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【おすすめBLレビュー】SM調教、10年ものの片思いなどBL5作品レビュー!

2019/07/12 18:00

こんにちは、電子書籍ストアのBookLive!です。
最近発売されたBL漫画のおすすめをご紹介♪
注目のデビューコミックスから、隠れた名作まで、BL担当書店員が熱く語ります。

知ってしまったら抜け出せない、絶対服従の快感『車輪の下』

  • 車輪の下 【電子限定特典付き】
    車輪の下 【電子限定特典付き】
    真行寺ツミコ
    734円 (税込)


    男友だちの前では“硬派な友くん”を、女子の前では“女にはモテるがセックスにはあまり興味がなく「淡白でクールな友くん」”を演じてきた大学生・佐藤友。そのせいで人前でありのままの自分をさらけ出すことができず、結果オナニーにハマり、さらにはアナニーにまで手を出してしまいます。そのせいでちょっとした刺激で発情してしまう体になり、めちゃくちゃに犯されたい願望まで芽生えてきた友は、意を決して新宿二丁目を訪れ、そこで大学の同級生・篠田に出会い……。

    女性的で端正な顔立ちをしていつも女子に囲まれていることから、やっかみ半分に「あいつホモじゃないの?」と、男子学生の間では爪弾きにされている篠田。そんな彼が友のマゾ性を暴き、まさに犬を躾けるかのように淡々と調教していく様があまりに鮮やかで、全国の性癖こじらせ侍のガッツポーズが止まりません!
    恋人同士のような恋愛感情ではなく、“飼い主”と“ペット”という絆で結ばれているのが2人の関係。篠田自身は友を抱くことはなく、犬同士を遊ばせるように他の男子生徒と友を抱き合わせたり、“愛犬家”が集うサロンに同伴したりするのみ。友も篠田に愛されることではなく、「篠田に服従すること」に快感を感じるようになるという、この完璧なSM調教、中毒性がすごくて少なくともあと100万回は読みたいです……!

    真行寺ツミコ先生の前作『ヴェリタス』(竹書房)でも、ペットプレイ描写が出てきますが、こちらの作品の主人公・シャノンは誰にも服従しないネコ科の大型獣のような男。危うく蠱惑的な男が諜報員として活躍する、シリアスで倒錯的な物語です。

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本当の愛が欲しくなったから蛍は死ぬことにした『蛍は明日死ぬ』

  • 蛍は明日死ぬ
    蛍は明日死ぬ
    斉川冬
    648円 (税込)


    聴色の髪に赤いピアス、猫目で口元にほくろがあって、ちょっとビッチだけど本当はすごく寂しがり――ある小説の主人公の少女「蛍」にずっと恋をしている男子高校生・浅田。彼の目の前に「蛍」にそっくりな男子生徒・二宮が現れ、衝動的に告白してしまい、2人は付き合うことに。見た目だけじゃなく、好きな食べ物もちょっとビッチな振る舞いも「蛍」そのものの二宮。溺れるようにして、「蛍」すぎる二宮にハマっていく浅田ですが……。

    浅田の告白をきっかけに付き合い始めた2人は、まるで盛りのついた猫のように互いを求め合います。同級生の男子なのに、年上のお姉さんのようなエロさと包容力を兼ね備えた二宮。こんな男子高校生がいたらマジで人生狂わされます……。
    その面影を追い求め続けていた「蛍」を手に入れて有頂天な浅田ですが、クラスメイトの大野と一緒にいるときの二宮が、自分の前で見せたことのない愛おしむような笑顔を浮かべているのを目撃してショックを受けます。二宮の本当の気持ちはどこにあるのか、どうして「蛍」は死んでしまうのか――その理由はコミックスで見届けてください。

    本作がデビュー作の斉川冬先生。この画力に、文学性漂う世界観を描ききる筆力……。読み終わった瞬間から次回作が楽しみになってしまいます。総員、次作まで全裸待機せよ!!!!

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どこまでもかっこよくキマらない。だが、それがいい『ただ思うことは』

  • ただ思うことは【特典ペーパー付】
    ただ思うことは【特典ペーパー付】
    まさお三月
    702円 (税込)


    高校時代から十年来の友人である友貴と広也。社会人になってからも、時々電話をしたり飲みに行ったりと一見良い友人同士の2人ですが、友貴は広也にずっと片思いをしていて……。ゲイではない広也と一緒にいるには親友というポジションが一番だと割り切ろうとするものの、広也の言葉に一喜一憂して、もう1人の親友陽一に愚痴る日々でした。しかし、ある朝自宅で目覚めると、全裸の広也が隣に……!?

