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相模郁人
葡萄瓜
収録作品全六篇の内前半三篇が表題作シリーズ本編、 そして表題作シリーズ番外編が一篇続き併録作らしい 併録作が一篇。最後の一篇はあとがき風味込の表題作 シリーズ番外編、と言う構成になっております。 この作者さんは結構明け透けに行為描写をされるのですが、 この表題シリーズでは行為に至るまでの過程を手堅く 描き込み、同時にラブコメとして昇華されています。 必然性以上の行為描写が無いのは…
カサイウカ
物語のテンポは案外と爽快で展開も痛快な筈なのですが 正直評者の読後感はすっきりしませんでした。 それもその筈、展開の影には常にラスボスの残像が ちらついてるんですから集中力も削がれようってものです。 で、破天荒な様なこの物語ですがラスボスの影響を可能な限り じっくり取り除いて読んでみると案外とオーソドックスです。 あとは登場人物の人柄が肌に合うか合わないかで頁の進み加減が 変わる…
さおとめあげは
実はこの表題作はある意味流用作でございます。 源氏物語BLアンソロジー 愛欲の男王朝・恋絵巻 http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/31753/ こちらの序章と一章分を個人作品のシリーズに 転じた訳ですね。 それはそれで良いのですが、それならば併録作も 出来れば「和」で進めて戴きたかった所。 併録された「洋」の作品が良い歯…
摩耶薫子
この一冊、実は状況が状況なら作者さんの意思とは 関係ない理由で封印されていたかも知れない一冊でした。 表題作シリーズは…摩耶さんご自身もあとがきで 描かれていますが掲載誌を刊行していた版元が 雲隠れしてしまったと言う状況がございまして…。 運良く摩耶さんの手元に原稿が戻ってきたので こうして形にする事が出来た、と言う経緯があります。 作品自体ですが、表題作は女装もの或いは男の娘と…
時代の波を読み、満を持して登場した男性作家による ボーイズラブアンソロジー…である筈の今作ですが、 味わいとしてはどうも今一つぼやけている様な気がします。 位置付けとしては減塩食の様なものなのでしょうね。 ボーイズラブの要素を素養の無い方の口にも合う様に 可能な限り薄めて調理しましたよと言う感じで。 監修も含め参加されている皆さまは少なくとも調理法は ご存知の方でしょうから、食卓…
色々と懐かしさを呼び起こす一冊です。 松文館さんがまだB6サイズのBL・ショタ単行本を 刊行していなかった頃の単行本(つまりA5版)であり、 作者・摩耶薫子さんにとってはまだまだ局部描写が 初々しい頃である…と言う、そう言う一冊です。 内容については新装版のレビューが参考になるでしょう。 http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/2…
永野クロエ
表題作シリーズ(「天職・適職、コイビト適性!?」を除く 全作品)は、人としておバカな子が攻略困難な恋を経て まともな男になりまして…とまとめてしまえそうな物語ですが、 実は随所随所にきちんと重石が置いてあります。 その重石の存在が功を奏して軽く流れてしまいそうな話が 重石との相互作用で程良い調子の物語に化けているのですね。 受攻の設定も実はその重石の一つなのですが…そこは 細かく触れ…
山田まりお
じわじわと増殖しつつある腐男子フィクション。 フィクションだと割り切って楽しめればそれに越した事は ないのですが、自身が一応世間の区割りで言えば腐男子であり 腐男子研究家なんてぇお方が知己にいる以上ついつい現実との 距離感を測ろうかと思ってしまう訳でございまして。 で、この作品ですが。 この作品を完全なフィクションだと笑い飛ばせる内は まだ腐男子として浅い漬かり方なんじゃないのか…
つたえゆず
評者にとってこの作者さんは今だもって 「好きなものは好きだからしょうがない!!」の 作画者さんという印象です。 そう言う印象を持ったまま現在の作品を評しては いけない事は重々承知しているのですが、 どうしても既視感はあるのですね。 あの連中を再構築したらこの人達になるのかしらね、 とか。 そう言う既視感を拭えない作品であるのが残念な 要素であり、逆説的ですが安心材料でもあります。…
『キス』を愛情表現の最終地点に置いた作品を 7編収めた描き下ろしアンソロジーです。 「体」という一言で指し示されるのは上半身限定で 下半身の事情にはほぼ一切言及はございません。 イタリアの詩人・フランツ=グリルパルツァーが 遺したキスに関する八つの格言に基づいて それぞれの物語が展開されるのですが、 キスで行為を止めるという縛りがある故に時に 消化不良と思われる展開がございます…