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男性ぴれーねさん

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攻めは怒りのコントロールを学んだ方がいいと思う

レンタル彼氏と、ビジネスから始まる恋です。

自身がゲイかと悩んでいる主人公の航太。
彼氏をレンタルしてデートしてみる事で、自分の性指向をハッキリさせようとします。
すると、レンタル彼氏としてやってきた便利屋・ヨシヤに一目で惹かれてしまう。
レンタル彼氏でしかないヨシヤに恋してしまってと、更に悩みを増やしてしまうんですね。
そんな中、バーで絡まれて危険な所を、助けてくれたヨシヤ。
しかし、営業時間外の彼は、とても冷たくてー・・・と言うものです。

えーと、こちら、あらすじがとても好みだったので購入しました。
それで、仕事中と営業時間外。
攻めのキャラの違いが興味をそそりますし、とても真っ直ぐで芯の強い受けのキャラも良いと思います。

こちら、現代ものになるんですけど、すごく等身大の恋愛なんですよね。
最初こそ自身の性指向に悩む主人公と、恋愛に関して受けの側に問題があるのかと思わせられる。
それが、実の所、本当に問題を抱えているのは攻めなんですよね。
で、そんな攻めの頑なな心が、受けの真っ直ぐな愛情によって解き放たれてゆくのが素敵と言うか。
優しくてあたたかいお話だと思います。

が、こちら、微妙に引っ掛かる部分もあってと、ちょっと評価が難しいんですよね。
えーと、個人的にダメだったのが、攻めのキャラクター。

う~ん。
ヨシヤですが、タイトルでは「冷たい」となってるんですけど、印象としては怒りっぽいでして。
こう、すぐ不機嫌になったり、怒鳴り散らしたり、物に八つ当たりしたり。
これね、実は彼の育った家庭環境に問題がありまして、だから彼のこのキャラに納得は行くのです。
行くのですが、だから好感を持てるかと言うと、それは全くの別問題でして。
こう彼は、アンガーマネジメントのセミナーとか受けて、怒りのコントロールを学んだほうがいいんじゃないんかなぁと。
カウンセリングでもいいけど。
や、根が深そうだから。
そもそも個人的萌えから言わせて貰うと、こういう心に傷を持つ男って、だからこそ人に優しくなれる・・・みたいなパターンの方が好みですよ。
彼はちょい幼稚な部分があると言うか、大学生の受けの方が大人だとすら感じる時があるんですよね。
また、表題作ではモヤモヤする程度でしたが、書き下ろしの後日談で徹底的に嫌になっちゃって。
受けを仕事に利用するって、無いわー。的な。

あと、あれもこれもと申し訳ないんですけど。
ちょい気持ちの変化が急で戸惑うんですよね。
攻めですが、ずっと受けを突き放す、そして拒み続けていたかと思うと、突然過去を語りだし、あっという間にくっついちゃうのです。
えーと、この部分が攻め視点で書かれてればまだ理解出来たんじゃないかとは思うんですけど。
つくづく、この攻め理解出来んと。

と、そんな感じで、ストーリーとしては好みながら、ちょい攻めのキャラでモヤモヤしてしまう。
評価を迷いましたが、萌えより攻めに対するモヤモヤの方がデカイので「中立」で。

ただ、あくまでこれは好みの問題なので、心に傷を持つ攻めとかお好きな方は、萌えるんじゃないかと思います。



Luck コミック

暮田マキネ 

簡単に許しすぎだよ

占いどおりに行動する大学生と、そんな彼に何故か親しげに付きまとう人気者の先輩による、日常系ラブです。

こちら、ストーリーとしては面白いです。

主人公である天は全て占いどおりに行動しますが、その理由と言うのがなんとも切ないと言うか痛々しいと言うか。
えーと、過去の痛い恋愛に関係してるんですよね。

で、そんな彼に何故か親しみを持って絡んでくるのが、学内で有名人の攻め・鳥飼。
最初こそ鳥飼に苛立ちを感じていた天が、予想外の行動ばかりとる彼に調子を崩され、徐々に徐々に受け入れてゆくのが萌えます。
この流れがとても上手いと思う。

あと、そんな感じで甘酸っぱい恋模様を堪能してると、予想外の展開が来て驚かされと、緩急の付け方もお上手だと思います。
個人的に暮田先生の作品って、どこかほの暗いってイメージなんですよね。
ほの暗いと言うか、静かで淡々としてると言うか。
上手く言えないけど。
ここ来てまさにその雰囲気全開でして、読ませてくれるなぁと。

が、ちょっと個人的に引っ掛かる部分。
えーと、オチがアッサリと言いますか、盛り上がりに欠けるまま終了なんですよね。
えっ、そんな簡単に結ばれちゃうの?と。
てか、天。
彼にとって鳥飼がしていた事って、トラウマにも関わる普通に考えてとても許せる行為じゃないよなぁと。
なのに、そんなアッサリ許せちゃうものなの?と。
こう、もうちょいここで、葛藤とかそれを凌駕するほどの鳥飼に対する恋情とか描いて欲しかったなぁと。
じゃないと、簡単に許した!と、肩透かし感がすごいですよ。
天がな、もっとアホの子とかで単純なら納得も行くんですけど、かなり複雑で後ろ向きな子だし。
う~ん・・・。
納得が行かないのは私だけかもしれないですけど。
いつもの暮田作品を期待してただけに、残念と言うか。

