静かに、けれど心は確実にお互いに寄っていく。気づいた時には、沼って戻れない。そんな兄弟BLでした。
『こうやって、隣にいても、ただの友達にみえるのかな』
『オレたち、タイプ違うしね』
(本文引用)
真面目な兄とお調子者の弟は、両親の離婚によって離れ離れになります。
再会時にお兄ちゃんは、弟に気付きません。
弟の距離が近い近い。これで、ゲイのお兄ちゃんは勘違いします。ドキドキしてしまうんです。
でも、最初のこの弟に気づかないでドキドキしちゃうのが、まるで掛け違えてしまったボタンみたいにお兄ちゃんの気持ちを恋にシフトしてしまうんです。
だから、弟だって気付いたあとに必死で軌道修正かけるのに裏切るように弟が「好き」って言ってきて、これからどうなっちゃうの!?と、好きのあと続きが気になって仕方なくなりました!
さすが、あがた愛作品だなって思ったのが、えっちしてる時の顔がえっちです。
禁欲的なえっちさというか、見えるより見えないほうがえっちみたいなあの感覚に似てると思います。
お兄ちゃんには、元カレがいて、元カレとのえっちはぜんぜん感じなかったのに、弟くんとのえっちは感じたことない気持ちよさが込み上げてくるの、たまらなくえっち。
下巻でどんなことになってしまうのか、楽しみです!今から読んできます!
これでエロが標準的…個人的感覚としてはエロエロ未満標準以上って感じでした。
淫魔もので、サラリーマンもの。
攻めの外川主任が色気のかたまりです。
体格差CPも萌えます。
最初は尊敬する上司とその部下って感じで、仕事のできる主任に尊敬を抱く新人だったんですが、淫魔に取り憑かれて状況は一変。
体のつながりから、恋に発展していきます。
淫魔と外川主任は精神を入れ替えることで、一つの身体を二つの人格が支配しているわけですが、最後の方では淫魔の人格にすら嫉妬し出す始末。
きゅんきゅんします。
受けの内瀬くんも、かわいいんです。
健気さがたまらない。
主任は淫魔に取り憑かれたので、エロいことしないと死んじゃう身体になってしまったわけですが、ただの部下である内瀬くんに無体を働くわけにはいかないと遠慮する主任に「お食事券」を渡します。
こんなんされたら、ガッツくわ。
えっちか。
そんなこんなで、エロエロ未満標準以上で物語が進みます。ハピエンです。
宮田先生は一歩立ち入らせて、ゆっくりずぶずぶと沼に引き入れていく天才だと思います。
罰ゲームから恋人ごっこをさせられるんですけど、それがどんどんと本物の恋人になっていくありがちっちゃあ、ありがちな展開なんですけど、まず受には片思いをしていた相手がいること、攻めが飄々としていてなかなか本心を掴みづらいところなんかが、この作品の特徴です。
健気受に飄々とした攻めがずぶずぶにハマっていくってよくないですか?
私は好きです!!!
最初は、多田(攻)が、姉の夫で養護教諭に片思いをする守谷(受)に同情心で「罰ゲームの恋人ごっこ」に付き合っていたはずなのに、だんだんと守谷のことが気になっていくという内容となっています。
ゆっくりほのぼのしてるけど、恋愛が徐々に進んでいくきゅんきゅん感が好きな方は手に取ってみる価値は十分あると思います。
そして、読後にみんなで一緒に「なんかもうあーあって感じ!」って言いましょう!
いろいろ書いてはみたものの、これは「なんかもうあーあって感じ」という一言ですべてが片付きます。読んでこの気持ちを味わってほしいです!
異世界で保護竜カフェを始めるのは、物語の中盤になってからなんですが、はじめの部分がつらすぎて読むのやめようと思いました。
受のユーリが、ワケもわからず異世界に来て、混乱したのち命の危機を迎えたり、攻であるジュリアンの好意を無碍にしたり、ドキドキハラハラしっぱなしです。
でも、半分くらい読んだところで、ユーリがこの世界を受け入れ、保護竜カフェを開こうと腰を落ち着けたあたりくらいから話は一気に進んでいきます。
気付いたら、一気に読んじゃってました。それまでは、ページをめくる手が止まりがちだったんですけどね!
人生楽もありゃ苦もあるをうまくまとめきった大作です。
ストーリーとして、とても面白かったです!
