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女性chikakumacoさん

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色々ダダ漏れてんのに。十分に。

すごーく端正な美形の野崎課長。対するはイケメン部下、西田くん。
2人は両片想い。こんなにも『好き、大好き。』と、心の中で語尾にいちいち付けてしまうくらい想いあっているのに関わらず、すれ違ってばかり。
野崎課長はそのイケメンっぷりからは信じられないほど、卑屈くん。
こんなにも若くて可愛い西田くんに、本気で好かれるわけが無いと諦めている。
諦めている筈なんだが、声をかけられれば嬉し過ぎて、可愛い可愛い西田くんに嫌われまいと必死。
同じく西田くんも。野崎課長の様な大人の素敵な男に本気で愛されるわけが無いと切なく想い、重く思われない様に振る舞っている。こちらも卑屈くん。
互いに『これは遊び。』『せめてセフレでいたい。』と、思い詰め、涼しげなポーカーフェイスを貼り付けて、浮かれる気持ち、切なくて泣きたい気持ちを心の中に押し留めている。
ああ、色々ダダ漏れてんのに!
ジリジリとした想いは、つい。声になって漏れてしまう。
聞き違いかも?と、目の前の事ですら信じられなくて。
モダモダしているおバカさんの2人が可愛いくて。ラストにはきっと。本気の想い、伝われ!って願いながら読んでいるのに。
まさか⁈ まさか⁈ なんですぅ〜。2人はすれ違ったまま。終わる。えええーっ⁈
物語はまだまだ続くみたい。
あああ、もうちょっとなのにぃ!
2人の危うい均衡を破るのは、西田くん?それとも野崎課長?
このまま行くと、西田くんが頑張っちゃいそうですが。怖がってばかりの野崎課長が、大人の男として、ここはキチンと男を見せて欲しいもんです。
今でも一応。歓喜して、一喜一憂。ラブラブなんですが、心からの言葉、声に出して言える、幸せなラブラブっぷりを早く見たいです。

諦めた様に。哀しい表情なのに、めちゃくちゃイケメンの野崎課長の。オフの時の髪がゆるくウェーブがかっているのが好き。大好き。

修正は白抜き。カラーページの白抜きは、違和感。ライトセーバーか‼︎
野崎課長はエッチのテクも素晴らしそうなのに。何でこんなに卑屈くんなのか。
甘くて優しくて、めちゃくちゃ良い恋人になってくれそうな優良物件である自覚持って欲しい。

この世界で生きるのは、お姉さんの腕次第⁈

姉が腐女子。しかもBL作家。可愛いめルックスの弟は、もれなくお姉さんの餌食になってるんだろうなぁ。なんて。腐女子の夢かもしれない。
大成は、いつも姉の漫画制作のお手伝いをさせられていた。
割とエッチな作画も何のその。一応手慣れたもんである。
ある日、徹夜での作業明け、大成は姉に命じられて栄養ドリンクを買い出しにフラフラと家を出たところで、トラックにはねられ…。

これは、病院で昏睡している大成の夢の中なのか。そう思うととっても不穏なんだけど。
物語は、異世界に飛び、姉が得意としていた異世界モノBL世界の登場人物となってしまう。姉の描いていた漫画の基本設定では、主人公はトウルというΩの男の子。恋人のペリドットはα。当て馬のジャスパーもいる。自分はモブだ、と安心しきっていたが。
読み手側には一目瞭然。大成が主役。ペリドット × トウル は、いわゆる脇カプなのだ。
姉やアシスタントをしていた野之さんが説明してくれた「オメガバース」設定を思い出し、とにかくΩになるとヤバいという事だけは認識するのだが。
可愛いらしく描かれた大成は、αで、しかも貴族のジャスパーに早速ロックオンされてしまう。逃げ回る大成。執着するジャスパー。
人の話をてんで聞かないジャスパーの俺様っぷりに閉口しながらも、憎めなくて笑ってしまう大成。その都度見せる可愛らしさにドギマギして、本気に恋してしまうジャスパー。
最初は、優秀でイケメンで、人望の厚いペリドットに対抗したい意識だけだったのに。
「俺様のΩ」(かもしれない)大成を守ろう、大切にしよう、としているのが大成にも伝わって。絆されて行くんですよねぇ。
大成が、ペリドットのペリドットにトーンを貼ってたらしいので、ペリドットとトウルは、もぅ。ヤることやってそうなんですが。ジャスパーは意外とウブ。
「こ、婚前交渉は、いかんだろう!」顔を真っ赤にして言う可愛いさには、大成は笑ってしまいます。もちろん大成も童貞で処女。それを知って嬉しがるジャスパー。
もう、付き合っても良いんじゃない?みたいな。
そして、ジャスパーは大成を大切にしたいと想ってるから。お決まりのあるある、大成のフェロモンに耐え切られなくなりそうな時には「俺を殴って逃げろ!」なんて、紳士発動するんですよね〜。これは惚れるっしょ。しかし、絶対にΩなんかになりたくない‼︎ と思っている大成は、自分に芽生えかけた恋に気付かない、気付きたくない様子。
2人はこれからどうなるのか?楽しみに次巻を待ちます。
2人の今後は、お姉さんの力量次第なのか。物語を勝手に抜け出して、自分で運命を切り開いて行く未来であって欲しいなぁ。
というか、現実世界の大成がどうか無事であって欲しいです。

