心優しき貿易商×異国の花嫁+ちびっこの、戦うお嫁さんファンタジー!

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表題作遠い国の小さな花嫁

ローラン,1年の大半を王都で過ごす子持ちの貿易商
サガル,遠い国からローランに嫁いだ男の花嫁

その他の収録作品

  • ぼくたちの家族旅行
  • 冬を待つ
  • あとがき

あらすじ

雪深い町に、遠い国から男の花嫁がきた。
たった一人で嫁いで来たサガルは、妻に先立たれ幼い息子を持つローランの妻になった。
貿易商の仕事で一年で冬の間しか町にいない彼の代わりに息子の子育てを担う一方で、寡黙だが優しいローランと穏やかで温かい夫婦の絆を紡いでいくサガル。
しかし彼には、夫には秘密にしている別の姿があった。
平和な幸せを壊したくないサガルだが、その素性を追う者たちが次々と町に現れ――。

作品情報

作品名
遠い国の小さな花嫁
著者
あべちか 
イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
発売日
ISBN
9784041090718
4.3

(36)

(24)

萌々

(5)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
151
評価数
36
平均
4.3 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数6

大好きな作品

連載時から大好きで読んでいました。
サガルが同一人物なのか信じられなくて、当時読み返しました。
そして読み終えてから、また読み返しました。あれもこれも全部作り物なのかと。。
書籍化されたことが嬉しいです。この衝撃は是非色々な方に読んで感じて欲しい。
足のマッサージのシーンが優しくて色っぽくて、でもその足は実は戦争で欠けている。
愛しくて優しくて温かいものが、靴下を脱いだら恐ろしい印象に変わる。
そういうスリルがあります。

…イラストがちょっと残念。サガルはいいとして旦那さんもっと熊っぽいイメージでした。
他に類を見ない作風の方なので、是非とも全作品書籍化希望します。

4

哀しい人造の生き物

なんで、そんなに評判になっているの?と興味深々読みました。
サガルは、ポケモンの「ミューツー」に似ている。

凄く悲しい、近未来の南の国(多分日本国)で、王族が開発した試験官ベビーのSF・サスペンス。
一章進む毎に「嫁に来たサガル」の秘密が明かされる、展開が遅い前半、気が長い人向けの小説。
印象深い箇所をメモ。

神父の紹介で結婚したサガル。
婚礼式の翌日、夫は出稼ぎに出立。
青いサガルの花嫁衣裳を、都で夫がうっかり貴族に売却してしまってから起きる、謎の「姫の靴」事件。

実は「サガル」とは南の国の人間兵器の名称
指令の解除が必要なサガル。
外観は全く人でも人じゃない。サガルは、感情を制御された不死身の究極の生物兵器、
ラウルの嫁は、サガルの中でも特別な「姫のサガル」だった。
試験官の中にいるサガルを覗いて呟いた姫の言葉「貴方は私の希望」は、姫のサガルの宝物。
「人権というものを蹂躙され尽くしてきたサガル」に、姫が呟く解放の言葉は「幸せになるのです」。

造った後に困るようなものは作っちゃいけない。読後、凄く悲しくなった。

7

読み応え充分な一冊

とても分厚い本で更に2段組で、いつ手をつけようかと思っていました。

でも読み始めると止まらなくなるほど面白いです。一冊でシリーズ物を読み終わった満足感がありました。

初めは打算でサガルと結婚したローランが、彼を愛するようになって大事にして行くのに何年も掛かっているのがとても良いです。
でもダラダラした文章で無いのが読み易いのです。

必要な箇所で他者視点で書かれているのも分かりやすくて面白かったです。

サガルの正体や強さに後半はワクワクしました。
そして遠い国の姫さまが登場してから、彼女視点で語られるサガルとの過去には涙が溢れました。

心配だった貴族と平民の問題も姫さまが解決してくれたので最後は安心出来ました。

登場人物全員が必要不可欠な物語でした。

年末年始の時間がある時期に是非読んで欲しい一冊です。

7

重厚壮大な物語

花嫁、子ども、体格差、避けがち三要素だけどもフォロワさんのヤバBLということで読んでみたら!ちょっとワケありな花嫁がちょっとどころじゃなくて上の上の上の展開!人情、日常、異国の風情、策略、温かみと血生臭さ、心の在り方、壮大すぎて深くて重くて優しくて!どすんです。 ふわふわファンタジーかと思ったら骨太だった!
無骨なローランと健気なサガルが何年も時間をかけて心を通わせるのがね、もどかし~2人の人柄が端々に感じられて、お互いを思うからこそ出てくる言葉、出てこない言葉にギュッとなる。受け入れる準備をこっそりするサガルちゃん、可愛すぎ~二人とも潔くて守るもののためにはすごい行動しちゃうのとかカッコイイ!!!

4

ほっこりファンタジーだと思ったら

あらすじ斜め読みかつ‘あ、なんか子育てファンタジね、好き好き’と見切りで購入。
ちょっとお高いわ~と思ったけど、全然お値段相応の内容でした。

エンタメBLというか、戦闘モノSFというか、さらに子育モノかつ
身分差・体格差etcといった萌え要素も織り込んでいて、非常に個人的好みをついてきます。
なにこれ面白いとよくよく本書のあおり文言をみると「~戦うお嫁さんファンタジー」とちゃんと書いてある。見落としてた。
結構ガチで戦ってます。
最初はちょっとしたふれあいが年いちペースで続いて、あっというまに
5,6年経っちゃたりして、そのわりにはページ数すすまないし大丈夫かなこの二人、数十年かけてのふんわり触れ合いの末合体するの?と思ってたら、徐々にお話の角度が変わってくる感じです。

主人公二人(攻・受)どちらとも秘密が多くて、なかなかそれがお互いや
読者に開示されないのがもどかしいんだけど、それがぐんぐん読ませるし、その内容もわかってみれば納得できるものがあって、
‛そんなことでお互いを悲しませてたんかい’というツッコミ不要感もよかった。

またメインキャラはもちろん、サブキャラモブキャラそれぞれ人物像がしっかりしてるなあ、と。
特に貴族のお嬢様に関しては、その心情に一番感情移入できてしまった
(貴族でもないのに)。

色々な要素盛りだくさんで、最初にこんな作品かいちゃったら、次の作品
大丈夫かな?と心配になるくらい。
ぜひ作者様にはその心配を裏切る、本作に負けない次回作を書いてほしいです。

10

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