葡萄瓜さんのレビュー一覧

恋愛クラブ コミック

桜巳亞子 

群像の行方

カバー下に一篇4コマ漫画がありますが、
そちらは本編を読んだ上でお愉しみ戴いた方が
良いでしょう。
あからさまなネタバレではありませんが、
全体像の肝と言える部分がさり気なく
織り込まれていると拝察しますので。

一言で言ってしまえばバイプレイヤー達の方に
焦点を当てて主役にしましたよと言う全体像なのですが、
人間誰しも何処かしらこじらせて生きていますので
そうそうすんなりとは…

0

この世は神との恋次第 コミック

下條水月 

あやとりとられてどうなるか

あくまで私見ですが、BL作品に出てくる神様は
概ね人間よりも人間くさい様な気がします。
考えてみれば人間は社会にもまれている内に
色々学習して抑揚を覚えたり致しますが神様には
そう言う学習手段がない。最初から完成形として
世間に放り出されている。
だから失敗を知らないでドジっ子化したりする。
そう言う神様とこれまた少し天然な人間との
恋模様です。
初版帯の文句はネタバレに直結しま…

2

からめるハニー コミック

拓平 

はちみつ風味の…

甘い一皿と言うのは他の味の一皿と比較すると
バランスがとても重要視されるのではないか、
と言うのが評者の見解です。
甘さに加えて何か一味がないと全体が活きて
こないでだらけてしまう。
折角の甘味が印象に残らないと言う訳です。

紙幅の関係もあるのでしょうが、正直勿体無い
一冊です。
素材も構成も多分申し分ない筈なのに何処かが
ずれて何かが足りない。だから何となく
収まりが悪く…

1

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

文法差異

…正直、どう評せば良いのか悩んでいます。
シリーズ作の中でこう言う味わいがあっても
良いかと日和ってしまう一方、中途半端に
織り込まれたBL文法さえなければなぁ…と
言うかなり不届きな考えも浮かぶのです。

展開としての必然性は多分理解しています。
どの登場人物にも嫌悪感を抱いておりません。
なのに、何かが合わない。しっくり来ない。
物語として読むには、一味足りない。

でも…

3

ハトムギ畑でつかまえて コミック

さり 

何故この選択をした?

何故この内容でこのタイトルなのか。
タイトルだけ知られがちなあの名作を
もじっての事なのかも知れないとは
思うのですが、それやったら別に六条大麦でも
ええやんか…などとツッコむのは
野暮ったいですね。
ハトムギを何用として出荷しているのかは
一寸気になりますが。

閑話休題。
主題が主題なのでいささかとっつき難い
部分もあるでしょうが、少なくとも評者が
読んだ限りではご都合…

1

うばわれ上手 コミック

西原ケイタ 

救い、あり

色々重くなり易い要素を上手く希釈して
萌え易くした有り難い短編集。
ただ、要素と作風の好みと相性はあるので
その辺は考慮して戴いた方が良いかと
愚考します。
まあ、ぶっちゃけ小賢しい理屈を捏ねなくても
登場人物のかわいげを愛でておけば
サクサク読める一冊ですので、表紙を見て
ピンときた方にとっては安心できる存在かと。
逆に言えばカバーを裏表しっかり見て
何も感じなかった方にとっ…

0

まほろばデイズ コミック

ちしゃの実 

ある意味正しい奈良ガイド

中の人目線で描かれた奈良ガイドと思えば
結構正しい部分もあるんだろうか、などと
思う一冊。
奈良公園で鹿せんべいを買った方なら多分
しっくりきやすい内容かと思われます。

舞台のせいなのか設定のせいなのか、
それともレーベルの色合いのせいなのか、
BL要素が付け足しと思えてしまうのが
玉に瑕と言う感じでしょうか。
BLとしてと言う前提なしに同じ内容を
読んでいたなら少し萌え方…

4

ナイトガーデン 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

贅沢なボーナストラック

本作程度の甘さがどの作品にも含有されて
いれば、この作者さんの評価の振れ幅は
現状より少し狭まるかも知れませんね。
少なくとも上方向に。

本作単独で読んでも実際の所そうそう
混乱する事はありません。
そう言う所がこの作者さんは折り目正しい
ですね。
本一冊の空間を用いて力技も使わずに
世界をきちんと分けている。
しかも毎度の如く、生みの親のエゴを
極力排して産んだ子供〔小…

4

きみの手をたずさえて 小説

淡路水  明神翼 

踏み込み加減

ほぼ挿絵が無く本文のみの状態であれば
評者は星をもう一つ増やしたかも知れません。
挿絵は挿絵でこの作品の世界観に忠実な
ものであるとは感じるのですが、
少々美麗に過ぎる感もあるかと。
挿絵と本文のバランスは、本当に大事ですね。

本文の中にも些かバランスで躓く箇所がありまして…
これならいっそ絵空事と割り切って突き抜けて
しまった方が良かったかも知れないと思えます。
この割り切…

0

青を抱く 小説

一穂ミチ  藤たまき 

甘くて辛口

読み重ねてみると思うのですが、
この方の作風は基本的にBLの軸から
意識的に半歩ずらした所に軸がある様な
手応えです。
ヤングアダルト小説の一つの流れと思って
対峙すると案外響き易いのかも知れません。
登場人物達の在り様もそう言う視点で見ると
腑に落ちやすい様な気がします。

率直に言えば辛口のジンジャーエールの
様な味わいです。
それなりの甘味もあるけど刺激も辛味もある。

4
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