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一匹オオカミ、子連れオオカミ

私がまだ商業本にあまり手を出していなかった頃に読んだもの。
この本はBLってこんなに面白いんだ!と思わせてくれた大切な一冊。
そして私が、子連れジャンルにはまったきっかけでもあります。

男らしいセクシーな顔つきと体つきをして男性二人が、
濃厚なセックスをしているのも、当時の私には新鮮でしたが
それよりも単純に話が面白い!
独特な擬音だったり、ちびっこたちの会話だったりが読んでいてフフッとなります。

いい年をしたサラリーマンだけの恋愛なら、きっと終始シリアスなんでしょうが
愉快な子どもたちがいることで、テンポよく話が進んでいきます。
真剣にしてたかと思ったら子どものお守りをし始めたりと、ハンサムな田所さんもかわいい宮本さんもすこし間抜けに見えてしまうので不思議なものです。

しかしながら、子連れものの真髄はそんな親を見て育った子の恋愛が見所な訳です。
なのでわたし的には「オオカミの血族」が大大本命。
続きが出ることを想定しながらこの作品を書いていたのかどうかは分かりませんが、続きのあっての「子連れオオカミ」だと思っています。

表題作以外の
ララルー、チムチムチェリー、201も井上佐藤節前回でコミカルでセクシーなお話です。

BL界にいつも新しい風を吹かせてくれる井上佐藤さんをこれからも応援します!

やさしい欲情と純情

大好きなBL漫画の中の一冊。
テンポの良い会話から生まれて見え隠れする人間らしい心情の動き、
志村貴子先さんさすが!としか言いようがありません。

セリフが、この二人はどこかに本当はいるんじゃないかな?と思ってしまうほどリアルでグサグサときます。
不器用で遠回りな言葉だけれど、必ずそこに愛があるんですよねぇ…
精神だけじゃなくて、体もまだまだ子供と大人の中間な訳で。
心と体のアンバランスさにまた、少年っていいなぁと思ってしまいます。

とにかく公崇くんと夏央くんがかわいい。
泣いたり怒ったりの表情も可愛いですが
何かを思う何とも言えない表情なんかが、志村さんのふんわりしたやわらかい絵柄の印象とのギャップになっています。
この方の漫画はBL作品以外でも好きですが、「起きて最初にすることは」は短いながらも何度も読み返して何度もキュンとしてしまうような、そんな一冊です。