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渡海奈穂 依田沙江美
藤棚
若きカメラマン・伊原木が撮影に訪れた廃墟の島で、 理想の「廃墟の精」に出会って恋に落ちる話なのですが。 この廃墟の妖精さんは、バツイチの35歳です。 「廃墟の精」こと三島要。 彼は妻に離婚され会社も不当解雇されと、 踏んだりけったりで絶賛自暴自棄中。 やさぐれる三島を放っておけず、自宅へ連れ帰る伊原木。 伊原木と三島の奇妙な同居生活がスタートします。 仕事は出来るが、人の心…
紺野キタ
「ボーイズラブというより、ミドルエイジ(一部シニア)ラブ」 と作者が仰っているように、非常に平均年齢が高い作品集でした。 内容は主従有り、先生生徒有り、ファンタジーに百合も有る!と 盛りだくさんで、お得感いっぱいです。 表題作は若き執事(エリック)と、子持ちの主人(ローランド)の恋です。 自分が主だから、自分からの誘いをエリックは断れないのでは? 年上過ぎて、若いエリックに合わない…
松岡なつき 雪舟薫
「無機質な数字で認識されるだけだった人々は今や名を持ち、表情豊かな顔を持っている」 海斗はビセンテ達を知ることによって、スペイン側の苦難に思い至るようになります。 未来の歴史書で見た「スペイン人の死者約2万人」という数字の中に、 スペインで出会った人々が含まれている。 今までただの数字だったものが、ずっしりと海斗に重くのしかかって来るのです。 戦争には絶対的な正義と悪は存在しません。…
椎崎夕 街子マドカ
主人公の苦学生・亨は心の傷を抱えていて、 ある条件を兼ね備えた成人男性が苦手。 おまけに自己表現が苦手で、誤解を受ける事が多々あり、 なかなか辛い状況で生きています。 椎崎さんはネガティブというか、負の心理描写が地味に上手くて、 幸せよりも不幸せな状況を書かせると、実に筆が冴える気がします。 なのでこの方が書かれる「辛い状況におかれた主人公」は、 本当に読んでいて辛いのです…。 …
高岡ミズミ 奈良千春
女に追い出された伊佐がセレブで綺麗な男・田宮に拾われて、肉体関係に。 BL的にもありがちだし、二人もあっさりと体を繋いだので。 可もなく不可もなくというか、読んでいてあまり気持ちは盛り上がらなかったのですが。 終盤、自分の身を案じた田宮に命を懸ける決意をした伊佐に、 心拍数がドンと上がりました。 初めて自分を心配してくれたひと。命を張る理由に十分と言う伊佐。 これまで人(特に母…
うえだ真由 やしきゆかり
「可哀想な受けが好き」と仰るうえださんが、 力いっぱい可哀想な設定で描いた瑞。 気の毒な身の上でありながらも明るく振舞う姿は、健気で涙が出ます。 そんな瑞を預かる事になった、はとこの圭祐。 まだ遊びたい盛りの17歳のはずが、自己主張を一切せず、 控えめな瑞の態度を暗く重く感じ、彼と距離を置こうとしますが。 瑞と暮らすことによって、圭祐に変化が訪れます。 人に対する思いやりがや…
松岡なつき 波津彬子
1960年。発掘作業に勤しむ考古学者・アレンがタイムスリップ。 彼が時空を越えて辿り着いたのは、紀元前のエジプト。 そこでファラオの弟・ネフェルと出会う。 アレンが考古学者という設定なので、 歴史に詳しく古代エジプト語にも精通しています。 タイムスリップ先でも会話等には苦労しません。 大航海時代マニアの少年という設定を活かした『FLESH&BLOOD』同様、 この辺りは上…
依田沙江美
依田さんは小説の挿絵ではよくお見かけしていましたが、 マンガを読むのは今回が初めてです。 コミカルなんだけど切なくて。可愛い絵柄ですが、時々とっても色っぽい。 そんな依田ワールドが心地よく、ハマりそうです。 特に私が好きなのは、勇気と昇の馴れ初めを描いた表題作。 「餓えた心が待ち焦がれていた 慈雨だったのだ」 昇との出会いをそう語った、勇気のモノローグが印象的でした。 誰…
うえだ真由
本編『この唇で、もう一度』では、泣かせる理由で幸せになることを 自ら拒んでいた薄倖少年・瑞が! やっと亡くなった家族への気持ちに折り合いをつけ落ち着いたというか、 幸せになることへの抵抗がなくなっていたのが良かったです。 瑞は本当に気の毒な少年だったので、彼が幸せになることが嬉しい!! そして年の離れた恋人・圭祐が思いがけず見せた子供っぽい嫉妬心に、 喜びを感じる瑞。二人ともバカッ…
うえだ真由 大和名瀬
メロドラマ・王道ベタ展開が大好きなうえだ真由さん。 『スノーファンタジア』『Missing You』に続き、 冬場のベタシリーズ第3弾となる今作品。 読者の期待を裏切らず、今回も大変ベタでした。 一帆はとある事情で同居している兄代わりの悠久に片思い中。 二人の出会いは一帆4歳・悠久16歳。 幼い頃から兄弟同然に育った二人。しかし一帆はいつしか兄以上の気持ちで、 悠久を見ている自分…