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萌×2作品

マスターレビューアー 「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性みざきさん

レビュー数9

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「らしさ」が詰まった番外編

アーサーシリーズの新作番外編。
物語の舞台はボストン。
クリスマス休暇をエドワードの家で過ごすこととなった、アーサー×トキ&エドワード×千紘の2カップル。
千紘とアーサー&トキカップルの初めましてが描かれているお話です。

こちらのお話、アーサーシリーズ"らしさ"が溢れていてすごく面白かったです。
1番面白いなと思ったのが、4人それぞれの視点で少しずつ区切られながら、エドワード宅でのクリスマス休暇の過ごし方が見られる点。
つまり、自分の恋人・別カップルへの印象その他もろもろだったり、各視点の心情が読めるわけなのです。
いやあ…こんなの面白いに決まってる。
ダントツでアーサー視点が期待通りで笑っちゃう。
シリーズファンの方はぜひ。

今作のテーマは"嫉妬"でしょうか。
アーサー×トキカップルと比べて、ぐるぐると思い悩む生真面目な千紘の初々しさたるや…という感じなのですが、そこまで深刻なことにはならず、安心して読めるかと思います。
トキと千紘のやり取りがなんだか良かったなあ。
日本人同士だからというよりも、トキがふんわりと柔らかいので、まだ少しかたさがある千紘とは相性が良いのかな。
そして、アーサーとエドワード兄弟。
それぞれ性格は異なるというのに、対恋人のこととなるとおかしくなったり、一気に心が狭くなる点は同じなんですよね。アーサーの方が若干濃ゆいですけれど。
これはきっと血筋なのだろうな。受けを溺愛・盲愛するDNAが流れている。

それから、プレイ関係でひとつだけ。
トキの剃毛に勤しんでやまないアーサーの描写は今までもありましたが、今回は逆パターンも。
正しくは相互剃毛となるのかなと思いますが、これはもしかしたらピンと来る方もいるのではないかな?
ただ、ここは人様の家なんですよね。
やはり、アーサー・ラザフォード。兄の家であろうとブレませんでした。

その後の4人のお話も読みたくなる、素敵な番外編でした。
受け2人が集まって仲良くしている姿ももっと読んでみたいななんて。

お尻だけじゃない

お尻だけではなく、全部えっちで可愛いのでは…?

ズバリ、"すごく可愛い"が詰まっている平和な作品。
おじさま(奥海さんはいくつなんだろう)×大学生…と、ちょっと歳の差がある2人のお話なのですけれど、妙にツボにサクッとハマる作品でした。
余裕がありそうな大人が「いい子だね〜」「うんうん、気持ち良いね〜」とあやすように受けを愛でてやまない溺愛系作品を、私は2人を見守る壁…と思いながら読むのが好きなのかもしれないなと、今作で改めて自分の萌えのツボを再確認出来た気がします。

もう、鳩屋タマ先生の可愛らしい絵柄と、奥海さんにとろとろにとろけさせられていってしまう藍ちゃんのえっちさがたまらないんですよ。
絵柄の可愛らしさから、なんだかいけないものを読んでいるような気持ちになってしまったりもしつつ…
同性同士の葛藤だったり、ドラマがある作品も好きだけれど、たまには何も考えず、ひたすらに受けが可愛い癒されるちょっとえっちな作品が読みたい。
そんな時にぴったりの1冊かもしれないななんて。

なんて言ったって、奥海さんの藍ちゃんへの溺愛っぷりが実家のような安心感たっぷりなのが良い。ゆるがない溺愛。
攻めによる受け溺愛ものってやっぱり最高なんだなとしみじみ思いつつ、読後には即効性のある萌えをしっかりとチャージ出来て元気になりました。
やっぱり、生きていく上で糖分って大切。

