ぴれーねさんのマイページ

萌作品

PREMIUM レビューアー

男性ぴれーねさん

レビュー数0

ポイント数361

今年度88位

通算--位

  • 神0
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

新作だけど目新しさは無いです

丹下道先生の新作って事で楽しみにしてました。
内容に関しては既に詳しいレビューを挙げて下さってるので、個人的な感想や解釈だけ語らせていただきます。

ちなみに、以前の私は恋インが好きすぎて、結構おかしな事になってたんですよね。
丹下道先生は全てが素晴らしい! 何もかもが最高で、間違いは一つも無い!的に。
えーと、好きは好きでも狂信的な方のヤバいヤツ。
今、その熱狂ぶりから覚めてちょっと冷静になってって状態での感想になるんですけど。
思った事を正直に書かせてもらいますが、あまり肯定的なレビューでは無いので、作品ファンの方は最初から避けて下さい。


今回、人外もので交配の為のペアリングと、目の付け所がとても面白いと思います。
ただ内容的には、誤解でスレ違っていた二人が結ばれるのが全てと、特筆すべきものが無いんですよ。
また展開としても、基本、コミカルでエッチでと言った感じなので、ひどく切なかったりと心を揺れ動かされる部分が弱い。
誤解が解けて二人が結ばれるのは終盤になるワケですが、同じようなスレ違いをずっと繰り返してるので、途中で面倒臭くなってくるんですよね。
誤解が解けるシーン自体も、わりとアッサリなので盛り上がりに欠ける印象ですし。
決して面白くないワケではないのですが、ものすごく萌えた!とはいかないと言いますか。

う~ん。
こう言っては申し訳ないですが、内容が本当に薄い。
「恋イン」のあの世界観がお好きな方なら、めちゃくちゃ面白いと思うんですよ。
丹下道先生にしか描けない、唯一無二の作風ですし。
ただ、パターンとしてはいつも同じな上に、今作は内容的にもこれと言って深みは無い。
申し訳ないんですけど、「恋イン」の劣化版みたいな印象を受けると言うか。
こう、丹下道マジックと言うかブームと言うか、とにかく凄い!と盛り上がってる最中だったら熱狂する作品だと思う。
でもそこから覚めてちょい冷静になってるなら、面白いけどそこまでは・・・くらいの感覚と言うか。

こう、すごく才能があって面白い作品を描ける作家さんだと思うので、同じような作品ばかりじゃ勿体ないですよね。
たまにはガラッと印象の違う作品を見てみたいです。

攻めが「ズルい大人」ではなくただの臆病者に見える

トラウマ持ちの臆病な受け。
彼の初恋であり、長い片思いが実るまでのお話になります。

元々作者さんのファンな事と、あらすじがどストライクな為購入しました。
や、年上の男性への切ない片思い大好きー!と。

で、こちら、しつこいですが設定がとにかくツボなんですよ。
えーと、訳あって赤の他人である攻めと同居してる主人公。
身内を亡くしと辛い時期を寄り添ってくれて、ただただ甘やかしてくれる彼に恋心を抱いている。
しかし、恋に奔放な母親がトラウマとなり、恋愛に対して強い拒否感を持ってしまう・・・。

このですね、揺れ動く主人公の心情と言うのは萌えるんですよ。
次々に新しい恋人を持ち、「恋はいつか終わるものだから」と自身に語る母親。
主人公である悠にとって、恋人とはいつか必ず失ってしまうものなんですね。
なら今の家族のまま、側に居続けたいー。

こう、攻めへの恋心と自分の中の「無くす事への恐怖心」との間で、切なく揺れ動く主人公の心情描写と言うのが素晴らしいんですよ。
や、そうじゃなくとも、優しくて甘い年上の男性への片思いってだけで滾って仕方ないですし。
またそれが受けにとって初恋で、幼い頃からの大好きがやがて恋へ・・・だってのが最高なんですよ。
はぁ、切ないけど萌える~!と。

と、まぁそんな感じで、主人公の心の揺れなんかは大変好みなのです。
好みなんですけど、なんか微妙にしっくりこないと言うか、違和感を覚える部分なんかもあって。

えーとですね、実はこちら、攻めと受けの両視点で進むのです。
その為、最初から荘志(攻め)が悠に対して強い執着心を持っている事。
そして悠が恋に対してとても臆病な事を知っている為、逃げられないように囲い込もうとしてるのが分かります。

いや、う~ん・・・。
個人的に執着攻めと言うのは大好きなんですよ。
ただ荘志ですが、悠が恋に対してトラウマを持ってる事に気付きながら、じゃあ身体から落として離れられないようにしようってなんか違うよなぁと。
えーとですね、酔っ払った悠が「好き」と告げてキスをせがんだ事をキッカケに、二人は身体の関係だけ持ってる状態なんですよ。
ただこれ、優しくて甘やかしてくれて身体の関係も持ってる。
でも恋人では無いと、受けをすごく中途半端な状態に置いてるように見える。
で、自身の事を「ズルい大人でごめんね」とかやってるワケですが、ズルいと言うかただの臆病者じゃね?と。
なんか上手く言えないんですけど、こんな繊細な受けだからこそ、もっと慎重に寄り添ってやって欲しかったと言うか。
いやだって、身体の関係だけはあるそのせいで、受けはより混乱してるし、なんならちょっと傷ついてるじゃん。
受けのトラウマのせいで安易に恋心を告げられないってのは分かるんですけど、なんか違うよなぁ?と。
これ、攻め視点が無いほうが良かったんじゃね?と。
そしたら主人公の切ない心情に存分に酔えたのにと。