酔っ払って裸で共寝したジャスパーと大成には何も無かったに1票!ジャスパーは紳士ですもん。

男を拾えば。もれなくめくるめく一夜となります。

アレです。家の前に「落ちている」イケメンか可愛い男の子を拾って介抱すると。
彼はもれなく淫乱で。めくるめく一夜を共にします。ってヤツです。

ホストのケイトくんはめちゃ可愛いし、獣医の真昼もほぼ一目で気に入ってる筈なんだけど。好きだと言う前に、結構ヤッてばかり。それはもぅ、ケイトくんが不安に思う程に。
大体、酔い潰れた自分の友達がすぐ側に寝ているのに、その部屋で襲いかかりますか?っていう。たまらなくなって、とは言え。ケイトくんは気が気じゃありません。
一応、イケメンでカッコいい大人って事になってるし。余裕の無い攻めというのは、それなりに美味しい筈‼︎ なんですが。いかんせん真昼のトンチンカンさが際立っていて。
ケイトくんを泣かせるし、不安にさせるし、困らせてしまうし。その鈍さには読んでいるこちら側がハラハラしてしまう。何が「好きな人…って、俺のことかぁ。」カアア。だよ⁈

そして。すれ違っていた想いが繋がってから、めでたし!か、と思いきや。後半に差し掛かってからのケイトくんへのストーカー騒ぎ。部屋も隣り同士で互いに入り浸っているのに。ケイトくんをまた不安にさせる真昼。ケイトくんは、付き合っている恋人が出来たから、ホストを辞めると言っているのに。他の客にベタベタされたく無いから、という理由で客として通うクセに、深夜の帰宅になるケイトくんを迎えに行かないっていう。
もちろんケイトくんは危ない目に遭いそうにはなります。やれやれ。
もうちょい真昼のいい所を見つけて欲しかったよ。まぁ、ケイトくんがそんな真昼に惚れてるから仕方ないよね。

修正は白抜き。真昼の方が年上なのに、自分本意に激しいのが気になってしまう。
描き下ろしの、ケイトくんの頬に添えられたスケルトン手は恐怖画像。

ヤンキーでも。「かわいいは正義!」

強面ヤンキーで、トップに君臨する愛川は無類の猫好き。喧嘩する暇あるなら、猫ちゃんと戯れたい。
そんな愛川に勝負を挑むも、猫のエサやりの時間だから、などと断られた一之瀬はムシャクシャしていた。何かと突っかかる一之瀬に対して、愛川はつい。願ってしまう。
「一之瀬もねこちゃんみたいにかわいかったらまだマシなんだがよ。」
何でそうなる⁈ お星様は願いを聞き入れ、一之瀬は愛川の「理想のねこちゃん」になってしまう。猫耳、ふわふわ尻尾。丸いお目々。小さなお手て。可愛い過ぎる一之瀬にときめきが止まらない!
「かわいいは正義!」と言って憚らない愛川に撫でくり回される一之瀬。
ええ。これがBLだったなら。いや、BLなんだろうけども。「ねこちゃん」は 文字通り、俺のネコにされちゃうんだろうけども。そういうエッチなお話では無い。ただれた大人でごめん。
一之瀬は、自分ではコントロールし切れない頻度で「ねこちゃん」となり、可愛がりたい愛川にシャーシャー言うみたいに怒り、逃げ回る。ドタバタするだけのコメディ。
BL的なときめきやラブは無く、終始「トムとジェリー」。
「なっかっよっく、ケンカしなっ♬」なのだ。

