数日前に1~3巻までをまとめ買いして一気に読み、本日4巻が配信されたので読んできました。
人の……と言うべきか、級友であり親友、そして想い人の命を握るという事がどれだけの重さなのか、人の人生を己のひと声で変えてしまう事がどれだけ罪なのか……。タキがずっと考え続けているのを見てきた中で、「どうしてタキはねじ曲がったり折れずにいれるのだろうなぁ」と思ってきたのですが、想像よりずっとやわらかく繊細な約束をよすがにしていたのだと気がついてしまい、思わず涙が零れました。
彼らを不自由にするしがらみから恐らく叶わないだろう約束の儚さ、それをずっと胸に留め大切にしてきたタキのいじらしさに胸が熱く、苦しくなりました。この約束がタキの心をあたためていたんだろうな、とも。
自身の飢えた衝動では無く意識の無いまま、バッドトリップでタキに無理を強いている事を自覚し、距離を置き、スグリにも「タキを近づけるな」と厳命していたクラウスの想い。けれどその想いを尊重して尚、後に自分も後悔、若しくは罪悪感に苛まれると分かっていながらタキの想いを汲むスグリも本当に人間くさいと言いますか、皆それぞれ不器用に生きているなぁと感じました。そこがいいですよね。
己の罪は己の罪である。他人に背負わせたり擦り付けるものでは無い。という所はこの漫画を通して1つのキーにもなってるんでしょうか?
各々が簡単に答えを出せる関係や立場ではないからこその味わい深さなのだと思いますが、見ている分にはハラハラドキドキ所ではありませんね……。はやく元気になってくれ……。
流麗な線と画力の暴力とも言える描き込みと構図、恐ろしいです。どのページを見ても綺麗で整った画面作りが徹底されているのにドラマチックで、シーン毎に空気感や温度がありました。もうこれは紙で買わないと勿体ない作品ですね。買ってきます。電子より紙ですこれ!!
相変わらずと言うと偉そうな響きがありますが、どれだけ色んな作品に触れてきたかで、この作品の意図や描写を受け取れるかがモロに出そうだな……と初見時思ったくらいには流し読みや1回の読み込みで理解出来るほど簡単な作りはしていませんね。BL漫画では久しぶりに映画を見終わったような充足感と余韻がありました。次巻が楽しみです!!
ブツ切りの感想かつ長くなりましたが、もしお目通ししてくださった方と読後すぐの気持ちが共有出来ていれば幸いです。