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多幸感に溢れる9巻

後書きでネタを絞り出して、と書かれてますが、確かに、もういつ終わってもいいような感じで続刊してます。何やら9巻じゃないですか。久々にこのシリーズでレビュー。

もう両想いになって一緒に暮らしはじめて、そして今回両家顔合わせ。一緒に生きていくことを決めた男達が踏む手順として納得な感じの流れです。
二人の間に子供は産まれませんが、何やらぬたはらくんがそんな立場に(笑)ただぬたはらくん、ガキんちょに絡まれた時、一瞬いつもと違う様子描かれてたから、本当はこのまんまの子ではないのかもしれません。でも二人にとっては可愛い後輩なんでしょう。それでいいのです。

帯に攻VS攻と書かれていながらもう意味がなくなっているこのシリーズ(私調べでは帯にそう書かれていてもほぼ受け攻めは決まってる)。
そう書かれてる時って、受けに回った側が「まあこいつになら抱かれてもいいか」と妥協・納得して関係を持つ、というのが多かったりします。このシリーズでも最初はそんな感じでした。
ただこのシリーズ、攻めの尾崎さんがとにかくいい男…。巻を追うごとに、尾崎さんは何故こんなにモテて、何故こんなに円谷さんが惹かれてしまうのか、がサラッと、でも確実に私達も納得出来る感じで描かれてます。今作でもしかり。詳しくは書きません、だってときめいてほしいから!
円谷さんが、「私の好きな人が尾崎さんでよかった」と呟いてますが、尾崎さんを好きでよかった、じゃなく、好きな人が尾崎さんで、なんですよね…。もうしっかり好きだけど、更に惚れてしまうの、解るよ…。
こんなに攻めさんが何故いい男と呼ばれるのかをじっくり描かれてるシリーズってあんまりないと思うんですよねえ。大体の作品で描かれる攻めさんのいい男ぶりって、受けさんにとって、だったりしますが、尾崎さんについては、もう全人類(笑)なんですよね。円谷さんにだけそうなんでなくて、全ての人に優しくていい男。
幼い頃から完璧で、別に他人の手を必要とせず自分で何でも出来る尾崎さん。だから他人に優しく出来る余裕があるのかもしれません。そんな尾崎さんだからこそ、円谷さんは尾崎さんが怪我した時、色々お世話してあげたくなるのかも。
ノンケの男が抱きたくなるくらいの男、としてつらつら受けさんの良さを描かれている作品がBLではどうしても多いですが、ここまで攻めさんの良さを描かれている作品はそうはないな、と思うのです、個人的に。それが心地いい。


まあそんな訳で、二人の間で、というより、受けに回った円谷さんの中では、受け攻めの勝敗(と言っては変ですが)は着いてて納得されてます。今作ではそれがはっきり言葉にも現れます。もう毎回突っ込んじゃう帯のことはいいじゃない!(笑)
どこでシリーズが終わってもいいような感じで描かれてて、でも作者さん的にはまだ続けたい、との事ですが、ええ、続くの大歓迎ですよ!今回果たせなかった旅行とか!結婚式とか!またどうせ書かれる攻VS攻にツッコミ入れる準備しつつ待ちます!

これはツボった!

失礼ながら相音先生を存じ上げず初読みでした。ちるちるさんでの今作のインタビューを拝見し、面白そうだな~と読んでみたいリストへ。
偶々こちらを手にする前に、こちらともリンクしているという「渇望アニマジェメラ」を読む機会が有り、「面白かった!余計に読みたくなった!」と余計ワクワク。拝読したところ、久々に私的性癖に刺さりまくりました!

