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 本日のゲスト:朝丘戻先生

2012/12/19 16:11

小説『カラスとの過ごし方』12月19日発売
12月19日に小説『カラスとの過ごし方』(二見書房)をリリースの朝丘戻先生。二見書房「シャレード文庫」からは、2010年の小説『青に沈む庭』以来2冊目です。それでは「801 AUTHORS 108」22回目のゲスト、朝丘戻先生どうぞ!

Q1. 新刊の紹介をお願いします!
もともとサイト連載していた作品で、連載中の2006年に雑誌『コバルト』で一章のみ掲載していただいた作品です。
その後全話書き上げたあと文庫化するために、恐らく5社ぐらいに声をかけたと思うのですが断られ続けていました。
しかたなく再びサイトにて全話公開していましたが、諦めきれずにいたら今年シャレードさんが拾ってくださった、という作品です。

内容はサイトでも公開していた『カラスとの過ごし方』と書きおろしの『ヒカル』、そしておまけ掌編の三編です。
『カラスとの過ごし方』を前編、『ヒカル』を後編、掌編、として読んでいだけたら嬉しいです。

『ヒカル』はいまのわたしにだから書けた作品だと思うし、書いてみたら欠かせない作品になりました。
だから“断られ続けていたのもこのためだったのかな、よかったな”と思っています。

Q2. 主要キャラは、どんな子たちですか?
槇野和隆という人物を中心に、彼と出会う加藤幸一、松山久美(ひさみ)、如月光久という人物が登場します。
槇野と幸一は高校時代の先輩後輩。久美は幸一の恋人。こちらは『カラス』のメイン人物たち。
光久は槇野と同い年で、槇野が好きになった絵の所有者です。こちらは『ヒカル』で登場します。

ちなみにタイトルにもある「カラス」というのは幸一が槇野につけたあだ名です。

それぞれに憶病なのですが、痛みを経験して憶病になった人間と、未経験だからこそ憶病である人間は、芯の部分が違うと思うんです。持っている強さも。
そのなかで“なにが幸福なのか、不幸なのか”ということについて、彼らとともに思い馳せていただけたらと思って描きました。

Q3. 今作のこだわりポイントは?
パートナーであること、です。
セックスのときどっちが上か下かじゃなくて“この人にはこの人が必要である、前でもうしろでもなく横にいる”ということ。
一緒にいようと離れていようと、友人だろうと恋人だろうと、確かな絆で結ばれて、同じ位置で必要なものとして存在している、という関係性に拘りました。

あとは挿絵です。
わたしは毎回物語に合うイラストレーターさんを指名させていただいていて、いままでお願いしてきた方々も大好きですし、個人的に好きなイラストレーターさんもたくさんいますが、今作の登場人物たちは麻生ミツ晃先生の絵でしか想像できませんでした。
想像どおりなので、生きているな、という実感がとても強く湧きます。お願いできて本当に嬉しかったです。

Q4. 近況、今作にまつわる先生の日常エピソードなど教えてください!
家の真横にある自販機に、夜中よく飲み物を買いに行ったりするんですけど、この冬の新作が『青森りんご紅茶』だったので、「アップルティーか……」と思ったり、執筆していた頃ちょうど『エヴァ』の映画が公開される前で、深夜テレビ版の再放送がやっていてエンディングで「『Fly Me to the Moon』か……」と思ったりしていました。
あとコンビニにごはんを買いに行ったときシーチキンのおにぎりしかなくて、「買えってことか……」とも。

どれも作中で使用したものです。
小説を書いているとたまにこういう偶然があって、面白いなと思います。

Q5. 発売前の今のお気持ちはいかがでしょう?
ずっと書きたかった『カラス』を書ききったことで、すこしぼうっとしています。
初心にかえって自分の好みや目指すものも鮮明になったせいです。
ここ数年で書きたかったことは書いたので、今後また軌道修正していきたいとも考えています。

あと、断られ続けていた作品ということで「売れることは期待されていないだろう」と、かなり気張らずに書けたのも楽しかった要因だったのですが、とはいえ、シャレードさんと、読んでくださる読者さまにきちんと恩返しできたらと願っています。
まだ未熟なので今回もたくさん学ぶことがありましたが、伝えたいことを文章にするために努力した思いだけは届くように祈っています。

……反面、「シャレードさんはここまで無茶させてくれるんだな」とこっそりにやけている部分もあります。
またカバーと口絵で相手の男が違うような、愉快な作品を書かせてください。笑
恋愛の複雑怪奇なところに、もっと突っこんでいきたいです。

Q6. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
この作品は読者さまのこれまでの経験によって、どの人物に同情したり感情移入したりしていただけるか全然違うと思います。
また、ボーイズという作品を感情移入して読むのか、まるきり客観視して読むのかによっても、意見は違うだろうと考えています。
どちらにしても、一瞬立ちどまって一緒に“恋愛って……”と考えていただけるようなお話になれば、この上ない幸せです。
なにかしらの光が届けられますように。

インタビューまで読んでくださったみなさま、ちるちるのスタッフの方々に、心からお礼申しあげます。
ありがとうございました。

担当編集:シャレード編集部 Sさんより
縁あって読ませていただいた『カラス』の草稿。初読みでムラムラきて、今に至ります(笑)。
たしかに『カラス』は、一つのカップルに焦点を当ててじっくり読ませる一般的なBLとは趣が違います。
カップルが何組か出てくるお話とも違う。
でも読んだ人の数だけ、読んだ角度によって、違った感想が飛び出してくるプリズムのようなお話だと思っています。
なので、皆さんの感想をうかがうのが今からとても楽しみです。同士がいますように…!(個人的な願いw)

(c)朝丘戻/麻生ミツ晃/二見書房

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コメント2

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朝丘先生のファンタジーってはじめてじゃないでしょうか、楽しみです~♪
ところで『ドラマ』のつづきは出ないのかな?
とても期待してずーっと待っていたんですけど、どうなんでしょう??

あちこち関連記事みてたら書くところ間違えました、ごめんなさい!

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