精神科医・瀧巳と、元患者でバーテンダーの七帆のお話です。
過労が原因でパニック障害を発症した七帆は、主治医の瀧巳に救われたことをきっかけに恋心を抱くようになります。
しかし、患者が医師に恋愛感情を抱くことは珍しくないと知り、この気持ちは「転移」なのか、それとも本物の恋なのか思い悩むことに。症状も落ち着き、カウンセリング終了の日を迎えます。
先生のことは諦めようと決意したその夜、偶然七帆が働くバーに瀧巳が来店。
酔った勢いで本音を打ち明けたことをきっかけに、二人の関係が動き始めます。
普段あまり見かけない言葉も出てきたので、調べながら読むのも楽しかったです。
また、医師と患者の恋愛は倫理的に認められないことを知り、なるほど、だからこのテーマの作品はあまり見かけないのかと勉強にもなりました。
医師と患者という禁じられた関係だからこその葛藤が描かれていて、恋を成立させるにはどちらかがその立場を離れるしかないんだな……と妙に納得しました。
終盤は3年後に一気に飛ぶので、えっ!? えっ!?!?なんでーそうなった?!の連続でした!笑
情報量が多すぎて驚きましたが、最後はまぁBLだしハッピーエンドならオッケー!と勢いのまま納得してしまいました。
描き下ろしで瀧巳がチラシを配りに来るお話は、ヘタレっぷりがおもしろくて笑ってしまいました。
過去の出来事をきっかけに人物画が描けなくなってしまった元高校教師・真生と、大学生でモデルをしている柳のお話です。
柳は見た目のイメージに合わせて振る舞うことに疲れていましたが、ありのままの自分を受け止めてくれる真生に惹かれていきます。
真生もまた、柳のまっすぐさに触れることで、少しずつ過去と向き合っていきます。
真生が人物画を描けなくなった理由は、高校教師時代の教え子との出来事がきっかけでした。
その過去を抱え続ける真生を、柳は否定も肯定もせず、そのまま受け止めてくれる存在だったのが印象的でした。
直接的な性描写はありません。
読み終わったあとにカバー裏を見ると、作品の余韻をさらに楽しめる演出になっていたのが良かったです!
派手な展開というより、傷ついた二人が少しずつ前を向いていく姿を丁寧に描いた、穏やかな救済BLでした。
私、見た目が可愛らしい受けも好きですが、男前受けも好きでして。
受けの見た目が好みで好きー!と気になっていた作品です。
受けの薫は、学生時代に金曜日の夜だけ男の娘コンセプトカフェでアルバイトをしていました。
自分では女装が似合わないと思っており、基本は雑用担当。
それでもなぜかアズサさんという太客に猛烈に推されています。
学生だった薫は社会人になるためカフェを卒業することに。
しかしアズサに辞めることを言い出せないまま、店を去ってしまいます。
ところが就職先でまさかの再会!
しかも相手は上司で、カフェ時代が嘘のような塩対応。
はじめましてという体で完全に距離を取られてしまいます。
……かと思いきや、一度タガが外れたアズサがヤバかったです。
キスまでしちゃうし、「金曜夜、俺だけのコンカフェ嬢になってよ」はとんでもねーーーー変態だな!?と思いました。
それ以来、毎週金曜日にアズサの自宅でコンカフェごっこをすることに。
※もちろんお仕事としてお給料も発生します。
裏メニューがもう、うん、変態で笑いました。
アズサの気持ちがなかなかわからなくて、ずっとソワソワしながら読んでいました。
再会してからずっと我慢していたはずなのに、タガが外れたらキスしちゃうくらい好きなのに、二人を繋ぐのはあくまでお金なんですよね。
二人の交流を通してわかるのが、アズサはそういう趣味だから通っていたわけではなく、薫だからこそ通っていたということ。
いや、それってもう好きじゃんね……。
もう絶対絶対両思いじゃ〜ん!!!という状況になっても、アズサが差し出すのはお金。
薫はとっくに好きになっているのに、アズサはお金なんです。
一緒にいる理由を作るためとはいえ、もっと素直になればいいのに……!
