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恭屋鮎美
葡萄瓜
著者表示に同人誌での名義「右恭介」が添え書きされて あるのでそちらの名義で発表された作品かと思いましたが 現時点での確認の限りではそうではない様です。 単行本化の際、同人誌から入った方が手にとり易い様にと 添え書きされたものでしょうか。 体躯の描き方に経年変化はございますが、展開される 画面の賑やかさは相変わらずと言う感じでございますね。 これは最早持ち味の域に入るものでしょう。…
Dr.天
ネタバレ
表題シリーズも併録作もエロをに焦点を当てた ラブコメ、と言う装いになっていますがそれぞれに 内包している要素には重いものもあったりします。 その重さを軽やかにかわしたり或いは真正面から 受け止めて昇華させたりして嫌味を一切残さず、 時に笑いを醸すのがこの作者様の強い所。 今回も存分に発揮されている様です。 併録作の内「俺的恋愛家族計画」は98年発行の 単行本『うちのマリちゃん』…
中村春菊
雑誌掲載のまま放置されていた三編(内一編は前後編)と 桜桃書房版より再録されていなかった一編を収め、更に一編 描き下ろし、カバー下絵も新たに描いたシリーズ完結巻です。 この巻のメインとなるのは若君とその守り役のそれなりに 幸せだった日々の事。そしてその回想を総括する様な形で 桜桃書房版からの再録一編が配されています。 図らずもこの一冊は中村さんの絵のタッチの変遷見本にも なってい…
桜桃書房版の刊行から七年経っての新装版です。 カバー下の漫画も実は桜桃書房版からの踏襲で ある為、原稿の時代構成が随分あちこちに飛んで いる様相です。 この表題作を描いていらした当時はヒモノジャンルに いらっしゃったと言う事で、その中で培われた拘りが 作中の空気にじわりと滲み出ています。 併録作の「あかいなみだ」は明治時代の若き華族達の 葛藤を描いた短編です。 絵柄こそ現在見…
恐らく、今の中村さんの絵が苦手な方も この一冊は容認できるのではないか、と 評者は愚考します。 後にあすかコミックスシエルデラックスにて 2冊にわたり完全収録される事になる シリーズ作でございますが、それまでは この一冊が容貌を知る唯一の手掛かりで あった様です。不遇なシリーズですね。 BLの空気を纏った作品ではありますが、 あえて受攻明記は避けました。 護るもの護られる者…
チロル
薬局店主と助手にもそれなりの物語がありそうなのですが、 そこには一切触れられず、全寮制男子校に通う学生達を 中心に物語は進行します。 筋書きも絵柄もそつなく綺麗に纏まっておりますので、 好きか嫌いかと言う問題よりは満たされるか満たされないかの 問題で受け入れ加減が決まるかと。 長らく光彩書房刊行アンソロジーの表紙を飾ってきた方の、 静かな本気と受け止めておきます。
葛井美鳥
キャラクター紹介の所を観て察せられた方も いるかも知れませんが、コウを孝明のコピーとして 世に送り出したのは裕樹ではありません。 そして、同じ人物はコウをコウとして視ず、孝明と 同一視したが故に一度彼を捨てています。 一方、裕樹は孝明を静かに愛していました。 彼の放埓さを赦してしまう程に。 その反動なのかコウに対しては束縛気味であり また依存気味でありますが。 周囲からすれば…
表題作中の温泉旅行は婚前旅行と解するべきでしょうか。 それとも実質的な新婚旅行と解釈した方が無難でしょうか? いずれにしましても小姑がほぼ出揃った状態と言うのは… 面白いからもそっと派手でも良いのですが。 併録作の名倉と聖の物語も良い味わいですね。 いつかは聖が名倉を甘やかす事が出来るかも…と思わせる 空気も一瞬感じますし。 そう。大団円まで、あと少し。
桜文七
三年前まで普通の友人だった光輝と葵の関係は 光輝が葵を辱め、そのまま逃げ出した事で一端 終わりになった。そして三年後、不意に再会した 二人の心は烈しく揺れて…。 表題作及び同時収録作ともに基本的なツボが きちんと押さえられています。 絵柄は表紙だけを観る限りでは耽美風の濃厚さを 連想させるやも知れませんが、いざ漫画作品として 展開されますとそれはただ重いのではなく、深みを 伴…
タクミユウ
心理戦の攻防をさりげなく濃厚に描き込んである一冊ですね。 表題作の受・十三は関係が後二年も続けは自然と受である 自分を受け入れる様になるのでしょう。 作中の段階ではまだまだ攻と思い込んでいた自分の錯覚から 抜けきれていない様です。 他の作品の登場人物も概ね何かが邪魔をして自分の素顔に 気づく事が出来ず、故に関係をギクシャクしたものにしてしまう。 そこを乗り越えるとそれなりの幸せが待っ…