お馬さんごっこ

コミコミスタジオさんでの購入特典小冊子です。
本編終了後、攻め・蒼星視点のお話。


本編でのほのぼの感はそのままに、亜耶を愛してやまない蒼星の脳内のぐるぐるがダダ漏れしていて、あたたかいやら微笑ましいやらで楽しく読めました。
タイトル通り、亜耶が蒼星の仕獣であるウルスやルプと、幼少期にやった「お馬さんごっこ」をする…という可愛らしい内容なのですが、攻め視点ならではのもやもやがちょっと笑えてしまって、これだから受けを溺愛する攻め視点を読むのはやめられないなと。

普段無欲な人(神様)が欲や執着を見せるとすごいのだなと思うと同時に、それほどまでに想える相手が出来て良かったねという気持ちでいっぱいになります。
とはいえ、「どうしてもお馬さんごっこをしなくちゃだめだ」には笑ってしまいました。
"子供のお馬さんごっこ"が、"おとなのお馬さんごっこ"になってしまう。
どでかい"好き"の気持ちを抱えた攻めが愛らしいお話でした。

原作未読でも楽しめます

原作が気になっていたものの、もう既になかなかの分厚さで何作か出ていたので、どこから読もうかと思っていたらコミカライズが!
と、こちらのコミカライズ版から入った原作未読の者の、ややぼかしながらのレビューとなります。

あの、すごく面白かったです。
いわゆる異世界トリップものになると思うのですが、主人公であるチカがこの世界にトリップしたのはつい最近のお話ではないのですよね。
◯◯族とつく獣人たちが数多く生活していたり、女性が存在しておらず、種族の他にアニマとアニムスという性別があったり、番制度やギルドに魔力…などなど。
なかなかにファンタジーな設定が盛り込んであるのですが、松基羊先生のすっきりとした魅力的な絵柄と画力の高さ、お話の面白さとテンポの良さが見事に合わさって、特に混乱することもなく、自然と設定が頭に入っていく。
終始、設定と展開にワクワクしながら読めました。
気になっていたけれど手が出せずにいたよという方、こちらから入ってみるのはいかがでしょうか?


日本では元医者で40代だったチカ。
ある日、奴隷制度のあるキャタルトンという異世界・異国へと何故か若返った姿でトリップしてしまい、以来、何年も性奴隷として働かされボロボロの状態だった…と、文字にするだけで過酷な状況なのですが…
そんな不憫な主人公にはやはり救われて幸せになってほしいもので。
ひょんなことから、タイトルにもある"獣達"に救われて、これがまたたまらない甘さで溺愛されることに。

大きいの2人に挟まれる小さいのって、なんでこんなに可愛らしいことになるのでしょうね。
熊族と獅子族。ゲイルとダグラスの種族設定が生かされた雄感の強いがっしりとした風貌がすごく良くて。
加えて、包容力が高く、ギスギスすることなくひたすらに2人でチカを愛でてやまないのです。
でろでろに甘くて可愛いことこの上ない。これは萌えた。
小柄なチカを膝の上に乗せたり、ひょいっと抱えて運んでしまったり、身長・体格差の良いところもたっぷりと詰まっていますよ。

個人的に良いなと思ったのが、チカが与えられてばかりを良しとしない人だったところ。
可愛い可愛いとちやほやされている主人公も良いのですが、そればかりではないのが良かったですね。
そして、どのキャラクターも立っていて魅力的なところ。
兎族のミンツさんに関しては、巻末にある茶柱先生によるSSで更に気になる存在に。
それから、獣人達の耳!人の耳がない状態なところにおっ!となりました。
これは原作のキャラクターデザインをされた黒田屑先生ならではなのかな。いつも獣人の四つ耳が気になってしまうタチなので、耳なしデザインのキャラクターが新鮮でした。

他にも書きたいことは沢山あるのですが、まずは下巻まで読んでから…!
ということで、ワクワクをそのままに引き続き下巻へと進みたいと思います。

設定の生かし方が見事

念のためネタバレありに設定していますが、内容をぼかしたレビューです。


「頼む、囲わせてくれ」

なんて、斬新な愛の言葉から始まるお話。
こちらの作品、またしても海野先生にやられたなと。
これだから先生の作品を読むのがやめらないんだなと改めて思った次第です。クセになりますよ。
いやもう、どうやったらこんなお話が思いつくのでしょう。
先がなかなか読めない展開ですごく面白かったですし、なによりもメイン2人が甘くて頭を抱えて萌えた。
現代もののBL作をお求めの方や、なおかつちょっと変わった職業に就いている人のお話が読みたい方、甘みあり、人情味ありなお話が読みたい方はぜひ。

