ちるちる談話室:BLファンの掲示板 「雑談」



俎上の鯉は二度跳ねる について質問

匿名

12/03/13 23:11

回答数:4

「俎上の鯉は二度跳ねる」、とても好きな作品なのですが、どうしても引っかかる部分があります。
人それぞれ、見解は異なると思うのですが、よろしければ、みなさんの見解を聞かせてください。

■なぜ大伴は携帯にロックをかけたのか?
まだ完全に自覚してなかったとはいえ、あの段階では既に今ヶ瀬をかなり好きだったはずなのに、無防備だったはずの大伴が、なぜ携帯にロックをかけたのでしょうか?
やましい気持ちがあったから?
今ヶ瀬に余計な心配をかけたくなかったから?
面倒な痴話喧嘩を避けたかったから?
大伴はどんな心境だったのでしょうか?

■別れた直後は、自分を責めていた大伴なのに、再会した際、出て行った今ヶ瀬を責めていたのはなぜか?
確かに、先に「終わりにしましょう」と言って別れを切り出したのは今ヶ瀬だから、自業自得だと責めるのも分かるけど、
「ダメじゃないって俺が言ってやらなきゃいけなかったんだ」「自分は卑怯な人間だから一生一人でいればいいんだ」と、あんなに自分を責めていたのに、
再会した時に、「出て行ったのが悪い」と今ヶ瀬だけを責めていたのはなぜなのでしょうか?

■再会した時、なぜ大伴はあんなに冷たかったのか?
前の質問と少し似てるのですが、大伴はなぜあんなにも冷たかったのでしょうか?
たまきという恋人を傷つけたくないから、今ヶ瀬に本気で諦めさせようとしていた?
それとも今ヶ瀬の本気を試していた?
なぜあんなに冷たかったのか、どのあたりから今ヶ瀬を引き止めるつもりだったのか、ぐーるぐーる考えています。

■今ヶ瀬のことが好きなのに、たまきのことも好きになれるのか?
大伴は、今ヶ瀬と別れた後も、実は今ヶ瀬のことを引きずっていたのではないかと私は思ってるのですが、それでも他の人を好きになることができるのでしょうか?
今ヶ瀬に対する思いと、たまきに対する思いは、また別の感情なのでしょうか?

■「窮鼠は~」のラストと比べると、「俎上の鯉は~」の始まりで、大伴のテンションが下がっていたことについて。
「窮鼠は~」のラストでは、あの大伴が、衝動的にタクシーに乗り込んだり、感情を剥き出しにしたりするほど、吸殻も捨てられないほど、今ヶ瀬のことが大好きなように見えたのに、激しい感情だと感じられたのに、
「俎上の鯉は~」の始まりでは、曖昧な関係のままだったのはなぜでしょうか?
「窮鼠は~」のラストを見る限り、あんなに嫉妬心剥き出しで、あそこまで感情をぶつけて、「今すぐ別れろ」と言って他の男ともその場で切らせたのに、恋人にならなくていいものなのでしょうか?

長くなってしまい、すみません。
大好きな作品ゆえに、ぐるぐる考えてしまっているのですが、もし気が向いたら、見解を聞かせていただけると嬉しいです^^
よろしくお願いします!







回答一覧

4. 回答ありがとうございます!

ピピン様、またまた回答ありがとうございます!!
私の小さな呟きにも答えてくださり、本当にうれしい^^

前回同様、分かりやすい説明で、なるほど~!と納得です。
こんな質問に、時間を割いて丁寧に回答してくださって、ありがとうございます。
ピピン様のおかげで、だいぶスッキリできたし、前よりもっとこの作品が好きになりました!

それにしてもピピン様、私から見たら、かなり深いですよっ。
ほんとに、ゆっくり話を聞かせてほしいくらい、ピピン様の意見を読んで、気付かされることばかりです。
私って随分ボーっと読み進めてるんだなぁ・・と思いました^^;

> 男女全ての登場人物が、みな善人でも悪人でもなく、同じように卑怯でずるくてしたたか
ほんと、そうですね。たまきちゃんも意外としたたかですもんね。でも個人的に、たまきちゃんはもっと汚い部分を出してくれた方が、もっと好きになれたかなぁ。いい子過ぎるシーンが多かったけど、もっとさらけ出してほしかったというか。
そういう意味で、私は今ヶ瀬が一番好きです。必死な今ヶ瀬が、本当に可愛かった!

