雰囲気的に、萌えとは違うベクトルで読む感じになってきました。今回は設定説明シーン多めで、ずっとエルヴァは悩み苦しみ、アルトは驚き怒っていたような気がします。この世界の謎も多く明かされ、ファンタジーとして面白かったです。
覡の役割をみると、名称だけじゃなくて、本当に古来の巫女の役割が設定に取り入れられてるんですね。考察好きが盛り上がれそうな要素満載。こうなると、前の巻のあれこれが思ったより重要だったかも?とか考えちゃいます。
エルヴァとアルトの関係には、エルヴァの過去がなんともいえない辛い形で絡んできてて、だけどアルトもまっすぐなだけでいられない事情ができて、二人の感情面まで複雑になってきました。
ストーリーもキャラもとても好き。ただ少しずつ苦手要素が出てきてしまい…。道徳教育みたいなセリフとか、外の価値観に関する描写、微妙な説教臭さを感じる瞬間が増えてきたり、昨今のリアル情勢がチラ付くこともしばしば。
まだそこまで主張は強くないですが、こういう深い!考えさせられる!となる作品は合う合わないがはっきり出ます。これは分かった気になって酔える特殊な気分のときじゃないと無理な方。
正直、綺麗事うるせぇって思うし、現実世界で押し付けられる正しさをファンタジー世界に持ち込まれるとうんざり。価値観の矯正なんて描かれた日には…。この方向で進んでいくなら、脱落かなあと思い始めました。