葡萄瓜さんのレビュー一覧

赤松とクロ コミック

鮎川ハル 

こう化けるか

取り敢えず思考整理の為にこの方の前作に
寄せた拙評を読み返してみました。
…お洒落な方向に飛躍するのかと思ったら
随分意外な方向に飛距離を伸ばされた様で。

と、思いきやこの一冊丸々がデビュー作の
延長線上にあるという壮大なオチが…。
見事にハリセンチョップを喰らった心地です。

展開方法と言い設定と言い、しれっと暈して
なじませている感じですね。
起承転結を構えて崩している…

3

CANIS-Dear Hatter-#2 コミック

ZAKK 

今の所パセリまで

…よもや自分のレビューで予言なんて
大それた真似をしでかしてしまうとは
想定外でした。
スローペースもここまで骨太にやられると
いっそ天晴です。
下地はすでに出来上がっている訳だから
仕上げを早くしても良いだろうと思われる
向きもありましょうが、その下地がねぇ…
騙し絵が何パターン潜んでいるんだろうかと
いう厄介なシロモノですので、地下鉄の
搬入方法以上に気になってしまって仕方…

2

わが愛しのホームズ 小説

ローズ・ピアシー  ヤマダサクラコ 

再会の味わい

ほぼ20年振りの再読と相成ります。
この作品を評者が知ったのは確か大JUNE経由では
なかったかと。耽美の牙城・JUNEの世界観で
紹介される物語だからこう言う手応えが当然か…、と
ぼんやり考えていた記憶があります。
この物語でさえ単行本として刊行された後
ノベルズ化されずましてや文庫化もされず
恐らくは各図書館で時折好事家が発掘する以外は
海外文学の一冊として埋もれていたであろう…

6

ロング・ゲイン~君へと続く道~ 小説

マリー・セクストン/Sexton Marie  RURU 

重い軽さ

当事者にとっては背中を押す一冊に
なるかも知れないし、あるいは今一度の
熟考を促す一冊になるかも知れない。
そう言う存在ととりあえず受け止めました。
軸となる二人のバランス感覚故に
ただ重いだけの話からは免れていますが、
選択肢の表し方にも色々あるのだと諭す様な、
そう言う物語です。
そう言う世界観ですので穏やかな物言いで
あってもその意味する所には容赦がありません。
そこを乗…

6

狼の見る夢は 小説

J.L.ラングレー  麻々原絵里依 

補足込みの盛り上がり

前作でああ来ておいてこう来るかと言う三冊目。
暫しとっつきにくい感じはありますがページを
進める内に馴染んできて速度が上がってくるのは
毎度の話。
随所にさりげなく米国という国の中で人々がそれぞれ
どの様な立ち位置にあるかという事を囁いて
くれますのでそこさえ飲み込めれば読み易いでしょう。

入り込み易い要因としては麻々原さんの挿絵の
存在もあろうかと。
ただ一点難を言えば、筋…

2

あーちゃんはそばかすっコ コミック

九重シャム 

鏡よ鏡

よくぞまあこんなややこしい人達を
登場させたロマンスなぞ思いつくものだ、
と読後に軽く疲労を覚えました。
最初は苦手だった登場人物もページが
進む度に色々剥がれて可愛く思えてくるの
だから始末におえません。
…惜しむらくは帯がね…いや、いいんですけどね。
そこにどう追い込むかという視点で
読んでみるだけの話なんですが。

帯と梗概だけだと設定だけの話に思われて
しまいそうです…

2

中まで優しく掘って コミック

赤星ジェイク 

じわり後から

…流石に意表を突かれました。
タイトルが既に七割方ネタバレと言うのは
結構新しい作風ではないでしょうか?
ですがそれだけで済む作品なら評者は
こうして言葉を選んでおりません。
一筋縄ではいかない美味しさが残り三割の
中にじっくり染みこんでおりますので。

実に、巧みですね。
一歩扱いを間違えれば下品になる一方の
設定を細かい筋を少しずつ変えながら
滋味あふれるコースに仕立て、…

1

ヤングコーンの王子様 コミック

ナリ 

煮溶かせばポタージュ

作風と絵柄に良くも悪くもこの版元さんらしいと
言う安堵感を抱きつつ対峙したこの一冊。
一寸前なら確実にニューウェーブの一言で評価が
済まされてしまったんだろうなぁと不遜にも思い、
そして今の世に出た事に対し寿ぎを述べたく
なりました。
新しい部分もありましょうが、上手い加減で
温故知新も取り入れてあるのですね。
その辺のバランス加減が滋味あふれる寄せ鍋と
言う感じで美味しく戴けま…

2

HEARTY コミック

吉田ゆうこ 

未来予想図

甘口ではないですね。むしろ容赦なく辛口です。
心当たりのある人には塩を刷り込まれるより
しんどいかも知れません。
術はたしかに世間を渡るにはある程度要るもの
ですが、術の便利さに溺れると術を使った目的が
見えなくなってそこからどんどん見えなくなる
ものが増えてくる。
そう言う状態に良い具合に好い加減の腹パンチを
喰らわせてくれる世界観の物語です。
役割、立場が固定されていない様に…

4

雨だれの頃 コミック

桃子すいか 

深く眠る痛み

絵柄で甘く判断してかかると、多分火傷をする
一冊です。題材自体は決して甘くないから。

物語と本の構成から考えると、登場人物達の
歩いて行った先にはハッピーエンドがあるのだと
信じたい自分がいます。
が、それに反して本編の構成からもしかして、と
思ってしまう自分もいます。
そう言う、敢えての未完結感もこの作品の魅力
なのでしょう。好き嫌いは別れましょうが。

一昔前なら、きっ…

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