどうなんだ?と思う部分もあったり、むしろオメガバースじゃなくても良かったのではないかなあと思ってしまったり。
職業設定とお話が面白かっただけに、普通の再会ものとして読んでみたかった気持ちが大きいです。

好きな部分もあるのですけれど

秀香穂里先生のオメガバース作品は、読んでいて作家様が楽しんで書かれているのが分かる作品が多くて大好きなのです。
ただ、だからこそ期待が大きかったのか、今作は自分の中でヒットならず。
すみません、辛口かもしれません。

ある日、フリーマーケットで目を惹かれるほどの美青年が描かれた肖像画と出逢ってしまった里央。
譲り受けた肖像画の君・クラウスと夢の中で逢瀬を重ねることになるけれど…
眠りと共に肖像画の中の架空の世界に飛び込んでしまったかのような、これは夢なのか?現実なのか?と、そこからどう進んでいくのかワクワクする設定は面白かったんですよ。
クラウスにまた逢いたいと焦がれる里央も、里央がいつやって来るのかを待つクラウスだってなんだかいじらしく、可愛らしい。

ですが、ワクワクやときめきよりも、この展開と設定は無理があるかな…と読めば読むほど頭が冷静になっていってしまう自分がいてどうにも入り込めないまま読了。
出逢うはずがなかった2人の逢瀬に甘さや切なさもちゃんとあるのですけれど、ファンタジーなのだと分かってはいても、これはやや力技というか…正直言って強引な展開かなと感じます。気持ちが置いてけぼりになってしまいました。
つかみは面白かっただけに、もう少し説得力が欲しかった。
オメガバース設定もそこまで必要とは思えず、序盤の校正ミスも気になります。

設定と甘みが盛り盛り

甘い作品を読みたい時には間之先生。
3連作の3作目ではありますが、他2作のキャラクターはそこまで登場しません。こちらだけでどっぷりと砂糖風呂のような甘さに浸れると思います。

金髪の麗しい外国人×日本人の組み合わせ。
設定が盛り沢山で、なんだか少し懐かしい雰囲気のBL作品を読んだ気持ちになりました。
今作の最大の魅力といえば、やはり攻めのレオンのキャラクターでしょうか。
駄々っ子まではいかない甘え上手っぷりと甘やかし上手さが共存しているおいしいキャラクターです。
策士…とまではいきませんが、とろけるほどに甘い策略でさり気なく受けをがっちり掴みつつ、次から次へと出て来るメープルシロップたっぷりの口説き文句で包んで溺愛してやまない。
受けの弥洋視点で進むお話なのですけれど、序盤からレオンからの好意がダダ漏れていますし、この流れはもう必然的にこうなるのだろうなという、王道な展開が読めてしまう。そういった分かりやすい部分も含めて、ひたすらに甘さを楽しむ作品なのかも。
合間にニッチなプレイを挟んでくるのがずるい。

と、レオンの甘さはとっても良かったのです。これぞ溺愛攻め。
ただ、うーん…私には設定が盛り盛りすぎたのか、一気に読むことが出来ず、途中途中で休憩を挟みながら読んでしまいました。
一流ホテルのマイ・バトラーなるプライベートコンシェルジュが、添い寝フレンドを派遣するの?一流ホテルの上客相手に?なんて、ちょっと冷めてしまったというか、つっこみたくなって仕方がなかったんですね。
レオンの映画監督な姿ももっと見たかったですし、弥洋の魅力が分かりづらかったのも惜しかった。
とはいえ、間違いなく糖分は大量摂取出来る。
細かいことが気にならなければ楽しめるのではないでしょうか。
個人的には、前作・前々作の方が好みでした。

ちょっとリアルでくるしい

オメガバースではない世界の妊娠もの。
性行為を前面に押し出した作品かと思いきや、これが真面目に妊活に取り組む男性同士のお話で。
こちらの作品の世界では、投薬によってじっくりと体をつくれば男性でも妊娠可能になるらしい。