独自設定のオメガバースとありますが、基本はちゃんと押さえられていて、私は好きな設定でした。
Fという薬がある。これはΩとしての発情期をほぼゼロにする代わりに、副作用として運命のつがいですらわからなくなる程、においを感じなくなるというものです。
このアルファ特有のにおいすら感じなくさせるからの、普段Fで押さえ込んでいる分、発情期がヤバいってのがまた萌えました。
エッチ度は高い方だと思います。デリヘルとありますが、運命のつがい系オメガバなので、ちゃんと惹かれあっていく…というか、αの方が片想いしていって両思いになる系BLです。
ハピエン好きな方はぜひ。
一応、当て馬もいますが、いいやつでした。チャラい感じするけども。
家族設定もチョロっと出て来ますが、α一族に産まれたΩとβ家族に突然できたαって設定。
お互い真逆の存在。これが、α一族に生まれたαだったらもっと違った話になってたのかなと思うと、この設定がキャラクターの根幹を支えてて、面白いなって思います。
すれ違いすぎる作品。
あとから「あれ、どんな気持ちで言ってたの…」とか「あれ、どんな気持ちで抱いてたの…」と思い返しては涙する作品。
とにかく、すれ違いにすれ違って、お互いの心が相手に届かない。
ただ、恋して、愛し合いたいだけなのに、それすらうまくいかない人間関係、やがては時代までが2人を引き裂こうとする。
受のレオン視点で話が進みますが、攻のアレクの気持ちを慮るとあまりのエモさに炉心融解しそうになります。
第二次世界大戦あたりの話で、ラストのあたりヤバかったです。泣きました。
ロミオとジュリエットと風と共に去りぬと名作と呼ばれるエモエモ系映画がごった煮にされてます。
各章のタイトルも、レオンやアレクたちの生きた時代より少し前に大活躍したエリックサティ作曲のタイトルを用いて、おしゃれを極めています。
え、エモ〜〜〜イ!!
すれ違い系の中でも格段にエモかった!!
渋谷のスクランブルにでもいるのか?めちゃくちゃすれ違いしてんな!!両片想いすぎるし、拗れてて大変だーーー!!好きーー!!
ってなりながら読みました。
凪良先生は登場人物の作り込みが幼少期から家族設定までちゃんと掘り下げて、作品の中で放ってくるので、長いことかわいがってきた近所の子たちを眺めているような気分にさせられて応援したくなっちゃうんですが、これも幼少期から受攻がどう育ってきたか、幼馴染で親友のポジからどうやって恋人にシフトしていくかが綿密に書き込まれてて最高に面白かったです。
幼馴染から一線越えて、一夜限りの思い出せっせせから、上京を経た2人の関係性が一変するところがいい。
たかが上京といえど、そこには1年9ヶ月というお互いが知らない時間が横たわっていて、そこに小嶺ヤコという当て馬を入れたことによってその1年9ヶ月がとんでもない歳月に思わせるのがすごい。
我々が身近で感じてるけど見過ごしてしまいがちな感情やら時間を文章にして物語にしてしまう才能がこの恋愛前夜でも強烈に爆発してます。
これはBLというか、読み物として楽しめました。
小嶺ヤコ先生はこのあと続編が出ていまして、攻めとして強面ギャップ彼氏とお付き合いがスタートします。本編では、当て馬兼重要登場人物でめちゃくちゃ良い人なので、良い人は幸せになっていただきたいです。
これは、妖怪ものです。
タイトルに「推しはα」って入ってるし、オメガバースかな?って思うじゃないですか。
妖怪ものです。オメガバースですけど、基本妖怪もの。あと、推し活。
1巻はそんなに性癖に刺さらなかったんですけど、私は2巻で沼に落ちました。
早く3巻読みたすぎて、夢に出てきます。
読む前の私の想像。
「βってあるけど、なんやかんやΩになって、推しのαといちゃこらせっせするんでしょう?」
読んだ後の私の感想。
「妖怪ものなんだけど、オメガバースがうまいこと絡み合って、推し活が妙に心になじみ結構なお点前でした」
この作品にハッシュタグをつけるとしたら、#妖怪 #オメガバース #推し活 なんですけど、この三者三様の方向を向いていそうな属性が、クライマックスで見事にカチーンとハマった時、夜光花先生の技量の高さにただただ感服しました。
ただ、読んでほしい。
けれど、最終局面でちょっとタコの妖怪と受がやべえことになるので、触手とか大丈夫な人だけお進みくださいっていう感じです。