あと、あれもこれもと申し訳ないんですけど、若干オチが拍子抜けと言うか。
えーと、悠が就職してパワハラ指導員がついた事で、二人の関係に変化が訪れるんですね。
このパワハラ先輩が本当にクソでして、ヤツが成敗されるのは気持ちいい。
ただ、攻めや周りの保護者的存在が全て片付けちゃって、主人公は事後報告を受けるだけなんですよね。
ここは、受けに直接やり返させて欲しかった。
例え言い返すだけでも。方を付けるのは周囲がやれば良いから。
や、このクソ社員ですけど、あとから登場してなんかやらかしてくれるんだろうと期待してたんですよ。
期待と言うのもおかしいけど。
でもそれも無し。アッサリ退場。
なんか、なんか拍子抜けなんですよ。
ついでに、これだけ拗らせてたわりには、最後はこれまたアッサリくっつきすぎと言うか。
母親の言葉でトラウマを払拭とまでは行かなくても、一歩踏み出す勇気が持てたー、と持ってきたかったんだろうとは思う。
思うけど、それもまた微妙に弱いと言うか。
や、私の読解力に問題がある気もするんですけど。

と、そんな感じで、ちゃんと面白いけど微妙に腑に落ちない部分もあってと、評価が難しいんですよね。
とりあえず、好きなお話ではあるので「萌」で。

こういうテーマは取り扱いが難しいですよね

デビュー作である「ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~」がとても好みだった為、スピンオフであるこちらの発売も楽しみにしていました。

で、今回も、すごく優しいし心に響く素敵なお話なんですよ。

幼い頃の経験から大の犬嫌いの主人公・寿近。
新しく異動となった営業所での取引先社長・洞ケ瀬ですが、なんと苦手な黒柴の獣化症患者だったんですね。
ところが、あからさまな恐怖心を見せと失礼な態度をとってしまった寿近に対して、何故か洞ケ瀬は興味津々と言った様子で親しげに近付いてきてー・・・って感じになるんですけど。

えーと、前回同様、攻めは獣化症患者になるワケですが、おおらかで思いやりがありと言った感じですごくデキた人物なんですよね。
そんな彼と関わりあう事で、苦手なハズの犬(の獣化症患者)なのに、それすら乗り越えて相手を好きになる寿近。

出会って、互いに理解を深め、ただの好意がやがて恋愛としての好きに変わって行くー。

こう、すごく等身大の恋愛が丁寧に語られる傍ら、自分の中の無意識の差別心だったりエゴだったりと言った、難しいテーマにもしっかり斬り込んで行くのが凄いと言いますか。
なんと言うか、読んでて色々考えさせられる作品なんですよね。
深いテーマで読ませてくれるよなぁって感じで。
とても素敵なお話だと思います。

ただこちら、これは本当に個人の好みの問題になるんですけど、主人公が好きになれない。
何だろうな・・・。
前述の通り、彼は大の犬嫌いになるんですよね。
でも、差別は良しとしない人物で、先輩社員なんかが「あの獣人社長」とでも言おうものなら「先天性獣化症です! その言い方は差別です!」みたいな。
言ってる事ってとても素晴らしいんですよ。
あと、自分の犬嫌いを克服する為にちゃんと行動を起こしと、好人物に見える。
見えるのに、何故かチグハグな印象を受けると言うか、見てると妙にイラつくと言うか・・・。

いや、う~ん・・・。
何でこんなに彼の言動が引っ掛かるのか考えてみたんですけど、どうも偽善の匂いを感じちゃうからなんですよね。
えーと、差別はダメなんじゃなく、自分は差別しない人間だと周囲に思って欲しい。
だから「差別はダメですよ!」みたいな。
だって、「獣人の友達が居て・・・」って感じで親しみを込めて話してる先輩に対して、「その言い方はダメです!」って、逆にこう、めちゃくちゃ獣化症患者を意識してない?
実のところ、誰より差別してる事にならない? 自分達とは違う存在だと。

何だろうな・・・。
彼はとにかくずっとこんな調子でして、その意識の持ち方と言うのに嫌な気分になるんですよね。
また、結構な自己中と言うんですかね。
自分基準でしか想像出来ない。

や、実はそこのところを先輩社員や攻めから指摘されて初めて気付くんですよね。
そして、成長を見せると言うのが見どころではあるんですけど、成長出来て良かったね!とはなかなか行かないと言いますか。
こう、私の中で嫌悪感の方がずっと大きくなっちゃってる為に、巻き返しがきかないと言いますか。

こちら、テーマが前回同様「差別」になるんですよね。
ただ読み終えての感想ですが、こういうテーマは取り扱いが難しいんだなぁと。
そのテーマを書ききる為ではあるものの、読者が主人公に嫌悪感を持ってしまうようなら失敗じゃないのかなぁ。
いや、これは私が受けた印象でしか無いし、そもそも私の心が極端に狭いのが問題なんだと思うけど。

