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現場のおっさんたちが本当に受け付けませんでした

お仕事BLの名作と聞いて手に取りましたが、残念ながら私には合いませんでした。
主人公と攻めのやり取り自体には非常に萌えを感じたものの、それ以上にモブの作業員たちに対するイライラが勝ってしまい、純粋に楽しめませんでした。

物語の大筋はあらすじ通りなのですが、とにかく現場のおじさんたちが受け付けません。
作業員たちは主人公のやることなすことすべてが気に入らない様子で、しかもその理由が、「指定の喫煙所で煙草を吸うよう注意されたから」「金に困ったことがないから調子に乗っている」といった理不尽なものばかり。
さらに、集団で笑い者にしたり、「女みたいな顔してるからヒイヒイ言わせて懲らしめてやれ」と下品な陰口を叩いたりと、流石に度が過ぎていると思わざるを得ませんでした。

そんな作業員との関係に悩む主人公は、攻めより「あんたが悪い」「彼らは現場のプロだから彼らのやり方がある」と叱られることになりますが、正直指摘は的外れでは?と腑に落ちません。
少なくとも私が読んだ限りでは、主人公が上から目線で指示したり、無茶な要求をしたりする描写は見当たりませんでした。
攻めは「全員がチームでやっている」と言いながらも、その発言は「現場の作業員が一番偉い」と言っているようにしか聞こえず、うーん……って感じでした。
(そもそも「長年の経験を持つプロ」と持ち上げられている作業員たちが無断欠勤するのはギャグなんでしょうか)

確かに現場にしか分からない事情もあるのでしょうが、それは逆に設計側にも言えることでしょう。
主人公の意気込みの根底には「耐震偽装などのないちゃんとした建物を作りたい」というものがあります。
その心象を知っている読者としては、「適当な仕事をされたくないからそりゃ細かく口出しもするよね」としか思えませんでした。

主人公は攻めの助言もあって作業員たちへの口出しの仕方を変え、現場の方々と打ち解けることになりますが、しかし、私としてはどうしても彼らへの不快感が最後まで拭えず、スッキリしない読後感となってしまいました。

カップリング表記詐欺だと思います

上下巻完読した上でのレビューです。すみません、かなり趣味じゃありませんでした。趣味じゃないどころか、ここまで嫌な気分になったのは久しぶりです。

まず上巻のカップリング表記にイェイン・グレン×高城史貴とありますが、イェインは愛する義妹(主人公の妹)への恋慕に悩み、史貴をその代用品としてレイプしただけです。
ここから史貴への愛に芽生えるとかはなく、下巻では普通に主人公の妹と結ばれ結婚します。執着タグがついてますが対象は主人公ではありません、詐欺ですよこれ……。
さらに彼は、史貴をレイプした後は変わらず史貴の妹に好き好きするぐらいで特に大きな活躍などありません。完読した後は、表紙にでかでかと描かれているのに何かしたっけこのキャラ!?と驚いたほどです。

ただし活躍がないことは、全キャラに言えます。
全キャラというかこの作品そのものに。
上下巻に渡り、史貴は結構悲惨な目に遭います。妹の代用品としてレイプされ、妹の代わりに拉致され、タトゥーを彫られ、裏ビデオを撮られ薬漬けに…。
マフィアの次期ボスと目されるイェインの義弟がここまでされているのに、組織は報復に動いたりはしません。イェインも史貴の義父も溺愛する史貴の妹が男達に乱暴された時は怒り狂いすぐに動いていたので、温度差が凄かったです。
上巻の冒頭でマフィアに親を殺されたアレックスも、義父がアレックスの親を殺した仇だと判明しても復讐展開に入ることもなく、義父は病気であっさり死にます。たまに思い出したように義父への憎しみが書かれてましたが、すべてが浅かったです。

何が書きたかったんでしょう?この本……という感想です。
カップリングは一貫して、アレックス×史貴でした。
今後この作者の本は手に取らないことにします。