作家さん買いです。赤根先生の魅力といえぱ、BL的にはずれてるかもしれないけど、ごくごく普通の男子が受けさんで、攻めさんとのエロと出会うことで色づいてくーみたいなのをコミカルに描いてるところかなと。今作はそれが存分に発揮されてます。
誰よりも男らしくあることを信条として生きている長田さんが受け。ハウスメーカーの営業さん。
営業所トップの座を奏出さんに奪われ、ギリギリする毎日。そんなある日ーという部分は粗筋をご覧ください。
弱味を握ったーと思えば返り討ちに遭う長田さん。ラブホテルに連れ込まれ、遂に自分のコンプレックスを暴かれてしまうけど、寧ろそれを褒められてーという流れです。
コンプレックスは弱味であり、当然知られたくない。自分でも認めたくない。だけど、攻めである奏出さんは、それを恥ずかしがる姿が寧ろ好きだという性癖。長田さんは上手い具合に言いくるめられて抱かれてしまいます。
なんですが、自分のコンプレックスと向き合って、ライバルと思っていた相手に認められたことで心が軽くなっていき、次第に仕事も上手くいくようになっていく。
というのが繰り返される中で、攻めの奏出さんのことも気になっていく。他人のコンプレックスに寄り添うことをしてきた彼についても触れられていきます。
こういうパターンってある意味鉄板ではある。BLでも男女ものでも。コンプレックスを持った受けさんに、優しく寄り添う攻めさん。
なんですけど、一歩間違えれば、上から目線にもなりかねない。お前はそんなに偉い立場なんかい!と。攻めさんが完璧すぎると余計に卑屈になるだけなのです。
赤根先生独特のコミカルな流れがそんなのを感じさせず、楽しく読めます。受けの長田さんのツンデレ&根は素直なところも楽しめつつ。
他人のコンプレックスに寄り添うことをしてきた攻めさんに対して、一体誰が寄り添うのか?受けさんの成長物語のようでいて、でもきちんと攻めさんの根っこの部分にも触れられていて、それをBLに落とし込みされてて、いい話だなあと思いました。
萌の部分では、先にも書きましたが、ツンデレ、だけど根は素直だから、受けとしての素質も上がってく長田さんだとか、振り回してるようで、段々と受け力が上がってく長田さんに振り回されてく、でもきっちり攻める奏出さんだとか。
男らしさを信条としてきた長田さん。抱かれることは、男らしくないのでは?なんてのも良い具合に昇華されてます。読んでいただけたら。当然受けの長田さんは筋肉質のいいカラダなので、それも楽しめます。
寧ろ「男らしく」抱かれる長田さん。かっけー!と言いたくなります。
赤根先生のいいところが出てて、かつ物語としても上手く出来てて、凄く良かったです。