chill chill ちるちる

崎谷はるひがエロい!

崎谷はるひがエロい!
  評者 編集部
 2009年の崎谷はるひは狂ったように作品を発行し続けた。
そしてちるちるでも常にアクセス数は他の作家を引き離してダントツトップだったのは彼女である。

「2009年に至っては、ノベルスの文庫化を含めて15冊が刊行された。そのほかに原作のコミックスが数冊発売にもなった。そして本人は公式ホームページを運営し、作品情報や日記をかなりの頻度で更新している。書き下ろし掌編の配信までやっている。ここまで来ると、崎谷はるひって何人いるの、と聞きたくなる。CLAMPみたいに、崎谷はるひっていう作家集団なんじゃないのかと思えてくる。そんなばかな」

とまゆみさんがコラムに書いているように、分身の術を使っているかのような大車輪ぶりである。これだけ書き続けると、才能もすり減ってくるものだが、いっこうにその質は変わらない。すごすぎる!

興味深いのは、崎谷作品を読むひとによって激萌えする読者、意外と噛み切れず飲み込めない読者もいる、ということである。
これだけの人気作家でありながら、一定層の読者に拒否反応を示されてしまうのは以前、特集で取り上げた木原音瀬も同じである。
その質の違いはあるが、BL界の超売れっ子の共通点は、読者が苦手意識を持つようなアクの強さが求められることなのかもしれない。

はちみつみたいにベタベタと手についてとれないしつこいエロ。振り払おうとしても振りほどけない超密度。この特濃の味がやみつきになって止められないのである。
上品な味付けの高級料理は、恋焦がれるほどに食べたくなることはない。しかし胃もたれするけど止められない体に悪い食べ物ほど、人はたまらなく欲しくなるのである。
崎谷はるひはその真理を巧みに操っているのかもしれない。

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