評価を迷ったんですけど、主人公に対する好き嫌いを考慮しても素敵なストーリーだったので「萌」です。
素敵な作品なのに申し訳ない。

モヤモヤと丸一日悩んだんですが・・・

メルヘンチックな世界で、ワンコな養い子×おっとりクマさんの可愛くてエッチな恋愛を綴った物語、第2巻になります。

で、私はこのお話が大好きでして、1巻なんて繰り返し繰り返し何度も読んでるんですよ。
2巻もめちゃくちゃ楽しみにしてたんですよ。

や、元々こういうほのぼの可愛い、おとぎ話のような世界観がツボなんですよね。
また、養い親である受けがひたすら大好きなワンコ攻めとか、おっとり天然なのにエロい受けって感じでキャラも最高なんですよ。
2巻では街での生活がメインに描かれますが、あたたかい周囲の人々だったり、ロマンチックなイベントだったりと、そこでの日々がとにかく優しい。
ジリジリ進む、二人の可愛い恋愛にも萌えて萌えて仕方ない。
本当、癒しを求めてる方に全力でオススメしたい作品なんですよ。

ただ、1点、今回はどうにも引っ掛かって仕方ない部分もありまして。
や、モヤモヤと丸一日悩んだ挙げ句、他にも同じように感じた方はおられんかなぁって事でレビューしたんですけど。

えーと、話が変わるようですが、私はジ○リとかディ○ニーとか大好きなんですよね。
めちゃくちゃ観てる。
で、要点を言わせて貰うと、この2巻ですが、そのジ○リとかディ○ニー作品に似たようなシーンがちょこちょこ登場します。
似たようなてか、正直に言わせて貰うとそっくりだと思います。

何だろうな。
街を丘(?)から見渡すシーンでは「魔女の宅○便じゃん!?」となり、死者の日のエピソードでは「リメ○バー・ミーじゃん!?」となり、とどめで灯籠(?)を飛ばすシーンでは「ラ○ンツェルじゃん!?」みたいな。

う~ん。
似たような設定っていくらでもあるだろうし、偶然の一致と言われればそうなんだろうなぁとも思うんですけど、そのシーンを読んだ一瞬で、件の作品が思い浮かんじゃう。
どうしても連想してモヤモヤしちゃうのは私だけなのか?
編集がゴーを出したんだから、コンプライアンス的に問題は無いのか。
そもそも、似たようなシーンがあるだけで、内容的には全く別物なんだから、私が神経質なだけなのか?

これ、構図からシチュエーションからそっくりなんですよね。
特に灯籠のシーン。
二人で小舟に乗って、夜空には一面の灯籠の光って感じで。
すごくロマンチックで素敵ではあるものの、このシーンがアニメ化された時、著作権にやたら厳しいあのディ○ニーが物申しては来ないんかなぁと、余計な心配までしてしまう。
だって、似すぎなんだって!
読んでると、どうしてもラプ○ツェルが浮かんで来ちゃうんだって!
ディ○ニーファンだから!!

これ、私がそう感じるだけで、客観的に判断して全然違うなら問題ないんですけど。
自分でも私がおかしいだけじゃないかと全然自信が無いんですけど。
ただ、読み終えての正直な感想が、どうしてもモヤモヤしちゃうなんですよね。
引っ掛かるのは私だけなんかなぁ。
でも、このシーンもあのシーンもとなると、どうにも気になって純粋に作品を楽しめないと言うか。
1巻はこんな事なかったんですけど。
お話自体は、本当に好みだし面白いんですけど。

高虎が退化してる。バカ殿みたいになってる。

以前、公共の場で、周囲にお構い無しでイチャつくバカップルを見て「周りの目とかどうでもいいんかなぁ」と連れに話したら、「どうでもいいんじゃなくて見えてないんだよ。二人の世界だから」と返されまして。いたく納得したんですけど。
今回、まさにそんな感じなんですよね。
高虎、こんな空気が読めない男だったかなぁ?
空良も、こんなマイペースな人物だったかなぁ?
なんかこう二人とも、良くない方向でのバカップル化が進んでる気がする。

お話としてはとても面白いし、仲の良い二人の姿が見れて嬉しくもある。
でも、二人の変化にガッカリする部分もあるし、これまで共に一喜一憂しながら見守って来た身からすると悲しくもある。
私はこのシリーズが大好きでして。
そのせいで期待値が高くなりすぎて、必要以上に評価が厳しくなってるのかもしれないですけど。

で、内容的には二人が日向崎の城に入ってから一年後。
領民にも慕われ穏やかな日々を過ごしますが、そんな中、他国から海賊団との調停役を頼まれてー・・・と言うものになります。

えーと、こちら、作者さんもあとがきでおっしゃられてますが、二人の仲は磐石です。
海賊が登場し、邪魔者が登場し、困難な出来事まで襲いますが、もう全く二人の絆は揺るがないです。
高虎は終始、砂を吐きそうな甘いセリフを言いまくり、言葉だけじゃなく行動で愛情を表す。
また空良は空良で、ひたすら真っ直ぐ高虎を信じて、傍らに寄り添う。
そう、今回の二人ですが、尋常じゃなく甘いんですよね。
読者は切ないスレ違いとか1ミリも警戒する事なく、終始この甘さに浸っていられる。
とにかく幸せな二人を見たいと言う方には、本当に最高だと思うんですけど。