あと、これは私の読解力に問題があるかもしれないんですけど。
鳥飼が天を好きになった理由と言うのが、よく分からなかったです。
最初は興味本意から近付いて、徐々に本気になっちゃったって事だろうとは思うものの、冷静に考えるとわりと酷いヤツですよね。
鳥飼。
いつまでも占いに頼る天に「面白くない」と告げるのも。
ここで誠意ある態度を見せてくれたら、印象もまた違ったのに。

う~ん。
そんな感じで読後感と言うのが、なんとも微妙なんですよね。
いまいち盛り上がりに欠けるままで終わってしまったって感じで。
評価を迷いましたが、攻めも好きになれないので「中立」で。
こうな、もっと鳥飼が傷付いて深く反省してくれれば良かったのに。
やっぱ、簡単に許しすぎだよ。

私なら百年の恋も覚める

あらすじを読んでとても惹かれた為、購入です。
上下巻合わせての感想になります。

こちら、ストーリーとしてはとても面白いです。
会社の顧客リストの流出から始まり、その裏に隠れていた驚きの狙い。
こう、次々明らかになる意外な真相の連続に、ページをめくる手を止める事が出来ないと言うか。

また、その中で繰り広げられる、男達の愛憎入り交じる人間ドラマも圧巻だと思います。
裏切りに復讐に絶望。

人間って悲しい事に、自分が傷付けられると相手も同じくらい傷付けてやりたいんですよね。
そんな人間の愚かで醜い姿が、もう容赦なく描かれてます。
その果てにたどり着いた、静謐とも言える境地も。
ああ、確かにこれは「絶望に啼け」だわと。
読者を選ぶ作品だとは思うんですけど、合わない方でも読み応えがある事自体は認めざるを得ないんじゃないでしょうか。

で、素晴らしい作品だと言う事に素直に敬意を表した上で、私も直球で疑問点を書きたいと思います。
まずなんで、6年前に赤嶺は内海をレイプしたのか?
最後まで読みましたが、これの答えが描かれてないんですよね。

えーと、繰り返しになりますが、二人の関係と言うのは愛憎入り交じる複雑なものなのです。
新歓の席で赤嶺が庇ってくれた。
その後にレイプされたと言う、内海にとってはまさに光と闇のような出来事により、赤嶺に強い執着を抱くようになった。
ここが全ての始まりと、土台とも言うべき部分なのです。
だからこそ、レイプに至るちゃんとした理由が無いと、その後が全て嘘っぱちになっちゃうと言うか。
こう、酒宴で庇った赤嶺と言うのはとても好青年で、その後にレイプする彼はクソにしか見えないんですよね。
いきなり地面に叩きつけた上に無理やりフェラさせ、更に突っ込みと。
二重人格かってくらい、印象が違う。
私ならいくら直前の出来事で好意を持ってたとしても、ここで百年の恋も覚める。
憎しみと同時に愛も持ち続けるなんて無理です。
マジでこれ、何でレイプしたの?
単に内海が可愛かったから?
酔っててやりたくなったから?
「覚えてない」だけで済ませるって、あまりに酷くない?
それじゃ本当のクズじゃん。
ここに、何かアッと言わせてくれる驚きの真相が隠されてると思っていたので、そのまま終わってしまってすごく残念と言うか全然納得がいかないんですよね。

あと細かい部分で申し訳ないんですが、微妙に時代がズレてると言うか、これは現代日本なのかと違和感があると言うか。
新歓でハナクソ混じりの酒を新入社員に強要するって、昭和ですよね?
背信行為をやらかした社員をヤクザに始末させるって、とりあえず現代日本じゃないですよね?
そこは、警察にお任せしましょうよと。
ついでに、仕事中にマニキュア塗ってる女性社員って何なの・・・。
いや、私が知らないだけで、まだまだこういう会社が令和の日本にも存在してるのかも知れないですけど。

う~ん。
すごく読み応えがあるし骨太の素晴らしい作品だとは思うんですけど、微妙に違和感を覚える部分だったり引っ掛かる部分だったりで評価が定まらないんですよ。
主人公である赤嶺、普通に嫌な奴だし。
マウントとってるゲス顔に、イラっと来る。
かと思えば次のシーンではいきなりいい奴だったりで、いまいちキャラがブレてると言うか。

皆がみな、その人が完璧だから恋に落ちるワケでは無いと分かってる。
むしろ、しょうもない人間なのに気持ちを断ち切れないって事の方が現実では多いのかも知れない。
それでも、あのただ庇ってもらったってだけの事で、内海がここまで執着するのか?と腑に落ちないと言うか。
理解出来ないのは、私の読解力に問題があるのかも知れないけど。