消費者金融会社の社長…いわゆる借金取り×知人の連帯保証人にうっかりされてしまっていた500万円の借金を背負うことになった売れないホストと、一風変わった設定の2人。
主人公である琉星が心理学をかじっていることもあり、なりゆきで"琉星のことが好きになる"催眠術を雉真にかけることになるわけで。
どういうこと?って思いますよね。私も思いました。
正直言って、あらすじを読んでもなんのこっちゃという感じだったんですよ。
でも、ものすごく気になりませんか?

ここからが海野先生のすごいところ。
この突拍子もない設定と導入から、こんなに萌えてしまうお話になるとは思わなかった。催眠術の生かし方が上手いんですよ。
序盤からずっと、攻めの雉真の二面性に萌えて萌えて仕方がなかったわけなのですが、受けの琉星もただのお人好しな流され受けにならないところもすごく良かったんです。
受けも攻めも好みでしたし、2人の関係性もなんだかとっても良い。しかも溺愛で糖度が高い。
はー、これは萌えてしまったなあ…

前半では展開の面白さと甘みと萌えがじわじわと沁み渡り、後半では胸がじんわりとするような感覚というのかな。
1冊でテイストが違う2つのお話が読めるのです。
読みやすい文章とたっぷりの甘さはそのままに、後半で魅力的なキャラクターをさらに掘り下げていく。
掘り下げの部分がまた非常に救いのある良いアプローチでした。
すっかり私も「この本に夢中になる」催眠術にかかってしまっていたようです。

かわいい

小夏うみれ先生の絵、すごく好きなんです。
キャラクターはもちろんなのですけれど、服のシワだったり、腕と脚のラインだったり、線がすっきりとしていて、綺麗だなあとついついじっくり見てしまう。
ころころと変わる南月の表情も可愛いんですよ。

獣人ものでウサギといえば、なんとなく受けなのかななんてイメージがあったりして。
ところが、こちらの作品はぴょこんと生えた長い耳を持ったウサギが攻め。
そして、どちらかというと攻め側に周りそうなオオカミが受けだという。
モチーフとなっている種族的にも、本来であればオオカミの方が一途な気がしますが、今作はウサギの珀兎がやや暴走気味になりつつも一途に南月を溺愛し、追い掛けまわします。
獣人設定ではありますけれど、複雑な特殊設定はあまりなく、お話も王道寄りの再会ものなので読みやすいかと思います。

いやあ、可愛かった。
何が可愛いって、南月がすっごく可愛い。
珀兎と再会して以来、終始振り回されている姿には少々同情をしつつ…
南月には大変申し訳ないのだけれど、触れられて戸惑っている顔も恥ずかしがっている顔も、どれもものすごく可愛いんですよ…
獣人ゆえの尻尾の動きも感情爆発丸分かりで可愛い。
珀兎の手によってとろけさせられていってしまうわけなのですが、とあるきっかけで気持ちが変化しはじめてからというもの、なんだかどんどん可愛さが増していきませんか?
さっきから可愛いしか書けていませんね。
南月が可愛い。これに尽きます。

それから、個人的に今作は飴がMVPなんじゃないかなって。
これは…どのシーンよりもえっちだ…
ちょっと、こんなにえっちな飴初めて見ました。
受けも攻めも色っぽく見せる、とても良い仕事をしてくれる飴にぜひ注目してみてください。

攻めの青さと誠実さが100点

美麗な画に、読み始めと中盤・終盤で印象が魅力的に変化していく物語。
こちらが作家さまのデビューコミックスとのことで、読み終えた今、非常に驚いています。
オメガバースで、アルファとオメガのお話で、カバーイラストもシリアスな雰囲気。
これは重たいお話なのだろうかと思いながら読み進める。
結果、トーンとしては決して明るく楽しいものではないのですが、なんだかすごく気持ちの良い読後感なのです。

