葡萄瓜さんのレビュー一覧

人でなしの恋 コミック

生嶋美弥 

誰を縛る鎖ぞ

岩田天涯の篠原カヲルへの執心は独占欲の様に見えて、
実は何かに対する崇拝なのではないか、とふと垣間見える
一瞬がある。
そう。人でなしが恋しい男に執着しているのではない。
人でなしと自らを責めている男が、恋しい男の中に救いを
見出したいと無意識に願っているのだ。

文士同士の恋模様を描くシリーズ、端緒であります。

3

いとおしい人 コミック

生嶋美弥 

双頭の切っ先

作品を作るという事は、単純な生産作業ではなく、
また放出作業ではない。
時に自らの骨肉を削って分身を生み出す、そう言う
過程だ。
岩田天涯がそう言う文士であるからこそ、篠原カヲルは
彼を赦し、受け入れてしまうのだろう。

一読者として一寸怖くなったのは、その創作と言う事に
対しての問い掛けが、そのままボーイズラブと言う
ジャンルにも(無意識の内に)向けられているのでは
ないかと…

3

その時ハートは盗まれた コミック

金丸マキ  穂波ゆきね 

バター醤油餡かけなフレンチ

見映えの良い尻軽貴族と怪盗の体から始まる恋と
言う題材をバタ臭さよりは幾分醤油風味が強い加減で
仕上げてある表題作+「be nice」。
学園内のドタバタをあっさり纏めた「人は見かけによる
ものだ」。そして、アメリカの政治家と秘書をカップルに
起用した「接吻〈KISS〉スキャンダル」。

穂波さんの絵は元々何処かに洋風なモダンさを滲ませて
いる画風でしたから、海外が舞台になった作品…

1

ダメな男ほど愛しい コミック

ユキムラ 

恋する男はダメになる

幾ら有能な営業マンであったとしても、
恋をしてしまえば調子が狂うというもの。
其れも相手は完全な好みの範疇内なの
だから…。

表題作を始め全篇が恋に不器用な
有能男子の煩悶物語。
男の愛らしいダメさ加減をとっくりと
ご賞味下さい。

2

キライ嫌いも コミック

立野真琴 

抑制マイナスα

満を持してBLへ、と言う形容が相応しい様な
作品です。
展開を一口に言えばBL版「ロミオとジュリエット」
ですね。悲劇にならない様に所々補正が
加わっていますが。

同時収録作は謎めいた雰囲気の兄弟もの。

0

エクスタシーB.(アンソロジー著者他複数) コミック

作品ありき

光彩書房のB6サイズアンソロジーシリーズの一。
アンソロジーのテーマ毎に作品を集めると言うよりは
小出しに発表するべき作品があって、その作品を
中心にアンソロジーを編んでいる、と言う感じです。
単発作品流通の為の救済策、と言う見方も出来ますね。

全体のトーンとしては十代のオトコノコの性の暴走
から生じる色香、と言う感じでしょうか。

0

マティーニ攻略法 コミック

立野真琴 

辛口は防衛本能

両想いだった筈なのに攻の前から失踪した受。
離れていた時間は攻の心も体も育たせていた。
離れていた間の受の心を知ろうと彼と同じ制服を
着て…。

元々ボーイズラブに限りなく近い空気の少女漫画を
編み出して来られた方の作品だけに安定した作品
かと愚考します。
受も攻も少女漫画では御馴染みのキャラクター造形
ですが、立ち位置が変わればなるほどと言う新鮮味
がありますね。

同時…

3

天使のハートリズム コミック

さくらあしか 

エロの向こう

傷心の日々を五月の笑顔で救われていた直紀。
二人が再会した時、新しいリズムが刻まれ始める。

この作品群のエロは確かにさくらあしかさんによって
描かれていますが、心象の多くを占める切なさはきっと
極楽院桜子さんが描いているのでしょう。

エロだけで読んでしまったら、確実に60%は損を
しそうです。

0

リリカル・リップ・ノイズ コミック

南野ましろ 

シリアスなメルヘン

『マーブルベリー・ビーンズ』にも登場する
双子の弟・自称おかまの朱羽(あけは)の
恋物語。お相手は優柔不断とトラウマの
余りに時々自然に日常の向こうに行って
しまうペットショップ『犬屋』のオーナー・
波留一志(はるかずし)。

展開としては結構シリアスで、一口に言えば
受が攻を癒すお話です。その過程で他の
カップルが一組自然に絡んでるから少し
入り組むだけで。
多分この話を自…

0

キャラメル・ハードボイルド コミック

南野ましろ 

愛はあるんです愛はただ通常進行じゃないだけで

『マーブルベリービーンズ』の高鳥藍羽の勤務先・
高鳥コーポレーションには変な社員が二人います。
生粋のヤンキー家庭に育ちながら妙に真面目な
汎用社員・冴木鷹牡(さえきたかお)と美人なのに
ヤンキーな家庭の影響で奇天烈な格好が板に
ついてしまった商品開発担当社員・桃生春威
(もものおはるい)が。
この二人の織りなす余りにも激しいラブコメ…と
言うのが本作です。
ええ、激しいですとも…

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