Sakura0904さんのマイページ

中立作品

エキスパートレビューアー2023

女性Sakura0904さん

レビュー数21

ポイント数166

今年度22位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

流れるように始まって終わる

 年下×ビッチな画家という組み合わせ、誰にも咎められない場所で終始濃密に絡む2人。魅力的な材料はいろいろと揃っていて、アマミヤ先生の空気に溶け込むような画風もこの世界観にとても合ってはいたのですが。さらさらと読み終えてしまって、心に残るものがあまりなかったなという印象です。

 端からライトに読むには2人のキャラクターに癖があり過ぎるし、逆にどっぷり浸かろうと思うと、まだ2人の表面的な部分しか見せられていない気がしてどうにも中途半端に感じてしまうんです。なぜこの相手にここまで執着してしまうのか、その描写がもう少し欲しかったかなと思います。

ただいじめただけでは?

 攻めである飛名が喫茶店をやっている年下の清志にかなり早い段階から手を出す展開にはわくわくし、きはら先生のほのぼのしたタッチに反して、生意気な相手を快楽で籠絡したいという歪んだ嗜好も見せてくれて期待が高まりました。しかし、読み終わってみると、余韻も萌えもあまり残らなかったなという印象です。ゲイでもなさそうな清志があまりにも飛名に都合の良いように描かれ、飛名は特に何もしていないのに棚ぼた的に清志を手に入れた感がありますし、飛名自身の掘り下げや心情変化の描写もかなり薄いんですよね。脆そうな関係性の2人だなぁと思ってしまいました。

人間としか思えない

 続きが気になるくらいの魅力はあったのですが、天使と悪魔が登場する設定をあまり活かせていないように感じました。天使と悪魔の違いは羽の色だけで、単に勢力争いをしている関係というのが斬新でもあり、設定の醍醐味を殺しているようでもあり…。見た目も皆スーツや制服を着ていて、人間にしか見えないので、せっかくの世界観に浸れず。桜路が堕天した天使か悪魔かもしれない、というのもBLに集中できない謎設定でした。いろんな要素がばらばらに配置されている感じ。2巻でもう少し整然とされるといいですね。

FILES コミック

里つばめ 

むしろ兄弟関係や兄の方が気になってしまう

 里先生って私の中ではとても不思議な先生で、お仕事系以外の学校ものなどの作品では心情描写が優れているなぁと感じるのに対し、お仕事系作品では結構勢い任せなところを感じるというか、BLファンタジーに図らずも頼ってしまっている印象が拭えないんですよね。こちらも攻め受けの設定や、受けの吉野と兄の関係など、素敵な要素はいろいろあるのだけど、菊池が吉野をそういう目で見るようになるのがどうしても唐突で取って付けたように感じ、BL面であまりハマれませんでした。可愛いな、くらいは分かりますが、触りたい、は早過ぎる気がして。菊池のような性格のノンケの男が、吉野のような性格の同性を恋愛対象として見る説得力がもう少し欲しかったです。

私にはまだ早い物語

 全体的なストーリーは軽快さもありよく考えられていると感じるところもあり、さすが日野先生という印象だったんですが、如何せん私自身がシキという宇宙人との絡みに萌えを見出せませんでした。彼は触手にもなれるのだけど、触手がダメということではないんです。実体がなくて何にでも変化できるシキ。彼が一番こうありたいと思う姿は何なのか? 私としては姿もその人のアイデンティティなので、変化を強制されているのでなければ、これが自分だという姿を保っていて欲しい。シキのバックグラウンドがまったく見えないのも相俟って、佐知也は一体誰と愛し合っているんだろう?という虚無感が最後まで抜けきれませんでした。

むしろミジドとタリフの方に惹かれるかも

 3巻までも結構波乱が多かったので、この4巻辺りでウルジとラムダンがゆっくり愛を育める展開になるのではないかと勝手に想像してしまっていました。が、まだ2人の関係の魅力を理解しきれてないまま、物語が王道な少女漫画のようになってきたので、個人的にはあれっ?という感じでした。単純にピンチに陥ったヒロインというだけでなく、ラムダンの勇気や豪胆さも見れたので特別良くない展開というわけでもなかったのですが、この辺で一旦波乱は控えてウルジとラムダンがしっかり向き合う過程があった方が、2人の心情にもっと共感できたのではないかと思います。ラムダンの表情にも男っぽさがまったくないので、正直BLとしての萌えが薄れてきたかもしれません。