あと、冴木が一番無いと思います。
何故、赤嶺の前にしれっと現れる事が出来るのか・・・。
繊細そうに見えて、彼が一番図太い。


評価をめちゃくちゃ迷ったんですけど、正直な気持ちで萌えよりモヤモヤが上回ったので「中立」で。 
これは書こうか迷ったんですけど、宣伝に踊らされちゃった部分があるんですよね。
面白そう!と、飛びついちゃったと言うか。
今一度、本当に読みたい作品か?自分の好みに合っているのか?等、購入前に冷静に判断された方がいいんじゃないかと。
そんなアホはお前だけだよって事でしたら、ご容赦下さい。

追記です。
他のレビュアー様のレビューを拝見して、私もインタビューを読んでみました。
赤嶺がレイプに至った理由ですが、彼は元々恋人(になる存在?)に対して自分だけを見ろとか何度でも抱きたいとか激しい欲望を持っていて、それを酒に酔った勢いでたまたまそこに居合わせた内海にぶつけちゃったと言うのが真相みたいです。
BLでレイプって容認されがちなんですけど、それはあくまで相手に対する強い恋情だったり執着だったりがあって、暴走させた上での事だから萌えがあるし許せるんですよ。
でも、抑えきれない欲望をたまたま居合わせた人間にぶつけただけじゃ、ただの性犯罪者の言い分で普通に引きます。
なんと言うか、ガックリきてる。

まずは職業倫理と言うものを学ぶ所から始めて欲しい

タイトルや表紙から受ける印象とは違って、可愛くて前向きな片想いものでした。

えーと、書店員である攻めが、得意客である引きこもりの青年に恋をする。
彼と恋人になる事を夢見て、ひたすら前進あるのみで突き進むって感じのお話でしょうか。

少ないページ数ながら上手に纏められてますし、ストーリー自体も前向きで元気を貰えるものだと思います。
このへんは、すごく伊勢原先生らしさが出てて素敵だと思います。
素敵なんですけど、今回、攻めのキャラがもうペラペラなんですよね・・・。

いや、まず序盤から、その空気の読めなさとか軽さに眉を潜めたくなっちゃって。
そもそも、主人公である顕人が「絶対顔を見ない事」と言う奇妙な条件を出す得意客・佐倉の担当になった事から始まるお話。

で、驚きなのが、顕人の職業倫理と言うものの無さ。
佐倉がどんな人物なのかと言う事を噂話大好きパートに尋ね、仕事上必要な個人情報以上のプライバシーを侵害する。
これね、顕人に限らず客のプライバシーをベラベラ噂し、ヒッキーとかって渾名で呼ぶ従業員達ってどうよ?
賭けの対象にして喜んでるアホどもって、どうよ?
こんな店、絶対行きたくない。

また、ここから始まる顕人の一人劇場。
引きこもり青年である佐倉に対して、悩み事があるなら相談に乗ってあげよう!的な。
人間はハートだぜ!的な。

こう、何だろう。
彼はビックリするほど人間が薄っぺらい。
まだね、高校生とかなら納得が行くのです。
でも、25歳の社会人経験有りの男ですよ。

人にはそれぞれ事情があるし、何が本人にとって幸せかは分からないと思うのです。
なのに、上っ面の情報で勝手に同情したり、したり顔で「助けてあげよう!」って。
自分がどれだけ素晴らしい人間かは知らないけど、そんな人を救える力があるのねと。

えーと、そんな顕人の成長が見処なのかもしれないと読み進めたんですよね。
が、彼は最後まで変わらない。
非常に幼稚なまま。

彼は最初に佐倉の顔を事故で偶然見てしまうんですよね。
で、佐倉から完全に拒絶される。
すると顕人は、何度も佐倉の元へ商品を持って通う。
これ、仕事としての責任感でなら彼の株は上がったんですよ。
でも、仕事どうこう以前に、彼の頭にあるのは一目惚れした佐倉にもう一回会いたい!と言う非常に個人的な動機ばかり。
ちょっ、職業倫理は??と。

また、好きになった佐倉に対しても、「そばに居てあげよう。(母親の代わりに)愛してあげよう」みたいな。
何で、全て上からなのよ・・・。
そもそも、脳筋族のこういう所が嫌いなのよ。
家にずっと引きこもってるのは健康に悪いよ!太陽の光を浴びてたくさんの人と関わろうよ!的な。
そんな人生寂しいよ!!的な。
いや、一人で家で本を読んでるのが幸せなんだよ!
めちゃくちゃ人生充実してるんだよ!!と、(自分と比較しちゃって)余計な苛立ちまで沸いてくる。
腹立つわー。
こいつの一挙一動に腹が立って仕方無いわ!

で、最終的にはおままごとかい!的なオチ。
これ、早々に二人の生活は破綻すると賭けてもいいです。
佐倉がしっかりしてるタイプならなんとかなるだろうけど、彼もフワフワしてるから。

まぁそんな感じで、今回どうにも攻めにイラついてイラついて仕方なかったんですよね。
う~ん・・・。
顕人視点で無く、佐倉視点だったらまた感想が違ったかもしれないですけど。
でも、ストーリー自体は嫌いじゃ無いので「中立」で。

お前がケツを差し出せよ!!!

