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生嶋美弥
葡萄瓜
岩田天涯の篠原カヲルへの執心は独占欲の様に見えて、 実は何かに対する崇拝なのではないか、とふと垣間見える 一瞬がある。 そう。人でなしが恋しい男に執着しているのではない。 人でなしと自らを責めている男が、恋しい男の中に救いを 見出したいと無意識に願っているのだ。 文士同士の恋模様を描くシリーズ、端緒であります。
作品を作るという事は、単純な生産作業ではなく、 また放出作業ではない。 時に自らの骨肉を削って分身を生み出す、そう言う 過程だ。 岩田天涯がそう言う文士であるからこそ、篠原カヲルは 彼を赦し、受け入れてしまうのだろう。 一読者として一寸怖くなったのは、その創作と言う事に 対しての問い掛けが、そのままボーイズラブと言う ジャンルにも(無意識の内に)向けられているのでは ないかと…
金丸マキ 穂波ゆきね
見映えの良い尻軽貴族と怪盗の体から始まる恋と 言う題材をバタ臭さよりは幾分醤油風味が強い加減で 仕上げてある表題作+「be nice」。 学園内のドタバタをあっさり纏めた「人は見かけによる ものだ」。そして、アメリカの政治家と秘書をカップルに 起用した「接吻〈KISS〉スキャンダル」。 穂波さんの絵は元々何処かに洋風なモダンさを滲ませて いる画風でしたから、海外が舞台になった作品…
ユキムラ
幾ら有能な営業マンであったとしても、 恋をしてしまえば調子が狂うというもの。 其れも相手は完全な好みの範疇内なの だから…。 表題作を始め全篇が恋に不器用な 有能男子の煩悶物語。 男の愛らしいダメさ加減をとっくりと ご賞味下さい。
立野真琴
満を持してBLへ、と言う形容が相応しい様な 作品です。 展開を一口に言えばBL版「ロミオとジュリエット」 ですね。悲劇にならない様に所々補正が 加わっていますが。 同時収録作は謎めいた雰囲気の兄弟もの。
光彩書房のB6サイズアンソロジーシリーズの一。 アンソロジーのテーマ毎に作品を集めると言うよりは 小出しに発表するべき作品があって、その作品を 中心にアンソロジーを編んでいる、と言う感じです。 単発作品流通の為の救済策、と言う見方も出来ますね。 全体のトーンとしては十代のオトコノコの性の暴走 から生じる色香、と言う感じでしょうか。
両想いだった筈なのに攻の前から失踪した受。 離れていた時間は攻の心も体も育たせていた。 離れていた間の受の心を知ろうと彼と同じ制服を 着て…。 元々ボーイズラブに限りなく近い空気の少女漫画を 編み出して来られた方の作品だけに安定した作品 かと愚考します。 受も攻も少女漫画では御馴染みのキャラクター造形 ですが、立ち位置が変わればなるほどと言う新鮮味 がありますね。 同時…
さくらあしか
傷心の日々を五月の笑顔で救われていた直紀。 二人が再会した時、新しいリズムが刻まれ始める。 この作品群のエロは確かにさくらあしかさんによって 描かれていますが、心象の多くを占める切なさはきっと 極楽院桜子さんが描いているのでしょう。 エロだけで読んでしまったら、確実に60%は損を しそうです。
南野ましろ
『マーブルベリー・ビーンズ』にも登場する 双子の弟・自称おかまの朱羽(あけは)の 恋物語。お相手は優柔不断とトラウマの 余りに時々自然に日常の向こうに行って しまうペットショップ『犬屋』のオーナー・ 波留一志(はるかずし)。 展開としては結構シリアスで、一口に言えば 受が攻を癒すお話です。その過程で他の カップルが一組自然に絡んでるから少し 入り組むだけで。 多分この話を自…
『マーブルベリービーンズ』の高鳥藍羽の勤務先・ 高鳥コーポレーションには変な社員が二人います。 生粋のヤンキー家庭に育ちながら妙に真面目な 汎用社員・冴木鷹牡(さえきたかお)と美人なのに ヤンキーな家庭の影響で奇天烈な格好が板に ついてしまった商品開発担当社員・桃生春威 (もものおはるい)が。 この二人の織りなす余りにも激しいラブコメ…と 言うのが本作です。 ええ、激しいですとも…