葡萄瓜さんのレビュー一覧

天使にならなきゃ コミック

西炯子 

刹那の切なさ

これもまた古典でありながら出版レーベル故にか
見過ごされがちな作品群です。
この本以外に西さんのJUNE掲載作品群を観る事が
出来るのは評者確認の限りでは「JUNE全集」第11巻
だけであったかと。

表題作で肌を重ねる描写と言うのはほんの半頁程度
しかありません。濃密な空気を伴いながら、それで居て
さり気ない愛の言葉が交わされる風景です。
そう言う濃密さが、収録作全編を満たして…

1

だから、僕は君といる コミック

吉野ルカ 

ただ甘くは無くて

ボーイズラブの文法の中でゲイの関係を描く、
と言うとああ又かとうんざりする方もお出でで
しょうが、表題作にせよ他の作品にせよ、ただ
甘いだけの仕上がりではありません。
何処かに苦味をきちんと配して、甘さが際立つ
様に仕上げてあります。
ゲイバーが主な舞台なのでカクテルの様に
仕上げてあるのでしょう。
だから甘く見て飲み過ぎませぬ様。
後の酔い方がきついかも知れませんので。

1

季節はずれのカイダン タクミくんシリーズ コミック

おおや和美 

慣れてきたんだ…

ギイとのいちゃつきが堂に入ってきたタクミくんが
見所と言える巻かも知れません。
純情は純情なんですが、誘い所のツボを心得る
様になったと言うべきか。
表題作は何気に肌の露出が多くなっておりますし。

自分の事で手一杯になっていた頃を考えれば、
ギイと過ごす日々の中でタクミくんの内部に余裕が
生まれてきた結果なのでしょう。
その余裕ぶりは併録作にさらりと描かれています。

0

恋人の彫り方 コミック

柊のぞむ 

匙加減

アホな男がたまにみせる格好良さ、とか
芯が強そうな男がたまにみせる可愛げと
いうのは反則技だと思いつつもつい見入って
しまいます。
柊さんはそう言う瞬間をさらっと掬い取られ
ますね。
完全無欠な殿方も良いかも知れませんが、
一本二本線の抜けた野郎を愛でるのもまた
良いものです。
そう言う野郎同士で成立するバカップルは
傍から見ていても飽きませんから。

3

いじっぱり遊劇隊! コミック

柊のぞむ 

等価交換

柊さんの描く男に無条件で格好良い奴と言うのは
殆どいないんじゃないかと愚考してしまう今日この頃。
表題作の三角関係の連中もとりあえず何かを捨てて
いる訳ですし。

感情の細かい所が結構骨太な一冊なのではないか、
と評者は感じました。

0

その髪にキスを コミック

DUO BRAND. 

静かに甘く

表題作の庭師と執事の組み合わせは、多分皆様の
思われている展開とは些か勝手が違います。
庭師は庭師らしく、執事は執事らしく振舞った故の
展開、とだけ申し上げましょう。

他の作品も芯のぶれが無い佳品揃いですね。
思わぬ作品の中で思わぬ顔に再会したりするという
お楽しみも含めながら、非常にバラエティに富んだ
一冊となっております。

ショタ執事と髭の甘党を拝めたのが、評者の愉しみ…

0

誘惑の羊 コミック

前田紅葉 

絆される

初心な神父を弄んでやろう、と放蕩貴族が
目論み実行に移すまでは多分普通の展開
です。
しかしこの表題作は〆でふっと肩の力を抜け
させるのです。お好み次第かとは思われますが、
評者はそういう展開が嫌いではありません。
番外編の小気味良さと共に。

その他海賊×貴族、軍属×留学生、そして
寄宿舎の生徒同士。様々な場所による展開の
差異を味わうも一興かと。

0

王様の学校 コミック

夏目ココロ 

紙一重の絆

王様の支配する学校、ではありません。
王様の学び舎、なのです。
ですから、生徒である王様及び王女王子達は
常に心構えの位置を問われます。
「国民臣民を護る王であれ」と。

国民代表・ヤマトと王の代表・レッドとの関係は
単なる国民と王の関係を最初から飛び越えて
います。
互いを認め合う中で、一対としての絆をも磨いて
きたのですから。

1

Double★King コミック

カマタアツキ 

なんだかなぁ

表紙だけを見て表題作に過剰に期待された方には
一寸お気の毒かも知れません。何故なら表題作は
ラブの余り無いコメディーですから。
表紙の様な雰囲気は無い、と申し上げておきます。

但しこの一冊は、同時収録作に、殊に描き下ろしで
ある小シリーズ『恋なやつら』『雨恋のひと』『愛に戸
惑えよ』の存在に大いに助けられています。むしろ
このシリーズを表題に持ってきて欲しかった程です。

こ…

0

あかないとびら コミック

鈴木ツタ 

どちらでしょうね。

この本の受達は男として男に愛されたいのか、
それとも自分を相手専用の雌型にして欲しいのか
どちらだろう、と味わいながらふと考え込んで
しまいました。

そうなってみると、逆を夢想しながら読むのも
楽しくなるんですけどね。
このゆるぎない自信を持った男たちは、いざと
なったらどんな瞳をしながら喘ぐのだろうか、とか。

但し『冷たいさびしがり』の一対は、肉体の位置関係と
心理的位…

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