あんなに格好いいのに不器用すぎるアズサがとても良かったです。
なんてめんどくせー男なんだ……。
攻めも受けも好みで楽しかったです。
アズサは不器用すぎるし、薫も男前でかわいい。
お金を介した歪な関係だからこそのすれ違いも楽しめました。
ただ、お金の関係がなくなって両思いになってからの二人をもっともっと見たかったです!!
作中では薫のさまざまなコスプレ姿も楽しめるので、そこも見どころだと思います。
同じクラスでタイプの違う二人が義兄弟に?!なBLです。
兄弟になった瞬間、いつもの猫かぶりモードを解除した光希に笑ってしまいました。
光希は母親思いで、表向きは仲良し兄弟でいようとします。
一方の善は、あることがきっかけで1年前から光希に片思い中。
そのきっかけも可愛らしくて少し萌えました。
兄弟になってから少しずつ距離を縮めていく様子を楽しめました。
光希に想いを寄せる渦川くん(当て馬的ポジション)は何とも言えないキャラクターでしたが、ある意味彼のおかげで光希が素を出せるようになったのは良かったです。
善は不器用ながらも最初から光希に片思いをしているため、個人的にはあまりツンデレらしさは感じませんでした。
タイプがまったく違う二人なので、義兄弟という関係になったからこそ進展できたのかもしれません。
最初は兄弟として複雑だったかもしれませんが、善にとってはラッキーだったかも?と思いました。
本編は素股までだったので、二人の本番や素がバレてからのこの先の関係も読んでみたかったです。
様子のおかしい攻めと受けが好きな方にはぜひおすすめしたい作品です。
特に、無表情で何を考えているのかわからないのに、下野さんのことだけは大好きなんだなというのが伝わってくる上田が私のツボでした。
小さい頃から人間関係の摩擦を避けるため、「イイヤツ」として生きてきた下野。
部長に仕事を押し付けられ、不運も重なって毎日ヘロヘロです。
そんな下野のストレス発散方法は、大人のおもちゃを使ったオナニー。
ある日、誰もいないと思っていた会社で行為に耽っていたところを上田に見られてしまい、その秘密を黙っていてほしければ見せろと迫られて――!?というラブコメです。
見どころは、たびたび登場する上田のニヤ顔。
極悪人みたいな顔なのに、本人は優しく微笑んでいるつもりなのが最高でした。
会社であらゆるパターンのオナニーを真顔で提案してくる上田も面白すぎますし、下野さんへの好意はダダ漏れなのに、伝え方が不器用すぎてまったく気持ちが伝わらないんですよ。
でも、少しずつ距離を縮めていく二人のやり取りが可愛らしくて、たまに見せる上田の本当の笑顔が可愛くてニヤニヤしてしまいました。
下野が部長から理不尽に怒られたことをきっかけに、もっと本音を出せばいいのにと上田が伝えたことで、二人の距離も少しぎくしゃくしてしまいます。
でも、長年「イイヤツ」を続けてきた下野にとって、それは簡単なことではないんですよね。
上田が接触してこなくなってから、一人でオナニーしてもいけなくなってしまう下野さんも可愛かったです。
そして、酔った勢いで下野さんが部長にブチ切れるシーンは最高でした。
言った後は本人がボロボロになっていたのも含めておもしろかったです。
上田視点のお話が楽しかったです!
表情はわかりにくいけれど、脳内は下野さん祭だったのかなと思うと愛おしくなります。
嫌なキャラもしっかり成敗されるので、最後まで気持ちよく読める作品でした。
「イイヤツ」として生きてきた下野さんが、これをきっかけに少しずつ断れるようになっていく成長も良くて最後まで楽しく読むことができました!
合間にメインキャラクターのプロフィールが挟まれているのも丁寧でした。
上田の「好き」に下野さんの名前が入っていたのには思わずときめきました。
さらに、実は昔二人が会っていたという可愛らしいエピソードも収録されていて大満足でした!!!
