葡萄瓜さんのレビュー一覧

AD(アド)コンプレックス 2 小説

岩本薫  蔵王大志 

転だけにテンポ良く

2005年にビーボーイノベルズで刊行されたものの文庫化です。
作者様曰く『転』に当たる巻との事。実際受と攻の関係が
1巻に比べかなり親密になっております。

テンポ良く、と評のタイトルをつけましたがそれは劣情描写故の
テンポ良さではございません。むしろそれ以外の部分…彼等の
人間としての内面をさり気なく露にする事で全体のテンポを上げ、
そして劣情描写で二足跳びに跳ね上げる。
受も攻…

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Fortune 君と出逢うために 下 コミック

神谷和都 

不器用な愛

恋心が愛に変わる瞬間を描いた巻、と
言う事が出来るでしょう。
語られるタカヒロの過去、そして葛藤。
それを受け止めて変わって行くエルネストの心。

派手な進行がある訳ではありません。
どちらかと言えば重く淡々としがちの進行です。
しかし、きちんと語られる心の揺れが
あるからこそ主題の重さは気にならない。
物語の進行の手管は手馴れたもので
ございますし。

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Fortune 君と出逢うために 上 コミック

神谷和都 

苦にならない重さ

元は同人誌で継続していたシリーズとの事で、
その所為もあってか変な腰の折られ方をされず
安心して読み進める事が出来ます。

人との接触を器用に出来ないトップモデルと、
彼に憧れを抱く心身に傷を負ったカメラマンの卵。
二人の運命の糸は絡み合いながら何かを紡ぎだして
ゆきます。
この巻で性行為はでてきませんが、それはタカヒロの
内面の問題に端を発するもの。ただその重さは
決して不快…

1

王子殿下のご奉仕猫 コミック

阿久津柑子 

さり気なく関門クリア

表題作及びそのシリーズはショタ風味ふんだんでありながら
さり気なく魔法の呪文『登場人物は18歳以上であり』を
効かせてあります。仕込まれた一抹の苦さを活かす為の
年齢設定でもあるのでしょうが。

一冊全体がかなりショタ風味になっておりますが、単純に
甘くはありません。甘さを活かす為の苦味が何処かに必ず
仕込まれています。その為か後味に嫌らしさはありません。
一片の温かみが残るのです…

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僕がどんなに君を好きか君は知らない コミック

おぐらみき 

再生の糧

『EXCUSE』シリーズ続刊で締めの巻です。
『EXCUSE』が豊を医師として蘇らせる物語であったとするならば、
この一冊は樹の心の傷を癒し、一個の人間として再生させる
物語です。
樹は豊との関係で癒される事により本当の強さを取り戻します。
その強さにかつて樹を服従させていた人間が怯むという一瞬も
またこの巻の観所かと。

番外編の『ペット』は飼われていた頃の幼い樹の物語。
育て…

1

タカトリキングダムキングス コミック

南野ましろ 

基本はあまあま…の筈。

南野ましろと言う作家さんはさり気なく引き出しを
沢山持っている方です。
で、大体の作品はその引き出しの中身を上手に
散らかしながら最後にはきちんと一つ所に纏まる様に
構成されているのです。
……ただ、時には例外と言える作品も存在します。
この表題作は、その例外の中の一つでしょう。

まずメインのカップリングが二組。
『リリカル・リップ・ノイズ』の主役・波留一志と高鳥朱羽。
『マ…

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聞こえない声 コミック

京山あつき 

一歩踏み出す前の美味しさ

一冊かけても体の関係の最後まで行かない
BL作品と言うのは中々に珍しいです。
で、そう言う展開をしてるこの一冊は不完全
燃焼な作品かと言うと実はそうではありません。
物語の先では相当燃えているのでしょう。
恐らく灰になっても相当熱くなっているに相違
ありません。
そう言う寸前の美味しさがぎっしり詰まっています。

3

愛の標的 コミック

西原ケイタ 

本当に惜しいあと一味

全体的に鬼畜の色合いが強い一冊の筈なのです。
表題作のトーンも鬼畜色が強い…筈です。

全体を通して、話を引き締める一味が足りないなと
言う印象の為どこかぼやけてしまうのですね。
構成要素がきちんと揃っているだけにその点がとても
残念です。

『BLだから』ツメを甘くした訳ではないのでしょうけど。

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優しくして優しくしないで… コミック

おぐらみき 

快不快の匙加減

後輩攻と言う設定は、美味しい題材でありながら
美味しく仕上げるのにコツが要ると感じます。
一歩間違えれば後輩の一途な愛情がお子様の
自分勝手な独占欲として表現されてしまうのですから。
この表題作シリーズは後輩の傲慢さの裏にあるものを
きちんと描いているから好感が持てますね。
バスケット部を舞台に体育会系の不器用さを適度に
混ぜて良い駆け引きが展開しているかと。

併録作は美術部を…

0

冷たい太陽 コミック

坂本ミキ 

一気呵成

恋を知らずに遊んでいる男は硝子の様なものです。
怜悧に見えますがそれは恋していないせいで心が
揺れないから。
そう言う男が惚れられて不器用に手探りしながら
恋心を見つける物語、と言う感じでしょうか。
恋に落ちてグダグダになる攻もまた一興と言う事で。

併録作はバンドのソロ活動を巡るボーカルと
ギターの恋の駆け引き。

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