途中、ブラコン弟で「兄さま、大好き」の悠二が登場し、一之瀬は意外にも良家の御子息な事が分かり、どうしてケンカ好きのヤンキーになってしまったのかは謎。
弟は兄さまに野蛮なヤンキー校を辞めて、帰って来て欲しいと願っている。
良家の御子息なので、頭も良い。最終的にはおバカの愛川の勉強を見てやるまでになっている。

うーん。これってば、BLでは無いよね?いつかBLになるのかなぁ。
愛川がそういう意味で一之瀬を好きになるのを密かに待ちたい。今のところ愛川がおバカ過ぎて。一之瀬から好きになってくれそうな要素は皆無だ。

ムチムチむっちり。昴の柔肌には抗えません!

とにかく。昴がいかにも美味しそうなんです。白くてスベスベでムッチリ。何処もかしこも柔らかそうなその身体。これは「運命の番」じゃなくたって、思わず触りたくなるだろう、的な。

大輔と涼は、共に優秀な α の子息が集う大学に通っている。高校時代からの親友だ。周りも α だらけなので、Ω というものを見たことすら無い。ある日、涼は、たまたま家の家政婦の息子が Ω だったというので、セフレにしたと言う。事もなげに言う涼の態度に驚きながらも、大輔は一目その Ω の子、昴を見た瞬間、虜になってしまう。多分、昴もそうだったろう。彼等は「運命の番」なのだから。遊び慣れしている涼と違って、大輔は真面目だ。しかも童貞。それなのに、涼におずおずと3Pを願い出る。うん。ここが不思議なんだけど。最初、いわゆる3Pにならないんですよ。涼はヤるだけやって、はい次。と、言わんばかりに休憩をして、煙草を燻らす。そして、遠巻きに大輔がヤッてるのを見ている。
何だろう、この違和感。まるで昴を性欲処理にのみ扱っていて。とても3Pには見えない。BLにおける3Pとは。挿入していない側は、受けちゃんを触ったり愛撫したりして、気持ち良くさせてこそ。なので、大輔が激しく抱いた後、「次、俺の番ねー。」とまた、昴の足を持ち上げる涼は、悪気は全く無いが、鬼畜に見える。昴も驚いて抵抗しようとするが、そのまま押し切られる形でまた激しくやられるのみ。
大輔は、茫然とそれを見る。もちろん胸は痛む。『俺のものにしたい。』とも思っている。
しかし涼を制止しようなどとは思いもしない。ヘタレ過ぎる。
なので、この次に昴に誘われた時も。どっちつかずの態度を取ってしまう。
だから。昴も強がって「セックスが好きなだけ。」のフリをしてしまう。
昴の年齢は書かれていないが、多分2人よりも年下なのだと思う。そんな子供に気を使われて。何なんだ、大輔。2度目に3Pに及ぶ時には、大輔が奉仕したりして、もう少し3Pらしくなるものの。昴はやはり性的には搾取されるのみ。自分の父親に「運命の番」が現れて、母と自分は捨てられたことが、昴にとっては大きな精神的負債になっているので。
昴は幼ない時から何かを諦めた様な目をしている。その寂しさになかなか気付かない大輔。
結局、昴を追い詰めて。涼にはフォローされて。ようやく、自分の気持ちに気付く。

物語的には数日間の短さで、淡々としていて。盛り上がりに欠けました。
3Pの醍醐味もイマイチ。強気の昴が可愛いので、Ω 攻めで、大輔が受けなら成立したかも。涼は友達として、大輔に惹かれていた事が描き下ろしで分かるのですが、涼もまた自分の気持ちに気付かない曖昧さもあるので、ここは涼→昴→大輔、というサンドイッチ3Pにして欲しかったかも。両想いになってから昴が「大輔は俺のだからね。」と、涼を牽制してるんです。それはもっと活かして欲しかったかも。うん、大輔は絶対抱かれる側ですよ〜。
修正はまっ白抜き。

頭も良さげでカッコいい、松岡くんの恋が気になる。

いやいやいや。主人公である筈の、中野 × 岸本 バカップルよりも。私は断然、松岡くんの方が気になりますよ。だって、そもそもめっちゃカッコいいですし。それなりに経験値高そうですし。何より友達を思いやれる優しさと、大人の包容力を持っている。スマートだし。
そんな松岡くんのナイスアシスト & フォローで、トンチンカンな自分の想いに気付き、恋人同士になる2人。いやいや、この2人の話って、同時収録の短編くらいが丁度良い位のもんですよ。それを丸っと一冊に収めるならば、松岡くんの恋を描いて欲しかったなぁ。