あらすじにある通り、ゲイバーを舞台にした不器用な男達の恋模様って感じのお話です。

タチ専のゲイである雅貴。
馴染みのゲイバーの常連で友達でもある耀司に、いつしか恋をしてしまったんですね。
しかし、惚れっぽい耀司はいつも惚れた振られたの騒動を巻き起こし、同じ抱く側である自分には望みが無いと飲み友達としての立場に殉ずる日々。
そんな中、耀司からノンケに惚れたと打ち明けられますが、今度はどうも今までと違ってー・・・と言うものです。

えーと、こちらですね、個人的に大好きな設定の宝庫なんですよ。
タチ専×タチ専だったり、友達から恋人へと言う二人の関係だったり。
こう、攻めの好みとは全然違う自分だから・・・的な主人公のほろ苦い片思いだったり。

実際、お話としても、主人公の心情が丁寧に描写されていて共感しちゃいますし、友達だった二人が恋人になると言うその流れがとてもドラマチック。
また、エッチシーンでの会話なんかが、いかにもタチ×タチ+友達同士のものって感じで腐心を刺激してくれちゃうんですよ。
めちゃくちゃ好きなお話なんですよ!
ただ、めちゃくちゃ好きなお話なんだけど、どうにも攻めが受け入れ難い!!

いやな、これ。
攻めである耀司ですが、明るくて裏表が無くて若干惚れっぽいワンコ系と言いますか。
能天気系と言いますか。
実は彼は自分でも自分の気持ちに気付いてないだけなんですよね。
その証拠に、恋人よりただの友達であるはずの雅貴の方にベッタリで、超短いスパンで付き合う別れるを繰り返してたりする。
で、彼がこんな事をやらかしてた理由もちゃんとある。

これね、良く言えば拗らせてただけど、悪く言えばただのアホだからだと思うんですよ。

何だろうな・・・。
彼が今回惚れて付き合う事になったノンケですが、すごくいい青年なんですよ。
見た目はシュッとした色男なんだけど、中身は不器用で真面目みたいな。
個人的には、彼が主人公でもいいぐらい。
そんな彼が耀司に振り回された挙げ句、傷つく事になる。

なんかね、自分で気づいてなかったとは言え、全く関係なくそれどころか本当は彼自身でさえ見てなかったであろう耀司に、このノンケ青年が傷つけられるのがすごくやりきれなくて。
めちゃくちゃいい子なだけに。
耀司が延々とこれまでも同じ事を繰り返してきた事に対しても。
耀司、鈍いでは許されないと思うんですよ。
こいつ、アホだなぁと笑って許せればいいんでしょうけど、アホって事を免罪符にして人の気持ちを踏みにじっていいワケでは無い。
うっすらと違和感に気付いていたなら、尚更。

また彼はですね、自分の気持ちに素直と言えば聞こえがいいですが、単純にワガママだとも思うんですよ。
えーと、今回は二人ともタチな為、ベッドで上下の攻防戦になるんですよね。
で、耀司がほざいたセリフが「俺が好きなら譲ってくれよ」。
そのセリフ、そっくりそのまま返してやりたいわ。
お前がケツを差し出せ!!みたいな。

もうね、読めば読むほど耀司がしょうもないダメ男にしか見えて来ない。
雅貴、何でこんな男が好きなのよ?と。

ちなみにですね、雅貴に対してもちょいモヤモヤする部分があって。
耀司と離れてしまった後、酒に溺れてグダグダになる所とか。
親身になって面倒を見てくれるバーのママに対して、恩を仇で返す所とか。
ガラの悪い男達にワザとバーで暴れされるとか、無いだろ!
切羽詰まってたのは分かるけれども!

これは完全に好みの問題なので、このタイプの攻めを可愛いと思う方も多いと思うのです。
ただ個人的には、どうにも受け入れがたくて。
ストーリー自体は本当に好みなんですけど、攻めのキャラで読後感としてはモヤモヤなんですよね。
申し訳ないです。

攻め陣理解出来ず。受けも理解出来ず。

秀先生の乳首責め大好きー!って事で楽しみにしてました。

期待していた乳首責めに関しては、もう期待以上のものでとても楽しかったんですよ。
何てったって、受けが(無理矢理に)結ばされるのが「乳首譲渡契約書」。
えーと、攻め陣に対して自分の乳首の権利を譲渡するって契約なんですけど。
こんな契約を結ばされた受け、見た事が無いよと。
や、闇オークションでの衆人環視の中での乳首責めに始まり、お道具を使ってのものから、三人と複数での責め技と、もう物理的にも精神的にもありとあらゆる手段で可愛がり(虐め)まくってるんですよね。
乳首責めスキーさんなら、すごく楽しいプレイの数々だと思うんですけど。

あと、ストーリーとしても面白いです。
主人公である北見ですが、スクープを飛ばしまくる優秀な芸能記者なんですよね。
で、彼が今追ってるのが、人気女優と政治家の不倫騒動。
その証拠を掴もうと会員制クラブに潜入した所、何者かに襲われ、気がつくと闇オークションに自分自身が出品されてしまっていた。
で、何と北見を騙して売り飛ばしたのが同僚である羽川。
更に、北見を落札したセレブ・井上と闇オークションのオーナーで中国人・リウ、この二人と羽川はグルでー・・・って感じでしょうか。