表題作と短編1本の構成。
表題作は、恋愛に疲れた宗太郎と自由奔放な上司・秋良のお話です。
序盤からわりと攻めが結構酷いことを言ってくるので、これはなかなか……好みがわかれそうだなーと思いながら読んでいました。
一応上司と部下設定なのですが、部署も違うので個人的にはあまり上司・部下感はありませんでした。
秋良は顔こそめちゃくちゃ良いのですが、宗太郎と一緒になってなんだあいつ……と思ってしまうくらいには第一印象が良くありませんでした。
ひょんなことから興味を持ったと言われ、いきなりキス。展開もかなり早めです。
なぜか宗太郎にだけ冷たかったのも、秋良視点を読むと最初から宗太郎が気になっていたからこその態度だったとわかるので、そのあたりは少し萌えました。
宗太郎は過去の恋愛で傷つき、「好きだからこそ向き合いたい」と考えるタイプ。
一方で秋良は「気持ちよければそれでいいじゃん」というスタンスです。
宗太郎の過去の恋愛話を聞いて、わりと誠実な一面も見えてきたところでその考え方を出されると、それでうまくいくわけなくない?!と思ってしまいました。
宗太郎がはっきり拒絶してからは、二人の関係もほとんどなくなってしまいます。
その後、秋良から関係を修復しようと動き出すのは良かったのですが、個人的には宗太郎が受け入れるまでが少し早く感じました。
やーーでもちょっとチョロいよ!!宗太郎!!
もう少し時間をかけて距離を縮めていく二人が見たかったです。
一応、秋良からの誠実な告白で収まるところには収まります。
ものすごく好意的に捉えれば、ちゃらんぽらんに見える自由人が、宗太郎にだけは誠実に向き合おうとするところが萌えポイントなのだと思います。
恋愛観がまったく違う二人が少しずつ距離を縮めていく王道のお話なのだと思うのですが、個人的にはその過程がかなり駆け足に感じました。
正直あまりツボに入るところもなく、お話が終わっちゃったな……という印象です。
描き下ろしは性描写あるのかなと思ったのですが、可愛らしい二人が見られる内容でした。
だいぶラブラブ度は増していたので、本編でももう少しそんな二人を見てみたかったです。
短編は8歳年下の大学生攻め×年上受けのお話。
学生時代に家庭教師のアルバイトで出会い、成長後に熱烈なアプローチを受けて恋人になった二人です。
恋人のその先へ進みたいけれど、自分のすべてをさらけ出して幻滅されるのが怖くてなかなか踏み出せない受け。
しかし攻めはそんな受けの気持ちを知らず、少しずつすれ違ってしまいます。
受けの気持ちもわかるだけに、終盤は少しかわいそうで……。
ポーカーフェイスな年上受けだからこそ、もう少し許してあげて〜!という気持ちになってしまいました。
乳首BLです。
陥没乳首を立たせる描写がとてもえっちでした。
深く考えず、気軽にエロとかわいさを楽しみたい方におすすめしたい作品です。
広瀬の秘密とは、陥没乳首なこと。
そのコンプレックスから、今まで彼女もできずにいました。
コンプレックスから自信が持てない広瀬を愛してやまない、大型わんこのような黒岩くんがとても可愛かったです。
また、黒岩くんと付き合うことになったら抱かれちゃうのかな……とゲイ向けビデオを見て自分に置き換えてしまう広瀬もだいぶちょろ受けだと思いました。
引っ掻き回す当て馬などもおらず、気軽に読める作品だったと思います。
終盤では黒岩くんの抱える悩みや、二人がすれ違う展開も描かれます。黒岩くんの考えも理解できるのですが、個人的には序盤の勢いあるラブコメ感が好きだったので、そのまま最後まで突き抜けてほしかった気持ちもありました。
専務取締役の生方千晃(α)×秘書の成田蓮(β)のお話です。
しかしラット中のαに咄嗟に自分の身体を差し出す蓮、キモが座りすぎてませんか?!?!
一夜でビッチングにより一時的なβ→Ω状態になってしまうのですが、設定自体は嫌いじゃないんです。
ひとまず読了したので感想。
気軽に読めて楽しかったかと言われたら楽しかった。
でも、うーーん……設定は嫌いじゃないのに色々惜しい作品でした。
千晃が蓮に好意を持っているのは身体を繋げる前から伝わってきます。
ただ、繋いでからの態度がどうにも煮え切らない。
好きな相手がΩになる可能性があるなら、私なら絶対逃さない気持ちで告白するし、そのまま完全Ω状態にするね!!
