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小野塚カホリ
葡萄瓜
小野塚さんの原作付は団鬼六作品(「美少年」「美剣士」)、 上田秋成作品(「雨月物語」)に続き三度、と言う加減と なりましたか。 そして今回の堀辰雄さんの原作は実はネット上で気軽に 読む事ができます。青空文庫にて公開されています。 旧仮名遣い表記 http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card55425.html 新仮名遣い表記 http://ww…
えすとえむ
全編ハッピーエンドの御伽噺新釈集です。 但し誰の為のハッピーエンドかは明言されていません。 帯に躍る一文にちょっと待てと一読後に 突っかかる方も確かにお出ででしょう。 でも多分その一分の行間にはもう一言潜ませてあって それを読み取った上で吟味してくださいと言う 悪戯を道化師が仕組んだのでしょう。 この一冊の内包するものは小洒落た運命、 もしくは必然ではありません。 唇の端…
湖水きよ
実はこの一冊、帯のデザインが面白かったりします。 視点を変えてみると帯とカバーの組み合わせからも なんとなく内容を類推できる様な気がするので不思議です。 敢えてこの配色にしたのか、それとも何となくか。 作品自体が言い知れぬオーラを纏っているので そう思い込まされているだけなのかも知れませんが。 表題作も併録作も、起点と着地点を結ぶ線の ブレを感じる事はないでしょう。 そう言う点…
高瀬ろく 佐崎いま
あすかCL-DXレーベルの表紙(カバー)で 殿方のブリーフ姿を拝む日が来るなんて…と しみじみした感慨を抱きつつ一読。 リバをきちんと取り込みつつ同時に甘酸っぱさを 引き出している内容に舌鼓を打ちました。 受攻=男としての器量の上下と言う単純な所に 落とし込むのではなくカバーにもちりばめられている 言葉の行間からにじみ出る想いの駆け引きを 絡めた所に美味しさを感じますね。 こ…
輪子湖わこ
色物なのかなと思って軽い気持ちで読み始めたの ですが、これが中々に正統派のラブコメと言う感じの 歯応え腹応えでした。 程好い感じで常識を揺さぶりつつしつこくない程度に さっと手を引くんで小気味よく反転が味わえるのですね。 こう言う感じの拍子抜けは評者、大歓迎です。 併録作も良い具合のラブコメですね。 同じ版元さんの麗人セレクションである様な設定を 上手に反転させたと言う感じで。…
新井煮干し子
ふた昔前のドが付く様な耽美から 幾匙か何かを抜いたらこう言う空間が 出来あがるのかも知れない、と 読み終えて先ずは一息。 ボーイズラブと言うにはもう少し青臭く 埃っぽい味わいの様な気がします。 じゃあ昔のジュネかと言われると… ジュネの中でも実験作に近い部類の括りに 入ってしまうのかも知れませんね。 作品の内容は、そう言う価値判断もあるよね、 と言う生真面目さが張り巡らされ…
ビリー・バリバリー
手練れ感、と言っても老獪さでは無いですね。 より良い選択を練り上げたらこうなりましたと 言う読んでいて気持ちの良い作風です。 表題作からして小気味よい裏切りがテンポ良く 織り込まれていますからね。 この作風、くすぐりJUNEと称しても良いかも。 かと思えばね…。 短編集の中で起承転結がきちんと決まっていると 言うのはお見事としか言い様がありません。 多分どの作風に転んでもこの…
文乃ゆき
恐らく、こう言う題材の長編作品としては 最初のものである筈です。 だから、どう判断して良いのか相当迷って しまうのです。 BLとして判断する、それ以前の段階で。 その迷いで星を一つ減じています。 物語自体は踏み込み難い所にさりげなく 踏み込み、そして鮮やかな一本背負いを 決めていると判断します。 そこにさりげなく心の絆が織り込まれて いるので読み応えも充分です。 ただこれ…
ユキムラ
ただ甘い一方だけじゃなく、それぞれ異なる 隠し味を潜ませた一皿を松花堂弁当みたいに 詰め合わせました、と言う体の作品集です。 描き下ろしで後味の余韻を消さずに〆ると 言うのがまた粋ですね。 どの話も登場人物に可愛げがあり、その可愛げの 源泉の在り処がさりげなく提示されている。 それ等をすり合わせると化学反応みたく関係が 色々出来あがる感じですね。 表題作とその続編はそう言う意…
玉川しぇんな
この表紙から悲恋ものかと思われた方が お出でかと思われますが真逆と思われた 方が恐らく正しいかと。 物語の通奏低音に自虐が置かれておりますが あくまで前向きですので。 帯とあらすじとで八割方のネタバレを されてしまうと残りをどう回避して 書くべきかと迷うのですが。 敢えて言えば登場人物達の抱えている 気持は作品の空気とは裏腹に結構生々しいです。 その生々しさをどう誤魔化さず…