葡萄瓜さんのレビュー一覧

バーリ・トゥード・フェスティバル コミック

宮越和草 

教師だって暴走する

肉弾戦が得意なヤンチャな生徒と二重人格気味で
いざとなったら下着フェチでサドっぽいと言う教師の
恋物語。教師に過去があるっぽいのに語る機会を
余り与えられていないと言う不満はありますが、
小気味良い展開で胸がスカッとしますのでそれは
それで良しと致しましょう。カバー下に過去番外編と
言うお楽しみがある事ですし。

正直に言えばBL要素抜きでも楽しめる物語では
あります。殊更にBL…

1

ボクが恋に堕ちた理由 コミック

烏山千歳 

蠢く色情

表題作は描き下ろし。それ以外の収録作はこの一冊
刊行の前年に突如倒産してしまった版元・ひかり出版
(ヒカリコーポレーション)の出版物に掲載されたものです。
そう言う事情もあってか収録作の幅は相当広くなって
おります。

表題作とその前段階を語る「僕がホモになった理由」は
どちらかと言えばこの方には珍しい余り裏の無い話です。
あっさりとコミカルタッチなボーイズラブですね。
デブが痩…

1

君を見てるよ コミック

牧本一子 

before ボーイズラブ

表題作シリーズ(「10年越しのほんとはね」から
「ふたりに一番大切なこと」まで、番外編として
「この気持ちは秘密」)は無理強いの肉体関係から
始まりました。
これは、ボーイズラブと言う言葉と雰囲気が今よりも
未発達だった頃、まだやおいと言われていた頃には
割に良くあった展開です。
ここから♂同士の関係が始まりますよ、と言う合図の
様なものです。
そう言う場面転換を久し振りに目にし…

3

不協する音・和する音 小説

堀川むつみ  野火ノビタ 

相乗効果

堀川さんの『静』の部分が前に出た中編2篇を収録。
野火ノビタさんの挿絵との相乗効果で淡い水彩画の様に
展開している感じになっていますね。
版元に纏わる諸事情で中々巡り会えぬ作品でしょうが、
一読の価値はあります。

2
非BL作品

純情えれきてる コミック

藍川さとる 

さらりと核心

緻密な作風と認識されがちな藍川さんですが、
そう言う先入観でこの作品に対峙したらかなり
戸惑われる事かと。
この作品を読む際に要求されるのは『空気を
読む』技術ですから。

この空気の造り方は、真似しようと思っても中々
出来ないでしょう。そう言う巧みさがさり気なく
織り込まれた佳品です。

2

EXCUSE いいわけ コミック

おぐらみき 

癒される白衣

T京大医学部の医師・加賀の「作品」として育て上げられた樹と
名医の孫として育ちながら挫け、根無し草になった豊。
二人の出会いはともにサクラとして参加したお見合いパーティーだった。
その夜の内に肌を合わせた二人の道はもう二度と交わらない筈
だったが…。

一流の医師として作り上げられた樹も不器用ならば、猶予のある
生活を選びながらも怠惰に徹しきれない豊もまた不器用。
不器用同士が共に…

1

やっぱりボーイズラブが好き 完全BLコミックガイド コミック

BLサポーターズ  山本文子  九州男児 

とりあえずの選択肢

書籍形態のBLに特化したコミックガイドとしては
初めての存在かと思われます。
かつて似た様な趣向で「友愛コミックガイド」と言う
本が編まれましたが、その刊行当時(1994年)は
まだまだBLコミックの絶対数が少なかった為、
非BL作品を匂い系に仕立てた様な感じで案内
していた、と言う実態がありました。
それから11年後に刊行された本書は、少なくとも
BLと認識された作品群の中でどう…

3
二次創作

月ケ瀬ゆりの 同人作家コレクション49 コミック

月ケ瀬ゆりの 

際限なく隠し球

小ネタを次々繰り出して来られる作家さんです。

小ネタばかり詰め込まれると概ねクドさが先に立って
作品を味わう所では無いのですが、この方の筆に
掛かるとそのクドさがまるで感じられない。
すっと流してしまうような所にさり気なく転ばせる為の
小ネタを配して、その上に更にオチを配している。
爆笑ではなく、クスクスの連続なのですね。

さらりとしたものを読みたいと思ったら丁度良い一冊

1

失恋マニア コミック

葛井美鳥 

一番臆病なのは…

4年前に別れた男の影に無意識に翻弄される敦也。
そしてその敦也を気長に待ち続ける山崎。
そして未だに敦也と関わり続ける過去の男・名倉。

さて、この中で恋する事に対して臆病なのは誰でしょう。

作品を一読する限りでは敦也と即答されそうですが、
評者はそうではないと観ています。
敦也はただ、補完の時間を必要としていただけですから。

1

純愛アレルギー コミック

葛井美鳥 

一番臆病なのは…(2)

『失恋マニア』に続くシリーズ二冊目です。
この巻ではいよいよ敦也が自分の想いに踏み込んで
名倉との時間を清算しようと試みます。

で、ですね。
敦也が自分の想いを補完して強くなってゆくのに比例して、
名倉のヘタレさが浮き彫りになって来るというのがこの巻の
密かな見所ではないかと評者は愚考します。
名倉にはいっそこのまま二人目の受になって欲しい所ですが、
パートナーの聖の成長を待た…

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