千晃は優しいのでそんなことはしないのですが、その優しさが逆に煮え切らなく感じてしまいました。
告白もかなり終盤ですし、この人は本当に蓮のことが好きなのか少し悩んでしまった。
さらに気になったのが世界観の部分。
過去に千晃は、βの女性から「いずれΩと番になるでしょう」と振られた経験があります。
そのため、この世界では生まれ持ったバース性によって将来が決まるような価値観が根強いのだと感じました。
でもビッチングでβ→Ωになれるならなんでもありじゃね???
設定としては面白いのですが、そのせいで今まで語られてきたバース性の価値観との整合性が少し気になってしまいました。
また、バース性に振り回されてきたのであれば、千晃はこういった知識をもっと持っていても良さそうな気がします。
設定は嫌いじゃないだけに、もっとちゃんとはやく告白してちゃんとしてよ!!!!と思ってしまいました。
社長の妾の子だった始は、母を亡くして8歳で引き取られた。
本家の本妻と兄には疎まれ、家では放置されていた始。
そんな彼の世話をしてくれたのが猫獣人の執事・八代だった。
自分のそばにずっといてくれて、誘拐されそうな時には命がけで守ってくれて……そんなの好きになっちゃうだろ〜〜〜〜!!なモノローグから始まる。
なるよね〜!!わかる〜!!!!!とめちゃめちゃ思った。
勇気を出して告白してみたものの完全に拒絶。
一方の八代も、心の中では「始さまは今日も天使……」と思うくらいには始のことが大好きなんだよね。
八代も幼い頃に両親を亡くしていて、姿形を気味悪がられていたところで始と出会った。
執事と主人でありながら、お互いに救い救われた関係性に萌えたな。
両思いなのにこの関係性が邪魔をするのが難しいところ!!
でも1話で両思いになるので安心して読めます!
メインのお話は3話なので、事件は起きつつも、恋人になったあとの二人の絆を深めていくお話だったと思います。
描き下ろしが31ページ分あるのも豪華でした。
なにげに作中で一番気になったのが次男坊と兎執事のお話だったので、この二人のエピソードが読めたのは嬉しかったかも。
同時に、もっと掘り下げてくれても良かった……!!とも思いました。
気軽に読める執事×主人ものかな。
気になる点を挙げるなら、全体的にかなりあっさり読めること。
BL単行本としてはページ数もやや少なめなので、もう少しボリュームが欲しかったかも……!
自己肯定感の低いアイドル・アヤト(弓波)×陸で暮らす人魚のオキツグのお話です。
まず、地上で人魚が普通に暮らし、陸のアイドルを推しているというなかなか不思議な設定です。
推しの撮影現場を見に行ったオキツグは、そこで弓波と出会います。 人魚であることがバレてしまい、なぜか映画に付き合うことになるのですが、それをきっかけに二人の交流が始まります。
そしてこの弓波こそ、オキツグが推しているアイドル・アヤト本人なんですよね。
正体を知らないままアヤトへの好きを語るオキツグが可愛かったですし、そんなオキツグを見ている弓波もかなり意識している様子。
オキツグとのエッチな夢を見たりと、わりと序盤から好意がダダ漏れでした。
オキツグは弓波とアヤトに向ける気持ちの違いに気づき始めますが、旅行中に弓波の正体がアヤトだと知ってしまいます。
最初は弓波もちょろいな〜と思っていたのですが、まさか初対面の頃から一目惚れしていたとはびっくりです。
両思いになったあとも実際の俺はこんなだけどと自信のなさそうな弓波ですが、オキツグが好きになったのはアイドルのアヤトではなく弓波の方なんですよね。
両思いになったあとの二人のやり取りも可愛かったです。
ただ、個人的には世界観の説明があまりないため、なぜ人魚が普通に地上で暮らしているのかが自分のなかでずっと残っていて、少し集中できなかったのかも。
あと気になったのが表紙です。
作中ではオキツグが気づかないくらい弓波とアヤトのビジュアルが違うのに、表紙では弓波の姿でアイドル衣装を着ています。
本編ではその組み合わせで登場することがなかったと思うので、少し不思議に感じました。
(これは弓波でいいのか、ちょっと悩んだ)