事実はひとつなのに見え方はいろいろあって、人はネットやメディアを通じて「自分を満たす事実」を真実として認めることがある。
たとえそれがでっちあげだろうと。
「相方を襲ったゲイ」というデマが広まったことで仕事を干されたお笑い芸人のナル。
相方:三輪に恋していたことは事実だけど、露悪的かつ面白おかしく噂になるようなことなんかない。
やさぐれてゲイバーで酔いつぶれていたところでヒカル(DK)と出逢い、おかしな関係が始まります。
ヒカルのキャラがテンポよくて、セリフとか動きとかとにかく笑える!
そんなヒカルに引きずられるように一緒に過ごしていくうちに、嘘が原因で世界から弾かれたナルが、嘘のないヒカルのまっすぐさに惹かれていきます。
コンビとしての自分ではなく、ピンの自分を表現するために、なんとかして状況を打破しようとするナルを応援したくなります。
まさにアンダードッグ効果!
ナルの逆境がすこしずつ回収されてスカッとするような爽快さにもワクワクします。
また、ナルの会話の端々には痛みや切なさが込められているのと一緒に大人が年下をガードするような優しさも感じられて、すごく安心するんです。
ヒカルが好きと言っていたナルの声と間で聴いてみたいものです(CD出ないかな)
めっちゃ面白かった!という最初に浮かんだ感想の底には、本当の自分と向き合っていく大切さを教えてくれる素敵な部分が隠れていました。
初めて買った作家さんでしたが、すごく好き!
タイトルがうまい…ワンちゃんが好きな作家さんらしいタイトルで、話筋にもピッタリ!
ナルの部屋の絵やヒカルの愛犬、ワンちゃん盛り沢山なのも良かった~。
描き下ろしのふたりでバニー着たときの背景のうさぎの描き方がまったく違って笑ってしまった(笑)
カバー下必見!
■成瀬史郎(ナル)
長年の片想いと相方と仕事を一気に失ったアンダードッグなお笑い芸人。
黒髪ロン毛でカッコイイ。
メガネもバニーも似合う←
フリップの絵も上手い。
チョロさゆえ流されて始まったヒカルとの関係を彼のために距離をおく我慢のできる大人。
三輪のこともわかっていながら最後まで悪く言うことのなかった。いいひと。
■高ヶ坂耀(ヒカル)
薔薇の花を背負える美少年DK。
ゲイバーでナルを持ち帰り→写真で脅しセックスのお稽古を開始。(高校卒業まで本番はナシ)
お上品な容姿がビックリするくらい、パンチききまくりなおシモネタをかます。
恵まれた環境にいる自分に疑問をもち、自立を目指す。
間違ったことに気づいたら謝れる素直さも持つ。
puppy loveで終わらせない、強引で一途なカワイイ子でした。スパダリな将来が楽しみ。
■三輪桔平
ナルの元相方でK1(クズ1)グランプリがあったら間違いなく優勝。
いい人になるターンとか、クズになってしまった哀しい生い立ちターンとか、まったくナシ。
でも、それが良い。
気持ちいいくらいに自分のことだけを考えてる人。