薬の副作用で〜など、王道な展開を含めて、これはオメガバースではないのか?と思ったのが正直なところですが…
うーん。オメガバース作品では、子作りよりも番との関係性を重視して描かれている作品が多いように思います。
そして、一方の今作では、もちろん親友2人の関係性の変化についても描かれているのだけれど、どちらかというとこの作品の世界での男性同士の子作り・妊活に重きが置かれています。
この辺りが異なるところでしょうか。あまりメインとしては見かけない設定かも。

というのも、始まりが後継ぎをせっつかれた親友・花太郎を見た受けの要が「俺が産もうか?」と、恋愛感情なしの状態であっさりと請け負うんですね。
なので、はじめは義務的といいますか、なんというか生殖行為感が強いところからスタートします。
子供を産むために毎日のように投薬をして、妊娠可能になるまでの体づくりを行っては、やがてその結果に一喜一憂するようになっていく。

親友2人の関係性と気持ちが少しずつ変化する姿は見守るように読み進められたのです。
ですが、そもそもの始まりも含めて「そんなに簡単に子供を作っちゃうの?」と思ってしまったのと、妊活描写がメインだったので、個人的には心理描写が足りず、2人の恋愛面に関してはドンと来る萌えはあまり感じられなかったのが残念なところ。
それから、周囲の女性陣が登場した後の要の姿が読んでいてしんどかった。
妊活中のやり取りだとか、現実世界でもこんな風に言われて苦しんでいる方はきっといるんだろうなあ…とも思ったりして。リアルでした。

絵はとても綺麗ですし、描き下ろしは可愛らしいんです。
優しい攻めの花太郎も好きだったのですが、どうにももやもやとする部分が残り、今回はこちらの評価で。
合間合間のやり取りが良かっただけに、恋愛的な好意が多少あってからの妊活も読んでみたかったです。

あがってたんせ コミック

yoshi 

もうちょっとお米がほしい

「良かった」と「うーん?」が渦巻いてこちらの評価になりました。

方言的にもいぶりがっこ的にも、地方イメージ的には秋田でしょうか。
と言っても、東北地方の方言は似通った部分が多々あるので、それっぽい架空ののどかな土地といったところかな。

隣近所はだいたい知り合い。お裾分けは日常茶飯事で、インターホンを鳴らさずに家に出入りをする人もいれば、噂話をしようものなら伝言ゲームのように一瞬で広まり、よその家庭の事情をなぜか他人が詳しく知っている。
なんて、田舎あるあるがたくさん。
似通った田舎に住んでいる身としては、田舎の良いところを切り取ってあたたかく描いた作品だなと思います。うちの地元もこんな素敵なところだったらいいのにな。
毒気がなく、非常にほのぼのとしたお話でした。

お米が好きすぎて、これまで住んでいた東京に別れを告げ、無鉄砲なほどに体ひとつで米どころの地域に乗り込んで来た春希。
その計画性のなさと謎の行動力に、若干の引っかかりを覚えつつも、それはそれとして。
訪れた地方で、男3兄弟で暮らすとある家にしばらくお世話になることに。
そこで育まれる、都会っ子と田舎っ子たちのやり取りがなんとも心地良いぽかぽかとしたぬくさ。

春希の無邪気な表情はどれもすごく可愛らしかったですし、お話だって心の交流を丁寧に描いたほのぼの癒し系で優しくて良いのです。
ただ、ほとんどが冬のシーンばかりなので、肝心の米作りは…?となってしまったのが正直なところ。
描き下ろしにちょろっとしかないのはもったいない。
絵もとても綺麗なのですけれど、やはり圧倒的な米不足。あれだけお米が好きな主人公なのに。
ラブに至るまでの過程もあっという間でやや伝わり辛く、消化不良な部分が多かったかもしれません。
ラブと米がもう少し読みたかったです。