ちょっと松岡くん視点で書いてみます。
同窓会で、肉食女子たちに囲まれるも、サラリとかわす事も出来る様になっている岸本。
充分に落ち着いた大人の男に見えなくも無いが、ロマンチストなあまり恋すら出来ない。
好きな人と付き合いたいなどと言っていて、恋の何たるかを分かっていない。
松岡は見かねて、岸本を中野と引き合わせる。
中野はバツイチだが、何となく付き合って結婚して。それでやっと自分の性癖に気付くという、これまたハタ迷惑なおバカさんだ。
松岡の試みは危なっかしい2人に、化学反応を引き起こす。
手練れを装いたい見栄っ張りの岸本。岸本に過去何人もの男がいるのに耐えられないと思う中野。
互いに気持ちがすれ違っているけども、想いは同じ。
松岡くんは、中野の気持ちを煽り、岸本には素直になる事を勧める。
細工は流流、仕上げを御覧じろ。ってなもんである。

人の気持ちなら。手に取る様に分かるのに。自分の恋には不器用。なんて、テンプレでも良いから、松岡くんのスピンオフ待ってます♡

描き下ろしには、手練れのフリを出来るのはオモチャでそれなりに開発してたから♡ という岸本のソロプレイを見たがる中野。充分、変態プレイです。オモチャにまで嫉妬する攻め!というのもお約束ですね。修正はあんまり見受けられないので、ビッキビキの中野の中野は1コマほどぼんやりと見受けられますが。そもそも大事な所には、ワザとらしく吹き出しが被ってるので、見えません。ははっ。

タダ湯タダ飯、イケメン付き!極上の温泉旅行でする事は。

壱春は留年した大学5年生。ふわふわとなんとなく生きていた。
ある日、イケメンに声をかけられ。彼の傷心旅行に付き合うという名目で豪華な温泉旅行を共にする事になる。新手のナンパか⁈ と、思ったのだけど。
壱春はゲイ。臣の事をノンケだと思って、好きにならない様に気を付けているが、早々に臣のイケメン力にメロメロになってしまう。だって好みの顔で、好みの身体。しかもとっても優しくしてくれる。勘違いしてはいけない、と自分を諌めてはみるものの。臣も、満更では無いのか、壱春が望むよりも早く。気持ち良く抱いてくれる。これは旅先だけのアバンチュールなのか。本当の恋だと思っていいのか。臣に恋しても良いの?そんな気持ちが昂まる頃。トントン拍子に行き過ぎたこの恋が、臣のストーカー行為だったのだと暴かれる。
え⁈ 良いじゃん、別に。両想いだし?けれど、驚いたあまりに逃げ出してしまう壱春。
だけど、実際にはそれよりもっと。
臣のストーカー、執着攻めに至るまでの物語になって行く。
唐突にも始まる臣視点。子供の頃のまん丸顔の臣が可愛くて。思わず笑ってしまいます。ほんの子供の頃から。臣の世界には壱春だけ。夏休みには遊んでくれる、大好きな優しいお兄さんだったのに。壱春の両親の離婚で、壱春とは会えなくなってしまう。そこで、凄く今っぽいのは、SNSで探したら、住んでるところや行動範囲、どんな大人になっているかまで。壱春の事は全て臣には丸分かり。臣は大人になって再会する日まで。壱春好みのイケメンに、壱春好みの身体になって。壱春の好きな温泉に連れて行くと決めていた。
それなのに。クラブで見知らぬ男とイチャついている様子をやはりSNSで知り。悔しくて。悲しくて。壱春を弄んで捨ててやろうとして近付いたというのだ。
でも。再会した壱春がチョロ過ぎると思いつつも、やっぱりあまりにも可愛くて好きで。
結局めでたく想いは繋がる。
まあ、それまでもエッチはしてしまっていたものの。想い繋がってからのエッチは、さすがばなな先生。白抜き修正なれど、めちゃくちゃしつこくて、ネチッこくて、エッロいです。
臣は超絶絶倫ですし。壱春は、トッロトロにされちゃいます。
しかしSNSの使われ方がイマドキ過ぎて笑いました。ちょっとゾッとしないでもないですけど。日常を無防備に切り取り過ぎてる人は要注意ですね。執着ストーカー攻めには格好の撒き餌。

