葡萄瓜さんのレビュー一覧

君も人生棒に振ってみないか? 東京心中(3) コミック

トウテムポール 

曲者揃いの人生行路

先のレビューにもありますし今後のレビューでも
きっと言われるでしょうが重ねて書きます。
この一冊だけを読んでこのシリーズの彼是を断じて
しまうとそれはもったいない事が起きます。
この一冊に至るまでの荒波谷底峰の先をこの際だから
把握しておくのは決して損じゃないと思われます。

さて、ほんとに色々と色恋上もそうじゃない部分も
ありまして迎えたシリーズ第3部4冊目。
タイトルが軽い様…

7

つまらない二宮さん コミック

平眞ミツナガ 

恐るべし

出版順で言うとこの本が平眞さんのデビュー単行本と
言う事になります。
……デビュー単行本からこの調子ですか。末恐ろしい。
短編映画を2本見終えて余りの余りに席を立てずにいる、
そう言う読後感です。
ドヤ顔を押し付ける様な決めゴマが無い分すっと気持ちの
隙間に入ってきて、静かに心をえぐって過ぎてゆく物語。
それは行き当たりばったりに積み重ねられた結果物語に
なったと言うものではなく、…

3

まほろばの日々 コミック

平眞ミツナガ 

想いの在り処

表題作も同時収録シリーズも、日常のすぐ隣に
あり得るファンタジーです。ファンタジーと
言うよりは少し軸足のずれた世界の物語、と
言う表現がふさわしいのかも知れません。
そう。表題作シリーズも普通の学園ものに見えて
実はファンタジーです。どんでん返しとともに
世界の見え方は一転しますが、その見え方が
切なくて透明で、素敵です。
正に「まほろばの日々」の記録でしょう。

三篇からな…

4

チョークの橋 コミック

歩田川和果 

交錯、そして統合

特別な事件を大仰に描くのではなく、
日常の中に埋もれたささくれを
丁寧に掘り起こして修復して行き、
そして現在進行形…と言う手応えの
物語です。

何なんだろう…評者にはこの作者さんの
絵柄についての世評の方が多分判りません。
読み返す毎にこの物語にはこの絵柄が良い、
と馴染んでゆくばかりで。
作風と画風、両方が足並み揃えて成長して
今に至った、そう言う感じですね。

幸…

5

愛してるって言わなきゃ殺す 東京心中 2 コミック

トウテムポール 

継続は…

この巻からこのシリーズを読もうと思ったそこのあなた。
悪い事は言いません。この巻の前にあたる『東京心中』上下を
読んでから手をつける事をお薦めします。
販促どうこうと言うのではないんです。
そうしないと話をじっくり味わう気持ちの余裕が生まれ難い
からです。
単純な様で色々背景が入り組んでますからね、このシリーズ。
ある程度前後をきちんと把握しとかないと隠れ挿話が不意に
飛び出してき…

2

東京心中 下 コミック

トウテムポール 

天然VS純情

この上下巻でドラマなら第一部・完と言う所ですね。
上巻がスピーディーな感があっただけに、この下巻では
展開が緩やかな感じがします。で、そう言う色交じりの
シーン描写の濃度も上がっているかなと。
実際登場人物達の空気の馴染み方がかなり練れた感じは
ありますね。マンネリと言う感じではなくて、一緒に
うねって更に展開を深めている感じ。
時々挟み込まれている29歳可愛いオッサンいじりは
そ…

4

東京心中 上 コミック

トウテムポール 

ホンマ性悪

表紙の情報量も半端なく多いしカバー下もきっちり
作りこんである。これで本文がスッカスカやったら
怒るでしかしと思い臨んだら…なんですかこの2時間
スペシャルドラマを5本くらい詰め込んだ濃厚さは。

で、まあ、何ですね。
見た目可愛いおっさんに純情なワンコ坊やが翻弄されると
言うのは王道と言えば王道なんやないかなと。
舞台がテレビ業界だという事で区切り区切りに山場と引きを
律儀に用…

5

研修医は小悪魔と踊る コミック

立野真琴 

クルリ、キラリ、クルリ

帯にね、ぎょっとしたのです。

「クソガキだと思っていたが、
信じらんないくらい
エロかった!!」
【実物通り改行しています】

…現在進行形で普通に少女漫画も描く
立野さんの作品にそう言う帯が付くのは
どうした椿事だという事でレジに向かった
訳でして。

そして手に取った本作はこれまた安定安心の
立野節。ツンだった人達のデレる瞬間が
絶品の作品でした。
立野さんの作…

5

in portrait コミック

平眞ミツナガ 

光と影の妙技

のっけから失礼な言い様ですが、絵のタッチから物語の
展開もかなり軽やかなのだろうな、と要らん見当をつけて
いたのです。
ところがどうして。予想以上に背筋の伸びた切れ味の良い
作品が詰まった一冊でした。
表題作とその続編、更に番外編に至るまでその人物設定の
使い方がとても丁寧ですね。設定から浮かび上がる人物像を
活き活きと動かして作品世界を構築しています。
表題作関連以外の作品は一作…

3

フェア・ゲーム 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

お見事。

かつて、男性同士の「関係」を主題にした翻訳小説が
続けざまに刊行された時代がありました。
今から20年少々前、1990年代前半の頃。ボーイズラブと
言う言葉がJUNEと同じ様に汎用語になりつつあった、
そう言う時代の事です。
でもその波は色々な条件が合わさった結果定着する事無く、
そして静かに退いて行きました。
もしその頃に本書が刊行されていたら、また何か時代が
変わったのかも知れ…

12
PAGE TOP