葡萄瓜さんのレビュー一覧

DTと恋心は聞く耳持たない。 コミック

霧嶋珠生(霧島珠樹) 

意外な構造

一言ツッコミを入れさせてください。

「童貞をDTって言換える事の必然性は?!」

多分ネタバレのラインから外れるとは思うので書きますと、
童貞の言換え語のDTがこの作品に用いられているのは
タイトルだけの話なんですね。
本文では言換えも無く童貞と明記されているのです。
もしかするとカバー裏表紙の梗概を観て初めてDTなる
言換え語の存在に気付かれた方もいるのではないかと
思われ…

3

恋の占い横丁 コミック

阿部あかね 

確率論

占いはオーダーメイドの部分もありますが
基礎になるのは蓄積されたデータから
導き出される平均的な観測です。
ですから残酷ですがある意味とても平等なのです。
良い目を見たいと思ったらそれを導き出す為の
蓄積が無いと総て始まらない訳ですから。
そう言う点でもこの物語は良い具合に構成されて
いる手応えがあります。
あとは登場人物の面倒臭さにどこまで読者が
付き合えるかと言う事なんですが…

4

泡と欲望 コミック

麻々原絵里依 

苦味の活き方

題材がビールなだけに軽やかに読み進められますが、
同時に常に苦味が付き纏います。
なんだかんだで未遂のままこの本では終わっている
二人の在り様をどう捉えるかで読み応えは変わって
きそうですね。
評者は一応攻めポジションにいる男の心情を思いやると
この展開をほろ苦く感じます。そのほろ苦さ故に
傍から視ると美味しい部分も多々ございますが。

一つ望むらくは。
一応受けの人が表紙で噛…

3

ニィーニの森 コミック

SHOOWA 

天秤と匙の加減

通読して心に遺るものがある作品ではあるものの、
さてそれを言語化しようとするとかなり悩んでしまう
一冊です。
乱暴に一括りで感想を言うならば、各話の主人公が
同時に狂言回しでもある訳なんですよね。
いっそ会話が無い展開だったら恋模様がより一層
くっきり浮かび上がったかも知れない。
言葉が介在する事によって何かを隠そうとする様な
作用が働いているのでは、と思えます。
森へとつながる…

2

不憫BL コミック

もどかしさ

実らない事を前提にロマンスを描くのは
かなり難しいのだろうな、と読み解きつつ
思っておりました。
その上で各話を成立させた作者様方の力量に
舌を巻きつつも、読者としてはどうしても
物足りなさを感じてしまう。
全体的に無難に収まってしまってる感じ。
メリーバッドまでは行かないもう一つの王道と
言う感じに留められて、そこから先を考えるのが
むしろ難しかったりする。
単発短編集となら…

3

病みBL コミック

踏み込み加減

率直に言えばどのケースも一途なだけで
驚く程の病みではないかな、と言う印象です。
一途が過ぎて突き抜けたという場合も見受けられますが、
それをもって病みと言うならば納得かなと。
究極の寸前と言う感じでしょうか。

どのケースにしても好きな気持ちを標榜する側には
それなりの理が通っていて、そこに一切のブレは
感じられません。
それを受け止める側がどう解するかによって
ラストシーン…

2

悪玉 コミック

吉田ゆうこ 

相対的な

表題作の真意は、静かに暈されています。
決して難解な韜晦をされている訳ではありません。
きっと無造作に提示されてはいるのでしょう。
しかし見えない。
見える様な道筋が、静かにはぐらかされている。

表題作の二人の間には確実に何らかの感情は
あります。
二人にとっての初めての共同作業は、きっと
それを見極めて行く事なのでしょう。

併録作とその続編は表題作に比べると読んでいる

1

アドリアン・イングリッシュ(2) 死者の囁き 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

出力の加減

シリーズ第一作の『天使の影』にてこずっただけに
ページが進められるかどうかかなり不安だったのですが、
今作は余りつまづかずに読み進める事が出来ました。
ロマンスと言う部分で予想以上の進展があったので
その部分でも食欲が進んだのやも知れません。
ただ、ロマンス以外の部分と言うと…ある意味では
『天使の影』に軍配を上げてしまいそうな感じです。
ロマンスと言う部分に重点を置かれる方は先ずこ…

3

EASY MODE コミック

熊本マゴ 

逆転発想

BL作品のレビューによくありがちな
「(登場人物が)年相応じゃない!」と言う声を
上手く逆手にとって生み出された作品の様な気が
します。
実質的なショタ作品を世に送り出す為の方便的な
ものと同じなのかも知れません。
それが許せないと言う読者さんもいらっしゃる事も
多分送り出す側にとっては想定内な気がします。

表題作も併録作も余り深刻さとは縁を創らない様に
構成されています。そ…

1

任侠ダディ コミック

マガセチハヤ 

コース仕立て

収録作総てが配信スタンドの差異はあれど電子書籍初出と
言う一冊です。電子書籍総配信元の「未来少年」さんは
過日『男の娘』の商標登録を出願されてましたね。
結果として受理されませんでしたが。

作品全体の味わいと言えばエロに関しては割合に淡い感じの
歯応えでした。心理戦を経てから成立するエロと言う感じ
ですね。
そしてこれは単行本だからこそ出来る技なのでしょうが、
各作品の味わいが…

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