七生先生＆夏野夕方先生インタビュー

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七生先生＆夏野夕方先生インタビュー訳アリワンコなDK×お人好しな振り回され男子！因縁うずまくサスペンスBL…！初コミックス『今日、不良を拾う 1』

2022/03/27 17:00

加害者×被害者…秘密を抱えながら近づく2人の物語

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3026回
七生／夏野夕方／KADOKAWA／ジーンピクシブシリーズ
コミックスまたは小説『今日、不良を拾う 1』3月26日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
平凡な大学生・紬のアパートの前に現れたのは見るからに不良の家出少年。紅と名乗る少年に思いもかけず懐かれた紬だったが、彼がかつて自分の父親を死においやった同級生の弟という事実が判明し…!?

――作品紹介をお願いします
夏野夕方平凡な大学生と見た目が麗しい家出少年の話です。大学生の紬はとにかく平穏に過ごしたいのに、何かとトラブルを持ってくる紅が紬を振り回していく、という話です。だけど2人とも、大きな秘密を持って生きているというのが、この話の中心です。
しかし、この物語を作成するにあたり、なぜかサスペンスにしてやろうという気持ちが生まれ、こんな複雑な話になりました。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
●攻椿井紅(つばいこう)
紬の家の前にいた不良少年。高校生。オシャレが好きだがチョイスがダサくなることも。兄を慕っている様子だが……。

七生かわいく従順に見えてマイペースで動く子です。わんこ攻め……？

●受春田紬(はるたつむぎ)
大学生。家事ができる。ルールを乱す人間に嫌悪感を抱く。家族想いだが、周囲とは一定の距離を置いている。高校生の時に父親を亡くし、苦労を重ね大学に進学。
アパートの前にいた少年・紅を家に招き交流するようになるが、彼が父親が死んだ原因である人物の弟と判明し、見方を変える。

七生言葉は厳しいものが多いですが、突き放すようでいてそうでない……しっかり者だけどお人よしさが迸っています。優しい人です。

夏野夕方純粋で従順なわんこ系不良少年(椿井紅)攻め×とにかく平穏主義な優しいお兄さん(春田紬)受けです。
実は攻めと受けについては、未だに自分の中では定まっていないです。担当さんは、紅が攻めだと言ってくださったので、紬のことをガンガン攻めていこうと頑張って話を考え中です。一応どっちでも楽しめるように要素は、組み込まれている……はず！

――当て馬や重要な脇役は？
(1)椿井碧(つばいみどり)
紅の兄。紬と高校の同級生で、過失の事故で紬の父により轢かれ入院する。
(2)大島佐倉(おおしまさくら)
紬のアパートの隣人。演劇サークルをやっており騒がしかったが、彼のひたむきな姿勢は紬に好印象を与えた。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
七生キャラクターを丁寧に描こうと心がけています……。
紅が「美少年」と作中ではっきりしているので、美形!! と念じながら描いています。紬は華やかな顔立ちにならないように気を付けています。すっきりきれい系イメージです。
大島はかわいい系だったのですが、途中読ませていただいた夏野先生の新作で印象が強化されて骨太感が増しました。

夏野夕方ストーリーの終わりは絶対に、紬を幸せにするということだけは決めていました。
今作はどこか踏み間違えると、もう二度と会えないバッドエンドも考えられるような作りになっていて、ストーリーにはかなり気を使っています。
キャラクターのふたりには相談できないので、ひたすら自分との打ち合わせです。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
七生軟骨ピアスに憧れがありますので、紅くんのピアスは描いていて楽しいです。
服装はファッション雑誌を見てキャラごとに方向性を決めたりしてはしているのですが、もうちょっと頑張りたいです……難しい、服……。

夏野夕方
●苦労した点：話の書き方
何度読み直しても、文章がおかしいので、伝えたいことが伝わらないんじゃないかと絶望しました。
●楽しかった点：キャラクターの対話を書いている時
そんなこと考えてたのか！って書きながら思います。

