葡萄瓜さんのレビュー一覧

夜明け前、僕らは… コミック

那州雪絵 

波紋互いに

表題作とスピンアウトである『新しい朝が来る』。
この両者を切り離して作品の世界観を語る事は
出来ないでしょう。

友人をある日突然恋人として認識する。
その衝撃をどういう風に昇華して行くか、そして
納得して行くか。
兄と弟の遣り方は、丁度良い鏡像かと思われます。

併録短編はミステリ作家とその幼馴染?の
昔探しの心の旅。

1

たどりついたらいつも青空 コミック

遠藤りさを 

静かに軽やか

トーンに耽美と入れましたが耽美に含まれがちな
世界観への陶酔感はなく、むしろ耽美の描写方法を
ボーイズラブに上手く取り入れた感のある作品群です。
表題作の二人の関係はあるキーワードを意図的に
省略した事からお察し下さい。

一編+αを除きどの作品の主人公も流されている
様な部分が何所かありながら実際は逞しく恋愛を
しています。
その逞しさがずるさに見えず潔さに見えるのが
この方…

3

純情でわがままな彼 コミック

小鳥初夏 

豆腐か卵

諸説ありますが湯豆腐はすが立つまで煮立つ寸前が
美味しく、又卵も固ゆでではなく半熟程度の堅さが
一番味が引き立つと言われます。
この一冊も斯くの如しで、恋が恋として成立する寸前の
旨みがぎっしり詰まり、時に肌を重ねる以上の徒な色香を
匂わせております。

ごく数シーン肌を合わせる描写があるものの、そちらよりも
他の場面の方が艶っぽいのですね。
でも決して淡白一方な味わいではなく、…

2

ソルフェージュ(文庫) コミック

よしながふみ 

ややこしい合冊

さて、この本は少々ややこしい構成になっています。
後半・141頁以降は表題作であり、花音コミックスの
同名単行本の再録、それ以前の部分はビブロス刊行
『本当に、やさしい』から『執事の分際』シリーズ3作を
除いた4作品を再録した形になっております。
単純な合冊で無いのでご用心下さい。

「パンドラ」の内容とタイトルのギャップに舌を巻きました。
その観点で表題作を読むと、又新たな発見が…

4
二次創作

真行寺罪子 コミック

真行寺ツミコ 

バランスの良い二面性

ヒカ碁・マンキンでは軽快なノリ、ワンピ・NARUTO・
スラダンでは重厚なノリ・・・その両面の使い分けに
違和感を覚えないのは、各ジャンルの切り替わり部分に
付された詳細な自己解説の為せる業でしょう。
ジャンルにかこつけた自分語りではなく、ジャンルと
自分の対峙位置を再確認しつつ思い入れを再構成
する。
この一冊は作者さんの過去の蓄積であって同時に
未来への指針であるのやも知れませ…

1
非BL作品

肉体派 筋肉系コミックアンソロジー 14(アンソロジー著者他複数) コミック

「擬人化漢全攻略」…ですか。

サブタイトルが「擬人化漢全攻略」と銘打たれた
この一冊、良くぞ皆様ここまで消化したものと
感心します。
ただ若干エロノルマ消化の方が勝ってしまって
いる様ですので読む人は選んでしまうでしょう。

さて、ここで大きなネタバレを敢えて致します。
この中に一作、結合シーンが入っていない作品が
ございます。どなたの作品だと思われますか?

実は、田亀源五郎さんの作品だったり致します。

1

別れる2人の愛の劇場。 コミック

北別府ニカ 

割れ鍋に欠け蓋

概ね状況設定が状況設定なんですから
受攻のどちらかが完璧に近い筈なんです。
定石ならば。
でもこの方が生み出すキャラクターは受も
攻も完璧には程遠い。
一見完璧に観える人でも実は…と言うオチが
何所かにある。
そう言う二人が上手に補い合って劇場を
やってるんですから面白くない筈がない、
と言うのが評者の見立てです。
そしてその一点は同時に上手く生っぽさを
醸し出す要素にもなっ…

3

青春プレイバック コミック

嶋二 

一匙抜くのが隠し味

三つのシリーズ作を微妙な加減で
配列させながら進行しているので
飽きが来ない一冊です。
ややバタ臭い懐石料理といった感じ
でしょうか。〆の飲み物は珈琲かと
思わせて実は韃靼蕎麦茶だった、と
言う趣です。

多分作品の旨みを十二分に引き出す
為にはもう一匙の何かが必要となる
筈なのです。
しかしその一匙は敢えて加えられない。
その一匙の味わいを思う事で見えて
くるものがこの…

3

図書委員の恋 コミック

恋煩シビト 

うら・おもて

当方が読後に気になったのは作品の
内包する時間を基にした時系列です。
少なくとも確実なのは

僕のハートの切り抜きは

図書委員の恋

それは真心でした

花村君頑張ってね

のラインでしょうか。
そして評者が引っかかっているのは
『青少年髭漂流記』の受子の存在です。
彼の構成要素がどうにも表題作シリーズの
キーパーソン・花村君にダブるのですね。
実際リンク…

5

桐屋ブックセンター美男坂店 コミック

秋月杏子 

お約束・集大成?

とりあえず予備知識無しにBLを批判したい方が
まっしぐらに食いついて来そうな一冊です。
実際はそんなに手緩い作品ではございません。
お約束を少しずらしてそこから新展開を切り拓いたりと
言う感じです。

シリーズ本編五編+番外編一編の内、書店員側が
攻になっているのは二編。その二編は同一カップリングで
進行しております。
そして情報紹介に挙げたカップリングの話が二編。
残る二編は…

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