それは、レオを諦めず、ひたすらに真っ直ぐ追い掛ける攻め・伊織がとても良かったからなのかもしれません。
伊織という子は、よくいるアルファのイメージとは異なる…というか、ごく普通のどこにでもいそうな高校生の少年っぽさと、彼本来の誠実さと一生懸命さが絶妙にミックスされていて、なんというか読んでいて安心出来る子なんですよ。
これでまだ10代なのか…今も未来も楽しみで仕方がない。

受けのレオが背負っているものがなかなかに重たく辛いものなのですけれど、帯にもある"至高の浄化ラブ"の煽り文に偽りなしでした。
視点の変化も自然で、受けにも攻めにもグッと気持ちが持っていかれる。本当にお上手です。
これがもしレオ視点のみだったり、レオ視点スタートだったのなら、また異なる印象を持ったと思うんですよ。
伊織視点から始まり、運命めいた存在のレオと出逢ったからこそ良かったのだと思う。
レオのバックボーンが判明していくに連れ、どうしても彼の幸せを願ってやまないわけなのですが、その頃にはもう、読み手は既に「伊織ならばきっと」という気持ちになっているのです。
想像していた以上に読み応えのある素敵な作品でした。

それから、レオを見守っているかのような友人たちが好き。
千歳くんも気になるのですが、中でも、ぴったりと寄り添い合っていたオメガの弥遥と病院の息子の彼が気になって仕方がなかったのですけれど、本編に名前がなく残念。
と思っていたら、作者さまのTwitterいわく、ベータで萩(しゅう)くんというそうです。
これはまたドラマがありそうな…スピンオフがもしあれば読んでみたい。

メルヘンとロマンティックの合間で紡がれる

いやあ…yoco先生のカバーイラスト、これはあまりにも素敵ではないですか?
色合いも装丁も本当に綺麗で、思わず手に取って眺めたくなる。
装丁を担当されたのは、Asanomi Graphicの斉藤麻実子さん。細やかなお仕事が素晴らしいです。
薔薇が舞う薄桃色の帯も、背表紙も、折り返し部分のデザインもこれまた素敵なんです。
気になった方は紙の本もお手に取ってみてください。

ロシア風の架空の国を舞台に両視点で紡がれる、メルヘンとロマンティックの中に美しさがあふれるお話でした。
内容に関してはもう素敵なレビューが上がっているので、感想だけ。
こちらの作品、焦ったくももどかしい恋のお話なのです。
想い合っているし、くっついてはいるのだけれど、本当の意味ではなかなかくっつかない。
愛し合う2人の間に訪れる試練や壁というものは、時にはお話のスパイスにもなり、時にはあまり続くとダレてしまったりもすると思うんですよ。
ただですね、今作はこのもどかしさや切なさがとても良くて。
なんだか、じっくりコトコトと信頼関係を深めていくようで、オメガバースだけれど性急さはなく、きちんと心も伴った愛情が感じられたというのかな。
丁寧な心理描写が光る作品でした。

そして、攻めと受けのキャラクターが非常に良かった。
特に攻めのレオニード。彼が本当に心優しい人で。
優しいのだけれどヘタレ感はなく、なよなよとしているわけでもない。本当にシダのことを心から愛しているのが深く伝わってくる、すごく良い攻めなんです。
華藤先生のあとがきいわく、"ふわふわとしたやわらかな癒し系の優しい性格"とのことですが、その言葉がぴったりの大らかで愛情が強い人。
オメガバースもので久しぶりにこういう攻めと出逢えた気がします。
お相手となるシダもただの健気受けでは終わらないのです。
なんというのか、一見儚げなのにそれだけではない、一本筋が通った強さがある受けで、こちらもすごく良かった。
そんな2人がお互いを心から想い合う様子がわかるのだから、これはもうたまらないですよね。