――今作にまつわる裏話はありますか？
七生碧のキャラデザイン時に、「ごつすぎる！」「いや、これくらいの体格はあってほしい……！」と担当さんとてんやわんやしました(笑)。

夏野夕方紬には元カノがふたりいます。でも元カノを出したら、紅が嫉妬に狂って何かしでかしそうで怖いので、出すか迷っています……。
そして紅は、どこでも寝られる設定です。紬の部屋の前にいた時も、寝ていました。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
七生担当さんが「昨日ミッドサマーを観たんですよ～」とお話してくれた時、ちょうど私も『ミッドサマー』のサウンドトラックを購入しており、フフ……となりました。コミックス作業時のBGMは『ミッドサマー』です。

(担当より：私はイヤリングとまちがってピアスを買ったことですね……紅君に想いを馳せながら穴を開ける予定です)

夏野夕方 ↑買えたことがすごいですね。尊敬します。
話が書けなくて、途中で放り出して別の話を書いていたことですね。よくあります。一ヶ月くらい寝かせておくと書けるんですよね。不思議です。

――今、何かハマっていることは？　
七生ごまが限界まで入ったクッキーを焼くことにハマっています。それはもうごま食べたら？というくらい入れています。

夏野夕方好きなドラマのサントラを聴きまくっていることです。聴いているといい話が書けそうって思うんです(思うだけ)。

――BL作家になったきっかけを聞かせてください
七生 BL描いてみます？というお話は以前いただいていたのですが、フワ～と流してしまっていて……。
個人的に、くっつくのか……？くっつかないのか……？という瞬間のきらめきが大好きなので、『今日、不良を拾う』は、コミカライズのお話をいただいて原作を読み、2人の距離感や、この空気感を漫画で描きたいな～!! と思い、BLがんばります!! になりました。

夏野夕方友人にBL書いてって言われたから、書きました。でも好きな設定とか、好きなカップリングとか聞いていなかったし、思っていたより重い話になったので、報告はできませんでした。でも、受賞したことは報告しました。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
七生嬉しいですが不安です。ちゃんと表現できているだろうか……でもコミックスうれしい～～という気持ちです！カバーの紙がすべすべです！(セールストーク)
発売当日は本屋さんにコミックスを探しに行く予定です。

夏野夕方緊張とワクワクで胸がいっぱいです。ネタはいっぱいあるので、長く書かせてほしい～って気持ちです。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
七生『今日、不良を拾う』1巻が3月26日に発売です。ビターなボーイズライフです。一足飛びにハッピーにはならないふたりですが、ちょっとずつの歩みを見ていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願い致します。

夏野夕方はじめまして、夏野夕方です。物語は、今もずっと修正され続けています。公開された時より、もっといい作品になると思うので、見届けて頂けたら幸いです。

担当編集：株式会社KADOKAWA 担当編集Ｙより
ジーン編集部が数年前よりじわじわと世に送り出している「ゆるキュンBL(ボーイズライフ)シリーズ」新作です！
今作は「ゆるキュンBLビター」と名づけていいような、ちょっと痛みを感じさせる雰囲気を纏っています。(しかしハッピーエンドです……!!! 不安で読むのをやめる方がいたらもったいないので、強くお伝えしておきます……！)

通して読めば読むほど、紅くんの押せ押せな強さと可愛さ、紬さんの優しさがじんわりと伝わってくる(そして色気も伝わってくる……)、とっても素敵な作品だと思います。

今作は、2021年に第2回ゆるキュンBLマンガ原作コンテストを開催し、審査員満場一致の大賞を受賞作を「あかやあかしやあやかしの」の七生先生によりコミック化いたしました。

アパートの前で拾ったピアスバチバチの不良男子高校生、その彼と主人公には因縁があって……？とサスペンスとミステリー要素が含まれた内容に魅了されました(そしてこれは「ワンコ系年下攻めと女王受けだ！」と担当編集は勝手に盛り上がっていました)。

加害者と被害者の間に生まれる傷と、つながり――癖になるサスペンス風味BL(ボーイズライフ)をお楽しみください♪