葡萄瓜さんのレビュー一覧

相生結び コミック

 

結んで重ねて

作品のタイトルのこの言葉。
調べによると紐の結び方の一種、
あるいは水引の結び方の一種、
また料理の方面では二つの異なる食材を
用いて結びを表現した具材の調理法との事。
祝事に用いる事が多く基本紅白で表現される
との事です。
後書きでは具材に大根と人参を用いた
三番手の意味が採用されていますね。
そして更にこの作品には深みのある因縁が
絡んで参ります。その因縁があるからこそ

8

明転飛び出しッ! コミック

やまねむさし 

裏裏表裏

なんや読んでいる内に何処ぞの誰かさんと
被る様な被らん様なと要らん想像を巡らせた
評者でしたが完全にフィクションでしょう、
多分。
そう言う微妙なバランスの上で成り立っている
世界観ですので読む側にも存外匙加減が
必要なのかも知れません。
ある意味裏話が表の事情だったりする空間だとは
思うのですよ。だからこそ必要以上に繊細に
なってしまう。
じゃあ裏を裏返せばあっさり表になるの…

1

まばたきのあいだ 2 コミック

須久ねるこ 

臨界点に挑みつつ

初出が一般向け電子配信媒体。
そして単行本発行は一般青少年向けレーベルから。
こう言う二重の枷の中でBLの世界観を展開する事が
出来るのかと言う実験サンプルとしての役割を
成り行き上課せられたこの作品、BLとしてきちんと
終わる事が出来るのかどうかと評者は終始ハラハラして
おりましたが、どうやら杞憂だった様です。
確かにBLとしてのストレートな描き方を出来ない分
読者が拍子抜けして…

3

ねくたいや コミック

歩田川和果 

処変われど

歩田川さんがdear+から単行本を出す、と言う
事実だけでざわついた気持ちになったのは
評者だけでは無かろうと思います。
それこそ評者は帯の時点で相当に違和感を感じて
しまいました。確かにこれもすくい取られた
歩田川さんの言葉ではあるのですが、なんとなく
感触が違うと言うか。
ですがそう言う違和感も頁を進めて行く毎に薄らぎ、
ああ、いつもの面倒臭い歩田川さんの世界かと
納得しなが…

3

トイレの王子様 コミック

タカハシマコ 

暗闇を一つまみ

2008年初出の作品から2013年初出の作品を経て
描き下ろしの最新作まで、寡作の中からようやく
拾い集めて成立した短編集。
ですがその腹持ちはと言えば…綿菓子を思わせる
装丁からは多分かけ離れている筈です。

そもそもタカハシさんの作品の中で円満な幸福と
言うのは実はかなり少なかったりします。
そう言う少し欠けた部分やずれの部分が色々な効果を
生みながら増殖し、やがて何かを導き…

3

ネクタイとカマキリ コミック

アユ・ヤマネ 

余白の陰影

この物語達は、本筋以外が割合に饒舌なので
読んでいて戸惑います。
本筋が饒舌なら節々だけを押さえて端折って
後からじっくり読み返そう、などと楽に棚上げも
出来るのですが、本筋が寡黙気味でともすれば
余白の余談がその補足に回っていたりする。
だから読み流した上で振り返ると意外な所の
ささくれに引っ掛かって前に進めなくなって
しまったりする。
素直な様でいて性悪なのだから始末に悪い。…

1

輝ける星 コミック

真柄うしろ 

あり得る弱さ

完全無欠な登場人物のいないBLなんて
興醒めで読みたくない、などと仰らずに
と薦めてみたい一冊です。
多分そこでツッコミの一つは来るでしょう。
このタイトルで完全無欠な登場人物の
いない物語は有り得ないだろうと。
評者はこう返すでしょう。
「自分自身を燃やして輝く星もある。
他の星が投げかける光を浴びて初めて
輝く事の出来る星もある」と。
輝きに対する回答は、一つではありますま…

5

君の待ってるコンビニへ コミック

フジマコ 

甘口カレーの良い後味

帯も帯だしどうせエロエロで押し切るつもり
なんでしょとお下品な気持ちでページを開いて
読み進めたら綺麗に裏切られて一本背負いを
喰らいました。
受の雄々しさと攻の女々しさを上手く遣って
ここまで読ませて戴ければ本当に満腹です。
勢いだけかなと思うと要所要所がきちんと
どっしりしているので上滑りしてないんですね。
だから読み直してみてもブレなく美味しく戴ける。
表題作と併録作、リバ…

4

その胸の赤を コミック

黒田リサ 

鍵となる赤

波乱含みの内容を上手く淡々と描ききった、
そう言う作品だと評者は読み取りました。
淡々とした理路整然の中に句読点として
折々に登場するトマト。
その意味する所は物語の中でさりげなく
語られていて、総タイトルに更なる深みを
与えています。
カバーと帯の赤のさりげない違いは偶然の
産物なのでしょうが、そこにも何かが込められて
いるのだろうかとふと考えてしまいます。
同じ赤。でも違う…

3

恋は仮面の内側に コミック

ムネヤマヨシミ 

ものの見事に

仮面と言う小道具を実に効果的に用いた物語でした。
出発点が出発点だっただけに真っ直ぐなんですね。
ひたすら真っ直ぐ。そしてその真っ直ぐな気持ちを
そのまま恋にスライドさせて繰り出して来るものだから
傍観者になる読者の立場としてはのた打ち回る程
気恥ずかしくてたまらない。
斜に構えた傍観者として居られたらああしてこうしてと
あらぬ方向に補完する事も容易いのでしょうけど、
……ああ駄目…

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