この雑誌だけは読んでおけ!


雑誌レビュー 10月30日発売、drap12月号
評者:乱菊さん

【drap!今月のイチオシ】
「誘惑レシピ ~三浦&植田編~」(最終話)楢崎壮太
「drap12月号」今回の『誘惑レシピ』は三浦×植田編の最終話。
もうこれはレシピファンには絶対に読んで欲しい回!
基本的に本はあまり読み返さないタイプなんだけども、これは久しぶりに読み返した。

ゆうに10回は読み返した!
…と言うくらい、今回はオススメ大興奮の回だった。

レストランオーナーの三浦と、チーズ専門店の従業員である植田。
ボンボンとクソガキという、この全く似つかわしくない2人は、一体どこをどうしたらラブに発展するのだろうかと…読んでいても正直未知な関係。
だって初めは三浦自身も植田を好きだという気持ちに気づかず「ちびっこ」とからかい、そして植田もそんな三浦に全く興味を示さない、そんな色気ナシの状態だったからだ。
ところが一転、しつこい三浦を諦めさせる為に身の上話に及んだ植田は、逆に三浦の懐の深さに触れ、せき止めていた感情を一気に爆発させられてしまう。
ここからが見所だ。
いったん心を許した植田は、三浦がたじろぐぐらい全てを委ねてくる。
このギャップがもうギャー!!!となってしまうほどに愛らしく色っぽい。
あの生意気だったクソガキが、素直に三浦に身を任せているのだ。
もちろん多少の憎まれ口はあるが、それがなんだ。
三浦だって理性失くしそうになるくらいだろうが、読んでいるこちらだって暴走しそうだ(笑)
そして特に今回素晴しかったのはキス。
これだけでご飯何杯もおかわりしちゃうよ!というくらいの色っぽいシーンだった。
初めは植田にされるがままなのに、だんだんその気になってくる三浦の表情というのも、ギャー!!!だ。
もちろん「ちびっこ」なんて呼び方は一切ない。
「智秋」と何度もつぶやきながら植田を抱く三浦の恋心が、痛いくらいに伝わってくるいいシーンだった。

ノーマルである植田だが、人間不信の彼にとって心を許す相手に男女の差なんてないんだろう。
おおらかな三浦だからこそ、植田の歪な心も包めるわけで、ああ本当に今回は素敵なエピソードだった。
なので…コミックスが出るまで待つだなんてことは言わずに、三浦×植田の恋の行方が気になる方は、ぜひ本誌を読んで欲しい!
絶対読んで損はないので、今すぐ書店へGO!なのである。
(ちなみにバックナンバーも通販できるので、今月以降でも入手は可能)

【drap!今月の注目!】
「旅する犬」草間さかえ
煙草屋兼骨董屋の店主・朝倉と、バツイチ会社員・篠田の犬シリーズ最新作。
もう出会いから1年と数ヶ月が過ぎ、幸せの絶頂期に差し掛かる一歩手前といった感じの2人が温泉旅行へ出掛けるエピソード。
前半はやたら親しい知り合いが多い朝倉に嫉妬する篠田だったり、篠田を繋ぎ止めておきたくて仕方なくて余裕のない朝倉だったりと、とにかく糖度が高くて読んでいてもニマニマしてしまった。
そして後半はdrapらしい流れで、浴衣でエッチ。
温泉旅館なんだから、そりゃもうそれしかない(笑)
実は草間さかえはあまり読まない方なのだが、この2人のお話だけは妙に気に入っている。
浮世離れした朝倉と、堅実な篠田。
初めはどうなることやらと思わせるカップルが幸せになる様子を見守るのは、本当に心地がいいものだ。
そこを巧く描ける作家というのは、やはりいい腕を持っているんだなあと。

【drap!今月の総括】
最新号「drap」12月号は何といっても楢崎壮太「誘惑レシピ」!・・・と断言したいところなのだが、これは個人的感情が入りすぎて、少々過剰な評価になってしまっている為、半分くらいで受け止めていただければと・・・(笑)
その他作品では日下孝秋「からめ手で口説いて」が新カプ登場の予感で、結構楽しみだったりしている。
このお話もどんどんカップルが出来上がってゆき、目が離せない。
というか、本当に目が離せないのはドラマCD化される場合に高刀(暫定受け?)を一条さんが演じてくれるか、という部分なんだけれども。
また阿仁谷ユイジ「目をとじて3秒」も、いいところでのヒキに地団駄を踏んだし、嶋二「Welcoming Morning」もお久しぶりの恭平とチカの仲睦まじい(?)姿にホッコリ
してしまったりと、なかなかに密度の濃い号だったかなと思う。

来月は高久尚子ユキムラ藤谷陽子元ハルコ日野ガラスなどが登場する、楽しみなラインナップ。
「誘惑レシピ」三浦×植田編が終わってしまい個人的には少し寂しいが、次回も大いに期待したい。

紹介者プロフィール
乱菊
BLにハマってまだ3年ちょっとの腐OL。
初心者を脱却すべくBLを読みまくった結果、現在自宅のあちこちに男同士の本が散乱中。 (お父さんお母さんゴメンナサイ) 月50冊以上の書籍代捻出のため、明日も元気にご出勤。

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