    10年ものの片思いというと、歴戦の腐女子ならそのワードを聞いただけで泣けるほど“切ない系”を代表するテーマ。しかし本作は良い意味でそれを裏切ってくれます。
    言葉足らずで高校時代から「通訳が必要」と言われていたド天然・広也。さらに、広也の通訳をしていたほどしっかり者の友貴も恋愛が絡んだ途端にポンコツ化するのですから、一筋縄ではいきません。壮大なすれ違いを繰り広げる2人のやり取りはまるで、某コント仕掛けのスペシャリストのようで、思わずクスリと笑ってしまいます。まさお三月先生独特の間で、ボケたり突っ込んだりするやり取りが本当に愛らしくて、母性に似た謎の感情が芽生えてしまう……!
    また、この面倒な2人を見守る陽一・都カップルの振り回されっぷりも素晴らしく、特に真顔で正論しか言わない都ちゃんのツッコミ力は惚れるしかないレベルです。

    『求めてやまない』(新書館)では横柄な客とカフェ店員が惹かれ合い成長していく物語を描き、『夜が明けても』(新書館)では恋愛にトラウマを持つゲイ男性が元ノンケとの恋愛を通して立ち直っていくさまを描くなど、優しい世界観が魅力的なまさお先生。心にじんわりと沁み入る恋物語に癒やされます。

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触るな危険。人でなし✕人でなしの恋が破滅を呼ぶ『コオリオニ』

  • コオリオニ
    コオリオニ
    梶本レイカ
    648円 (税込)


    舞台は90年代の北海道・札幌。エスと呼ばれる情報提供者たちを巧みに飼いならし、拳銃の摘発で頭角を現していった刑事・鬼戸は、美貌のヤクザ幹部・八敷と出会います。互いの利益のために手を組んだ鬼戸と八敷。拳銃の違法摘発にクスリの密輸入など、イリーガルで危険な潜入捜査に身を投じていく彼らは、その果てに一体何を望むのか……。

    どこまでもダークでシリアスでありながら、途方もない希望をも感じさせる作品でカルト的人気を誇る梶本レイカ先生。2016年に出版された話題作『コオリオニ』がついに電子書籍化されました!
    「俺はただ言われたことをやっているだけだ」と常識人のふりをして、平然と違法捜査を行う悪徳刑事・鬼戸。そして、“囚われのお姫様”を演じながら欲望のままに生きる“稀代の悪女”八敷。刑事とヤクザという正反対の立場にありながらどこか似た者同士の2人は、まるで互いが互いのファム・ファタルであるかのような関係に。一緒にいれば破滅を免れないのに、離ればなれになるくらいなら死んだほうがマシ。そんな欲望と切実さに満ちた恋情に、苦しいほどに胸が締め付けられます。しかし、鬼戸と八敷の間に悲壮感はなく、自分たちの欲望に向かって突き進む姿には、むしろ輝きをまとっているように見えるのです。

    最新4巻が同時期に出た『悪魔を憐れむ歌』(新潮社)も警察官が主役のクライムサスペンス。猟奇殺人を繰り返す悪魔と事件を追い続ける刑事たちの奇妙な関係から、人間の欲望をリリカルかつ魅力的に描き出しています。人間のどろどろした部分を毅然と描くからこそ、そこに浮かび上がってくる愛の美しさが胸を打つ梶本先生作品。読めばあなたのBL観、いや人生観が変わるはずです。

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場末の探偵事務所に集いし4人の男たちの運命の行方は?『東雲探偵異聞録』

  • 東雲探偵異聞録
    東雲探偵異聞録
    たらつみジョン
    648円 (税込)


    くたびれた色気を漂わせる探偵の和貴、彼に思いを寄せるアルバイトの男子大学生・理科、元警察官の東雲所長に謎の美青年・星彦の4人が東雲探偵事務所の面々。迷い猫探しから幽霊退治までなんでも引き受ける探偵事務所に、今日も不思議な依頼が舞い込みます。

    舞台となる東雲探偵事務所は「路地の裏の裏の裏」にある「それはそれは怪しい汚い」雑居ビルの中にあります。そこにいるのは一癖も二癖もある男たちばかり。このノスタルジックで不穏な雰囲気がたまりません……! 理科を除いた事務所メンバーの間で共有されているいくつかの秘密、そこから醸し出される不思議な親密さも読み手の心をぐいぐいと惹きつけます。
    秘密を持たない理科は1人蚊帳の外状態ですが、そんな彼だからこそ和貴の本心に触れることができるのです。あまりにも辛すぎる和貴の過去を聞かされたときには、ぐっちゃぐちゃに泣きながらも「抱きしめたかったです あなたを」と真っ直ぐな思いをぶつける理科。ドライでスタイリッシュな世界観の中で、力強く描かれた感情が、鮮やかに胸を揺さぶります……!

    前作『アルコホール・コミュニケイション』(ホーム社)では歌舞伎町のスナックバーを舞台に、繰り広げられる人間模様を描いたたらつみジョン先生。失恋を引きずる社会人や卒業制作に燃える芸大生、元バンドマン、フリーターなど夜の街に集う、輝ききれないけれど愛おしい人々の等身大の恋愛にほっこりさせられます。

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