たまきちゃんは、ほっといても絶対幸せになれるだろうし、恭一じゃなくても大丈夫だろうけど、今ヶ瀬には恭一しかいないと思うから、恭一とずっと幸せでいてほしいなぁ・・と思います。

3. お礼をありがとうございました

ピピンです。
お礼をありがとうございました。
え? 「深い」かな? 一意見と思ってくださいませ。他の方の意見も是非伺いたいですね。

補足なんですが。
>ちなみに、自分の誕生日をパスワードにしてメールを隠したことで更に傷ついていたけど、なぜそこでそれほど傷ついたのか、それも未だ理解できず・・^^;
いやいや、私は自分自身に置き換えて考えたら、自分の彼氏にこれをやられたら、ものすごっく傷つきますね。
例えばね、自分の彼氏が他の女の子にも目移りする性質だと許容はしてないが「性格なんだから仕方ないか」と一種諦観の域で、同棲していてね、携帯にロックがかかっていた。「またかい、もう!」とあらゆるパスワードを入力してチェックを試み、自分の誕生日がそれだった! おい、他の女の子のメールを隠すのに、とっさに思いついた絶対に忘れない数字が私の誕生日ってどーよ!? わたしゃ既に空気かよ? しかも、あんた、無意識にこの数字選んだだろ、余計タチが悪いわ! 怒りと情けなさと、相手のあまりの無神経さに気が遠くなると思います。

私がこの作品をBL作品だと思わない最大の理由は、今ヶ瀬のライバルはすべて女性だというところなんです。
正直、自分の彼氏に今ヶ瀬みたいなリアルゲイがまともにモーションかけてきたらを想像すると、戦慄しますね。はっきり言って勝てる気がしない。
BLは女性向けのファンタジ-なので、女性が恐怖を覚える作品はまず書かれないでしょう。
でも「窮鼠はチーズの夢を見る」と「俎上の鯉は二度跳ねる」は、女性が自分をたまきや前妻に置き換えて考えると、戦慄を感じてしまう話なんですよ。
また、登場人物の女性も負けてませんけどね。
夏生が大伴に復縁を申し出るときの台詞、
「…ちょっと長いケンカが終わったって考えてみない?」
上手い!! 膝を打ちましたね。
自分の彼氏が、元カノに自分のあずかり知らぬところ(ちょっと懐かしめの同窓会風食事会)でこんなこと言われていたら、こえーよ、ふつーの男ならくらっとくるよ。
男女全ての登場人物が、みな善人でも悪人でもなく、同じように卑怯でずるくてしたたかな、この作品が大好きです。

3

2. 回答ありがとうございます!

こんな質問に答えてくださる方いるのかなぁと思っていたのに、早速回答いただけて嬉しいです!
ありがとうございます^^

ピピン様の考察力、すごいですね。
私では、なかなか考え及ばないところまでの見解を教えていただいて、とっても興味深く読ませていただきました。

> 条件反射で「やべ!」と思ってロックかけちゃった
⇒すごく説得力あります!詳しく説明していただいて、なるほど~と納得しました。
> 自分は特別じゃなかった、同じだった。今ヶ瀬のショックはこれ
⇒これは目から鱗でした。私は、無防備だった恭一がロックをかけたってことはやましい気持ちがあると今ヶ瀬は思ったのかな~と、そこまでしか考え及びませんでした。すごく参考になりましたー^^
(ちなみに、自分の誕生日をパスワードにしてメールを隠したことで更に傷ついていたけど、なぜそこでそれほど傷ついたのか、それも未だ理解できず・・^^;)

> 今ヶ瀬が「一緒にいたい」「一緒にいる」と自分から決意しなきゃ、自分たちは前に進めない。から、今ヶ瀬が期待するようなことは一切言わない
⇒わー、これスゴイ!かなり納得です。すごいスッキリしました。質問して良かった~^^

> 大伴は、「流され侍」で「来るもの拒まず去る者追わず」ですから、できるんですよね~。つらいときに優しくされたら、ふらふら~っと
⇒なるほど、そうなんですね~。あんなに今ヶ瀬のことが好きなのに、なんでー?と悲しかったのですが、そういうものなのか・・。

> たまきもわかっているんですね、自分は失恋したばかりの男の心につけ込むのだ、「あたしも卑怯です」と。そして月日が経てば期待してしまう、「自分は特別になれたのではないか?」と。でも、やっぱりなれなかった。努力や献身が報われるとは限らない。人間はなんとずるい生き物か、「あたしも卑怯です」と言っておきながら、その愛が報われなかったことに泣いてしまう。絶望してしまう。
⇒深いですね。こういうところまでは、私ぜんぜん考えてませんでした。その深い考察力、うらやましいです。

