ナホちゃんの純粋さによるすれ違いでちょっとややこしくなってしまっていた二人ですが、2巻でようやくまとまって何よりです。
身も心も結ばれるぞ!というその時、アオイとのことが引っかかるナホちゃん。
自分はカナだけが好きだけど、カナもそうとは限らない。カナが好きだから、カナの望むようにして欲しい、アオイと愛し合ってもいい。
本音では嫌だけど、「ボクともちょっとでいいからいて欲しい」なんていじらしすぎて、カナは果報者ですねー。
それにしてもナホちゃんって本当に純粋でいい子ですよね。
外見の美しい人はそれこそカナレベルでも現実にいるけど、心がこんなに美しい人はいないように思います。
ナホちゃんは人に優しいし礼儀正しいし、悪意に触れてもそれに染まらない。
ここまで心の美しいナホちゃんが生きていくのって心配だな、と思うと同時に現実にここまでの人がいたら確かに危なくて仕方ないなと感じました。
生い立ちが壮絶というわけではなく普通に育ってるのになぜか闇堕ちしている風なカナがちょっと可笑しくて、想いも確かめ合ったことだし今後はナホちゃんという宝物をひたすら愛でていくんだろうな。
まだ続くみたいなので、そんな二人の今後がすごく楽しみ。ナホちゃんが可哀相な目に遭わないことを祈ります。
ナホちゃんが鶴を解体してしまうところ、本当に悲しくて辛かったので。
すれ違いとか恋愛漫画においてはスパイスとして楽しむ要素の一つだとは思っていますけど、ナホちゃんだと悲しすぎるんですよ〜。
お金持ちのお坊ちゃんが大好きな執事と恋人になるため奮闘するお話。
可愛らしく楽しいけど、切なくて胸がきゅっとなる沖田先生ならでは、と感じられる作品です。
頭はいいけどまだまだ幼く小学生らしい宝坊っちゃん。
でも「大人になったら抱くからな」なんて、大人びたことを言うんだなぁと思っていましたが、実のところその本当の意味をいまいちわかっておらず、この気持ちは「抱きたい」って言うんだな!という解釈に落ち着いてるところがとてもかわいい。
この「わかっているようでわかっていない」のがショタの良さですよねー。
前半は面白おかしく、後半は坊っちゃんの真剣な気持ちが発揮されてほろりと来る展開。
体育祭のエピソードは坊っちゃんのポテンシャルが引き出され、それまでかわいい坊っちゃんを微笑ましく見守るという立場に甘んじていた待雪の気持ちにも変化が。
その後、テーマパークでのちょっと切ないすれ違いを乗り越えて、最後の最後で改めて「大人になったら抱くからな」と宣言する坊っちゃん。
ここの宝は、それまで同じことを言っていた宝とはまるで別人でとてもかっこよくて。そして本編はここで終了という潔さ。
描き下ろしで、満を持して高校を卒業した坊っちゃんと恋人同士になります。
私はショタおににおいては、子供のまま性的要素のないほのぼのでもいいし、こうして成長して肉体的にも結ばれてもいいしという考えですが、今回は坊っちゃんの終盤の成長ぶりからして、ちゃんと「抱く」が実現されてよかったと思います。
バスローブを着てワイングラスを傾ける(ちゃんとぶどうジュース)、どこまでも期待を裏切らないバブリーな雰囲気を醸し出す坊っちゃんです。
「ずっと待っていました」と言う待雪。待っていてくれたんだと感激する坊っちゃん。よかったね…!
待っている方もなかなかもどかしい日々だったろうと思います。涙ながらに抱き合う二人に感涙です!
しかしそうなると、やっぱり待っている待雪、成長していく坊っちゃんのお話が見たくなりますよね。
あと、健ちゃんでスピンオフお願いします。健ちゃん受け…見たい…健ちゃんもショタに出会っちゃえー。
幼い頃のキスの思い出。
お互いファーストキスだったそうで、
「これまで生きてて一番幸せな瞬間だった」と言うリンチェ。
「今より幸せ?」とちょっぴり妬くエリオットに、「もっと幸せになるキスしてくれよ」と返します。
特典だけ見ると切なくも甘い内容なんですが、本編を読んだ後だと、甘さよりも重苦しさを感じます。
これは後日談ではなく、二人が儚い蜜月を過ごしていた時の話ですよね。
リンチェの切ない表情と、純粋にやきもちやいてるエリオットのずれも垣間見えるようで。
特典はこちらを含めてエンディング後の後日談がなく、その後として描かれているのは「2023年」を生きる“if”とも言える二人。
(余談ですが、GUSHの全プレペーパーも後日談ではないです)
直後の二人がどこにもいないことに、何だか不穏な気配を感じてしまいます。
手放しに幸せに!と言えないのでとっても苦しい。でも穏やかな日々を過ごせたと信じたい。