あと、ストーリーとしても面白いです。
海賊との調停役しかり、他国との軋轢しかり。
この海賊との調停役ですが、なんと空良が交渉役を担う事になるんですよね。
そこでの空良がとても格好いい上に、意外な計算高さなんかも見せてくれてと、読んでてワクワクと胸を高鳴らせてくれるのです。
また、二人は日向崎に拠点を移したワケですが、故郷の面々も登場してと、すごくあたたかい雰囲気でもあるんですよね。
読み終えた後は、爽快感と幸福感を味わえると思うんですけど。

と、そんな感じでとても素敵なシリーズ続編なんですよね。
なんですけど、個人的に若干引っ掛かる部分もある。

えーと、繰り返しになるんですけど、二人の変化がなんか微妙ってんですかね。
や、高虎ですが、こんな空気の読めない感じだったっけ?みたいな。
何だろうな・・・。
調停役として岩浪を訪れる事になれば、他国の与力(武士)の前で「空良は温泉が好きだからな!楽しみだ!」みたいな。
ついでに(露天風呂では)あまりイチャつけないから残念!的な。
ストレートな愛情表現が高虎の魅力ですし、二人きりならいくらでもイチャつけばよろしい。
でもそれを、他国の与力の前でやるのはどうなんかなぁと。
そもそも、空良の言う通り遊びじゃなくて交渉役で行くんじゃん!と。
これじゃバカ殿じゃん!と。
これね、他にも空良が拘束された時にも、周囲が宥めるのも聞かず「今助ける!」「空良っ!空良ーー!」みたいな。
完全に一人で浮いていて、ちょっと落ち着けい!みたいな。

また空良もですね、なんか妙なマイペースぶりを発揮して、読んでて微妙な気持ちになると言うか。
や、交渉のリミットが一刻しか無いのに、熱心に畑を見学して時間をロスしたり。
すごく貴重な一刻じゃん。
リミットが過ぎたら交渉決裂、戦闘開始と大変な事態じゃん!と、読んでるこっちがヤキモキしちゃう。
え、なんでそんなにのんびりしてるの?みたいな。
結果的にいい方向に向かいはするワケですが、こう、大事な局面に置いて考え無しな行動してると、残念な気持ちになっちゃうんですよ。

あと、あれもこれもと申し訳ないんですけど、主人公モテモテが辛いです。
今回、空良ですが、海賊の頭領から異国人からと、皆から言い寄られるんですよね。
普通に考えて、周りの男みんなが受け(男)に惚れて求愛するって不自然だし違和感を覚えちゃう質なんですよ。
こう言うエピソードがあると一気に冷めてしまう。
完全に好みの問題なんですけど。

う~ん。
すごく好きなシリーズなんですけど、今回は何故かそこまで乗り切れない。
何でかなぁと考えてみたのですが、そもそもこのシリーズ。
毎回パターンが一緒なんですよね。1巻を除いて。
二人を何らかのトラブルだったりと試練が襲い、空良が立ち向かう。
高虎が助けに飛んでくる。
そして共に乗り越える。
そこで、より絆が深まる。

ここに毎回、主人公の成長だったりと感動的で心を揺さぶる要素が入る事で、読者を惹き付ける。
ただ今回、そこに主人公の成長とかそういう要素は感じられないんですよね。
むしろ、高虎に至っては退化してるし。
そのせいで、面白いのにそこまで心に響かないと言うか。

繰り返しになりますが、個人的に期待値が高すぎたせいで、必要以上に評価が厳しくなってるのかもしれないです。
一応、正直な感想ではあるんですけど。
私が面倒臭い読者なだけで、ちゃんと面白い作品だし感動的なんじゃないかとも思うんですけど。

この裏切り者めー!!

失われた竜王妃とその伴侶である竜王との深い愛を軸に展開する、一大スペクタクルロマンと言った感じのお話になります。

もうこれ、めちゃくちゃ面白いんですよ。
なんか面白そうと軽い気持ちで購入したんですけど、あっと言う間に引き込まれて最後まで一気読みしちゃいましたもん。
前半は、不憫な受けの健気な言動だったり、二人のスレ違いの焦れったさで読ませてくれて、後半は、ハラハラドキドキと怒涛の展開で読ませてくれて。
まるで映画を見たかのような満足感ですよ。
すごい作品だと思います。

ただこちら、ふと冷静になると「果たしてこれはBLなのか?」と疑問を覚えちゃうと言うか。
や、読み進める中で驚きの真相とか明かされるワケですが、受けは精神的に男性なの?それとも女性なの?的な。
女性としてわりと生々しいシーンなんかもあるので、より混乱すると言うか。
また、前半の攻めが結構ダメダメでして。
えーと、普通にファンタジーとして読めば★5つ、でもBLとして、そして「攻め」として見ちゃうと、なんか微妙なのです。
本当に面白いし素晴らしい作品だとは思うけど、私個人としてはBLの萌えを求めて購入したので。
率直な気持ちを言っちゃうと、前半の攻め、攻めとしては失格なんですよ。
ただのアホなんですよ。
目が曇りまくりなんですよ。
だって、受けがこれほど辛い思いをして悲惨な目にあってる時に、こいつがやらかした事ときたら!
裏切りもはなはだしいわ!
これは許せない。
これは、絶対許せない。