えーと、ラストでですね、驚きの種明かしがありまして、なるほどねぇとニヤリとしちゃうんですけど。
こう、北見ともども読者は踊らされたワケですが、それが小気味良いのですよね。
このへんはとても面白いと思います。

ただちょっと、これは完全に好みの問題なんですけど。
なんか、攻め陣も受けもちょい理解出来ないと言うか。

まず、個人的に一番理解出来なかったのが、攻めの一人で同僚である羽川。
羽川は同期でありながらスクープを連発する北見に嫉妬し、彼を騙して売り飛ばす。
何だろうな。
こいつはひたすら醜いと言いますか。
こう、北見を憎みながら執着するって感じなんですけど、普通にゲスくない?と。
プライドの高さから北見に置いていかれるのが許せないんですよね。
だから、お前だけ先に行くのは許さないと、北見を引きずり下ろす方に走る。
ここまで自分勝手で醜くて器の小さい攻め、お目にかかった事が無いですよ。
「強引な手を使ったのは悪かった」って、なんで「お前の為だった」風にいい感じにまとめようとしてんだよ?
先に行く受けを引きずりおろすんじゃ無く、お前が追い付けるように頑張れよ!!

あと、闇取引オーナーであるリウ。
彼はですね、自分が気に入った北見の姿を皆に見て欲しいと、闇オークションへと出品しちゃう。
もちろん、他の人間に落札されちゃわない手筈はちゃんと整えてますが、いまいち理解出来ないと言うか。
こう、歪んだ愛情の持ち主なんかなぁとも思わないでも無いけど、彼はわりと影が薄いんですよね。
そこまでの執着とか歪みっぷりが感じられないので、未だによく、闇オークションに出品した理由が分からない。
こう、受けを闇オークションに出品する理由としては、リウの嗜好だけじゃちょい弱い気がするんですけど。
もちろん、絵面としてはとても楽しいけど。

他、残り一人の攻めである井上。
デイトレーダーであるセレブです。
彼が一番マトモでして、手に入れた北見を溺愛と言ってもいい愛しよう。
まぁ、貞操帯だのオモチャだのちょい嗜虐的な部分を覗かせるものの、いい男じゃないんかなぁと。
ただ、個人的には、愛玩動物に対する愛情的に感じて。
なんか、なんか微妙なんだよ!

で、こちらも理解出来なかったのが、受けである北見。
えーと、攻め陣はみな程度の差こそあれどそこそこゲスいのですが、彼自体もそこそこゲスいんですよね。
こう、スクープ命みたいな。
不倫だのを暴いて悦に入ってる感じが、ちょい受け付けなかったと言うか。
正直、闇オークションへの出品もバチが当たったくらいに思いましたもん。
何より、この攻め三人にほだされるのが理解出来なかったし。
何故、売り飛ばされ、闇オークションに出され、散々辱しめられ、それで「愛してる」になるのか・・・。
メリバで憎み続ける方が萌えたよ。個人的には。
いや、最後の三人を手玉にとっちゃう感じは楽しかったけど。

う~ん。
まぁそんな感じで、ちょい主役陣が理解出来ない部分があったので「中立」で。
ただ、複数ものでエロエロな乳首責め特化作品を楽しみたいならオススメです。
しつこいけど、オチも面白かったですし。

え? 葛藤は?

個人的に、受けを大好きな年下ワンコがツボだったりしますが、更に、そのワンコが受けに幼い頃から育てられてたりすると、めちゃくちゃ滾っちゃいます。
えーと、受けより大きくなったワンコが「抱き締めたい」だの「いい匂いがする」だのと受けに明らかに欲情してて、「こいつは本当に可愛いなぁ」とか呑気にしてた受けは美味しく食べられちゃうと言う。
そこに、「お前の事が大好きだからいいよ」的に、年上受けの包容力なんかを見せてくれると更に萌えちゃったりして。

まぁそんな感じでこちら、個人的どストライクの設定の為、購入です。

唯一の身内である妹夫婦を事故で亡くした主人公が、彼等が遺した子犬を引き取るんですね。
田舎の山奥でともに暮らし始めますが、グングン成長して大きくなる子犬・廉。
そんなある夜、大きくなった廉が、突然人間の姿になってー・・・って感じのお話でしょうか。

で、実は廉ですが、犬では無くて狼で神様。
代替わりしたばかりの新米神様である彼は、「万尋を幸せにする。共に愛の社で暮らそう」とか言い出してといった流れ。

まずこちら、個人的に一番萌えた部分ですが。
攻めの完璧なワンコっぷりだったりします。
子犬の時はとにかく可愛いし愛嬌がある。
で、人間(神様)の姿になると、今度はひたすら受け「好き好き」オーラ全開。
えーと、言葉使いは神様らしく偉そうなんですけど、もうストレートに万尋への愛を表現するんですよね。
好きと言う気持ちが駄々もれと言うか。
こう、まさに理想のワンコだよ!って感じで、彼が万尋にくっついて「己が満足するまで構え!」ってやってるのが楽しくて仕方ないと言うか。

