よくある失恋ソングのフレーズが出てきてしまいました……。
絵が綺麗でストーリー構成もしっかりしている新田先生の作品の中での
長編作であるこの「春を抱いていた」シリーズ、
最終巻が出て、当たり前のように幸せな結末を考えていたのですが...。
いい意味でも悪い意味でも裏切られてしまいました。
この結末はまったくイメージしてなくて、
予想ができなかったという点では私の中では高評価です。
先が読めるストーリーはあまり好きではないので。
でも、それと同時にこういうエンドが苦手で...。
そのキャラクターの色んなエピソードを知っていくと、
物語の登場人物はただのキャラクターではなく、
最早生きている人間のような、
自分の知人のようなそんな存在に感じます。
だからこそ、亡くなってしまうと
本当に現実世界の人を失ったようでめちゃくちゃキツイ...。
まあこれはあくまで個人的な思いですが...。
そのキャラクターのこれからの人生が
想像できなくなったというのがいちばんつらいです。
こんなことなら出会わなければよかったよ...
と言ってしまう失恋ソング主人公の気持ちが
初めてわかりました。
でも、作者さんがとても悩んで、
引退まで考える程だったとおっしゃっていたので、
この結末にすることに迷いがあったというのは分かるし、
そこまで悩んで考えて、それでも
この結末を選んだということには
きちんと意味があるんだと思います。
私の信じるハッピーエンドではなかったけど、
作者さんの信じるハッピーエンドはこれだったんですよね。
信じるものが違うっていうのはよくあるし、仕方ない!
いつかまた読み返して、この結末をハッピーエンドだと思えるようになれたらいいな。
でもしばらく悲しくて読めない!!!
ここまで思い入れさせるキャラクターを描いた
新田先生は本当に凄いと思います。
ちるちるインタビューでおっしゃっていましたが、
続編もあるということで、どんなお話なのか楽しみです。
ひとまず完結おめでとうございます!