私は攻めに対して極端に厳しいんですよね。
そんな私の片寄った評価なので、ズレてるんだろうとは思うんですけど。

で、内容です。
竜王妃として誕生する直前、行方不明になってしまった銀の妃(イルカヤンヤ)。
20年もの間、竜王は彼女を狂おしく求め続けてるんですね。
一方その頃、蜥蜴の国の暗い地下で、奴隷のような辛い毎日を送る小さなオイ。
誰かが愛しさを込めて名前を呼ぶと言う優しい夢が、心の支えです。
そんな中、蜥蜴の姫が竜の国・バーヤドンナに輿入れする事となり、オイも同行しますがー・・・と言うものです。

まずこちら、なんと言っても主人公が不憫すぎでして。
何も分からないまま、長きに渡って暗い地下に閉じ込められてるんですね。
また、輿入れで国を出ると、これより更に状況は悪化。
狭い物入れ棚に閉じ込められ、蜥蜴の姫から感情のままに理不尽な暴力を受ける。

これね、ここからまさに運命と言うべきものの導きにより、彼に救いの手が差しのべられるのですが、それが嬉しくて仕方ないんですよ。
本人がすごく純粋で健気なだけに。

また、そんな調子で不憫な受けの救済が萌えるだけじゃなく、ストーリーとしても本当に面白いのです。

20年もの間成長せず、小さいままのオイの謎。
イルカヤンヤが拐われた、あの日の真相。
そして、気付かぬうちに竜の国を蝕ぶ穢れの、驚きの正体。

えーと、前半が受け救済と、彼の正体に気づかない攻めと言う切ないスレ違いなら、後半はハラハラドキドキと怒涛の展開なのです。
これがまさに手に汗握るって感じで、彼等の死闘にページをめくる手が止められない。
で、最終的には、めちゃくちゃ感動だし泣ける。
最初に一大スペクタクルロマンと書いたのですが、決しておおげさじゃなのです。
本当、素晴らしい作品なのです。

ただ若干、個人的に引っ掛かる部分もありまして。
繰り返しになるんですが、果たしてこれはBLなんかなぁと。
や、イルカヤンヤですが、竜王妃の言葉通り女性なんですよね。(最初は無性)
で、キモとなるあの日の出来事ですが、危機にさらされつつ、それでも彼女は攻めへの愛を貫いた。
ここに、小さいオイの真相があるのです。
本当、涙無しに読めない切なすぎる真相なんですよ。
でもふと冷静になると、この場合、主人公は男性なのか女性なのか・・・的に。

私はですね、例え出産しようと女体化しようと、中身が男ならBLとして楽しく読めるんですよ。
でもこの場合、完全に逆だよなぁと。
がわたは男だけど、中身は女じゃないんかなぁと。
オイに男性的な部分が欠片も無い為、余計にそう見えてきちゃう。
その上、主役二人って、実は交流自体がとても少ないんですよね。
深い絆はあるものの、それは互いが運命付けられた特別な存在だからこそで、その人本人のここに惹かれたとかは見えてこない。
だから余計、BLとしての萌えに乏しく感じてしまう。
申し訳ないんですけど。

あと、あれもこれもと本当に申し訳ないんですけど、前半の攻めにイラつきます。
や、真相に気付くまでの彼ですが、結構酷いし攻めとしてどうなのよレベルでして。
特に初対面時の態度。
オイはすぐ分かったのに、お前は分からんかったんかい、と。
例えどんな姿(状態)でも、お前なら分かる!とか無いんかい!と。
またさぁ、受けがとても辛い想いをしてる時、彼は何をしてたと思います?
性欲解消ですよ。
しかも、オイを苛める悪役相手にですよ。

いや、イルカヤンヤの面影を求めてですし、本当の性欲解消のみで口でさせただけなのです。
それでも、お前は一体何をやってんだー!と、腹が立って仕方ない。
挙げ句「空しいだけだ・・・」って、しっかり気持ち良くなっといて、何格好つけてんだ。
この裏切り者めーーー!みたいな。
後半の彼はですね、本当にいい男なんだけど。
でも前半のこれで、私の中では巻き返し不可能なんですよね。

ただ、こんな所で引っ掛かってグダグダ言ってるのって私ぐらいだと思いますし、ファンタジーとして読むなら本当に面白い作品じゃないんでしょうか。

甘々ほのぼのでは無いような・・・

苦労人大学生が、スパダリ社長に甘やかされて初めての恋や食に目覚めると言った作品になります。

好きな作家さんである事と、あらすじやタイトルから笑えて甘くて可愛くてと言ったお話を期待して購入しました。
ただこれ、想定外に重いと言うかしんどいと言うか・・・。
や、主人公救済ものの側面もあると思うんですけど、彼の心の傷は結構深刻で、そのせいでかなり意地っ張りだし面倒臭いんですよね。
えーと、甘々ほのぼのどころか、主人公のこのキャラのせいでスレ違いが延々と続いて、「辛ぁ・・・」って感じで。
う~ん・・・。
心に響くすごくいいお話だとは思うんですけど、甘々ほのぼのを期待しちゃうと予想外に心を抉られるかも。
あと、主人公のキャラ自体も好き嫌いが分かれそうな気がします。
自分が傷付きたくないからって、大切に思ってくれる相手を傷付けちゃいけないわ。
友達が言う通り、貧乏だからって心まで貧しくなるのはいただけないわ。