万尋ですが、唯一の身内を亡くしてダメージを受けていたんですよね。
そして、再び大事な人を失う事を酷く恐れている。
そんな彼に廉が「ずっと一緒だ」と、欲しかったであろう言葉と安心を与えるのに、あたたかい気持ちにもなって。
可愛いだけじゃなくて、すごく素敵なお話でもあるんですよ。
あるんですけど、若干引っ掛かる部分もあって、評価に迷う。

えーと、この「受けが育てたワンコに食べられる」設定で、個人的に一番の醍醐味だと思ってる部分なんですけど。
こう、受けの心の揺れなんですよね。
ひたすら可愛いと思っていた庇護すべき相手が、男の顔をして自分を求めてくる・・・。
いやいやそんなのダメだろう。
でも、ふいに気づく力強さだったり、逞しい胸にドキッとしてしまい、自分の気持ちに戸惑う・・・的な。
ここは、丁寧に書いてあればあるほど良いのです。
が、今作では、そこの所がすごくアッサリなんですよね。
なんてったって、人化してその日のうちに簡単に抱かれちゃう。
熱く情熱的に求めてくる廉に対して「(気持ちよくさせる)自信が無いがいいか?」って感じで。
え? 葛藤は?と。
こう、一番美味しい部分がスパッとすっ飛ばされてると言うか、ハッキリ言うと無いので、めちゃくちゃ肩透かしなんですよ。
て言うか、普通の恋愛ものでも、段飛ばしでいきなりエッチに突入したら戸惑うよね?
家族愛→恋愛にいきなり移行しちゃって、私は置いてきぼり状態と言うか。
エロなんてもっと後で、万尋の気持ちが十分熟成してからでいいのに、何故こんなに早く突入したのかと。

あとですね、オチがちょっとアッサリです。
二人の秘密を狙う動画配信者により、不穏な展開にはなるのです。
なるのですが、超簡単に解決。
盛り上がりに欠ける印象なんですよね。
優しいオチで、いいっちゃいいんですけど。

と、そんな感じで、設定だったり攻めのワンコぶりだったりは好みなんですけど、若干引っ掛かる部分もある。
ただ、この引っ掛かる部分は完全に個人的な好みなので、明るくて可愛くて優しいお話が好みなら、楽しく読めると思います。

二人とも女々しい

こちら、一通の間違いメールが繋ぐ恋と言ったお話で、少しほろ苦くて落ち着いた雰囲気で読ませるラブストーリーになります。

子供の頃からの夢を叶え、リフォーム会社で働く営業マン・卯月。
同性に恋する悩みを綴った間違いメールを受け取った事をキッカケに、顔も名前も知らない相手・ブラックとメールをするようになるんですね。
実は卯月自身、同性の上司である四方に憧れを抱いていてー・・・と言うものです。

火崎先生の作品で、個人的に一番好きな所なんですけど。
主人公の、等身大のキャラだったりします。
えーと、ごくごく普通で平凡な主人公が、悩んだり迷ったり逆に喜びを感じたりしながら、当たり前の感覚で恋をする。
今回も間違いメールがキモにはなるワケですが、上司に恋心を抱いてしまった主人公の、ごくごく普通の恋愛が丁寧に綴られてるんですよね。

学生時代に遡っての四方との出会いから始まり、彼にほのかな想いを抱くようになったキッカケの出来事。
社会人になってからの、上司と部下としての再会。

このブラックですが、彼も同性相手に叶わぬ恋をしています。
自分と共通点を持つ彼に親近感を覚えた卯月は、ブラックの悩み相談に乗るようになるんですね。
その過程で、自身の気持ちを見つめ直すようになる。

率直な感想ですが、設定としてはめちゃくちゃ好みなんですよ。
この時代に、メールでやりとりすると言うのもなんだか優しくて心が和むし、相手の悩みに寄り添いながら、自分自身を見つめ直す主人公の姿もいい。
しつこいですが、すごく等身大なんですよ。
主人公が。
悩んだり迷ったり傷ついたりしながら、恋する姿が。

また、お相手となる攻めですが、頼りになってスマートで爽やかでと、まさに理想の上司。
すごく素敵な攻めだと思うんですよ。
思うからこそ、なんかオチでガックリ来ちゃったと言うか。
いや、オチ自体は悪くないと言うか、予想はついたけど素敵だと思う。
ただ、真相がな~と。

で、以下、この合わなかった所についてレビューしますが、核心部分に触れます。
ネタバレが嫌な方は避けて下さい。








えーと、この間違いメールの相手・ブラックですが、正体は四方になります。
実は四方も卯月が好きで、二人は正体が分かった事を契機に結ばれると言う案配。

この、「正体が四方」自体に関しては、期待通りなので全然いいのです。
いいのですが、なんとこの間違いメールは偶然じゃなく、四方が間違いメールを装ってたんですよね。
そう、他人のふりをして、卯月に現在恋人が居ないかだの、相手のどんな行動に惹かれるかだの、逆に引くかだのを探りを入れてた。

や、これは完全に好みの問題なんですけど、男らしくて格好いい攻めだと思ってただけに、なんか姑息だわ~と一気に冷めちゃったと言うか。
相手を騙してって時点で嫌だし、てか、普通に男らしくない。

