攻めはめっちゃくちゃ苦労人ではすまされない予想以上の闇を抱えているお方だということはわかったんだけど、「背中に浮かぶ闇と希望と再生の物語。」を作りたいという趣旨で生み出されたキャラの範疇を超えてこないというんでしょうか。
里見の苦悩が突き刺さる!!とかじゃなかったんですよね……。
なんでだろ…。
あんな育ちからどうやってここまで這い上がってきたのかが、一切描かれてないからかもしれない。
「全寮制に入れるつもり」と親戚らしき人が電話で言ってたけど、全寮制=私立なので月に10万くらいは最低でもかかるわけで、それをあの親戚が出してくれたのか?すごいな……とか。
「編入」で研究室にやってきたとあるけど、どこからなぜ編入してきたのかもわからないし。
で、大学は奨学金で行ってるのかなぁ?
バイトに励む苦学生って感じでもなく、研究に没頭できてるようだし……
そして、一人暮らししてるみたいだし。
そのお金はいったいどこから?!
「普通」になりたいという気持ちが原動力だったとしても、「高卒で働く」のではなく「国立ではなく私大の工学部で研究に没頭する」というのは、彼の生い立ちからすると「普通」どころか、哀しいかな「贅沢な高望み」だと思うんですね。
その「普通」を手にするまでどれだけ苦労したのかというのがまったくわからない。
そこは想像力でしょ!なのかもしれないけど、やっぱりお金をどう工面してるんだろ?って思ってしまって。
受けもチョロすぎて光属性の圧倒感がないというか……。
タトゥーは綺麗だなぁと思いました。
もしあれが和彫だったら、またお話が変わっていましたね。
文句ばかりですみません……
おじいさんに親切にしたお礼に、動物の声が理解出来るカチューシャをもらったことをキッカケにあれこれお話が進んでいく。
なかなか楽しめたけど、なんかちょいちょい違和感というか、自分の好みとは違うなぁという点がありました。
一つ目は攻めのキャラが微妙に好みじゃなかった。
穏やかで優しく動物好きな獣医さんかと思いきや、特に動物は好きではないけど儲かりそうだから獣医になったとか、あらら…と。
まぁ仕事はしっかりやっているのでそれでもいいけど、私は裏表なく常に優しく穏やかで動物大好きな人のほうがいいなぁ。
恋愛面よりも受けの成長物語の要素のほうが大きかったので、くっついてまもないのに「愛してる」という攻めの言葉が軽いというか、ホントか?と思ってしまったし…
あと、受けはとても可愛くて好感が持てる子なんだけど、初合体のときに、そういえばこの子ウブに見えて過去何人か彼氏がいてそれなりにあれこれ経験済みなんだっけ…と冷めた気持ちになってしまった自分にビックリ…
決して処女厨じゃないし、なんならビッチキャラも好きなのに、なんでこんな感想を抱いてしまったのか謎。
言動や雰囲気は純情無垢な処女っぽいのに処女じゃないのが何だかなぁと思ってしまったのはBL読んでて初めてかもしれない。
あと何と言っても、コムギが死んだ夜によくエッチする気になるなぁ…と。
しかも公園に置いたままで…
カラスとか猫とかに食べられないかとか心配じゃないのかしら?
そもそも死んだ夜なのにヤる気が起きるというのが別次元の人としか思えず、涙も引っ込んでしまいました…。
攻めも受けも真の動物好きじゃないんだと改めて思わされたというか。