駆け足気味な終盤や、シダが兄上と慕う人物の後半の発言でちょっぴりウーン?となる部分もありましたが、それ以上に、言葉を介さずに深まる2人の関係が素敵だったので、今回はこちらの評価で。
作中に登場する薔薇園は色とりどりの薔薇が咲く虹色とのことでしたが、読後の印象を薔薇で例えるのなら、花の中心から淡くグラデーションに色付く、ピエール・ドゥ・ロンサールかななんて。

静かに、烈しく

「狼の群れ」というタイトルに、雪や冬を思わせる淡い色のカバーデザイン。
期待に胸膨らませながらページをめくると、圧倒的な画力に思わず見惚れてしまう。
扉絵から何もかもが美しくて、こんなにも美しく狼と自然を描いたBL作品は初めて読んだかもしれません。
「FANGS」や「ばら色の元気と花喰らふきみ」でも思いましたが、ビリー・バリバリー先生にしか描けない世界観だと思う。
作中にアルファやベータ・オメガなどの設定ページがありますが、これはBL界隈でよく耳にするオメガバースではなく、狼の群れ社会を表したものではないかなと。

なぜ彼らは人の形にも狼の形にもなれるのか?など、細かな説明はほぼありませんし、ないまま進んでいくのです。
しかし、説明なんてなくても惹き込まれるものがあるのだからすごい。
BLというよりも、「群れ」という大きな家族の物語という印象が大きいので、BL成分を強く求めると少し違うかなと思います。べったりとした甘みも多くはない。
けれど、1冊を通してぎっしりと詰まった狼たちの壮大なお話に夢中になってしまう。
メインとなる、谷の長であるガルムと湖のお皿であるハテイだけではなく、群れの仲間たちのそれぞれ異なる形の愛と繋がりも描いているんです。ここが魅力的。

深々と積もる雪のような静けさの中の烈しさ、フェンリルたちの強い繋がりを感じられる素敵な1冊でした。
あとがきがまた素晴らしくそそられる内容でした。

不屈のゾノ コミック

しっけ 

カツサンドありがとう

てっきり喧嘩ップルのお話かと思っていたら違った。
殺伐とした感じでもなく、なんだか可愛らしい印象。
その合間にいわゆるフェチな部分を強く感じるんですよ。
可愛いのに指や歯、耳や舌の描写が生々しくて、高校生ものなのだけれど、この"フェチ"が合間に入ることで普通の高校生ものではないような不思議な読後感が生まれたのかもしれない。

高校3年生のゾノとデト。
そして、その周囲の友人たちがすごく良い子で、読み進めるにつれてどんどん愛着がわいていってしまう。
なんというか、微笑ましいなんて言葉がぴったりなのかも。
全員が優しくて気さくな子たちなんですよね。読んでいて非常に気持ちが良いのです。
ひとつのカツサンドを奪い合う男子高校生2人を見ていたはずが、気付けば高相性の2人になっているのもすごい。
展開に唐突さや無理矢理さをあまり感じることなく、流れるようにするりと恋に落ちていく。
いやあ…しっけ先生、上手いなあ。キューピッドのカツサンドもありがとう。
個人的に、ファンシー趣味なヤンキー萌えはなかったはずなのだけれど、自然とそんなゾノが可愛いと思えて来るんですよ。

キャラクター造形的にもタイトル的にも、男前で可愛いゾノに目線がいきそうなところですが、私はデトが好みでした。
高校生らしい青臭い部分もありつつ、この年齢でなんて出来た男の子なのか。
"かっこいい"とはまた少し違う、"なんか良いな"がある子で、2人の行く末も安心して見守れました。
きっと、これからもっと良い男に成長していくはず。
2人のその後の生活がチラリと見られたのも嬉しい。
…と、神評価にしたいところなのですが、やはり展開上必要だったのかなと思いつつ、大人の存在がマイナス要素。
もう少しマイルドな表現だったり、高校生のみで完結していたのなら神評価だったかなと。

最後に、紙本のカバー下のデザインと色味がすごく可愛くて嬉しい驚き。
危険や注意を彷彿とさせる黒と黄色が印象的なカバーとは真逆のデザインで、こちらも楽しめました。可愛い。