で、内容です。
スナック菓子等を使ったトンデモ料理の動画配信で人気を集める貧乏大学生・冬馬。
しかし、不摂生がたたって栄養失調で倒れてしまうんですね。
そこにたまたま居合わせ、倒れた冬馬を助けてくれたのが、地産地消をコンセプトにレストランを展開するスパダリ社長の聡史。
冬馬の身体を心配した聡史は、一ヶ月の間自身の経営するレストランで食事をご馳走する。
そこで冬馬の体調が改善しなければ、なんでも望みを叶えると提案して来てー・・・と言うものになります。

まずこちら、個人的に一番萌えた部分なんですけど。
えーと、タイトルにある通り、攻めである聡史のスパダリぶりだったり溺愛ぶりだったりになります。
いやなぁ、赤の他人である主人公にいきなり一ヶ月間も食事をおごりと、親切すぎて多少胡散臭く感じる事とは思うのです。
ただ、彼にはそうする理由がちゃんとある上に、とにかく大人の余裕があって包容力もあるスパダリなんですよ。
味覚が死んでる冬馬にですね、美味しい食事を与え、そして農家に連れて行って食育を施しと、甘やかすだけじゃなく本当に大切にしてるのが伝わってくる。
また、作者さんもおっしゃられてるんですけど、お話が進むに連れ、彼の本性が明らかになってくるのも楽しいと言うか。
あれ、意外と策士じゃん?から、最終的には残念攻めじゃん!的に。
や、最後に攻め視点の短編があるんですけど、ここでは受けが好きすぎて若干変態っぽくなってますもん。
いやもう、本当に面白い男だよ!と。

ただこちら、個人的に合わない部分もありまして。
えーと、繰り返しになりますが、受けがかなりの意地っ張りだし面倒臭いタイプなんですよね。
いや、う~ん・・・。
私は決して意地っ張りが嫌いなワケでは無いのです。
それどころか、意地っ張りで面倒臭い受けって実は大好きなんですよ。
や、甘えるのが下手で、傷付いても平気なふりとかしちゃう受け・・・。
グルグルと延々と悩み続ける臆病な受け・・・。
読んでて死ぬほど萌えるー!てなもんで。

ただ今回の受けですが、自分を守る為にバリバリに壁を作るタイプと言いますか。
自分が傷付かない為に、相手を傷付けちゃうタイプと言いますか。
一ヶ月もご馳走してくれると言う相手に対して「まあ、別にいいですけど」って、なんでそんなに上からなのよ。
あてつけのように男友達の名前を出してと、何故わざわざ傷付けようとするのよ。
挙げ句、「綿谷さんは俺の気持ちなんてどうでもいいんだ」って、自分の事ばっかかよ!と。

これな、心の傷が彼にこんな言動をとらせてるのは分かるのです。
攻めの深い愛によって、そんな受けが変わるのが見処だとも分かる。
ただ正直、読んでてイライラしてイライラして仕方ないんですよね。
意地っ張りは意地っ張りでも、このタイプはいか~ん!と。
マジで、私が攻めなら張り倒すぞと。
ついでに、なんか主人公の気持ちの変化が急で戸惑うよ。
反発心を持って利用してやろうとか考えてたかと思うと、次のシーンではドライブに誘われて初々しく喜んでたりして。
受けの気持ちが良く分からん・・・。

と、そんな感じで、ストーリー自体は本当に素敵だと思うんですけど、個人的に合わない部分もある。
ただ、深みのあるお話が好きで、主人公が合う方にはとてもオススメじゃないかと思います。

受けはもうちょいプロ意識を持って欲しい

作者さん初の Dom/Subユニバースですが、専門用語は一切無しと、初見の方にも優しい内容になっています。
私自身は世界観を既に理解してるんですけど、用語が出てこないだけで Dom/Subユニバースの真髄がしっかり書かれと、とても面白かったです。

で、こちら、タイトル通り中東の王子×担当の要人警護員による、ちょっぴりスリリングであたたかくて優しいラブストーリーになるんですね。

民間の警備会社で要人警護を担当する國行。
実は痛みに快感と安堵を覚えるドM(Sub)です。
そんな彼が今度護衛する事になったのが、中東の王子・ラシード。
有無を言わさず人を惹き付け従わせる雰囲気を持ちと、まさに理想のご主人様であるラシードですが、ひょんな事から滞在期間中限定で自分のご主人様(Dom)になってもらえてー・・・って感じのお話でしょうか。

えーと、海野作品と言うと、攻めがとにかくいい男って印象が強かったりするんですけど。
今回もですね、これぞまさに理想のDomって感じの、超包容力があって器が大きくてついでに愛情が深いいい攻めなんですよ。
自身を顧みる事なく護衛対象者の為に身体を張る國行。
そんな彼に自分を大切にする事を訴え、真剣に怒るー。
また、そのままの國行を受け入れ、褒められたいと言う彼の欲求にも期待を上回る形で答える。
あれ、海野先生の包容力攻めと、Domの相性ってめちゃくちゃいいじゃないのと、読んでてニヤニヤしちゃう感じなんですけど。