攻めはもうちょっと頑張って

こじらせた同級生同士の再会もの。
中学時代の同級生で、初恋の相手・芳也が芸能界に入ったと知り、自分だとバレないように変装をしてまでイベントに通う攻め…と、ここまでは良かった。
でも、序盤から攻めのりょーくんの悪質なマナー違反と気持ち悪さにドン引いてしまって、これは苦手なタイプかもしれない…と思いながらよろよろと読み進めることに。
絵はとっても綺麗だったんですけど…
ごめんなさい、ちょっと辛口かもしれません。

結論から述べるのなら、受けの芳也はいじらしくてすごく可愛かったんです。
本当は恥ずかしいのに自分から誘ったり、りょーくんの反応に一喜一憂したり、もっと会いたいけれど仕事なら仕方がないよねと我慢をしたり、悩んだり焦ったり。
最初こそ突っ走っていたような部分はあれど、以降はひたすらに健気で一途で可愛い。
ただ、やはり攻めのりょーくんの良さが分からない。
芳也から迫るとセックスはする。でも、するだけしたらすぐに寝てしまう攻め。
デリカシーのなさだとか、そういうあまり良くないイメージだけが強く残ってしまって、もっと攻めの良い部分だったり不器用だけど一生懸命な可愛らしさが見えたのなら…と思います。
芳也が可愛くて、いじらしくて、そして大変そうだった。
もうちょっとりょーくんは頑張ろうね。

ふんわりアラブ

中東にある、海と砂漠に挟まれたのどかな国・オルトガ王国。
摂氏45度にもなる暑い国で、入国早々空港で倒れ、その隙に貴重品ごと荷物を窃盗集団に盗まれ、自身は病院に運ばれ胃潰瘍で即手術と、ふんだりけったりな日本人・夏樹が主人公。

なぜここに日本人?という感じなのですが、文部科学省推進の海外プロジェクトに参加する日本人教師として中東へと渡り、はじめは別の地にいたものの、急な欠員を埋めるためにオルトガ入りをしたというもので。
オルトガで倒れ、無一文となった夏樹を助けてくれたのは、政府観光局に籍を置くサイードという日本人とのハーフのアラビアン。
親切な彼の元に身を寄せながら、ビザとパスポートが無事再発行され、術後の衰えた体力が回復するまで過ごすことになり…と続くお話。

あらすじで強引に求愛されるとありますが、あらすじ通り、日本語を巧みに操るサイードにぐいぐいと求愛される夏樹の図が続きます。
うーん、距離の詰め方がすごいサイードに懐かれ、ほだされまくる夏樹がちょろいですし、サイードがそこまで執着するほどの魅力を夏樹に感じないというのが正直なところ。
前半は、2人の会話のキャッチボールの雰囲気的にもコメディっぽさを強く感じながら、頭に浮かぶ疑問を端に寄せつつ読みました。

が、こちらの作品、何気なく書かれた文章が伏線となっていたり、回収の仕方も綺麗です。
なぜ夏樹は中東に?なぜサイードは犬のように夏樹に懐くのか?など、「なぜ?」と、疑問だった部分が、読み進めるにつれて綺麗にするすると回収されていくのが気持ち良い。
それから、情景描写も綺麗。
砂の大地の美しさ、古いレンガで作られた城跡、雪のように白い壁、アラベスク模様のタイル。思わず想像してしまいますね。

ただ、ちょっと上手くいきすぎかなと思う設定や展開が多かったり、あまり読んだことがないタイプのアラブものという点では楽しめたのですけれど、登場人物達に大きな魅力は感じられないままさらりと読了。疑問点も少し残ります。
序盤のコミカルさから、切なくなったり一途だったり健気だったり、ゆったりと感情の波が寄せては引いていくような描き方は好きでした。
もう少し長いページ数で書かれたお話だったのなら、きっと、より魅力的なお話になったのではないかなと。
好きな部分もありましたが萌え切れず、今回はこちらの評価で。