行動の原理が分からない

 大津の踏み込み方が私には結構図々しいように感じられてしまい、あまり好きになれなかったです。実際に踏み込まれる側のアキにとっては、確かにこれくらい荒々しい方が良かったのかもしれない。もっと気遣われながらだったり、ちょっと反発したら一歩引かれるくらい遠慮されたりしていたら、くっつくまでに時間はかかったと思います。それでも、大津の踏み込み方には何か恐ろしさがあります。そこまでする動機が分からないからかもしれません。アキのどこにそこまでする魅力を感じたのか、私にはその描写が足りなかったのかなと思いました。

結局なあなあなカップル

 この作品が刺さる人がたくさんいるのも理解はできる一方で、私にはあまり理解できないカップリングだったな、というのが正直なところです。タイトルでも匂わされ、実際SM要素のある濡れ場もあるのですが、個人的にはそれがメインではないと感じました。こういうSMに萌えるか萌えないか、ではなく、ストーリーをすんなり受け入れられるか否かでハマるかどうかが変わる気がします。

 昔結構悪質ないじめをしていた人が、その被害者のことを忘れられなくて気付いたら同性だけど好きになっていた、そして、ストーカーになって再会したらもちろん引かれたし罵倒もされたけど、諦めずにアタックし続けていたら相手の方から寄ってきてくれた。加害者だった吉野の思考も被害者だった高瀬の思考も私にはよく分からないというか、よく分かりたくもないというのが正直な感想です。一旦は謝るものの、再会してからもずっと一方的な吉野。もっと攻撃したり完全無視したりしてもいいのに、なんだかんだ最初から吉野に絆される片鱗を見せる高瀬。なぜ?という気持ちでいっぱいでした。

キャラの解釈違い?

 全体を通しての雰囲気は好みだったのですが、祭りの幻想的なシーンが何度か描かれてるにも関わらず、良くも悪くもストーリーが普通であまり心に残るものがなかったというのが正直な感想です。別にもっと根の深いトラウマを抱えていて欲しかったわけでも、キャラクターの性格に癖があって欲しかったわけでもありません。ただ、祭り、自己否定、恋心、欲情という1つひとつの要素が自然と絡まっていく感じがなかったかな。今までの流れでこうなるか?という違和感を覚えてしまったり。

 2人の性格上、体の関係を持つまではもっと時間がかかっても良さそう、むしろ高校生の間はなくてもいいくらいだったと思います。プラトニックな恋愛の方が余程自然だったのではないでしょうか。まだピュアな関係性、少し触れれば壊れてしまいそうな脆い関係性の時に、突然性的なシーンが訪れるので、いまいち心情を上手く掴めずに少し引いてしまいました。私にはもはや恋愛かどうかも曖昧なまま、ゆっくり距離を詰めていく、いつの間にか相手が隣にいると心から安心できるようになっている、というような関係性が自然なように思えました。最初に2人から受けた印象と、期待したものがずれてしまったようです。

受けのふわふわ感が悪い意味で気になる

◆やさしい水嶋先生(表題作)
 うーん、こちらは小谷の妖精さん感が強過ぎて、あまりにも高校生らしく見えなかったのでハマれませんでした。デフォルメされたコマも多いので、余計に幼さが目立っていた気がします。幼い頃から仕事で忙しい親のために1人で家にいることが多く、家族らしい行事などに人一倍憧れが強いというのは分かるのですが、それがここまでの幼さに繋がるだろうかと疑問視してしまいます。教師の水嶋の方も、教師なら考えなければならないいろいろな問題をすっ飛ばして小谷と接しているので、教師×生徒ものとしてのリアリティも薄め。2人を繋ぐ園芸や野菜、食事というアイテムは良かったですが、キャラ設定と流れにさすがに無理があるかなと感じました。

◆Candy Candy Rain
 表題作がもっと現実味のある話だったら気にならなかったかもしれませんが、表題作もBLファンタジー色が強めだったので、同時収録作までその色が濃いとちょっと感情移入が難しいなと感じてしまいました。