またこちら、ベースが Dom/Subユニバースなんですけど、それを生かした上でそれぞれのキャラが形造られ、更にストーリーが展開しと、このへんがとても上手いと思うんですよね。

國行が無茶をして、負わなくていい傷まで負う理由。
華やかそのものに見えるラシードが、地道に努力して目指しているもの。

わりとコミカルだったりあたたかい雰囲気で進むお話なんですけど、心に響くグッとくるエピソードなんかもあってと、しっかり読ませてくれるんですよ。
要人であるラシードは何者かから狙われとハラハラドキドキでもあるんですけど、こちらは意外なオチでびっくりさせて貰えて。
えーと、ミスリードを誘われるんですよね。
完全に、ヤツが犯人だと思ってたじゃないかよ!と。

と、そんな感じですごく素敵なお話なんですよ。
お話なんですけど、若干引っ掛かる部分もあってと、今回は評価が難しいんですよね。

う~ん。
これは本当に個人の好みの問題なんですけど、恋愛等、プライベートな事で仕事を疎かにする人物ってのが私はダメなんですよ。
仕事を疎かにすると言うか、プロ意識が足りない人間が。

や、今回の受け・國行ですが、かなり面白いタイプだと思うんですよね。
ガタイが良くて、男らしくて強気。
職務中にケガを負えば、ガムテープで応急処置して任務続行って感じで、ガサツ一歩手前なのもまた楽しい。
仕事に対しても真摯に取り組んでると思います。
なのに、それなのに、ちょくちょくプロ意識に欠ける行動を普通にしてて、それにガッカリしちゃうと言うか。

えーとね、彼は警護員として、無茶な行動をしてはわざわざ負わなくていいケガを負う。
そして、ケガをする事で安堵する。

これ、彼がこんな行動に出る理由がちゃんとあるのは分かるのです。
彼の心の傷も、Subの特質も分かってる。
でも、警護のプロとしてはどうなのよ?と。
一見、自分の身体を張ってと言うと格好いいけど、ケガを負って動けない間に警護対象者が危険な目に遇うかもしれないじゃん?
プロなら、自身もケガを負わないように最大限気を付けるのが当たり前じゃん?
てか、私が要人なら「ケガをすると安心するんです」なんて言ってる警護員、不安で仕方ないよ。

またさ、彼はケガを負っても職場に連絡せずにそのまま職務を続ける。
勤務時間外とは言え、警護担当中にSMクラブに行って身体を痛める。
挙げ句の果てに、職務上得た情報を個人的な事に利用する。

職場に報連相って、もう警護員以前に社会人としての基本じゃん。
SMクラブで身体を痛めって、そんな状態じゃ万全の警護が出来ないじゃん!
てか、件のお酒、自分の身体で証明を!とかじゃなく、それは証拠品として押さえとけよ!!

すごく好きなタイプの受けなんですよ。
好きなタイプの受けだからこそ、こういうプロ意識が欠如した行動をする度にガッカリ感が半端無いんですよ・・・。

なんかね、彼はプロとしてというより、個人の感情で暴走しがちなんですよね。
また、仕事に対してすごく真摯かと思いきや、前述のようにあからさまにプロ意識に欠けた行動をしてと、どうにもチグハグな印象を受けると言うか。
これがまだ入社したての新米警護員なら仕方ないと許せる部分もあるんですけど、28歳のチームリーダーだし。
とりあえず、私の頭が固いのは分かってるけど、トラウマだのSubだの関係無しに仕事は仕事でプロフェッショナルに徹して欲しい。
そして本当、自己完結せずに上司に相談して!!

と、そんな感じで素敵な作品だと思うんですけど、個人的に合わない部分もある。
そんなワケで、評価は「萌」です。
ただ、本当に合わない部分って私個人の好みの問題なので。
ストーリーもしっかりしてるし、主役二人のキャラもちゃんと掘り下げられていてと、好みの部分さえ除けば素敵な作品だと思います。

ドラマチックです

セックスした相手の性別をデリート出来る新たな性別・Δ(デルタ)の主人公と、そんな彼を一途に愛するαの攻めによる新感覚オメガバースになります。
「これは面白そう!」と、めちゃくちゃ好みの設定のため購入しました。

まずこちら、設定が斬新ですし、それだけじゃなくて主役二人の恋愛もしっかり描かれていてと、とても素敵なお話なんですよ。
えーと、主人公であるソウですが、彼自身はβでありながら何故か寝た相手の性別をデリケート(消去)する事が出来るんですね。
で、彼は強気で悪ぶってはいるんですけど、実はすごく思いやりのある優しい人物なんですよ。
自身の体質を生かして、生きるのが困難で助けを求めるΩ達を抱いては、彼等をデリートしてβにしてきた。

そして、そんな彼にデリートの依頼をしてきたのが、αの御曹司・新。
彼ですが、実は同じ養護施設で育った幼馴染みで、ずっとソウを迎えに行く事を目標に生きて来てー・・・って感じになるんですけど。

