あとり硅子さんのレビュー一覧

明日の恋人 小説

榊花月  あとり硅子 

兄弟になれなかった二人

義兄弟もの。弟攻めです。年上攻めが多かった作者様も年下攻めの流れに乗った感じでしょうか。なので、とても違和感がありました。小ネタは相変わらず楽しかったです。

公立図書館の司書をしている英嗣と、6歳年下で大学生の弟・摂の拗れた兄弟愛。

英嗣は自分の意思よりも他者からの働きかけによって動く受け身の人。父親の再婚相手が連れてきた摂には負目があって、彼のいいなりです。

子供の頃から粗暴だ…

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ピュア1/2 小説

松前侑里  あとり硅子 

物語性では萌2、総体では萌

萌2か萌の評価で五分ほど悩みましたが、萌に決定。
物語性では萌2なのですが、そもそもこのピュア1/2は「萌え~///」という感じの作品ではないからです。
エロも少なめというより性描写はありません。とくにキャラが立っている登場人物はいないし、主人公は攻めの紹介で援交をしています。しかも相手は妻帯者。
じゃあ何がいいの?と言われると、難しい。
面白い面白くないではなく、好きか嫌いで語る本。こう…

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ピュア1/2 小説

松前侑里  あとり硅子 

複雑な可愛い子

女の子のようなとても可愛らしい主人公、という設定なのですが、大人相手に身体を売っているというストーリーです。なので苦手な方はご注意を。

このお話、主人公の唯の周りには複数の男性がいて、誰をメインにしたいのかわかりにくい書かれ方をしていると思いました。
唯を初めて抱いてしまう従兄弟の崇と、唯が不倫しているサラリーマンの啓一、そして唯と啓一とのことをたてに唯を脅してくる同じ学校の譲。
唯は崇…

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黒男 コミック

あとり硅子 

ニアBL、くらいの雰囲気

柔らかい絵柄で、前に挿絵で見たときに素敵な絵だなあと思い漫画を探して読んで見ました。
短編集ですが、BL要素が少ないというか、あまり恋愛関係になるような作品がなくてもしかして非BL?と思って確認したら、一部非BL雑誌掲載のものもありましたが、ほとんどがBL誌に掲載されたもの。
友人以上恋愛未満とというよりほとんど友情で終わっているようなものや、雰囲気のやわらかい主従ものといった感じでした。

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非BL作品

シュミじゃないんだ 小説

三浦しをん  あとり硅子 

小説版も読んでみたい

このハイテンションな萌え語りの洪水
誰かに似てると思ったら、栗本薫先生ですね

・寮は理想の疑似家族。女性向けに寮ものが多いのは、血縁・婚姻で結ばれたイエから解放されたい人が多いから
・マジョリティは関係性の考察に時間を費やさない
など思わず唸る鋭い分析も

ただ残念なことに好みが全く合わないのですw
私はT村Kでは萌えないし、新撰組!はまさにその脚本の「乙女回路」ゆえにつまらない…

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きみは天使ではなく。 小説

真瀬もと  あとり硅子 

愛してる、の価値

元詐欺師×没落貴族の坊ちゃんという組みあわせです。

読みはじめからずっと雰囲気が童話っぽいなぁと思っていたのですが、その理由がなぜかと言うとセリフがちょっと台本のようというか、舞台のセリフのようなんですね。
でもそれが大げさに見えるかというとそうでなく、作品にぴったりはまっています。

舞台は1926年の英国。退廃する貴族の当主であるトマスはまだ22歳。
アメリカから来たという素性不…

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自転車でおいでよ 小説

久住鮎  あとり硅子 

ちょっと物足りない

一人暮らしの受けが栄養失調になり、攻めの内科医に診察してもらいそのまま奇妙な生活が始まる、というストーリー。

「山なしオチなし意味なし」で、頭をからっぽにしてさらっと読めました。
思わせぶりな口ばかりで引っ張ったわりに最後に明かされる真実は、そんなものかというもので、作中のもやもや感を吹き飛ばすにはやや足りず結果いまいちな読後感になってしまいました。

二人の関係がなかなか進まないのは…

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ぼくはきみを好きになる? 小説

新堂奈槻  あとり硅子 

なぜか読み返してしまうんです、が。

新堂さんはもともと(いえ、どちらが本当の『元』かはわかりませんが)ライトノベルを書かれていますので、そのせいなのかどうかはともかくどうも文章に馴染めませんでした。

私がこういう文体に慣れてないからかもしれません。あるいは時代もあるのかな?これもう15年も前だし。
テンポはよくて読みやすい方なんじゃないかとは思うんですよ。そのテンポが私とは合わないだけで。

何よりも、台詞(鉤括弧の…

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その瞬間、僕は透明になる 小説

松前侑里  あとり硅子 

パラレルワールド

う~ん、なんというか松前さんと非現実は合わないんじゃないかなあ、と思ってしまいました。

もともとふわふわ優しい雰囲気で、淡々とした日常を綴るのが持ち味の作家さん(だと思ってる、私は)ですし、わざわざこういう形にしなくても・・・というか、正直噛み合ってないと感じました。

ちなみに私はファンタジーBLは大好きです。本格的なのも、なんちゃって風味もどちらも好きで読みます。でもこれは、なんとも…

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地球がとっても青いから 小説

松前侑里  あとり硅子 

家族の問題が・・・

不仲なのに世間体を取り繕う両親にうんざりし、自分を肯定できない彗(攻)。

そこに、父の隠し子で彗の妹だと名乗るアヤという美少女が現れます。でもアヤは実は綾人(受)という名で、妹ではなく弟だったんです。

メインの2人のキャラクターは結構好きなんですが、2人のラブよりも家族の問題の比重が大きくて、しかも両親だけでなくまわりの大人にまったく共感できなかったのが、読んでてなんともツラかったです…

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