葡萄瓜さんのレビュー一覧

フラット-flat- コミック

オオヒラヨウ 

色々あって秀逸

単行本化にあたりカタカナで開かれたタイトルに
なったとの事ですが、その機縁が物語の旨味を
更に深めた様な気が致します。

普段の評者ならSMと言う設定に関しては余り食指を
動かさず、割に薄眼で読みつつ外堀から何とか埋めて
お茶を濁しているのですが、この作品はしっかりと
味わう事が出来ました。
それは何故かと言いますと、作品のタイトル通りの関係も
また成立していたからです。どう言う…

8

ラヴデリ コミック

茶古ねぢを 

脱力系肉弾戦

良い意味で屁理屈抜きの肉弾戦が展開されている
一冊です。だからこそ好き嫌いもかなり分かれる
でしょうが、そこはそれ、萌え萎えは銘々勝手と
言う事で。
評者はかなりさっくりと愉しませて戴きました。
肉弾戦も派生の心情も濃すぎるのは一寸…と言う方に、
とりあえずはとお勧めしてみたら程好いのでは
ないかと思われる一冊です。
心情描写は皆無と言う訳ではなく、肉弾戦からの
派生らしいあれこ…

3

ひだまりが聴こえる -幸福論- コミック

文乃ゆき 

神が拾ってその後に

この作品の厄介な所は、バイプレイヤーが
いても捨て役がいないと言う点です。
どんな登場人物にもそれなりの背景が
匂わされていて、そこが本筋に微妙に
干渉してきたりする。その結果、
通り一辺倒でない展開が生じる。
それをやるには創り手も底力が必要なんですね。
今回のこのページ数は、必然です。
物語自体がそれだけの紙幅を求めているのですから。

二重三重の壁をめぐる物語に丁寧に穿た…

7

センセイ・コレクション コミック

市ヶ谷茅 

情けなさが格好良い

大雑把な私見ですが、BLで取り上げられる
オヤジ・おじ様と言う存在は善悪問わず
どうも格好良さがいつも求められていて、
横から「肩肘張り続けて疲れませんか?」と
ツッコミを入れたくなる張り詰めた日常を
送って居る様な気がしてなりません。
ところがこの本に収められている作品群は
そこを見事に覆してくれる。
オヤジ・おじ様の裏表をきちんと描いた上で
それでもなお愛しいと思わせる手管が…

7

きゃっつ ~四畳半ぶらぶら節~ コミック

羽生山へび子 

下地は上々

単なる獣化ではなく、それぞれの特性を
取り込んだ上で仕立て上げたと言う所が
今作の捻くれた所。
そこでどうしても躓いてしまうなら無理せず
読みたい気持ちを寝かせて時と機会を
待った方が得策です。更に美味しくなる
でしょうから。

時代劇の中からお武家さんの彼是ではなく
街中の彼是を取り出した、と言うのが
味わい深いですね。
お武家さんはお武家さんで色々BL的に
美味しい要素…

1

拾集・若だんな コミック

夏目くも(くも) 

若だんなと言うナマモノ

今作では筆遣いが一寸柔らかくなった様に
感じますが、それはきっと描かれる世界観に
合わせての事なのでしょう。
それはそれでしっくり馴染んでいる所に
何とも老練さと言うか粋を感じます。

総題の通り若だんな尽くしとなったこの一冊、
こう言う視点で描かれる若だんなは結構珍しい
かも知れません。
大体が落語の与太郎の延長か鼻もちならない
小金持ちかそのどっちかの類型かと言う感じの

1

しあわせのはなし コミック

歩田川和果 

ホントにめんどくせぇ…

大前提として一言。
同じ版元さんから出た前作の様な
読み易さを期待してはいけません。
歩田川節フルスロットルな作品ですので
その辺も計算に入れて読まないと
要らんところで疲弊します。
それでもじっくり腰を据えて
読みたいとおっしゃるもの好きな方は…
ようこそ、魅惑の歩田川ワールドへ。

歩田川節フルスロットルと申し上げましたが、
それでも初心者向けにほんの少し
手加減はされ…

4

相生結び・続 コミック

 

あぐねる

淡々と続いていた日常の裏を垣間見て
しまった様な気まずさを若干覚えつつの
読了でした。
色々含みがあるからこそ成り立ってる面が
あるのは承知しているのですが、そう言う所へ
煽る様な帯をつけられてはね。
何処から何処までを落とし所にするつもり
なんだろうかと勘繰りたくもなる訳で。

収まりは良いと思います。
長くもなく短くもなく。
そしてもったりしつこくもなく。
まあしれっと…

1

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

おさめどころ

高評価を得る作品には二つのパターンが
あると評者は愚考します。
文句なくBLとしての傑作であるから
高評価であると言うのがおおむねの常道。
そして今一つは、BLと言い切ってしまうには
色々含みがあるのだけど、BLの文法を
使わないと落とし所が見つからない快作。
この作品は、評者にとっては後者にあたります。

では仮に、この作品がBLの展開を軸にして
構成されていたとしたら評者は…

7

ラストフライデイ コミック

絵津鼓 

緞帳加減

色々な面で(敢えても含んだ)寸止めを
心掛けた作品なのだろうか、と評者は
読み取りました。
寸止めを仕掛ける事で展開に疾走感を
持たせているので、ページ数の割に
あっさりと読めるのですが、敢えて
隠されていないほころびから少し深入りすれば
このページ数がむしろしっかり剪定された
結果なのだと思われるでしょう。

で、評者は不意打ちを喰らう訳です。
作中人物の口を借りたであろう…

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