これね、読んでみての一番の印象ですが、すごくドラマチックなんですよね。
ソウの特殊な体質Δですが、なんと本当の所は、相手の因子を吸い取るってものでして。
その為、何年にも渡りΩと寝てきたソウは、自身がΩへと変化してきてしまっている。
また、愛し合いながらも、寝れば相手をデリートしてしまう。
新をベータに変えてしまった時、Ωであるソウと共に生きていけるのかー?
二人はまさに純愛なんですけど、そんな彼等に次々降りかかる過酷な試練に、切なくも萌えちゃうと言いますか。
王道ではあるんですけど、愛に性別とか階級とか関係無いんだよと言うメッセージ性も素敵と言いますか。

と、そんな感じですごく素敵なお話なのです。
素敵なお話なのですが、若干気になる部分なんかもありまして。
えーと、こう、ちょっと設定の詰めが甘いと言うか、なんか細かい部分がボンヤリしてると言うか。
や、ソウのこの特殊な体質ですが、結局は最後まで謎のままなんですよね。
闇医者やもう一人の幼馴染みが研究してはいるものの。
何故デリート出来るのか?
何故、性行為がトリガーになるのか?
このへんが謎なまま終わっちゃうので、エロに都合の良い設定だな!感がどうしても出てきちゃうと言うか。
またソウですが、子供が出来ない体質なんですよね。
これも特に理由は描かれてない上に唐突に出てくる為、二人の切なさを盛り上げる為だけの都合の良い設定に見えてきちゃうと言うか。

あと、実はオチも良く分からない・・・。
新ですが、結局はβになっちゃって、その上戸籍まで無くしちゃって、もうこの先どうすんだ的な。
戸籍無いと困るだろうし、Ωのソウはこれから一生発情期に苦しんで行くんかなぁと。
てか、これは私の読解力の問題だとは思うんですけど、二人は番になれたんかなぁとも。
番になれた的な事は言ってるんですけど、なら発情期は大丈夫なハズなのに、そのへんは微妙に困っているみたいなラストだったし。
う~ん・・・。
相手の因子を吸い取るソウは、ベータの新と何回もエッチする事によって・・・と、希望が見えるラストではあるものの、ぼんやり曖昧なままなんですよね。
このへんをもうちょっと丁寧に描いてくれたら世界観に浸り切って楽しむ事が出来たのにと、残念で。
そもそも、これは大前提からになるけど、相手の性別をデリート(消去)するなら寝た相手はベータじゃなくて無性別になるんじゃないかと。
申し訳ないけど、こう言う部分のアラが目立つんですよね。

とは言え、全体的には好みの素敵な作品でした。
細かい部分は気にならなくて、新感覚のオメガバースに興味をそそられた方にオススメしたいです。

暴力部分、合わない方はキツイと思う

さきしたせんむ先生、最近読み始めまして、コミカルで甘い所とか迫力満点のエロシーンとか、ガッチリムッチリした肉体美とか、すごく好きなんですよ。
で、今回もすごく面白そうなお話だぞと期待大で購入して、実際にとんでもないしかなり飛ばしたお話ばかりだけど、すごく面白かったんですよ。

ただこれ、表題作の第一話の暴力描写がかなり凄くてですね・・・。
こう、攻めが受けを殴る殴る殴る。そして蹴る。

えーと、元々作家である攻めへの愛を拗らせた受けが、包丁を持って彼を殺り(やり)に来たってお話なんですよ。
で、アッサリ反撃されてボコボコにされた挙げ句、反対に自分が犯ら(やら)れちゃうと言う。

まぁなので、殴られて蹴られるとかは特に仕方ないと思うんですよね。
攻め、正当防衛だし。
コミカルに描かれてるので、そこまで痛々しくないですし。
私もこの時点では、普通に笑って読んでた。
ただこれ、エッチに突入しても暴力描写が凄いんですよね。
特にダメだったのが、背中にタバコの火を押し付けるヤツ。
受け、気持ち良さそうだけど、でもタバコの火だよ。
普通にめちゃくちゃ痛いよ・・・。
その上、鼻血で顔が血まみれの状態で、首を絞められて絶頂。
プレイの一環として楽しく読めれば良かったけど、もう完全に震え上がっちゃって。
まだね、愛が感じられれば萌えるのは無理でも普通に読めたと思うんですけど、攻め、愛がどうこうより自分の好き放題にやってるようにしか感じられん。
だって、タバコを押し付けた際のセリフが「皮膚が焼ける匂いってこんな感じか」ですよ。
真顔の所もめちゃくちゃ怖い。
サイコに見える。
プレイで多少痛い事するのはアリだけど、受けの身体に傷痕が残るようなのはダメなのよ。
受けの、受けの身体、大切じゃないの!?
床に頭を打ち付けるのも止めてあげてよ。
だって、まだ鼻血すら止まってないのよ!?

これね、すごくコミカルに描かれてるんですよね。
でも、私は笑うの無理だよと。
萌えるのも無理だよと。
ここで引っ掛かってる私の方がズレてるんだろうとは思うものの、丸々一日たってもタバコのエピソードが頭から離れなくて。

えーと、ここからすごく甘さが増すし萌えも増し増しの展開なんですよね。
他の短編もぶっ飛んでるけど、すごく面白いんですよ。
でも、この暴力部分があまりに強烈すぎてダメージを受けたので、評価は「萌」で。
繰り返しになりますが、プレイの一環として萌える描写だと思います。
ただ、中には私と同じようにダメージを受ける方もおられるんじゃないかと思うので、このへんが苦手な方は気を付けて下さい。