タイトル通りの温泉エッチも。浴衣エッチも満載。描き下ろしにはソロプレイの見せ合いっこまで。
とにかく丸っとエッチぃです。

跪いて君に。愛を乞う。

中世、魔女狩りをベースにしたオメガバース。オメガバースも色々な設定や世界観が増殖中で、私も本年度は、様々な設定世界の物を読ませて頂いたと思うけれど、これは新しい。というか、私が知らないだけで、他にもあるのかも知れないけれど。とにかく私にとっては初めての設定世界観でした。本編中には、α や、Ω、という言葉は無く。おそらく「得体の知れない者」=「魔女」もしくは「悪魔」とされている様子。Ωが撒き散らすフェロモンや蠱惑的なその匂いに惑わされると言うので、人々は忌み嫌い、恐れている。
その漁色の為、王室から追放された没落貴族アンダーウッド家。長男、レオンは父オワインを憎み、正しい人であったが、父がΩの少年を敷地内に監禁し、暇さえあればそれを嬲りものにしているのを見てしまう。憎むべき所業の父をケダモノだと軽蔑しながらも、その少年を抱きたい衝動に駆られるレオン。多分レオンこそが少年の「運命の番」なんだけど、そういう説明は無い。ちょっと謎なのは、非道な父の仕打ちから、とっとと少年を助けて、何処かに匿えば良いものの、レオンはそうはしない。とにかく何日も、何日も、少年が父に嬲りものにされるのを放置している。父の留守の間に、怪我の手当をしたりして、少しずつ心を通わせて行くものの、中々行動に出ないレオンに、読み手側としては、イライラが募ります。
レオンは少年の身の上話を聞いて、これがまた胸クソなんだけど。生き別れになった父はノエを匿う為に、教会に預けたのに、司祭が胸クソ野郎だった為に、ノエは司祭の性奴隷にされてしまっている。本当に。ノエは、真実に愛し合う人に抱かれるまで。レイプされ通しなんです。この酷たらしさがダメな人はダメだと思う。私は無理でした。汚らしい親父に愛情無く蹂躙され続けるノエ。
ノエは、教会が没収された後、貴族にまた奴隷として売りに出され、レオンの父の性奴隷となっている。
レオンは、まず、ノエの生き別れになった父親を探そうとするんだけど、いや、ちょっと待って。そうしている間にも、ノエはドンドン父に無体働かれてますけど⁈ 早く助けて‼︎ レオンの腹違いの弟エリオットは、自分が、直系の後継者では無い事で、兄レオンに嫉妬していて、素直に兄に憧れていると言えずに育っている。本当は素直で良い子なんだけど。レオンはエリオットには全く関心が無い。けれど、ノエを解放したいという想いに必死で、エリオットに協力を仰ぐ。
兄に頼られた事で、心が動き、何とか2人を助けようとするけども。ノエは、自身を汚れてしまっていると思い、レオンから身を引こうとさえする。んもう、とにかく3人がチンタラやってるウチに、父が戻って来て逆鱗に触れる。父を止めようとした勢いで、レオンは父殺しになってしまう。
ちょ、ちょっと待って!メリバなの⁈
レオンは逃げれば良いものの、持ち前の頑固さで出頭すると言い出し、もちろん、エリオットはそれを留める。王室に強い影響力を持つノースランド卿に、殺人を誤魔化して貰いに行く。ノコノコ行く。いや、その前に逃げて欲しい!この辺のジリジリ感は堪りません!レオンの母に過去、横恋慕していたと言うノースランド卿は、自分の子供との婚約を破棄したレオンを憎み、追手を使い、レオンを殺す。だーっ‼︎ やっぱ死ネタなの⁈ 遺体だと思ったレオンは、何とか命からがら生きながらえる。そうしてようやく。やっと。レオンはノエと手に手を取ってこの地から逃れるのだ。はぁーっ。長かった。早く逃げて欲しかったよ、私はっ!
独り残されたエリオットも、家を継ぐ事はせず。というか、当主亡き後、お家は断絶。なので、好きな戯曲を書いては、何とか生計を立てている。という、一応のめでたしなんだけど、レオンとノエの甘あま後日談が描かれる事は無く。
読後直後に、何か甘い、糖分過多の何かを読まないとやってられない気持ちになってしまう。やるせなさ。ラストのラストには、救いはあるものの。渦中の惨たらしさが心に重くのしかかるので、心してかかった方が良いかも。
紺先生の美麗な絵は堪能出来るし、レオンがいちいち愛を語るのに、跪いて騎士道っぷりを顕すのは素敵でした。

要は、そういう「好き」なんです!