もうね、本当の本当に間違いメールで、「ええっ、お前がホワイト?」←(卯月のハンネです)みたいのだったら、どっぷり萌えに浸れたのにと。

あと、主人公である卯月ですが、なんか女々しいです。
これも、好みの問題だけど。
こう、頑なに自分の気持ちが恋だと認めようとしないし、ずっと見ているだけでいい・・・みたいな。
恋に悩んだり迷ったりする様は好きですが、あまりに頑なでちょっとだけイライラする。
ついでに、恋で仕事を疎かにするとか、個人的に嫌いなのです。
彼は失恋のショックから、得意先への訪問だと嘘をついて帰っちゃう。
せめて、せめて具合が悪いから早退しますにしといて!と。

う~ん・・・。
まぁそんな感じで、素敵なお話だとは思うんですけど、個人的に今回は合わない部分があったので「中立」で。
繰り返しになりますが、丁寧に描写された主人公の心情や設定は素敵でした。

ちなみに、雑誌掲載の表題作の他に、書き下ろしでその後の二人が語られます。
こちらは、インターンのアルバイトの教育係となった卯月。
彼の奮闘が語られと言った所。
先に卯月が頑なと書いたのですが、なんかこっちでも同じで若干イラっと。
えーと、かなり奔放なアルバイトで苦労する羽目になるんですよね。
彼は責任感があるからこそ、追い詰められちゃったんだと言う事も分かる。
ただ、何故上司に報告して、指示を仰がない?と。
自身が入社二年目のぺーぺーのくせに、手に負えないなら周りを頼れ!と。

二人の愛が深まったと言う点では萌えました。

読者を選ぶと思います

人気作家さんですが、初読みになります。
初恋再会ものだと言う所に惹かれて、購入しました。

えーと、こちら、珍しい攻め視点になるんですよね。
で、高校時代に好きだった先輩に再会すると言う、展開だけ見ると甘くてほろ苦そうなお話。
が、読んでみての実際の印象ですが、どシリアスで痛くてかなり重いんですよね。
ストーリーとしても読み応えがあるし、しっかり掘り下げられた主人公の心情描写も素晴らしいです。
ただ、読者は確実に選ぶと思う。
あと、受けは無神経だと思う。

こう、生身の人間ドラマを読みたいって方には向いてるだろうと思うし、逆にBLでそういう生々しいものは読みたく無いって方には不向きな作品じゃないかなぁと思うんですけど。
えーと、私の場合は、個人的地雷にぶち当たってかなりのダメージを受けたので、しんどくてもう読み返せないです。
いやなぁ、余韻の残るすごく優しくて素敵なお話でもあるんですけど。
完全に、私が手を出しちゃいけない作品だった。
読後感がしんどい。
ただただしんどい。

とりあえず、地雷の方に避けて欲しいのでレビューします。
あと、深みのあるしっかりとした物語を求める方には、とてもオススメだと思います。

で、内容ですが、初恋再会もの。
美容師の主人公が出張カットに訪れた病院で、高校時代の先輩・侑一と再会した事からお話はスタート。
実は主人公ですが、過去に侑一に告白して振られてるんですよね。
また、現在の侑一ですが、長期入院中の特別な女の子・紗知が居て、彼女に献身的に寄り添っている。
ここから、再会した二人は紗知も交えて交流を持つようになりますが、まだ侑一への想いが捨てきれない周(主人公)は、彼と距離を置こうとする。
そんな矢先、侑一から「紗知の恋人になって欲しい」と頼まれー・・・と言うものです。

これ、今一理解出来なかったのが、侑一と言うキャラなんですよね。
彼は遠縁である紗知に対して、恋心であり、責任感であり、同情心でありと言った、とても複雑な感情を持っているように思える。
で、紗知が周に恋してるんだと気付くと、彼女の為に恋人になってやって欲しいと周に頼みに行く。

この紗知なんですけど、幼い頃から病弱で、まともに生活するのも難しい。
ずっと病室で過ごしてきた彼女に、せめて恋を知って欲しいって事だとは理解出来るし、彼女に対する複雑すぎる感情がしっかり描写されてる為、そういう行動に出てしまったのも納得が行く。
ただ納得は行くけど、共感出来るかと言うとそれは全くの別問題でして。
自分が振った相手に、自分の好きな人と付き合って欲しいって、ずいぶん勝手だし無神経でもあるよなぁと。

あと、この作品で一番気の毒だと思うのが、主人公の周。
侑一への想いを諦めきれない彼は、紗知と付き合う代わりに、侑一の身体を求めます。
周ですが、特別善人でも無ければ、悪人でも無いんですよ。
だから欲望に勝てず侑一を抱くものの、その事で苦しむ。
この主人公の心情が、生々しいと表現したくなるリアルさで描写されてるんですよね。
読み応えはとてもあるけど、読んでて鬱になる感じで。

で、そんな三人が行き着く先は・・・。
と言った所になるんですけど。

いや、う~ん。
決して美しいだけのお話では無いけど、とにかく読み応えがあるし心も動かされる。
読み終えたはしから内容を忘れちゃう作品もありますが、こちらは何年経ってもふと思い出す作品だとも思います。

ただちょっと好みの問題で、私にはキツイかなぁと。
ちなみに地雷ですが。
この後に書くので、ネタバレ嫌な方は避けて下さい。





こちら、死ネタなんですよね。
紗知ですが、亡くなります。
私はこれが地雷で、主要人物が亡くなるとめちゃくちゃダメージを食らう。
また、彼女が亡くなった後、周と侑一が結ばれるのもなんだか辛い。
と言うか、やりきれないほど悲しい。
三人が三人とも苦しむんですよね。
救いとなるラストで良かったんでしょうけど、これでめでたしめでたしって言うのにも、なんか違和感があって。
難しいですよね。

このエロはいらないから!!

