crystさんのレビュー一覧

ぼくは灰も残らない恋がしたい コミック

ユキムラ 

大人!

まずはこれまでのユキムラさんらしくない表紙にがつっと持っていかれました。すごくいい。もともと味わい深い作品を書かれる方だと思ってましたが、こういう表情はイメージじゃなくて、でもすごくいい。それだけでずいぶん評価アップだった上に、内容もとてもよかったです。

表題作は言葉にするなら切ない恋のお話なのですが、これを言葉なんかで説明してしまうともったいない気がします。心の機微が作品の雰囲気を作り出し…

5

COLD HEART in NEWYORK 小説

木原音瀬  麻生ミツ晃 

救済のお話

これ、木原作品の中で一番好きです。趣味悪いかもしれないけど。

木原作品って一貫してどうしようもない人が救済される話を書いている人だと思いますが、秋沢はその中でも一、二を争うクズ野郎(現時点)。登場人物のクズ度合いは年々更新されて行っているのでそのうち「あいつはまだ甘かった」と思う日も来るのかもしれませんが、まぁクズです。
本当にどうしようもない奴なのですが、ただ木原作品を読んでいると、周り…

12

蟷螂の檻 2 コミック

彩景でりこ 

早く続きを

2巻で終わらないことがうれしいような切ないような。もっとこのお話が読めるのはうれしいんですが、まだまだどう転がっていくのか予測がつかないので、生殺し感に悶えてしまいます。早く続き読みたい。

ちゃんとお話は進んでいろんな疑問の理由も明かされるのに、関係の不安定さは1巻となんら変わらないというこの不思議なバランス。そういえばバランス感覚が異常に優れた作家さんでしたね。それが魅力でくせになってしま…

4

蟷螂の檻 1 コミック

彩景でりこ 

神評価超えて殿堂入りさせたい

久しぶりにがっつり背徳感のある作品が読めた気がします。
彩景さんのシリアスは本当に好き。エロじゃなくて淫靡をうまく描いてくれる稀有な作家さんだなぁと思いました。
実力のある作家さんなので何を読んでもそれなりに面白いのですが、こういう題材はまず好みなうえに、こんなにがっぷり書いてくれる作家さん&出版社が少なくて(ニーズが少ないのでしょうか?)不満だったところに、キタコレです。昭和レトロダーク系と…

17

楚川と要一 コミック

阿仁谷ユイジ 

黒ユイジの強烈な鋭さ

男子迷路の浮気話。

BLて浮気NG感半端ないジャンルだと思ってますが、そこにこの浮気話。それも結構本気の重い浮気です。なので、ダメな人は絶対ダメだろうなぁ。

でも、私は好きです。いや、浮気はダメだと思ってますが、黒ユイジ炸裂していてその背徳感?禁忌感?何やら真っ黒い雰囲気が神だなぁと。
本編でも楚川って何考えてるのかわからないし、こいつ絶対裏があるだろってキャラ。その裏側が読めました…

3

ROMEO 1 コミック

わたなべあじあ 

代表作の予感!

なんて美しい表紙!!先に電子配信されていたので購入を迷いましたが、この表紙だけでも買った甲斐があったというものですよ。画面もすごーく見やすくなってて、これからが黄金期なんじゃないかと期待しています。
今までのシリーズからがらりと変わって全く新しいシリーズになっていまして、しかも続き物~!早く次が出ないかとわくわくしてしまいます。

攻めの貞操観念のせいで両片思いから先に進めない二人が切なくて…

5

王に純潔の証を捧げ 小説

宮緒葵  雪路凹子 

突き抜けて楽しい

宮緒さん、ぶれませんねw素晴らしい。面白かったです。ひとつのジャンルにしてもいいんじゃないかと思えるほどの強力な宮緒ワールドが存分に味わえました。

この馬鹿馬鹿しいほどの仰々しさと変態っぷりが楽しい。そして、飼い主がドンびくほどの忠犬?ぶりがw
純真で一途に尽くすセリオスを手玉に取ってやろうと翻弄する受け様ですが、きっと普通だったら立派な女王様受けなんでしょうが、この予想を超えた執着ワンコ…

5

b-BOYアンソロジー エロとじ♥ 悦 小説

コスパ最高

はじめてエロとじシリーズを買ってみましたが、思ったよりも良かったです。ひとつひとつのお話がちゃんと完結していて、それぞれ趣向を凝らした設定。その上、イラストも各話の表紙のみなのに、雄弁に内容を表現していて満足感あり。そして裏表紙下の方に書かれた煽り。「ダイオウイカ攻め」!?と、てんこ盛りな内容でした。

「眠りの森のノワール王」秋山みち花/稲荷家房之介
タイトル通り童話の眠り~のパロディ。あ…

10

画家と音楽家 コミック

  ARUKU  

至宝の完成度

この作家さんの魅力が余すところなく発揮された一冊だったと思います。短編集であることが最大限に活かされていて、素晴らしかったと思います。と思ったらこれ、「傑作集」だったのですね。納得。
持たざる人の乾いて冷え冷えとした空虚と、さえぎるものが何もないがゆえの明るさが、硬質で儚い線と白い画面に満ちていて、独特の端正さが現実の刃の鋭さのようでした。行間の豊かさは文学作品のように味わい深く、広大な景色をた…

4

ruin -傷- 小説

六青みつみ  金ひかる 

病んでいく描写のリアルさ

これは読んでてつらかった。カレスがあまりにも不憫すぎて・・・。
ライオネルがほんっとうに最低で、最後まで苛つきました!なに、この馬鹿男!薄雲様の評の通り、どうしようもなく鈍感でデリカシーがない。う・え・に!親友だとか言って、しゃしゃり出てくる厚かましさが、限りなくウザい!!そんでまた、タイミングよく倒れてくれるエリヤも超ウザい!
と、激しく憤っているけれど、神評価。
それはひとえに、病んでい…

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