同じ大学に通う何人かのオムニバス。と言っても、特に友達同士というわけでは無さそ気なので。うーん、無理くりかな。

◆表題作「そういう『好き』ではありません!」
飲み会あるある、酔った勢いで付き合う事になってしまった、七澤と花森。戸惑うものの、これまで女の子としか付き合った事のない花森は、どういうワケか、『口約束だとしても付き合ってるんだし。』などとアッサリとそれを受け入れてしまう。
七澤がイケメンだから。優しいから。そして。気持ち良くしてくれるから。
七澤にして貰ってばかりで、自分は七澤の事をよく知らない、例えば誕生日とか。
そんなモダモダしてしまう花森の可愛らしさに七澤はもちろんキュン死に。
ショートストーリー+描き下ろし、でイチャ甘いけど、直ぐ終わってしまうのが残念。

◆「俺にだけかわいいきみ」
ははっ。タイトルの出オチ感、ハンパ無い。
飴井の家庭環境が気になって仕方がないんだが。大学生の飴井には幼稚園児の姪が居て。飴井はいつも姪を迎えに行っている。姪っ子の両親、つまり飴井の姉夫婦はどうしたのか。同じ大学の西晴が、コワモテなのに姪に優しくしてくれた事で、二人は急接近する。そして、好きになる。うーん。これもショートストーリー過ぎて。唐突感は否めない。
コワモテの西晴の優しさ、可愛らしさは俺だけ知っていれば良い。っていう。

◆「君とはじめての×××」
本作だけ、大学生×高校生。プラス、幼馴染。
龍臣の方は、年上の優しさで大切にしたいと思っているのに、高校生の直人は付き合ってるのになかなか手を出して来ない龍臣の気持ちを疑って不安になっている。というすれ違い。
もちろん、可愛いさあまって手を出してしまうんだがな。
描き下ろしにも龍臣視点の、きゅんカワな直人が。

全部ショートストーリーで、描き下ろしもミニミニなので、物足りない気持ちでいっぱい。
全員きっとぎゃんカワな筈なので、ジレモダ紆余曲折はじっくり描いて欲しいよね。
絵も可愛いので、今後も期待したい。

落ちて堕とされて。流されて。散らされる。

用意周到、虎視眈々。

社蓄が過ぎて、身体が強張ってしまった黒岩は、同僚から勧められて整体院に行く。そこは、やたらキラキラとしたイケメンが施術してくれる危ない整体院だった⁈ なんてね。とにかくこの岸辺院長が危ない&怪し過ぎる‼︎ でもその技術だけは本物で、黒岩はトロットロに癒されて。徹夜続きも祟って熟睡してしまう。眠っている黒岩を前にして興奮してソロプレイをおっ始める岸辺院長。BLに登場するイケメンマッサージ店とは、危ないところ多過ぎてもはや笑ってしまいます。黒岩は、今は広告代理店で働いているけども。プロを目指していた野球少年。肩を痛めた為、断念したという、精神的負債がある。どうやらそれも知っている様子の岸辺院長は、一体何者か。という記憶を辿る、ちょっとだけミステリー。そうは言っても、会えば抗えず。エッチな事まで致してしまう黒岩は、そもそも岸辺院長の手の内に。文字通り、その手に堕ちている。乱されて気持ち良くて。
からかわれていると思いながらも、岸辺院長の事ばかり考えてしまっていて。そりゃそうなのだ、岸辺院長側からは20年もの積年の重い想いがあって。ここまで想い募らせたのだから。用意周到に。黒岩が自らその手に落ちて来るように。
この男の執念たるや。物凄いんですが、それをさらりと明るく。怖がらせない様に。いや、充分怖いけども。そこはイケメンの顔面力で。お虜仕掛け。
幼ない頃の約束を果たす為、黒岩の側で支える為。実は健気さんだったりもする、岸辺院長に、惚れないわけは無いのだ。

岸辺院長の渾身の昂りは、黒岩を貫く。修正も甘くて、トーンに白線シャーッ。これはエロい。エッチ過ぎる‼︎