まずこちら、オメガバースの設定を踏襲しながらも、オメガ×アルファという設定。加えて、受にあたるアルファさんはSMでいうところの思いっきりエロマゾなM。ガチムチ。外国人さん。社長。ついでにヒゲ。でもって攻にあたるオメガさんはSMクラブで女王様として働く男の娘。当然S。
とまあ、設定だけでもやたら盛り沢山なのに、だけど全然過不足無いから凄い。設定を盛り沢山にすると、「それ必要だった?」というのとか大体出てきますが、きちんとこの2人が惹かれ合うに必要なだけの要素として盛り込まれている事にまず感動。

先に私自身の個人的好みを申し上げますと、SMものはそんなに好きじゃないんです。受さんが攻さんの事を苦手と思ってて、こんなはずじゃなかったのに的なのも嫌。要するに、「いやよいやよも好きのうち」みたいなのが苦手なんです。受さんも攻さんとのセックスに積極的なのが好きなんです!
さて、このベアさん(淫乱な雄ブタかと思いきや、お名前的にクマさん…)ですが、自分の欲求を満たす為に商売女王様を買ってプレイをしていただくほどのドMさん。ですが、最近長年仕えていた女王様に暇を告げられてしまう。やっぱりSMは気持ちと気持ちのやり取りなんですね…物足りなさを感じていた事を見抜かれてしまって振られてしまった、という事だそうです。
何故物足りなさを感じていたか?というのははっきり書かれていませんでしたが、「女王様と一つになる事はM奴隷にとって至上の喜び」とあるので、そこで察する事にしましょう。ベアさんについては作中の中で、同性愛者・もしくはバイという表記は一切ありませんし、男性でアルファな彼なら当然抱く側だろう、と思いきや、ベアさんは「挿入していただく」方で一つになる事の方を選ぶ側だったようです。だって女王様相手に挿入したっていいんですもんね、男性ですから。今までの女王様(勿論女性)にはペニバンを使用してもらい、アナル調教済みのベアさんはもう潜在的に抱かれる側になっていたようです。
「アルファなのに抱かれる側なんて…」というオメガ×アルファにありがちな本人の葛藤みたいなものは微塵もございません。その辺いっそ清々しい。この人は自分から「受」を選んだんだな、とこちらもスムーズに理解出来ます。紹介されたSMクラブの紹介の中で見つけ指名した、オメガで、そして男の娘なユウ様の「本物」を挿入してほしいとそわそわしちゃうほど。待ってるベアさん可愛いぞ…。

SMは概念でもありプレイでもあるので、やって来た男の娘女王様・ユウ様とプレイを楽しむベアさん。わざと怒らせてみたり、仕える事で興奮したりと、楽しみながらセックスをしているのが伝わって来てニヨニヨします。やっぱりお互い楽しみながらセックスしているっていうシーンの方がこちらも読んでて楽しい。

SMクラブに所属するユウ様をベアさんが指名してお付き合いいただく、という形なので当然2人の間には金銭が発生しているものの(その辺のいやらしい部分は描かれてませんが)、SMはやはり気持ちと気持ちのやり取り。何故ベアさんはアルファでありながらエロマゾさんになったのか。何故ユウ様は男の娘女王様になったのか。それをお互いに理解し合う事で、2人の仲や信頼度も深まっていきます。
この2人がそれぞれ何故こうなったか、というのも、さらっと描かれていますが、こちら側も「ああ、だからなのね」ときちんと納得出来ます。前述した通り、盛り沢山な設定であるにも関わらず、過不足なく収まるんです。凄い。
そして、忘れちゃいけないオメガとアルファという設定。相手を愛しく思ってしまうのは、惹かれ合う性だからなのか…。起きないようにしている筈の発情期が突如訪れてしまった事で余計に自分の性と感情で揺れたり、女王様とそれに仕えるものというプレイ上の関係で揺れたりもありますが、よきところに収まります。それは皆様読んでくださいませ。

とまあ、あんまりネタバレしたくないのでこれくらいまでしか書けませんが、盛り沢山な設定の2人の出会いからくっついて生涯のパートナーになるというところまでが1冊にきちんと収まっているというところに凄い!ってなったのと、個人的に性癖に刺さりまくったので神評価を。
受であるベアさんがガチムチだイケオジなのにとにかく可愛い。アルファなのに、自分はあくまで奴隷だから…と耐えるのとか、はー、これは女王様も惚れちゃうわ!健気…。

SMもの、逆転オメガバース、でありながらも、とても可愛いラブロマンスです。勿論、どれかに特化して!と深堀してほしかった…という方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的にはいい塩梅になっている作品だなあと思いました。