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ストーリー重視のあなたへ。もう読んだ?2016年デビュー新人作品その2【センシティブBL】

2017/01/23 11:18

2017/10/22 13:34

新たなBLの夜明けに括目せよ!2016年商業デビュー注目作家



 

近年稀にみる豊作だった2016年の新人さんにフィーチャーしたBLアワード直前企画の第2弾をお届けします!今回も記者のレビューを交えながら、それぞれの作品の魅力をご紹介します。

第2回となる今回は、ストーリー重視なセンシティブBL特集!読後の余韻に浸れる作品を集めました。


■早寝電灯『半壊の花』



 

どんなに長いこと会わなくても、俺はおまえらのこと絶対に間違えたりしない──。

高校時代、そっくりな双子の兄弟・ハルとユウを唯一見分けることができた豊樹。三人の関係はうまくいっているように見えたが、高校卒業と共になぜか双子と連絡が取れなくなってしまう。そして数年後、豊樹が彼らと再会したのは、ユウの葬式だった──…。

切ない約束を巡る三角関係を描いた表題作ほか、三編+描き下ろしを収録した早寝電灯デビューコミックス。



表題作では、兄弟二人の間で結ばれた約束と、それぞれの想いの切なさに胸が締め付けられます。特に、交通事故で他界したユウの心情を思うと…深夜にじっくりと味わいたい作品です。本編を読んでからじっくりと表紙を見ると三人の表情の違いにより味わいを感じられると思います。

また、注目したいのが同時収録の『稲穂に帰る道』『稲穂につづく道』の二篇。閉鎖的な田舎で恋を育んでいた高校生の二人が片方の上京を機に別れを経験し、数年後に再び出会うという再会モノです。タイトルの通り稲穂がキーワードになっており、稲穂が隠し、また守ってくれた二人の恋心が心に沁みます。必見!



■安眠『後ろの正面ひとりだけ』



 

真面目でゲイのサラリーマン・藤原は、"そういうお店"で知り合ったロンと付き合っていたが、 ある日、ロンが遺体で見つかったことを警察に知らされる。 恋人の死の理由を自問自答する藤原。そして彼に突きつけられた、衝撃の事実とは――? 衝撃のデビューコミックス。 オメガバースを含む6篇の短編集。

『筋肉BL』、『性癖BL』など個性的なアンソロジーでお馴染みの三交社の新レーベルであるシャルルコミックスの第二弾として発売された今作。アンソロジーに掲載されていた短編が収録されているので、日常系からオメガバースまでバラエティに富んだ作品を楽しむことができる一冊です。

記者のイチオシは、アンソロジー『心中BL』掲載の表題作『後ろの正面ひとりだけ』。主人公が恋人の死を告げられるシーンから物語が始まるというユニークさや展開が読めないハラハラ感に加え、最後まで読んだ後の余韻が絶妙!

また、『怪談BL』掲載の『視えないモノ、募集中。』もオススメ。幽霊である受けのキキョウくんのいじらしさに悶えます。



■後藤『凪子の話』


 

真面目で品行方正な海原和也。派手で少し軽いところのある山治浩平。幼なじみで親友のふたりは、高校でも目立つ存在だった。

和也と初めて会った瞬間、凪子は彼に恋をしていた。だから、彼の幼なじみの浩平が和也に恋していることに気づいてしまう。

そして、和也を好きだからこそ、彼の心が誰を想っているのか気づいてしまう。交差する想いの行方は……

BLでは珍しく、タイトルには女の子の名前が。本編もこの凪子の視点で描かれている異色作です。幼なじみ同士の恋愛ものといえばBLではよくあるシチュエーションですが、第三者である凪子の言葉で語られることにより、和也と浩平の関係性がより切なく感じられます。

記者が本作で最も心を動かされたのは、和也と浩平が、凪子のことを性別を超え一人の人間として尊敬し、愛おしく思っているという点。性愛を伴う恋愛感情ではなくとも二人にとって凪子はかけがえのない存在であり、その凪子の視点で語られるからこそ、和也と浩平の物語により深みが増しているのではないかと思います。BLという枠を越えて多くの人に読んで欲しい一冊。



■ヤマオリ『きみの笑顔だけを』

 

 

「きみの笑顔だけを」 藤宮が転校先で出会った三浦は、口は悪いが顔も好みで、密かに藤宮の潤いだった。しかし、同じ失敗を繰り返したくない藤宮は自分の気持ちを偽り、三浦からの告白も遮ってしまう…。

「誰にも触れさせないで」 大学生の木田は中学生の頃、幼馴染みのヨイチが自分の兄と寝ていた場面を目撃してから、ヨイチに寄ってくる全ての人間を遠ざけてきた。

「花よりほかに」 教師との秘密の関係を一方的に解消された相原は、 自身の不注意で階段から足を滑らしてしまう。 自分を庇って階段から落ちた高松に 「治るまで右手代わりになって」 と言われ…。

心に傷を持つ繊細な青年たちのラブストーリー。




収録されている3編はどれも高校生のお話で、形は違えど若さゆえの青さと傷を持った青年たちの恋と成長が描かれています。表題作では、ゲイであることが周囲にバレてしまい転校を余儀なくされた藤宮が、「自分の気持ちに嘘をつく必要はない」とありのままの自分を受け容れられるようになっていく過程に胸が熱くなります。

同時収録の『誰にも触れさせないで』では、藤宮を転向に追いやる原因を作ってしまった二人がクローズアップされ、それぞれの胸に秘めた想いがからまった不器用な恋の物語が展開します。過去は消せないけれど、それでも前を向いていくということの大切さを教えてくれるセンシティブBLの傑作です。


以上、ストーリーにセンスが光るセンシティブBL4作品を紹介しました。BLアワード新人部門をぜひユーザーの皆さんで盛り上げてください!

記者:星野

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