心臓外科医×心臓外科医による医療ものであり、主人公救済ものでもあります。
「恋する救命救急医」も既読(全てではないです)なんですけど、そちらに比べるとかなりシリアス寄りになる作品なんですよね。
受けの身に、過去に起こった出来事と言うのが凄惨でして。

えーと、主人公である小泉ですが、その美貌と天才的な腕から「メスを握る天使」と呼ばれる心臓外科医。
ただ、極端に人と関わる事が苦手で、周囲から浮いてるんですよね。

で、そんな彼から冷たい態度をとられつつも、飄々と絡んでくるのが同じく天才外科医である芳賀。
アメリカで医師として働いた後、今度は日本であちこちで腕を乞われてはフリーランスで活躍する、なかなかの規格外れな人物になります。

基本的には二人の外科医としての日常を通して、彼等の距離が縮んで行く様が語られって形になるんですね。
小泉は完全に他人を拒絶してますが、持ち前の人懐こさと朗らかさでグイグイ近づいて行く芳賀と、二人のやりとりなんかが萌えのです。
また、芳賀がとても包容力があって、とにかく格好いい。
過去のトラウマや罪悪感から、常に張り詰めた精神状態である小泉。
そんな彼を、深い愛情とあたたかい物腰で包み込んでって感じで。


実は小泉ですが、親に連れられてアメリカに行った際、通りすがりの男達にレイプされたと言う過去がありまして。
しかも反撃したはずみで、相手を殺してしまった。
まだ15歳だった彼はその事を親にも言えず、一人でレイプされた心の傷と自分が殺人者だと言う罪悪感に耐えてきたんですよね。
医者として一人でも多く患者を救う事で、生きる事をなんとか自分に許してると言いますか。
このレイプシーンだの、主人公の苦悩だのがかなりしっかり描写されてます。
その為、読んでてしんどいんですよ。

だからこそ、そんな彼が攻めによって心の重荷から解放されると言う、主人公救済部分に感動するのです。
まぁ、オチは予想がつくんですけど、とりあえず良かったと。
とても優しくてあたたかいお話でもあるんですよ。

ただ、こちら、そんな感動的なお話ではありながら、個人的にどうにも許せない所もあってと、なんだか評価が難しくて。

いや、う~ん・・・。
芳賀ですが、わりと早い段階で、酔って寝てしまった小泉に手を出してるんですよね。
最後まではやってないけど、身体を触ってと際どい所まで。
別に、これ自体は良いのです。
受けに惚れてる攻めが、相手の無防備な姿に欲情して手を出しちゃうって、個人的な萌えパターンですし。
この時点では、ニマニマしてた。
が、終盤で、実は再会ものだったと明かされるんですよ。
そう、芳賀ですが、小泉のレイプされた過去を知っていた!

いやさあ、現在の小泉の様子を見てれば、レイプが強いトラウマになってるの分かるじゃん?
なのに、酔って動けないのを良い事に手を出したの?と。
あり得ないわ~
終盤で、酔った勢いとトラウマの凄まじさを理解してなかったから~みたいな事を言ってますが、酔った勢いって!
より嫌だわ!!
そして、理解してなかったって!
どう見たって、トラウマでガチガチじゃないの・・・。
お前、優秀な医師じゃないんかい!と。

これね、自分でもこんな細かい部分でやたら引っ掛かって許せないって、心が狭すぎると分かってるんですよ。
でも、レイプで心に傷を抱えてる相手で、自分もその過去を知ってて、その上で手を出すってあり得ない!と。
百歩譲って、相手が普通の状態なら許せるけど、酔って動けない状態だし。
こいつ、卑劣なレイプ犯達と変わらぬ!と。

や、個人的にエロは大好きですが、この場合はいらないから!
いらないから!!
抱き締めて眠るとかなら、深い愛を感じて萌え転がったから!!!
これほど包容力があって人の気持ちにも聡い攻めが、何故こんな暴挙に出たのか・・・。
これが読者サービスとしてのエロなら、完全に外してると思うんですけど。

う~ん。
まぁそんな感じで、すごく素敵なお話だとは思うんですけど、どうにも個人的に引っ掛かって許せない部分もある。
いや、こんな所で青筋を立ててキーキー言ってるの、私ぐらいの気も大いにするんですけど。
本当、すみません。

最後になっちゃいましたが、藤河るり先生のイラストがめちゃくちゃ美しいです。
攻めは格好いいし、受けはただただキレイ。
スクラブ最高だー!
手術着も最高だーーーー!!