> 「今すぐ別れろ」と言っちゃった義務感で大伴に誠実な恋人になられてもねー、今ヶ瀬はすぐ実を見ぬく
⇒そのとおりですね。
あれだけ激しく独占欲を剥き出しにしても恋人にはならないところも、この作品がそれだけリアルということなんでしょうね。
読み終わった後にもずっと考えちゃうようなお話は、この作品が初めてです。でも、大好きな作品です。

もうほんとに、お茶でもしながらゆっくり話を聞きたいくらい、すごーく参考になりました!!
ありがとうございました^^

1. BL作品ではないから

もしかしたら、私の見解は質問者さまの、美しいイメージをぶっ壊すかもしれません。だったら、ごめんなさい。

私は、水城せとなさんの「窮鼠はチーズの夢を見る」と「俎上の鯉は二度跳ねる」は、BL作品の範疇に入らないと思っています。
ですから、少女マンガやBLの美しいお約束「一人の人に恋をしたら貞操を守る」「恋をする相手はいつも一人だけ」があてはまっていないんですよ。この2作品を読んで、「恋というのは究極にエゴイスティックな感情であることよ」と思いました。作品として非常に好きです。

■なぜ大伴は携帯にロックをかけたのか?
たぶん、条件反射。
大伴は、「流され侍」で「来るもの拒まず去る者追わず」で、自分から恋をしたことがなく、好きになってもらえたら応えましょうという人間なんですよ。
で、たまきちゃんからちょっと可愛めのメールをもらったので、条件反射で「やべ!」と思ってロックかけちゃったんだと思います。たぶん前妻を含めてそれまで付き合ってきた女性にも、相手の機嫌を損ねないためにいっつもやってきた行動で、深く考えていなかったのだと思います。
そして、それを見た今ヶ瀬は、自分が大伴のこれまでつきあってきただろう女性と同じ扱いを受けたことに気づいて、傷つく。これは今ヶ瀬も勝手なんですが、彼の心の中には「大伴にとって、自分は、彼がこれまで付き合ってきた女性とは違うのだ、特別なんだ」というプライドや自負があったんだと思うんですよ。でも自分は特別じゃなかった、同じだった。今ヶ瀬のショックはこれだと思います。

■別れた直後は、自分を責めていた大伴なのに、再会した際、出て行った今ヶ瀬を責めていたのはなぜか?
■再会した時、なぜ大伴はあんなに冷たかったのか?
今ヶ瀬は、「相手がどう思おうがかまわない、自分が恋していることが一番大切」な人間だと、自分で言ってます。すごーく勝手でしょ。
大伴がどう思おうがかまわないんですよ。大伴がどんなに掻き口説こうが引きとめようが、今ヶ瀬が「だめだ」と思ったら「だめ」なんです。
その今ヶ瀬が「やっぱり好きだ」と言う。
でも大伴はもう知っているんですよ、この男に「一緒にいてほしい」と言っても無駄だと。今ヶ瀬が「一緒にいたい」「一緒にいる」と自分から決意しなきゃ、自分たちは前に進めない。だから、今ヶ瀬が期待するようなことは一切言わないんだと思います。

■今ヶ瀬のことが好きなのに、たまきのことも好きになれるのか?
大伴は、「流され侍」で「来るもの拒まず去る者追わず」ですから、できるんですよね~。つらいときに優しくされたら、ふらふら~っとなりまさあね。
でも、たまきもわかっているんですね、自分は失恋したばかりの男の心につけ込むのだ、「あたしも卑怯です」と。そして月日が経てば期待してしまう、「自分は特別になれたのではないか?」と。でも、やっぱりなれなかった。努力や献身が報われるとは限らない。人間はなんとずるい生き物か、「あたしも卑怯です」と言っておきながら、その愛が報われなかったことに泣いてしまう。絶望してしまう。

■「窮鼠は~」のラストと比べると、「俎上の鯉は~」の始まりで、大伴のテンションが下がっていたことについて
現実的な話、一時の衝動で燃え上がった恋も、燃え上がったまんまのままって、あまりないと思いますよ。恋を維持をしていく中でテンションは下がったり停滞したりするでしょう。恋をするのはかんたんだけど、恋を維持するのは難しいと言われる所以ですね。
ある意味正直ですよね。「今すぐ別れろ」と言っちゃった義務感で大伴に誠実な恋人になられてもねー、今ヶ瀬はすぐ実を見ぬくと思いますよ。

う~ん、こんな風に私は思いました。

3

この質問に関する回答は締め切られました

PAGE TOP